TidBITS#1063 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2011年 2月 19日 (土) 01:18:54 UTC


TidBITS#1063/14-Feb-2011
========================
     英語版: <http://db.tidbits.com/issue/1063>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1063.html>


   今週も Macworld 2011 報告が続くが、今回はさまざまの録画ビデオで私たち
   がショウの会場で公共の出演をしているところを撮影したものや、MacVoices
   ポッドキャストで私たちが Macworld Expo のどこが良かったか、どこに改善
   の余地があったかを語り合っているものを紹介しよう。Glenn Fleishman はこ
   このところずっと思案中で、HP 社が同社の次期スマートフォンとタブレット
   機がその出荷時点ではもはや的外れのものとなるという意味の発表をしたのは
   いったいなぜかと考え込む。現実世界に戻ると、Michael Cohen が Apple の
   Magic Mouse 用の充電器 Mobee Magic Charger をレビューし、Jeff Porten
   が自分の iPhone が補聴器の代用品として使えるようになる iOS アプリを見
   つける。最後に、Joe Kissell の重要な電子ブック(少なくとも iPad を実際
   の仕事に活用したい人には重要な)"Take Control of Working with Your iPad"
   の第2版が出たことをお知らせする。今週注目すべきソフトウェアリリースは、
   Flash Player 10.2、BusyCal 1.5.1、TweetDeck 0.37.3 だ。

記事:
     TidBITS 編集者たちが Macworld 2011 でビデオに登場
     "Take Control of Working with Your iPad" で遊びを超えた使い方を
     Mobee Magic Charger が充電池を消し去る
     iOS 補聴器... 或いは、スーパーマンの耳の買い方
     HP、市場の尻尾を追いかける
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 2 月 14 日
     ExtraBITS、2011 年 2 月 14 日


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TidBITS 編集者たちが Macworld 2011 でビデオに登場
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     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11935>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   私たち TidBITS スタッフは、自分の考えを述べるのが好きだ。ことに人から
   意見を求められればなおさらだ。Macworld 2011 では、ショウのフロアの
   Macworld Live ステージに私たちの多くが登壇した。このステージは観衆の誰
   でも気の向くままに立ち寄って、さまざまに幅広い話題の議論が聞ける場所だ。
   Macworld は Ustream を使ってこのステージのライブのストリーム配信もして
   いたし、さらには Macworld 2011 に参加できなかった人たちのためにビデオ
   キャプチャもしていた。だから、もしあなたがサンフランシスコに行けなかっ
   たのならば、テレビは消して、Mac の電源を入れて、ショウの会場で私たちが
   ビデオに登場しているところを観て頂きたい。

<http://www.macworldexpo.com/>
<http://www.ustream.tv/>


**Mac の未来は** -- Adam Engst が Macworld 編集者の Dan Moren と Daring
   Fireball の John Gruber とともに、Macworld 論説委員の Jason Snell から
   インタビューを受けて、Mac の将来について語り合った。私たちは数年後にこ
   のビデオをもう一度観て、予言がどの程度正しかった確かめてみるつもりだ。
   (警告:Gruber のTシャツは、見て不快に思う人がいるかもしれない。)

<http://www.macworld.com/article/157507/2011/01/mwpodcast228.html>
<http://daringfireball.net/>
<http://www.youtube.com/watch?v=GPoWYvyckNg>


**Macworld 物知り対決** -- Glenn Fleishman と Lex Friedman が、Macworld
   編集者の Dan Moren と Rogue Amoeba 社代表の Paul Kafasis とともに、
   Macworld Pundit Showdown IX に出場した。テンポの良いこのゲーム番組で、
   ゲストたちは Macworld クイズマスターの Phil Michaels の出す問題に対し
   て気の利いた、時には思慮に富んだ、回答を求められる。対決の結果は Phil
   が独断で採点する。(ネタバレになるが、序盤は Glenn がリードしていたけ
   れど、最後は Paul が逆転で勝った。)

<http://www.macworld.com/article/157504/2011/01/mwpodcast227.html>
<http://www.rogueamoeba.com/>
<http://www.youtube.com/watch?v=SA-zQ_UD1jk>


**Holmes 兄弟ライブ** -- これはスケジュールに載っていた行事のうちで最も
   奇妙なものだったかもしれないが、その昔のあの有名な Macworld Expo 後の
   Holmes 兄弟の晩餐会を再現しようというものだ。それは Joe Holmes (当時
   MacAddict その他でライターをしていたが、現在はプロの写真家だ) の自宅で、
   彼の兄弟 Tim (当時 Apple で Mac OS X 伝道者として働いていたが、現在は
   喫茶店の経営者だ) と Chris (当時 Dantz Development 社で働いていた) を
   招いて開かれていた。けれどもその当時ディナーの席についていた面々には
   Adam Engst、かの比類なき Andy Ihnatko、ニューヨーク市コンサルタントの
   Ivan Drucker (以前 Apple エンジニアであった) も含まれていた。Macworld
   の Chris Breen (彼もまたこのディナークラブのメンバーであった) によって
   巧みに仕切られた今回のイベントは、少しの間当時そのままの雰囲気で始まっ
   たが、そのうちに話題はこの恒例のディナーが終わった 2003 年以後何が変わっ
   たか (そう、Holmes 兄弟も皆 Mac 業界から離れてしまった) 最近はどんな具
   合か、という話に移行して行った。

<http://streetnine.com/>
<http://www.zocalocoffeehouse.com/>
<http://ihnatko.com/>
<http://www.ivanexpert.com/>
<http://www.youtube.com/watch?v=_0gmUMdXDaA>


**Glenn Fleishman と John Welch が TUAW で議論** -- Glenn は、Twitter 仲
   間である The Unofficial Apple Weblog (TUAW) の Michael T. Rose にも声
   をかけられた、彼らは、IT 導師の John C. Welch とともにこの「フロアから
   ライブ録音」ビデオキャストで、ワイヤレスについて、今回のショウで見られ
   た情報テクノロジーについて、またこのショウの現状について語り合った。

<http://www.tuaw.com/2011/01/31/macworld-2011-video-john-welch-and-glenn-fleishman/>
<http://www.tuaw.com/>
<http://www.bynkii.com/>


**インターネット時代の子育て** -- オーディオ版もビデオ版も出されているが、
   TidBITS の友人 Chuck Joiner (MacVoices の創設者) が司会する "Parenting
   in the Age of the Internet" (インターネット時代の子育て) パネルディス
   カッションに Tonya Engst が参加した。他にもハイテク業界の面々、iGame
   Radio の Omaha Sternberg、Macworld の Chris Breen、TUAW の Michael T.
   Rose、The Mac Observer の Chuck La Tournous といった人たちが親としての
   立場から参加した。(同じビデオを YouTube で観ることもできる。)

<http://www.macvoices.com/wordpress/macvoices-1117-macworld-2011-parenting-in-the-age-of-the-internet/>
<http://macvoices.tv/macvoicestv-1108-macworld-2011-parenting-in-the-age-of-the-internet/>
<http://www.macvoices.com/>
<http://www.igameradio.com/>
<http://www.macobserver.com/>
<http://www.youtube.com/watch?v=hw3G397hDsM>


**MacVoices ポッドキャストで Macworld 2011 の締めくくり** -- 最後に、こ
   のイベントは Macworld 2011 の期間中のものではなかったし、オーディオ版
   しか出されていないが、Macworld に出席した TidBITS スタッフ全員が先週、
   MacVoices ホストの Chuck Joiner のところに顔を揃えて、今回のショウにつ
   いて議論した。私たちにとって Macworld 2011 が成功であったという点は全
   員が賛成したけれど、今後改善すべき点についての意見はいろいろ出された。
   特に、Apple 製品を使う顧客層が、核心となる Mac 愛好家たちの層から変化
   してきているという点が大きい。

<http://www.macvoices.com/wordpress/macvoices-1133-the-tidbits-crew-analyses-macworld-2011/>


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11935#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11935>


"Take Control of Working with Your iPad" で遊びを超えた使い方を
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     文: Michael E. Cohen <lymond @ mac.com>
     原文記事: http://db.tidbits.com/article/11962<>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   上着を着てネクタイを締めているわけではないかもしれないが、だからと言っ
   て iPad がオフィスの場にふさわしくないとは言えない。Joe Kissell の電子
   ブック "Take Control of Working with Your iPad" の第2版は、iPad を持っ
   て仕事をしている人たちが、最高の生産性アプリとその使い方のテクニックを
   見出して使いこなす助けとなる。

   この新版には、iOS 4 が iPad にもたらした変更点の解説はもちろん、第1版
   が出版された後に世に出た新しいアプリや改訂されたアプリについての情報も
   多数含まれている。何ヵ月間も現実の用途に iPad を使った経験をもとに改良
   し磨きをかけたアドバイスを提供しつつ、Joe は仕事で iPad を使いこなせる
   さまざまの可能性を探究する。

   今回の新版を手にすれば、以下のようなことが学べる:

* 正しくタイプする: スクリーン上のキーボードを使い、最大限の速度で文字
   がタイプできるようにする。また、iPad Keyboard Dock や Bluetooth キーボー
   ドを使うベストな方法も学ぶ。

* 選択、カット、コピー、ペースト: これらのコマンドは普通のコンピュータ
   を使う際にはごく自然にできるかもしれないが、タッチスクリーン上ではまた
   話が別だ。Joe は、タッチスクリーンでの編集コマンドを効率的かつなめらか
   に使いこなすにはどうすればよいか説明する。

* アプリ間や機器間でファイルの転送: この電子ブックを読めば、iPad と書類
   をやり取りする方法が iTunes を使うものだけでないことが分かる。アプリ同
   士で、あるいはクラウドやサーバベースのシステムとの間で、書類をやり取り
   できるアプリはたくさんあり、それらについての注意深い検討がされる。例を
   挙げれば Air Sharing HD、Documents To Go、Dropbox、GoDocs、GoodReader、
   MobileMe iDisk、Memeo Connect、Office2 HD、PrintCentral、Quickoffice
   Connect Mobile Suite、ReaddleDocs、SugarSync などだ。また、iPad がファ
   イルを扱う方法の内側にも踏み込んだ上で、その知識を活用するにはどうすれ
   ばよいか説明する。

* コンタクト情報やカレンダーの管理: コンタクトリストやカレンダーなしに
   仕事を続けていける人は少ないだろう。Joe は、iPad に付属の2つのアプリ
   Contacts と Calendar を使いこなす重要なテクニックを教える。

* 電子メールの受信と送信: 今の時代に働く人は、やはり電子メールがなくて
   も仕事を続けていけない。Joe は、電子メールアカウントを設定し、電子メー
   ルを読んだり返信したりし、それぞれの仕事場での必要に応じて Mail の設定
   を調整する方法を説明する。

* ミーティングや講義の場で効率的にノートを取る: ピカピカの新しい iPad
   をミーティングに持って行けば目立たずにはいられないが、ヘーとかホーとか
   いう感嘆の声が収まった後は、全員が仕事に集中できるようにすべきだ。この
   電子ブックは Apple の Notes アプリを使いこなすために役に立つ助言を提供
   するとともに、文字をタイプまたは手書きしてメモを取ったり、オーディオを
   録音したり、さらには音声認識を使ったりする、素晴らしいサードパーティの
   アプリのいろいろについてもヒントを提供する。

* Pages、Numbers、Keynote、その他で書類を作成: Joe は、Apple のモバイル
   iWork スイートに属する各アプリの生産性機能を一通り紹介し、さらに Apple
   が見過ごした機能を提供できるたくさんのサードパーティの選択肢についても
   調べる。また、iPad と「クラウド」とデスクトップコンピュータ、それら相
   互間でするアプリケーション同士のコミュニケーションについて特に重点的に
   調査する。

* 書類を印刷: 印刷はプリンタだけにするとは限らない。Joe は、Dropbox フォ
   ルダの中へ、PDF フォーマットへ、その他の方法で「印刷」できる方法につい
   ても解説する。Apple 内蔵の AirPrint 機能を使う方法もあるし、サードパー
   ティのアプリを使う方法もある。

   インスタントメッセージングやウェブのブラウズから、位置情報の地図表示や
   ノート取りまで、Joe は iPad のさまざまの機能を、最大限の生産性をもって
   仕事を仕上げたいというテーマの下に考察する。この電子ブックは最後に、仕
   事場でさらに発展した作業を実行するためのアプリ、例えば製図や描画、マル
   チトラックのオーディオでの作業、アウトライニングやブレインストーミング、
   データベースの利用、などに使えるアプリも紹介している。

   この "Take Control of Working with Your iPad, Second Edition" があれば、
   あなたの iPad が、実は素晴らしいビジネスツールであることが分かるだろう。
   (お好みならば上着とネクタイを着けさせてもよい。)


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11962#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11962>


Mobee Magic Charger が充電池を消し去る
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   文: Michael E. Cohen <lymond @ mac.com>
   原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11960>
   訳: 柳下 知昭 <tyagishi @ gmail.com>

   TidBITS 指令本部の上層部へ Mobee テクノロジーから新しいMobee Magic
   Charger のレビューについてのお誘いがあり、私が任命された:私は最近アッ
   プルの Bettery Charger をレビューした(2010 年 10 月 13 日の記事"Apple
   Battery Charger とニッケル水素充電池の秘密"を参照のこと)、その結果とし
   てスタッフの中では、充電池に関してのエキスパートということになっている
   のだ。それに、きっと私ならこの話題にビリビリ来るだろうとでも思ったのだ
   ろう。(いやいや諸君、ただのしゃれだよ。どうか鍬と槍をひっこめてくれた
   まえ!)

<http://www.mobeetechnology.com/>
<http://db.tidbits.com/article/11666>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1053.html#lnk7>
   "Apple Battery Charger とニッケル水素充電池の秘密"

   数日後、私が受け取ったパッケージは、魅力的な黒い箱につつまれていて、
   バッテリーパックと充電ベースステーション、ミニ USB ケーブルが4 つの図
   と 5 つの単語で構成された説明書と共に入っていた。説明書は批判するには
   あたらない。Mobee Magic Charger をセットアップし使用し始めるのにそれ以
   上の説明は不要だったのだ。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/mobee_pic_small.jpg>


**これは何か** -- Mobee Magic Charger は、アップルの Magic Mouse の
   バッテリを置き換えるためのものであり、充電しなおした充電池を定期的に入
   れ替えることを不要にできる。その代りに、正しく設定を行ない、充電ベース
   ステーションの上にマウスを定期的に一定時間置いておくことでMagic
   Charger は、Magic Mouse を充電された状態にキープしてくれる。その方法
   は、非接触充電のマジックであり、その技法は、Michael Faraday の電磁石コ
   イルの初期実験にまで戻ることになる。

<http://en.wikipedia.org/wiki/Inductive_charging>
<http://en.wikipedia.org/wiki/Transformer>
   (日本語)<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%89%E5%9C%A7%E5%99%A8>
   "変圧器 - Wikipedia"

   (日本語)<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%89%E5%9C%A7%E5%99%A8>
   "変圧器 - Wikipedia"


   最初の部品であるバッテリーパックは、Magic Mouse の 2 つのバッテリー
   を、それらを定位置に固定しているカバープレートとともに、丸ごと置き換え
   る。(注記:例えば、旅の途中で通常の電池を使用するためにオリジナルのカ
   バーに戻すことができるように、オリジナルのカバーをどこか安全な場所に
   とっておきたくなるだろう。)2 つめの部品である充電ベースステーション
   は、アルミニウムの白いパッドであり、かろうじて Magic Mouse 自体よりも
   大きく、Magic Mouse のデザインと調和するようになっている。ベースステー
   ション自体は、電源供給された Mac の USB ポートもしくは、外部の電源供給
   された USB ポートへ、3 つめの部品であるケーブルによって接続する。3 つ
   めの部品は、ベースステーションへ接続するためのミニ USB 端子が片側に付
   き、反対側の端には通常の USB ケーブルがある白い USB ケーブルである。

   ベースステーションが適切な給電された USB ポートに接続されているとき、
   ベースステーションの正面にある ステータスライト は、赤く点灯する。バッ
   テリーパックをセットした Magic Mouse をベースステーションの上に置いた
   時には、そのライトは、緑に点滅する。Magic Mouse のバッテリーが、満充電
   された時には、ライトは、緑に点灯する。何か問題がある時には、ライトは赤
   く点滅すると説明書には書かれている。Mobee Magic Charger を使い始めて数
   週間の間には、赤く点滅するライトを見ることは無かった。

   (おそらく"不適切な" USB ポートとは何か"と疑問に思っているだろう。それ
   は、USB-2 仕様で規定された 500mA の電力を供給 _しない_ USB ポートのこ
   とだ:例えば、アップルのワイヤレスでないキーボードのポートは、ローパ
   ワーUSB ポートであり必要な電力を供給しない。他方で、電源供給されている
   外部 USB ハブやMac Pro や Mac mini のポートと同様に、MacBook の USB
   ポートやiMac の背面 USB ポートは、適切である:私は、充電器をiMac の背
   面 USB ポートと外部の電源供給されているハブの両方で使用したがパフォー
   マンスでの違いは見られなかった。)


**テストしてみる** -- Magic Charger を受け取った夕方、箱を開け、ベース
   ステーションを接続し、バッテリーパックをそのまま置いてみたので、夜通し
   充電できたはずだ。夕方には、ステータスライトは、緑に点滅していたが、翌
   朝には緑に点灯していた。(後でわかったのだが、バッテリーパックに使用さ
   れている充電池は、ニッケル水素充電池 (NiMH) ではあるが、自己放電が低い
   種類のものではないため、到着した時にはバッテリーおおよそ放電してしまっ
   ていても驚くにはあたらない。)

   翌朝、Magic Mouse から電池を取り外して、Magic Charger のバッテリーパッ
   クと入れ替えた。ぴったりだったし、取り付けるのも難しくなかった。Magic
   Mouse の操作感も以前と変わりなかった:バッテリーパックと電池の重量に差
   があったとしても、目立つものではない。

   充電済みのバッテリーパックをセットして、Magic Mouse が 1 回の充電でど
   れくらい使用できるかを確認ようとして、ベースステーションを脇にどけた。
   Magic Charger の仕様によると、バッテリパックは、"自律"して、6 日間は、
   使用できるとなっている。社の代表者から聞いたのだが、"自律"とは、Magic
   Mouse を普通に使用して、完全に放電するまで、6 日間使用できることであ
   る。ちなみに、アルカリ電池と比べると、それは、非常に少ない(私の経験で
   は、6-10 週間使用できた)。そして、アップルの充電池(およそ 3.5 週間も
   つ)よりも少ない。

   このテストで、6 日間という見積りは、ほんの少し控え目であることがわかっ
   た:iMac の画面に脅かすような電力低下の警告が表示されるまでに適度に多
   用して、フルに 7 日間使用することができた。ちなみに、バッテリパックの
   放電曲線は、典型的なニッケル水素充電池のものだった:最初に急な低下があ
   り、ゆっくりとした低下が続き、最後に急激に低下する。テスト 7 日目の
   朝、バッテリパックは、43% の容量があったが、夕方までに残量 18% という
   危険領域まで低下していた。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/Mobee_discharge_graph.png>

   次のテストは、さらに 1 週間 Magic Charger を普通に使用することだった。
   つまり、毎日の終りに Magic Mouse を充電ステーションの上に置いて、iMac
   をスリープさせた。1 週間の間、iMac は、Magic Mouse の充電量が62% 未満
   であるという表示をすることはなかった。


**電力消費とライフサイクル** -- Magic Charger は、500mA を供給するよう
   な電力供給された USB ポートを必要とし、実際の充電中にはその半分以上で
   ある 270mA しか消費しない。ほとんどの時間がスタンバイ時であるが、スタ
   ンバイ時には、電力消費は、15mA となる。満充電のサイクル、完全な空から
   満充電まで(典型的な NiMH 充電池は、満充電でも iMac 上では 80% と表示さ
   れる)、おおよそ 6 時間かかる。

   バッテリパック自身は、1 サイクルを満充電から完全に放電するまでとして、
   500 回のサイクルが寿命とされている。一部充電済みのバッテリーを充電する
   ことは 1 サイクルとまではいかない。テストによって、バッテリーパックの
   容量がおおよそ 6,7 日分の容量だと分ったので、500 サイクルは、9 年弱に
   相当する。ここ数年では、マウス自身をそこまで長く使用していないが、最も
   適切な基準として妥当だと思う。


**まとめ** -- もし Magic Mouse と 空いている電源供給された USB ポート
   とベースステーションを置いておける机上のわずかなスペースがあるならば、
   $49.90 の Magic Chager は、良い投資のように見える。

   以下は、私のおこなった簡単な計算である:普通のアルカリ電池がMagic
   Mouse 用に年におおよそ 10 本必要だったとして、電池は1 本 $0.75 が平均
   単価とする。(もちろん、もっと安く買えるかもしれないが、安かろう悪かろ
   うだろう)、Magic Charger の予想される寿命の間には、$66 を費やすことと
   なる。もちろん、どれくらいマウスを使うかは変化するだろうが、充電器の値
   段はお好みの電池の値段と比較することはできるし、電池を交換しなくて良い
   という便利さは、非常に魅力的である。

   それに加えて、不思議でしょう! そのことに値段はつけられないでしょう?


    ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11960#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11960>


iOS 補聴器... 或いは、スーパーマンの耳の買い方
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     文: Jeff Porten <jporten @ gmail.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11954>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   私はたまたま CES からのレポートで、私の聴力はありていに言えばダメなこ
   とに触れた: ("CES 2011: 未来から、さらなるニュースで疲労困憊" 12
   January 2011 参照)。私の知る限りで最善の説明を試みると、私は右耳を父親
   からそして左耳を母親から受け継いだ遺伝的突然変異体の一人で、父親譲りの
   狭い右外耳のお蔭で右耳が一時的に聞こえなくなってしまうことがある。通
   常、これは明るい光を受けるとくしゃみが出る問題以上に気になるものではな
   い。

<http://db.tidbits.com/article/11879>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1059.html#lnk6>
   "CES 2011: 未来から、さらなるニュースで疲労困憊"
<http://en.wikipedia.org/wiki/ACHOO_syndrome#Photic_Sneezing>
   (日本語 
)<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E3%81%8F%E3%81%97%E3%82%83%E3%81%BF%E5%8F%8D%E5%B0%84>
   "光くしゃみ反射 - Wikipedia"

   ただ、時にはこの難聴が本当に問題となることもある。例えを挙げると、デー
   トしていた女性の音域が完全に "聞こえないよ" の領域にあった昨年の場合で
   ある。他の例を挙げれば、物静かに話すヨーロッパ人と話をしていた時、彼の
   言っていることの 80% は聞き取れなかったこともある。

   私は CES 記事で引用した昔のガールフレンドに、君は半分蝙蝠だろうとい
   ちゃもんをつけたものである、なぜかと言えば彼女は私にはまったく聞こえな
   かったものが聞こえる能力を持っていたからである。でも結局のところはこう
   である:私には私の聴力が本当にだめなのかどうか分からない、理由は私には
   普通の人が聞こえるものがどんなものなのか分からないからである。確かに、
   私は無意識に唇を読む、私は字幕付きの映画の方が好きである、そして私は他
   の人にもう一度繰り返して欲しいとよくお願いするが、私には私が本当に問題
   を抱えているのか、或いは単に中年になっただけなのか分からない。

   私は雑音低減ヘッドフォンでポッドキャストを聞きながらこのことをよく考
   え、そして現実の世界とも同じ様にして接することが出来たらどんなに楽かと
   思ったものである。そして突然これがひらめいた:勿論出来るさ。私に必要な
   ものは iOS アプリで、私の iPhone イヤフォンからマイクの音声を拾ってそ
   れを実時間で再生してくれるものだけだと。

   10分後、私は Smudge Apps の Megaphone を App Store から $1.99 でダウン
   ロードしていた。Megaphone は元々、自分の iOS 機器を音声マイクとし、ア
   ンプかラジオ出力につないで使う人達を対象に販売されているものであるが、
   iPhone のフォンイヤに付いたマイクによって拾われた音を私の耳に伝達する
   役目にも十分に役立つ。彼らの Megaphone Free は同じことを無料でやってく
   れるが、ご想像の様に、広告とアップグレードを促す "コスト" と引き換えに
   である。

<http://itunes.apple.com/us/app/megaphone/id301027232?mt=8>
<http://itunes.apple.com/us/app/megaphone-free/id304955183?mt=8>

   これまでの所二つの結果が得られている:一つはほぼ素晴らしいに近いもの
   で、もう一つはちょっと不気味である。素晴らしい結果:この仕掛けは完璧に
   働く。私はイヤフォンの一つを右耳に嵌めそしてもう一つはブラブラさせたま
   まにしておく;これは私が何かに聞き入っていて話はしたくないのだという外
   観からくる印象を避けるためである。イヤフォンに付いているマイクは私に向
   かって発せられた会話は何でも拾うし、Megaphone は元の会話が私の右耳に届
   く前に増幅してくれる。私がこれを試し始めてから会話の中で話が聞こえない
   問題には一度も直面したことがない。

   唯一の不都合な点:Megaphone は iOS 4 のマルチタスキングを使っていない
   ので、私がこのアプリを離れると、私の補聴器も一緒に消えてしまう。
   (Megaphone Free では、巨大な Upgrade ボタンを間違ってタップしたりする
   と Safari に切り替わってしまい、その結果マイクも切られてしまう。) 理想
   的な代替案としては、iPod アプリと一緒にバックグラウンドで走らせられる
   アプリであろう、そうすれば、私は音楽を聴きながら私を取り巻く世界とも付
   き合うことが出来る。しかし、会話の中で必要になった時にオンデマンド補聴
   器として Megaphone を立ち上げるのはそれ程邪魔くさいと言うわけでもな
   い。私が次に試してみたいのは Bluetooth ヘッドセットで、これを身につけ
   れば、私もこれを一日中付けている何て格好良いのだろうという人達の一人に
   なれる。(しかし、私が線の付いたイヤフォンを使い続けるであろう主な理由
   は電池の問題で iPhone 自体以外のものまで心配しなくて済むであろうと思う
   からである。)

   次は不気味な話の番である。Megaphone を通常の iPhone のイヤフォンと一緒
   に使うとマイクは丁度あなたの顎の下に位置することになる;これだとあなた
   に向けられた音だけを聴くことになる。しかしこの iPhone イヤフォンを標準
   の iPod イヤフォンに入れ替えると、こちらにはマイクが付いていないので、
   今度は iPhone 及び第四世代の iPod touch に組み込まれた極めて感度の高い
   無指向性のマイクを使うことになる。

   私はこれを Starbucks の外に立っている時に初めて試してみたのだが、突然
   私には近くを歩いている人みんなの _足音_ が聞こえるようになった。6 メー
   トル離れた人の会話の断片も。サイレンも聞こえてきた、そして救急車が三ブ
   ロックも向こうを通り過ぎるのが見えてびっくりしてしまった。通りと周りの
   雑音も勿論増幅されるが、我々の脳は 25 万年もかけて大事な音の周波数を分
   離する方法を学んできたし、それに私は唇を読む能力を兼ね備えており、私は
   たちまち強力な盗聴者になってしまった。私の Starbucks に足を踏み入れ、
   私がイヤフォンをかけそして私の iPhone のスクリーンはオフにされているの
   を見た時には、あなたはきっと私には何も聞こえていないだろうと思われるで
   あろう。しかし、私は多分あなたが注文するのを店で注文を受ける人と同じ様
   に聞くことが出来るのである。

   勿論、私はあなたのすべての会話を部屋の向こうから聞き取れる訳ではない
   が、この表現を閉じるに当たって "現時点では" と言っておく必要があると思
   う。私の唇を読む経験をもう少し積めば、こんなことも出来るようになるので
   はないかと私には思える。もっと具体的に言えば、特定の音声に焦点を当てる
   ために実時間で音の波形を可変させてくれるような違うアプリがあれば、或い
   は目立たない指向性マイク (私のメガネに装着された、などと言うのはどうで
   あろうか?) があれば、こんなことはお茶の子さいさいであろう。

   と言うことで、この実験から私は二つの考えを得た:第一に、たったの二ドル
   で私は極めてよく働く補聴器を購入出来た。第二に、私が遭遇した殆ど _全て
   の人_ が、この様な目的に使える iPhone, iPod touch, Android 携帯、或い
   はこれらに似た機器を持っている;公共の場所で私的な会話をするのは非常に
   危ないという時代が遠からず来るかもしれない。或いは、もうすでにそうなっ
   ているのかも。


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HP、市場の尻尾を追いかける
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     文: Glenn Fleishman <glenn @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11961>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   テクノロジーというものは、リリースされたその瞬間に時代遅れとなる。ちょ
   うど、新品の自動車もあなたが運転し始めた瞬間に中古車と化すようなものだ。
   それは別に、何かもっと良いものが魔法のように出現するという意味ではない。
   そうではなくて、過去の改善について私たちが持つ知識が、未来のアップデー
   トに関して現在の私たちが抱く認識をすべて規定するからだ。

   どのようなテクノロジー製品が今日出荷されても、その後数ヵ月から一年ほど
   経てばより良い製品が登場するだろう、と私たちは皆思っている。それはその
   製品が Apple 製であっても他の会社の製品であっても同じことだ。もちろん
   時にはそうならないこともある。ソフトウェアあるいはハードウェアのアップ
   デートが非常に大きな失敗と見なされて、結局一歩後退となってしまうことも
   ある。けれども大抵は、スクリーンの解像度、ストレージの容量、バッテリの
   寿命など、いろいろな機能のベンチマークは良くなって行くものだ。

   出荷予定よりも遥か以前に製品の発表をすることは、このようなアップデート
   の心理と相容れない。Microsoft がテクノロジー業界の先頭犬であった時代、
   同社は他社の機先を制するための手段として予告発表を利用した。いったん
   Microsoft が縄張りのマーキングをしてしまえば、次に来た犬は、その場所を
   主張できるだけの実力が自分にあるか、それとも尻尾を巻いてコソコソ逃げ去
   るべきか、決断しなければならなかった。このような予告発表はいわゆる
   vaporware、つまり出来上がっておらず出荷されるかどうかすらわからないよ
   うなもののこともあるが、その場合にもやはり同じ効果がもたらされる。

   Microsoft やその他の支配的なテクノロジー会社は、古典的な FUD (fear,
   uncertainty, and doubt - 懸念、不確実、疑念) のテクニックも利用して、
   競合相手の製品の潜在的購買者に対し、競合会社がその製品を完成させられる
   かどうか、会社を存続させられるのかどうか、という不安の種を播いていた。
   市場独占に加えてこうした vaporware や FUD を用いることで、これらの会社
   は実際に製品を届けることなしにいろいろな発表をすることができ、晩餐会の
   最上のテーブルが自分たちのために予約されていて、たとえ自分たちがディナー
   に顔を見せなくても誰もそのテーブルの料理には手を付けないと確信している
   ことができた。

   けれども最近数年間で、情報の速度というものが大きく変わった。今では、
   vaporware を予告発表する会社があれば、それは発表する側の弱点をさらけ出
   したものと一般に見られるようになった。FUD もまた逆効果となることが多い。
   FUD を発した者が予言した結果が世には現われないことが目に見えるからだ。
   自由に飛び回る各会社はそれぞれ勝手気ままにディナーを食し、旧時代の序列
   など完全に無視して、どの料理でも好きなように手を付けるようになった。

   例えば去年のアンテナゲート問題を見てみよう。Apple は iPhone 4 に深刻な
   弱点を抱えたと言われた。実際、GSM 版の iPhone 4 を手のひらの皮膚がアン
   テナ外周の片方の切り込みの部分をまたぐようにして握ると、電波の弱い地域
   では信号強度が落ちることがあった。これに対して正当な苦情も寄せられたが、
   競合する携帯電話メーカー各社からは多数の FUD が出された。けれども後で
   分かったことだが、それら各社の製品のマニュアルにも、特定の機種で信号強
   度を落とさないためにどのような持ち方をすればよいかという警告文が入って
   いたのだった。(2010 年 7 月 16 日の記事“Apple、iPhone 4 アンテナ問題
   に答える”参照。)

<http://db.tidbits.com/article/11434>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1036.html#lnk4>
   "Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える"

   その iPhone 4 は、FUD が最高潮に達していた期間に、1,400 万台以上を売り
   上げた。また、この問題は Apple によるエンジニアリングの変更を一切必要
   とせず、Apple が無料で配った数百万の iPhone ケースの助けを得て解消され
   た。問題の技術的説明は間違っていなかったが、その問題の結果に対する説明
   が間違っていた。しかも、その結果は早くから iPhone 4 を手にしていた人た
   ちや、製品をテストするウェブサイト、その他の人たちによって簡単に検証さ
   れたのだった。つまり、問題点は確かに存在していたが、結局その深刻度は
   Apple が主張していたのとあまり変わらない程度に些細なものに過ぎなかった。

   以上のような観点から見ると、先週 Hewlett-Packard 社が発表した内容は、
   私にとって不可解以外の何物でもない。HP は、同社の webOS 3.0 オペレーティ
   ングシステムと、Pre3 電話機、それに TouchPad タブレット機を、それらの
   出荷予定が何ヵ月も先であるにもかかわらず発表したのだ。(HP はこれと合
   わせて,既に出荷済みの Palm Pre 機種で使う webOS 2.1 ソフトウェアアッ
   プグレードと、一・二ヵ月後に出荷予定の超小型かつパワフルなハンドセット
   機 Veer についての発表もした。)

<http://www.macworld.com/article/157777/2011/02/hp_touchpad.html>

   HP は Pre3 にも TouchPad にもまだ価格を設定しておらず、入手可能となる
   時期についても「この夏」としか述べていない。これまで二十年にわたってテ
   クノロジー業界で文章を書いてきた私の経験に少しでも信用が置けるとすれば、
   この業界で「夏」と言うと、遅くて 2011 年 9 月 22 日か、あるいはさらに
   それより遅いかもしれない。(今回のスケジュールは、さらに二重の意味で遅
   れている。HP TouchPad タブレット機は Wi-Fi 専用版が「この夏」に出され、
   時期は未確定だがその後に 3G 版と 4G 版が続くのだという。)

   奇妙な予告発表をしているのはテクノロジー業界のベテランたる HP のみでは
   ない。Nokia はその次の日、長年続いた同社独自のスマートフォン用プラット
   フォーム開発の努力を事実上放棄して、Windows Phone 7 に移行する予定だと
   発表した。この動きによって Nokia のスマートフォンの売り上げはこれから
   落ち込み、他のプラットフォーム、例えば Android、BlackBerry、iOS などに
   食われて行くことだろう。これらのプラットフォームは、評判の良かった初期
   の Windows Phone 7 モデルと比較しても市場の中でしっかりした定評を獲得
   している。もしもこの場所に Steve Jobs が絡んでいたとしたら、Nokia と
   Microsoft はきちんと示して見せられる実際の電話機と、リリース準備の出来
   た出荷日とを用意していたことだろう。Jobs が、Macintosh を Intel チップ
   へと移行させた際にも、また iPhone や、それから iPad をデビューさせた際
   にもして見せたように。

<http://www.npr.org/2011/02/11/133684944/nokia-microsoft-join-forces-on-smart-phones>

   HP は、2010 年に Palm 社を買収した。そこで同社は少なくとも一年分、製品
   をリフレッシュするサイクルで後れを取った。その間、競争相手の各社はどん
   どん先へ進み、Google の Android は出荷ユニット数で iPhone をも抜いた。
   Palm の webOS プラットフォームは最初の二つのバージョンで批評家たちから
   高い評価を得たし、批評家たちは将来の改善点についても希望を述べた。次の
   webOS 3.0 アップデートにより、これは他のモバイルオペレーティングシステ
   ムと肩を並べられるものとなるかもしれない。競争への参入時期は遅かったが、
   少なくとも出走する馬はフレッシュだろう。

   HP の Pre3 スマートフォンは、現在最高の Android や Windows Phone 7 機、
   あるいは iPhone 4 と比べても、インターフェイスとスペックの両面ともひけ
   を取らないもののように見える。特に、この Pre3 は GSM ネットワーク(現
   在米国の AT&T を含む世界中の大部分で用いられているもの)と CDMA ネット
   ワーク(Verizon Wireless と Sprint Nextel が採用しているもの)の両方で
   働く。現在販売されているスマートフォンでこれと同じ機能を持つのは Droid
   2 Global と Droid Pro だが、どちらも Verizon でしか使えない。(Verizon
   Wireless の親会社の一つは Vodafone、これは数ヵ国で GSM ネットワークの
   プロバイダとなっている会社なので、GSM/CDMA 兼用スマートフォンを真に必
   要としている大規模なキャリアは Verizon のみだ。Sprint もその種のものを
   提供するかもしれないし、米国内の他の CDMA キャリアが出す可能性もある。)

   同じように、HP はもう一年以上も前に Microsoft Windows ベースのタブレッ
   ト機を発表していたが、webOS をタブレット用フォーマットに拡張することを
   優先させるため、これはあっという間にお蔵入りとなってしまった。スペック
   の面でもこの HP TouchPad は素晴らしかったし、HP の発表の場にいた記者た
   ちもアナリストたちも一様にその機能に好印象を受けたのだったが。

   けれども、そしてこれは特に大きな「けれども」なのだが、HP は知らず知ら
   ずのうちに、同社が占める予定の場所に他の各社が既に足を踏み入れていて同
   社としては最大八ヵ月も後れを取ってしまったという事実を世に知らしめてし
   まった。HP が「この夏」に提供するつもりの機能は、個別のインターフェイ
   スのアプローチ方法とか同社独自の興味深いアプリ同期サービスの拡張とかい
   う点を除けばすべて、今後数ヵ月以内に既存のハードウェア上で実現されてし
   まうだろう。競合各社は、HP の具体的なプランを知った以上、今後メモリを
   増やし、プロセッサを改善し、さらなる機能も付け加えてくるだろう。HP が
   製品を出荷する時点には、その後れがさらに大きくなっていることだろう。

   HP は Pre3 と TouchPad の価格すら発表していない。明らかに、製品を出荷
   する時点でどんな価格が適正となっているのかは予想できないし、彼らが考慮
   中の価格は大々的に打ち出せるほど安くないのかもしれない。仮に彼らが安い
   価格を発表したとすれば、競合相手たちはそれをも粉砕してしまうかもしれな
   いし、また八ヵ月間かけてそれが偽りの安売りだと宣伝するかもしれない。

   私たちは皆、Apple が 2011 年 4 月あるいはそれ以前に出荷予定の新型 iPad
   を用意していることを十分よく知っている。それに、John Gruber が Daring
   Fireball で推測したように、例年通りの iPod の更新と合わせて 9 月にもも
   う一度 iPad の更新があるかもしれない。3 月には、RIM が PlayBook を出荷
   予定だ。これは独立のタブレット機で、BlackBerry ハンドセット機の補助機
   としても使えるようになる。Motorola の Xoom も発売が迫っており、こちら
   は Android をタブレット用に調整したものを使う。その他にも、何百という
   新製品が「夏」以前に市場に出るだろう。

<http://daringfireball.net/2011/02/the_next_six_months>

   要するに、HP は潜在的購買者たちに対して、同社の製品は出荷時点では時代
   遅れとなっている可能性が高い、と発表したも同然なのだ。そして現在および
   将来の競合相手各社に対しては、同社の製品ロードマップが他社ほど堅固なも
   のでない、と告げたわけだ。もちろん HP が追い付くことは可能だろう。でも、
   スタート時点で後れを取っていれば、開発・製作の両面で顕著な突出でもない
   限りそれは困難なことに違いないし、現在そのような顕著なものの兆候は見え
   ていない。(もしもそれほどのエネルギーが HP にあるのならば、Pre3 と
   TouchPad は 4 月までに出荷されるのではないだろうか。)

   HP が未来について発表したことを語る際には、Apple がスマートフォンとタ
   ブレット機の市場に初めて参入した時のことを再考せざるを得ない。私が最近
   大好きになった人の一人、Yoz Grahame は、Linden Lab でゲームやコミュニ
   ティーについて深い考察をしている人物だが、彼もこの HP の発表の場にいた。
   John Gruber が書いた tweet や投稿への返事として、彼は次のような tweet
   を書いた:

       発表からリリースまでの時差: iPhone は 6ヵ月、iPad は 3ヵ月(在庫
       の問題は考慮せず)
       新しい HP 機器: 3 から 5ヵ月。これで Apple は及第点かい、@gruber?

<https://twitter.com/#!/yoz/status/35434374929317889>

   確かに彼の言うことは正しい。Apple が初代 iPhone のプロトタイプ機を
   Macworld Expo の会場で記者たちや一般観衆に披露したのは 2007 年 1 月の
   ことで、実際に出荷されたのはそれより 6ヵ月以上後であった。iPad の方は
   2010 年 1 月にデモされ、出荷は 2010 年 4 月であった。では本当のところ、
   なぜ Apple は及第点を取れたのだろうか?

   iPhone の場合、当時まだ競合する機器は存在していなかった。スマートフォ
   ンは多数存在したが、仮想のキーボードや、素晴らしいウェブブラウザなど、
   iPhone ほどさまざまの革新を備えたものはどこにもなかった。スマートフォ
   ンメーカー各社は Apple をあざ笑って 6ヵ月間を過ごし、その後の 42ヵ月間
   は必死で追い付こうとした。同じように iPad も、その時点では一部のニッチ
   市場を除きまだ成功したタブレット機がどこにもないという空白の市場に登場
   した。また、どうやら Apple はその段階でコンポーネント部品、とりわけディ
   スプレイの供給を確保していたらしい。今も、他の各社はディスプレイの供給
   不足のために安価な機種の生産が困難な状況にある。(Motorola Xoom の小売
   価格は Best Buy の広告から漏れ出した情報によると $800 という高価なもの
   になるらしい。それが最終的価格かどうかははっきりしないが。それに比べて
   最も廉価版の iPad は $500 からだ。Xoom の方が機能が多いが、こちらには
   より廉価な機種はない。)

   HP は暗に、同社のこれまでの評判と、企業市場との関係があれば、企業ユー
   ザーや、一部の消費者購買層が、これは待つ価値があると思ってくれるだろう
   と期待をかけているのだろう。その戦略の結果がどう出るかは、「この夏」に
   なって HP がどんな風にしろ市場に参入した際に判明することになる。ただ、
   その時点ではもはや業界のリーダーでなく多数の中の一人に過ぎない立場とな
   るであろうが。会社というものは、将来のプランを世に伝えることはできるし、
   現にそれをしている会社もたくさんあるが、大企業が自らを現在の中に晒して、
   その会社の未来が既に過去のものとなると発表するなどとは、私の記憶する限
   りこれまで一度もなかったことだ。


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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 2 月 14 日
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     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11966>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**Flash Player 10.2** -- 盛大なファンファーレとともに、Adobe は Flash
   Player 10.2 を発表した。この新バージョンの目玉機能は Stage Video で、
   これは Adobe によれば「フルにハードウェア加速されたビデオパイプライン
   であり、プラットフォームやブラウザによらずにクラス最高の美しいビデオを
   実現」できるという。また、今回のリリースではネイティブのカスタムマウス
   カーソルのサポート、複数モニター環境でのフルスクリーンモードサポート、
   文字を読みやすさを向上させるサブピクセルテキストレンダリングなども盛り
   込まれた。(無料、5.54 MB)

<http://blogs.adobe.com/flashplayer/2011/02/flash-player-10-2-launch.html>
<http://get.adobe.com/flashplayer/>
<http://www.adobe.com/devnet/flashplayer/stagevideo.html>
<http://www.adobe.com/devnet/flashplayer/articles/native-mouse-cursors.html>

   Flash Player 10.2 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11957#comments>


**BusyCal 1.5.1** -- BusyMac が,"iCal Pro" とも言うべき同社のソフトウェ
   ア BusyCal のバージョン 1.5.1 を出した。今回のアップデートはタイムゾー
   ンに関するバグを修正するとともに新しい MobileMe との間でミーティングの
   スケジュールを同期する機能を改善している。また、CalDAV 同期にも改善が
   施された。新機能としては、ミーティングのオーガナイザに設定項目を追加し
   たこと、電子メールで招待状を送信できる電子メールクライアントのサポート
   を増やしたことなどがある。今回のリリースから、BusyCal は Mac App Store
   でも入手できるようになった。(新規購入は Mac App Store から $49.99、
   BusyMac から直接ならば $49、無料アップデート、6.6 MB)

<http://www.busymac.com/>
<http://itunes.apple.com/us/app/busycal/id415356497?mt=12>

   BusyCal 1.5.1 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11956#comments>


**TweetDeck 0.37.3** -- Adobe Air に恐れを感じない Twitter 使いならば、
   TweetDeck 0.37.3 のリリースが興味をそそるかもしれない。今回のバージョ
   ン 0.37.2 での新機能は deck.ly のサポートだ。これは TweetDeck の新しい、
   ちょっと馬鹿げたようにも思えるシステムで、140 文字より長い tweet を可
   能にするものだ。(現在 TweetDeck ウェブサイトからの直接ダウンロードの
   みで入手できるバージョン 0.37.3 では、deck.ly をオフにする環境設定オプ
   ションも追加されている。)さらに嬉しいのは、Instagram 画像プレビューを
   このソフトウェアがサポートしたことだ。また、Squiggly スペルチェックラ
   イブラリも新しいバージョンにアップグレードされた。このアップデートで修
   正されたバグもいくつかあり、検索語に句読点が混じっていた場合に検索が働
   かなかったバグや、Facebook のログイン画面に関係したバグ、Twitter リス
   トが適切にアップデートされなかった問題などが解決した。(無料)

<http://www.tweetdeck.com/>

   TweetDeck 0.37.3 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11955#comments>


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11966#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11966>


ExtraBITS、2011 年 2 月 14 日
-----------------------------
     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11965>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週はもう一つポッドキャストを紹介しよう。それから、AT&T と契約してい
   る人が 1,000 分間の無料通話時間を得られる方法がある。


**Tech Night Owl Live でクラウド、The Daily、Macworld Expo を議論** --
   Adam が Tech Night Owl Live ホストの Gene Steinberg と対談し、TidBITS
   の仮想サーバへの移行、News Corp. の iPad ベース出版 The Daily の問題点、
   それから Macworld Expo について語り合う。

<http://www.technightowl.com/radio/podcast/now-playing-february-12-2011- - -adam-engst-and-bob-dr-mac-levitus/>

   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11967#comments>


**AT&T から 1,000 分間の無料通話時間をゲットしよう** -- TUAW が確認した
   ところによると、AT&T はある番号に特定の SMS テキストメッセージを送った
   顧客に対して 1,000 分間のロールオーバーを通話時間に加算するプロモーショ
   ンをしているという。プロモーション期間は 2011 年 3 月 31 日までだ。た
   だ一つ難点があるとすれば、AT&T の宣伝オファーにイエスと答えなければな
   らないかもしれない。

<http://www.tuaw.com/2011/02/11/atandt-iphone-customers-go-grab-your-free-1000-minutes/>

   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11963#comments>


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   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11965#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11965>


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