TidBITS#1064 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2011年 2月 26日 (土) 01:05:55 UTC


TidBITS#1064/21-Feb-2011
========================
     英語版: <http://db.tidbits.com/issue/1064>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1064.html>


   一つのテーマのある週もあれば、今週のように記事の内容に共通性のない週も
   ある。まず、コンサルタント向けの MacTech Boot Camp カンファレンスに新
   たに四つの追加開催地が発表されたことをお伝えする。次に、Jeff Carlson
   が MacBook Pro オーナー必携のユーティリティ gfxCardStatus について書
   き、Glenn Fleishman が 2D コード用のアプリケーション QuickMark の Mac
   版を概観する。さらに、私たちは最近 TidBITS News iOS アプリのバージョン
   1.4 をリリースしたが、Matt Neuburg がその主要な新機能を取り上げてアプ
   リにマルチタスキング機能を追加することが見た目ほど簡単でない理由を説明
   する。また、Adam は間もなく起こる舞台裏の変更(電子メール版の TidBITS
   に新しい From アドレスが使われること)をお知らせするとともに、その背景
   にあるマニア好みの技術的詳細に分け入る。最後に、Jeff Porten が .nxt カ
   ンファレンスからの報告記事として新たなトップレベルのドメイン名について
   語る。問題は、いまだにこんなことを気にする人がいるのかどうか、というこ
   とだ。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Skitch 1.0.3、Digital
   Camera Raw Compatibility Update 3.6、Evernote 2.0.4、CopyPaste Pro
   3.0、1Password 3.5.7、iWeb 3.0.3、それに Adobe Acrobat/Reader 10.0.1
   だ。

記事:
     MacTech Boot Camp が四都市を開催地に追加
     QuickMark が、2D コードを Mac へ持ってくる
     フィルタのチェックをどうぞ: TidBITS 号の From アドレスを変更
     MacBook Pro の電池寿命を gfxCardStatus で伸ばす
     TidBITS News アプリ 1.4 でバックグラウンドオーディオが可能に
     新しいトップレベルドメイン、これって気にすべきものか?
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 2 月 21 日
     ExtraBITS、2011 年 2 月 21 日


----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------

* 読者のみなさん! あなたのカンパで TidBITS を応援してみませんか?
    <http://www.tidbits.com/about/support/contributors.html>
    今週は Richard L. Rumage 氏、Brad Hull 氏、
    Michael Destefano Jr. 氏と Keith Holzman 氏の暖かい支援に感謝!

* WebCrossing Neighbors Creates Private Social Networks
   Create a complete social network with your company or group's
   own look. Scalable, extensible and extremely customizable.
   Take a guided tour today <http://www.webcrossing.com/tour>

* THE MISSING SYNC: Take it with you! The Missing Sync makes
   it easy to synchronize contacts, calendars, music, photos
   and more between a Mac and MOTOROLA, HTC, NOKIA, BLACKBERRY
   and other smartphones. <http://www.markspace.com/bits>

* Dragon speech recognition software for Macintosh, iPhone, and iPad!
   Get the all-new Dragon Dictate for Mac from Nuance Communications
   and experience Simply Smarter Speech Recognition.
   Learn more about Dragon Dictate: <http://nuance.com/dragon/mac>

* CrashPlan is easy, secure backup that works everywhere. Back up
   to your own drives, computers, and online with unlimited storage.
   With unlimited online backup, this is one resolution you can keep.
   Back Up Your Life Today! <http://crashplan.com/ref/tidbits.html>

* Get more productive with software from Smile: PDFpen for
   editing PDFs; TextExpander for saving time and keystrokes while you
   type; DiscLabel for designing CD/DVD labels and inserts. Free demos,
   fast and friendly customer support. <http://www.smilesoftware.com/>

* BeLight Software. Do you periodically get an itch to change your
   surroundings? With Interior 3D, even the wildest of dream houses
   can become yours right on your Mac! Furnish it and enjoy its
   beauty in 2D and 3D <http://www.belightsoft.com/liveinterior/>

* With ChronoSync you can sync, back up, or make bootable backups.
   Sync or back up your Mac to internal or external hard drives, other
   Macs, PCs, or remote network volumes you can mount on your Mac.
   Learn more at <http://www.econtechnologies.com/tb.html>!

---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----


MacTech Boot Camp が四都市を開催地に追加
----------------------------------------
     文: Adam C. Engst <ace @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11979>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   先月サンフランシスコで開催された MacTech Boot Camp は成功裏に終わった
   ようで、一日のみ開催のこのカンファレンスの入場券は売り切れ、出席者たち
   も講演者たちも、一様に肯定的な声を挙げていた。(ただし、どうやら会場に
   は鬼軍曹もいなかったし、腕立て伏せを命令されることもなかったようだ。)
   [訳者注: ブートキャンプ (Boot Camp) とは米軍海兵隊の新兵訓練プログラ
   ムのことで、転じて一般の短期集中トレーニング講座などにも使われます。]
   その成功をもとに、MacTech は今回、追加の Boot Camp カンファレンスをコ
   ンサルタントやサポート担当技術者のために全米各地で開催すると発表した。
   新たに発表されたイベントは次の通りだ:

<http://www.mactech.com/bootcamp/>

* MacTech Boot Camp Dallas, 27 April 2011
* MacTech Boot Camp Boston, 18 May 2011
* MacTech Boot Camp Los Angeles, 27 July 2011
* MacTech Boot Camp Chicago, 31 August 2011

   こうして新たに別の場所、別の日程で追加開催されることは、最初の MacTech
   Boot Camp とそれに引き続いた Macworld 2011 のためこの 1 月にサンフラン
   シスコに旅することのできなかった人たちにとって歓迎すべきニュースだろう。

   MacTech はそれぞれのカンファレンスごとにセッションの議長の名前を発表し
   た。これら四つのカンファレンスは全く同一のセッションが並ぶわけではない
   が、互いにおおまかに言えば類似のテーマをカバーしており、扱われる主要な
   題材としては、クライアント処理、電話サポートのテクニック、遠隔サポート、
   バックアップシステム、Mac 上の Windows、ネットワーキングの基礎とトラブ
   ルシューティング、自己マーケティング、扱いにくい問題に対する解決法を探
   す情報源、などがある。

<http://www.mactech.com/bootcamp/topics>

   一日のみ開催のカンファレンスの入場券は $495 で、早期登録すれば特別価格
   の $295 となる。

<http://www.mactech.com/bootcamp/register>


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11979#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11979>


QuickMark が、2D コードを Mac へ持ってくる
-----------------------------------------
   文: Glenn Fleishman <glenn @ tidbits.com>
   原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11978>
   訳: 柳下 知昭 <tyagishi @ gmail.com>

   URL やアドレスカード、位置情報、プレーンテキストの情報を持つ2 次元タグ
   を、新しい QuickMark のリリースによってMac OS X 環境でも簡単に解読する
   ことができるようになった。$2.99 の QuickMark は、標準 2D コード(QR
   コードと Data Matrix)と、独自の Quick Code フォーマットとを読むことが
   できる。これらのコードは、新聞・雑誌・広告・小売りされているグッズなど
   で、見られることが次第に増えてきている。(複数のデバイスをまたいで URL
   を転送して記事を続けて読むことができるように、我々も TidBITS の記事の
   最後に QR コードを付けている;"タグよ、君は 2D になった!" 2009 年 10
   月 1 日 参照のこと)

<http://itunes.apple.com/us/app/quickmark/id412378487?mt=12>
<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/quickmark_screen.jpg>
<http://db.tidbits.com/article/10616>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1003.html#lnk7>
   "タグよ、君は 2D になった!"

   QuickMark と同名の Mac プログラムは、Mac App Store 経由でリリースされ
   ていて、3 つの機能がある。(内蔵された iSight、FaceTime もしくはサード
   パーティの)カメラを使用することで、2D タグを認識して、アクションを実行
   することができる。このことには、URL をブラウザで開いたり、電話や SMS
   を送信するために Skype に切り替えたり、Google Maps を使用して位置を表
   示するためにブラウザに切り替えたりすることを含んでいる。入力したテキス
   トから、読み取ることができる任意 2D コードを生成することができる。最後
   の機能として、スキャンするウィンドウにイメージをドラッグしたりメニュー
   からイメージを選択したりすれば、QuickMark がイメージに含まれる 2D タグ
   を解読する。この Mac App は、書籍についている ISBN のような1D のバー
   コードを読み取ることはできない。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/quickmark_generate.jpg>

   QuickMark の $0.99 の iOS アプリを iPhone で2D コードを読み取ったり生
   成したりするために非常に快適に、何度か使用してきた。これらのコードは、
   日本では 10 年近く前から携帯電話会社や携帯電話機メーカ、広告会社、出版
   社が協力して広く使用されている。それらがとうとう米国にもやってきた:店
   のウィンドウに目立つように陳列されているのを見ない日や、新聞や雑誌の広
   告でそれらを見ない日、訪れたウェブサイト上でそれを見ない日は、1 日たり
   ともない。昨日、郵便で受け取ったちらしにさえコードはあった。(この iOS
   アプリは1D のコードも読むことができる。)

<http://itunes.apple.com/us/app/quickmark-qr-code-reader-4/
   id384883554?mt=8>

   残念なことに、Mac 版は開発者が Max OS X を熟知していないことを露呈して
   しまっている。2D タグを生成するためのテキストフィールドにペーストする
   ことができないし、ついでに言うと、コピーやペーストも全くできない。テキ
   ストを入力することやブラウザのアドレスバーからドラッグしてくることはで
   きる。しかし、これらの制約を修正することは簡単なはずだし、ユーザーから
   のフィードバックがQuickMark が修正をすることに役立つと思う。


    ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11978#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11978>


フィルタのチェックをどうぞ: TidBITS 号の From アドレスを変更
------------------------------------------------------------
     文: Adam C. Engst <ace @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11985>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   TidBITS ウェブサイトに出される私たちの記事を集めた、毎週の号を配布する
   ための無料のメーリングリストを購読しておられる皆さんに、お知らせがある。
   メーリングリスト管理上のことなのだが、私たちが電子メールを発送する方法
   で一点変更される個所があるのでご注意申し上げたい。次週の TidBITS #1065
   以降、私たちが号を電子メールで発送する際の電子メールヘッダが若干変わる。
   これは私たちの予定にはなかった変更だが、新しくなった私たちのシステムで
   電子メールのバウンス処理をするために必要となったことだ。

<http://tidbits.com/lists.html>

   この事前警告を私が書いている理由は、もしもあなたがお使いの電子メールソ
   フトウェアのスパムフィルタで editors @ tidbits.com から届いた電子メール
   をホワイトリストに入れているのならば、私たちのドメインにある別のアドレ
   スから届くことになる来週の号が、スパムとマークされる可能性があるからだ。
   もしも来週 TidBITS の号が到着しなければ、おそらくそれが理由だろう。そ
   の場合、お使いのスパムフィルタを調べてみて頂きたい。また、もしもあなた
   が TidBITS の号を別のメールボックスに自動的に移動させるため電子メール
   の From 行に editors @ tidbits.com が含まれることをチェックするルールを
   利用している場合は、その部分にも変更を加える必要がある。余計なお手間を
   取らせまして、申し訳ありません!

   理想の世界においては、私たちが適切な変更を加えるだけですべてがうまく行
   き、皆さんの側では何もする必要が生じないことだろう。けれども、いわゆる
   「マーフィーの法則」が今も生き残っているのだとすれば、どうか皆さんの側
   でも以下のことを知っておいて頂きたい。

   来週号の TidBITS は、いずれのバージョンについても、その From 行が従来
   の editors @ tidbits.com から、新しい tb-mailer @ tidbits.com に変わる。つ
   まり、新しい From 行は次のようになる:

       From: TidBITS Editors <tb-mailer @ tidbits.com>

   この tb-mailer @ tidbits.com というアドレスを、特定の送信者からのメッセー
   ジをホワイトリスト(自動的に正当なメッセージとして受け入れるもの)に入
   れるようになっているスパムフィルタへと追加することができる。けれども、
   TidBITS の号をフィルタ分けして別のメールボックスへ自動的に移動させるよ
   うにするためには、もっと良い方法がある。そちらの目的のためには、私は
   List-Id ヘッダに依存したルールを使うことをお勧めする。私たちのメーリン
   グリストでは、TidBITS の個々のバージョンごとに別々のヘッダが使われる。
   メッセージで「すべてのヘッダを表示」すれば、あなたがどのバージョンを受
   け取っているのかが分かる。

       List-Id: TidBITS Text Issue List <text.issue.tidbits.com>
       List-Id: TidBITS HTML Issue List <html.issue.tidbits.com>
       List-Id: TidBITS Text Announcement List <text.announce.tidbits.com>
       List-Id: TidBITS HTML Announcement List <html.announce.tidbits.com>


**Reply-To 行も変わる** -- 来週変わるもう一つのことは、各号のヘッダの中
   の Reply-To アドレスだ。新しいアドレスは人の目に見える形では登場しない。
   その代わりに、いろいろの異なった目的ごとに私たちへ連絡する最も良い方法
   を説明した自動返信メッセージが生成されてあなたに送られるようになる。

   何のために自動返信をするのか? 実のところ、私たちへ連絡できる異なった
   手段は多数あって、そのうちどの方法が最も適切なのかは、状況によるからだ。
   例えば、記事のどれかにコメントをしたい場合には、私たちあてに電子メール
   を送るのではなく、その記事自体にコメントを残して頂きたい。また、本当に
   遠慮深い方は、それぞれの記事の筆者の名前欄のすぐ横にあるリンクを使えば、
   いつでも直接筆者に電子メールを送ることができる。あるいは Twitter を使っ
   て連絡する(私たちの Contact Info ページにスタッフの詳細情報がまとめて
   ある)ことも可能だ。

<http://www.tidbits.com/contact.html>

   もしも私たちのウェブサイトあるいは電子メールの号に何か問題があれば、ま
   ずは TidBITS Get Satisfaction サイトに質問を投稿して頂ければありがたい。
   それならば私たちも返答を公開することができ、同じような問題に遭遇した他
   の人たちの役にも立てるかもしれない。もしもその問題が私が緊急に知るべき
   ものだと思われれば、Twitter で私に呼びかけて頂きたい。

<http://getsatisfaction.com/TidBITS>
<http://twitter.com/adamengst>

   他方、あなたの購読アカウントに関する質問については、何かの援助ができる
   ためには私たちがあなたの電子メールアドレスを知る必要があるので、公開の
   討論の場である Get Satisfaction サイトよりも、個人的な電子メールによる
   通信の方が適している。(この点は Take Control 電子ブックについても同じ
   ことが言える。一般的な質問や提案は Take Control Get Satisfaction サイ
   トに書き込んで頂きたいが、個々のアカウントに関する質問は、個人的な電子
   メールで送って頂きたい。)

<http://getsatisfaction.com/TakeControlBooks>

   それから、特定の TidBITS 記事とは無関係な、あるいは TidBITS 自体とも無
   関係な、何か技術的質問があれば、おそらく私たちの TidBITS Talk 討論リス
   トに投稿するのが一番良い方法だろう。ただし、激しく押し寄せ続けるスパム
   をブロックするため、現在 TidBITS Talk に投稿できるのは購読者のみに限ら
   せて頂いている。

<http://sparky.tidbits.com/mailman/listinfo/tidbits-talk>


**背後にいるのは MTA** -- 次に述べたいことは非常に個別的な話題だが、これ
   に関する状況に驚かされたこともあるので、ここに私たちが気付いたことを書
   き留めておきたい。これが、同じような問題に遭遇した人たちのお役に立てれ
   ばと思う。(MTA (Mail Transfer Agent, メール配達エージェント) とは何の
   ことか知らない、メールサーバの動作の仕組みなど知りたくもない、と思われ
   る方は、以下の部分をお読み頂くには及ばない。)

   以前、私たちが Web Crossing を使用していた頃は、Web Crossing がメーリ
   ングリスト用ソフトウェア(つまり送信すべき実際のメッセージを生成する部
   分)と、メール配達エージェントつまり MTA の、双方の働きを兼ねていた。
   そのため、一人で二役をこなしていた Web Crossing が、個々のメッセージの
   ヘッダをカスタマイズすることによってバウンスして来るメールを識別して処
   理することができていた。具体的には、Web Crossing では次のようなカスタ
   マイズされた Return-Path ヘッダを追加することができた:

       Return-Path: <bounce.30806106.1066 @ emperor.tidbits.com>

   重要なのは、そのヘッダにあるアドレスが、From 行のアドレスとは別のもの
   であったことだ:

       From: "TidBITS Editors" <editors @ tidbits.com>

   ところが問題は、Return-Path ヘッダを挿入できるのは MTA のみであるとい
   う事実だ。私たちの新しい自前の TidBITS Publishing System はメーリング
   リスト用ソフトウェアとしてのみ挙動し、発送すべきメッセージを sendmail
   に(ライブラリ経由で)手渡して、その後 sendmail が Return-Path ヘッダ
   を自動的に、そのメッセージの From ヘッダに基づいて生成して挿入すること
   になる。こうして、Return-Path と From の双方ともに editors @ tidbits.com
   と記載される。もちろん、sendmail の設定を変えて別の Return-Path ヘッダ
   を挿入するようにするということもあり得るのだろうが、私たちが sendmail
   を TidBITS Publishing System と接続させるために使っているライブラリで
   はどうやらそれができないようなのだ。

   私たちはずっと以前から From アドレスに editors @ tidbits.com を使ってい
   て、今回の新しいシステムでも当初はそのままにしていたので、新しいシステ
   ムが動き出したとたんに、バウンスで戻って来るメールが Errors-To ヘッダ
   で指定されたアドレスでなく editors @ tidbits.com に届くようになったのを
   見て私たちはちょっとショックを受けた。その後分かったのは、Return-Path
   は標準規格であるが Errors-To は必ずしもそうではなく、場合によって働く
   ことはあるけれどもいたる所で常に働くわけではないということだった。

   いずれにしても、解決法は単純だと思う。バウンスして戻って来たメールを私
   たちが適切に受信して処理できるアドレスが Return-Path に複製されて付け
   られるように、From 行にそのアドレスを設定しておけばよいのだ。ただ、きっ
   と以前から多くの人たちが editors @ tidbits.com というアドレスをホワイト
   リストに入れたりそれに基づいてフィルタを作用させたりしているだろうとい
   うことに思い至ったので、こうしてこの記事を書いて、そのアドレスが新しい
   ものに変わることをお知らせしているわけだ。これでお分かり頂けただろうか?

   以上でお知らせは終わりだ。では、いつも通りの TidBITS 号にお戻り頂こう。

   [訳者注: この記事の内容は、英語版の TidBITS の電子メール購読について
   の話です。TidBITS 日本語版の電子メール配布は、これと類似の、しかし別名
   のメーリングリスト
       List-Id: TidBITS Japanese <tidbits-jp.tidbits.com>
   を使っています。]


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11985#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11985>


MacBook Pro の電池寿命を gfxCardStatus で伸ばす
-----------------------------------------------
     文: Jeff Carlson <jeffc @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11982>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   私はほぼ三年毎に私の MacBook Pro を新しいモデルと入れ替える。このサイ
   クルだと各々のモデルを十分に使い込むことが出来るが、途中のモデルに現れ
   た機能にいきなり飛び込むことにもなる。

   去年、新しい MacBook Pro (2.66 GHz Intel Core i7 プロセッサ搭載) を
   買った時もびっくりの誕生祝のようであった:格段に良くなった電池寿命、全
   幅のマルチタッチのトラックパッドジェスチャー、アルミのユニボディ構造
   (自分でも驚いているのだがこれが一番気に入った機能の一つである - 前のモ
   デルに比べればものすごくしっかりした感じがする)、そして高精細度の LED
   スクリーンが売りである。

<http://support.apple.com/kb/SP582>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/SP582?viewlocale=ja_JP>
   "MacBook Pro (15-inch, Mid 2010) - 技術仕様"

   更にこのラップトップには二枚のグラフィックスカードが含まれている (GPU,
   graphics processing unit と称される):組込みの Intel HD Graphics と独
   立した Nvidia GeForce GT 330M である。前者は低消費電力を目的に設計され
   ていて、結果として電池寿命も改善される。一方後者は必要な時にグラフィッ
   クスの処理能力を提供するために投入される。

   初期の dual-GPU MacBook Pro は、Energy Saver 設定ペインでどちらのグラ
   フィックスモードを使うのかを指定し、そして一旦ログアウトし再度自分のア
   カウントにログバックする必要があった。2010年中期モデルからは、この切り
   替えは自動的になされる:グラフィクスパワーがより必要とされるアプリケー
   ションが起動されると独立の Nvidia GPU に火が入るというわけである。そう
   でない時は、組込みの Intel GPU が電池の電力を浪費することなくグラ
   フィックスを提供する。(この自動切り替えを設定ペインでオフにすることも
   可能で、その場合は Nvidia チップは火が入ったままとなる。)

   私は自分の机から離れて仕事をする時は、電池寿命を最大限伸ばして使いた
   い。当然のことながら、Photoshop, iPhoto, 或いは iMovie と言った GPU バ
   カ食いのアプリは閉じるようにしているが、私の MacBook Pro が既に組込み
   の GPU に切り替えているのかどうかを簡単に知ることは出来ない。

   どちらの GPU が動いているのかを知るには、System Profiler アプリケー
   ションを開いて (Apple メニューから Option を押して System Profiler を
   選択する)、サイドバーの Hardware の下にある Graphics/Displays アイテム
   をクリックし、そして Intel 或いは Nvidia のビデオカードを選択する。現
   在使用中のものは Main Display: Yes の表示を含んでいる。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/
   gfxcardstatus_sysprofiler2.jpg>

   そこで、私はまず最初から明らかなアプリケーションを閉じ、System
   Profiler に戻り、Command-R を押してデータを更新し、それから "Main
   Display: Yes" が Intel GPU に現れるかどうかを見てみる。これをやってい
   ると、Mac OS 8 でスタートアップエクステンション間の不整合を探さねばな
   らなかった時代に戻されたような感じがする。

   しかしながら、Nvidia GPU は、伝統的にはグラフィックス食いとは思われな
   い様なアプリケーションによっても起動されることが分かった。例を挙げる
   と、大抵の Twitter クライアント、そして筋金入りの Fetch (ひょっとする
   と進行を示す走る犬のアニメのせい?) までもがそうなのである。勿論、
   Nvidia GPU を使っている時でも私の古いラップトップよりはこのマシンでは
   電池の持ちはずっと良いのは確かであるが、だからと言って低消費電力の組込
   みグラフィックスの恩恵を受けたくないというわけではない。

   最初、私は Cody Krieger の無料の gfxCardStatus 2.0 をインストールした
   のだが、これはどちらの GPU が動いているかを示すメニューバーアイコンを
   追加してくれるからであった:単純な "i" が Intel (或いは "integrated")
   を "n" が Nvidia を示す。これだけでも多くの時間とイライラを節約でき
   た。

<http://codykrieger.com/gfxCardStatus/>

   しかしすぐに、そのアイコンをクリックすると gfxCardStatus は親切にも、
   どのアプリケーションがこの独立の GPU が動くように強制しているのかも暴
   いてくれることに気付いた。それは Dependencies の下にリストされる。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/gfxcardstatus_menu.jpg>

   このユーティリティは単にレポートするだけに留まらない。MacBook Pro が単
   に組込みの Intel グラフィックスだけを使うのか、個別の Nvidia グラ
   フィックスだけを使うのか、或いは動的な切り替えのままにするのかを強制す
   る設定が、メニューの中のオプションの一つを選択するだけで可能になる。

   アプリケーションの中には、独立から組込み GPU への実時間での切り替えに
   うまく反応しないものも存在する。例えば、BusyCal は Intel だけのモード
   に強制されると月の間で動く能力を失ってしまう。しかしながら、これも
   BusyCal を終了し再起動してやればこの問題は解決される (その理由は、この
   ソフトウェアは MacBook や Mac mini のような組込みグラフィックスしか持
   たないコンピュータとも働かなければならないからである)。

   gfxCardStatus 2.0 は December 2010 にリリースされたのだが、有用な新機
   能が追加された:電池で動作しているのか AC 電源で動作しているのかによっ
   て GPU を切り替えることが出来る。旅先で仕事をしていて電池寿命を最大限
   使いたい時など、組込みグラフィックスを自動的に強要することも可能にな
   る。この機能は、デフォルトでは不能にされている、それは切り替えがうまく
   いかないアップスでの問題を回避するためである。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/gfxcardstatus_prefs.jpg>

   私は、組込みと独立のグラフィックスを走らせることに関する違いについて実
   際に計測したことは無いが、Mac OS X のメニューバーアイテムで知ることが
   出来る電池の残量見込みを見ていると、電池で走らせていて依存型のアプリ
   ケーションを全て終了した場合明らかに伸びる (一時間程度まで)。

   gfxCardStatus は最近の次の MacBook Pro モデルで働く:

* 2010 i5/i7 MacBook Pro で Intel HD/Nvidia GeForce GT 330M GPU 搭載
* 2009 MacBook Pro で Nvidia GeForce 9400M/9600M GT GPU 搭載
* 2008 後期 MacBook Pro で Nvidia GeForce 9400M/9600M GT GPU 搭載

   gfxCardStatus は極めて狭い隙間を埋める商品であることには間違いないが、
   これはあなたの MacBook Pro の充電エネルギーから最大の時間を引き出す優
   雅で、有用な方法である。


     ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11982#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11982>


TidBITS News アプリ 1.4 でバックグラウンドオーディオが可能に
------------------------------------------------------------
     文: Matt Neuburg <matt @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11977>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   私たちは、TidBITS News iOS アプリの新バージョン (1.4) をリリースしたば
   かりだ。今回はバグ修正が二件(いずれも皆さんの目にはあまり留まらないも
   ののはずだ)と、新機能が一つ加わっている。この新機能はちょっと微妙なも
   のだが、何人ものユーザーから希望が寄せられていたことであり、これが実現
   したことによって嬉しく思う人たちはきっと多いだろう。まずは、この新機能
   について説明して行こう。これはオーディオに関係したことで、TidBITS News
   アプリと他のアプリとの相互作用に関するものだ。

<http://itunes.apple.com/us/app/tidbits-news/id348629441?mt=8>

   ご存じかもしれないが、この TidBITS News アプリでは私たちの記事の朗読を
   録音したオーディオ版を再生することができる。(これは、ポッドキャストと
   して iTunes で購読できるものと同一のオーディオ版だ。)TidBITS News は
   独自にオーディオを再生する機能を持つので、他にバックグラウンドのオーディ
   オがあった場合にどうするかをシステムが判断できるようにするため "audio
   session policy" を宣言しておかなければならない。これは、マルチタスキン
   グが実現されるより以前の iOS 3.x の下でさえ必要とされたことだ。なぜな
   ら、iPod アプリ(機器によっては Music アプリとも呼ばれる)が、そのシス
   テムでもバックグラウンド音楽の再生ができたからだ。

<http://itunes.apple.com/us/podcast/tidbits/id276986548>

   TidBITS News は、独自にオーディオを再生するだけなので、またこれは元来
   iOS 3.x 用に書かれたものであったので、その audio session policy は非常
   に素朴な方法でなされた。つまり、このアプリを起動する際にすべての他のバッ
   クグラウンドオーディオを中断するようにしたのだ。確かに、それは理想的な
   やり方とは言えなかった。なぜなら、あなたが大好きな曲を iPod アプリで聴
   いている最中にもしもあなたが私たちのアプリを起動させれば、たとえあなた
   が一切録音記事の朗読を聴くつもりが無かったとしても、必ず音楽が中断され
   てしまうからだ。明らかに、録音された記事を聴こうとした場合にのみ audio
   session policy が実行に移されるようにしておいた方が望ましいだろう。私
   たちはこの問題に気付いていた(とりわけ、このアプリの何人ものユーザーか
   ら、この問題を指摘する意見が届いていたのだから)けれども、当時はすぐに
   取り組まなければならないほど優先度の高い問題ではなかった。

   しかしながら、iOS 4 の登場によって、audio session policy を指定するた
   めの新たな方法が導入されるとともに、他のアプリ(例えば Pandora など)
   が続々とバックグラウンドのオーディオを再生する機能を備えるようになった。
   つまり、明らかにこれは状況を正すべき時が到来したことを意味していた。い
   くつか実験を重ねた結果、私たちのアプリの audio session policy を、あな
   たが記事の録音を聴き始める時点で変更し、録音を聴き終えた時点で元に戻す
   ようにすることが実際に可能だと分かった。事実、それをするために二つの異
   なった方法が存在していた:

* ユーザーが記事の録音の再生を始めた時に、TidBITS News が既存のバックグ
   ラウンドオーディオを「ダッキング」し (つまり再生の音量をぐっと下げ)、
   記事の録音の再生が終わった時点でバックグラウンドオーディオの音量を元に
   戻すということができる。このやり方は完璧に動作したが、人によっては自分
   のお気に入りのヘビーメタルバンドが遠くで小さく演奏を続けている上に重ね
   て Adam の穏やかな声が記事を静かに朗読するのを聴くと、違和感を感じるこ
   ともあるかもしれない。

* ユーザーが記事の録音の再生を始めた時に、TidBITS News は既存のバックグ
   ラウンドオーディオを完全に中断させることもできる。そのことはうまく動作
   したが、残念ながら私たちのアプリには中断されていたバックグラウンドオー
   ディオの再生を確実に再開させることができなかった。理論的には再開が可能
   なはずだったし、TidBITS News は正しい行動と思われることをすべてやって
   みたが、実際に再開がうまく行く確率は 5 パーセントくらいしかなかった。
   おそらくこれは iOS 自体の中にバグがあるせいだろうと思う。

   こうして、完璧に動作するけれどもユーザーが同時に二つのものを聴きにくく
   なってしまうかもしれないという選択肢と、中途半端にしか動作しない選択肢
   との間で、選ばざるを得ないことになってしまった。私たちは、後者を選んだ。
   記事の録音は長時間にわたることもあり、重要な内容のこともあるので、実際
   のところ「ダッキング」はふさわしい解決法とは思えなかったからだ。これが
   もしも例えばナビゲーションアプリから次の交差点の接近を知らせる短いオー
   ディオ警告を出すようなものだったとしたら、「ダッキング」が理想的な解決
   法となっていただろうが。それに事実、既存のバックグラウンドオーディオが
   中断後に確実に再開できないという問題もそれほど深刻なものとは言えなかっ
   た。なぜなら、マルチタスキングの世界においては、ユーザーが手動で問題を
   是正することがそれほど難しくないからだ。

   そういうわけで、これが、誰の目にも分かる TidBITS News 1.4 の新機能だ。
   あなたがこのアプリに入っても、それまで再生中であったオーディオは、その
   まま続けられる。もしもあなたが私たちの記事のどれかを録音したものを聴こ
   うと思えば、それを聴き始める際に既存のバックグラウンドオーディオが中断
   させられ、もしもあなたが信じられないほど幸運なら、記事の録音を聴き終え
   た時点でそれがまた再開するだろう。けれども、もしも再開しなくても、ただ
   iOS 4 のマルチタスキング機能を使って、手で再開させればよいだけだ。次の
   ようにすれば手軽にそれができる:

1. Home ボタンを二度押しして、アプリ切替のインターフェイスを出す。

2. アプリ切替部分を右へスワイプする。すると左側に隠れていたものが出てく
   るが、そこにサウンドコントロールのボタンもある。

3. 再生/一時停止のボタンをタップして、バックグラウンドオーディオを再開さ
   せる。

4. TidBITS News のインターフェイスの中のどこかをタップすれば、アプリ切替
   のインターフェイスが消える。

   ユーザーの立場から言えば、この新機能に関して気付くことは以上ですべてだ
   ろう。けれども開発者の立場から言えば、このような変更を達成するのは極め
   て困難なことであった。手を付けてみて分かったことだが、私たちの従来の
   audio session policy は単に気に障るものであったのみならず、マルチタス
   キングの到来のおかげで実際壊れていた。私たちは起動時にサウンドをオフに
   していたのだが、ユーザーが私たちのアプリからいったん離れてからまた戻っ
   て来た際にはサウンドをオフにして _いなかった_。だから、ユーザーが私た
   ちの厄介な audio session policy を叩き壊してしまうことも実際に可能となっ
   ていた。これはまさに、遡ること何ヵ月も前、iOS 4 とマルチタスキングが初
   めて登場した際に私が記事で指摘したことであった。(2010 年 6 月 23 日の
   記事“高速アプリ切り替えとは何か?”参照。)つまり、自分の書いたアプリ
   がただ単にマルチタスキングに参加できるようにするだけならば、何でもない
   ことだ。それにはただ現行バージョンの Xcode を使ってアプリをコンパイル
   し直すだけでよい。でも、自分のアプリがマルチタスキングの下で _正しく挙
   動する_ ようにするのは難しい。

<http://db.tidbits.com/article/11378>
   (日本語)<<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1034.html#lnk4>
   "高速アプリ切り替えとは何か?"

   厄介なのは、自分のアプリがマルチタスキングし始めたとたんに、それまでは
   うまく行っていたことが、次々にわが耳のまわりでがらがらと崩れ落ち始める
   ことだ。その理由は、マルチタスキングのおかげで、ユーザーがそのアプリを
   離れたりまた戻って来たりできる新たな方法が多数導入されたからだ。マルチ
   タスキングの登場以前には、TidBITS News に到達する方法はただ一つ、つま
   りそれを起動することしかなかった。また、それを離れる方法もただ一つ、つ
   まりそれを終了させることだけだった。だから、私たちのアプリを起動すると
   バックグラウンドのサウンドが止まってしまうのは確かに困ったことではあっ
   たけれど、少なくともマルチタスキングの無い世界においては明確で決定的な
   事実であった。ところが、マルチタスキングの下では、ユーザーがさまざまに
   変わったことをすることが可能になる。別のアプリに切り替えてからまた私た
   ちのアプリに戻って来たり、アプリ切替のインターフェイスを呼び出しておい
   てまたすぐに私たちのアプリに戻ったり、その他いろいろのことができる。結
   局判明したのは、自分の作ったアプリが必ずそのようなすべての可能性に積極
   的に対処しなければならず、そのためにはあらゆる場合に対してそれぞれに応
   じた audio session policy をきちんと定めておかなければならない、という
   ことだった。でも、TidBITS News アプリにはそれができていなかった。

   そしてそれこそ、実際、今回私たちが audio session policy を変更した理由
   だ。私たちの真の動機は、バックグラウンドで音楽を聴いているユーザーたち
   に親切にしたいということではなかった。(結局のところ、私たちの記事を読
   んでくださるなら、しっかりそれに専念して読んで頂きたい!)私たちがそれ
   をしたのは、そのままでは audio session policy が正しく働いていないとい
   う事実を発見したからだ。実際、今回私たちの audio session policy とその
   挙動を変更したことは、マルチタスキングという多頭の怪物に直面した以上、
   このアプリの動作をそれと統合させなければならないという、非常に緊急の変
   更要請に応えようとする私たちの努力の一環に過ぎなかった。

   Apple の出している書類のどこを見回しても、「おーい君たち、もしも君のア
   プリがマルチタスキングの使用に踏み切るなら、注意しろよ! 陥りやすいポ
   イントの一覧表をここに書いておくからね、サウンドの問題もその一つだよ」
   などと書いたものはどこにもない。でもそういう説明はぜひ必要だ。私たちの
   場合、マルチタスキングは私たちの audio session policy を壊してしまった
   けれど、当初私たちはそれに気付きもしなかった。世の注目を集めているあの
   Apple の App Store 認可過程でさえ、一言もこの事実を私たちに警告してく
   れなかった。おそらく、このことはピンからキリまであらゆるアプリに当ては
   まることだろう。おそらく多くのアプリが、iOS 4 SDK 用にリンクを付け直し
   て再コンパイルしただけで、場合によってはそこに終了時保存に変わるバック
   グラウンド時の状態保存程度のことを追加しただけで、自分がマルチタスキン
   グに対応したと _思い込んで_ いるのだろう。けれども、マルチタスキングと
   いうのはそれよりもずっとずっと複雑なものだ。それなのに、安全なるマルチ
   タスキング市民となるための易しい手段を Apple は未だに提供していないし、
   どうすればそうなれるかを発見できる手助けもしていない。

   そうそう、今回のリリースでは他に二件のバグ修正があったのだが、その内容
   は何かというと、一つは、単なる古き良きタイプのうっかりミスだった。私た
   ちの記事の中にある画像が、iPhone ではきれいに見えていても、サイズの大
   きな iPad のスクリーンで見ると正しいサイズで表示できていなかった。これ
   は、アプリを iPad でネイティブに走るよう変換した際(2011 年 1 月 4 日
   の記事“TidBITS News アプリが iPad 用にアップデート”参照)に見落とし
   てしまった点だった。もう一つは、メモリ不足の状況下でよく分からない理由
   で表示がおかしくなることのある問題に対して対策を施したことだ。運が良け
   れば、あなたがそのような問題に遭遇することはないかもしれない。(私たち
   スタッフは誰も経験していなかったので、その問題に気付いていなかった。)
   でも事実を言えば、この問題が本当に解消されたわけではない。完全に解消さ
   れるには、私たちがこのアプリのコードを完全に切り分けて、すべてを一から
   書き直す日が来るまで待たなければならないかもしれない。

<http://db.tidbits.com/article/11861>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1058.html#lnk0>
   "TidBITS News アプリが iPad 用にアップデート"


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11977#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11977>


新しいトップレベルドメイン、これって気にすべきものか?
------------------------------------------------------
     文: Jeff Porten <jporten @ gmail.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11964>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   次なるインターネットの大改革が近づきつつある。その通り。今後二年くらい
   の間に、現状の例えば britneyspears.com のようなおそろしく難しい URL を
   覚えるよう強制されることはなくなり、代わりにそれよりずっと易しいウェブ
   サイトの名前、例えば britneyspears.music などが使えるようになる。

   あんまり大改革のようには聞こえないって? そう、私もあなたと同意見だ。
   でも、そうは思わない人たちもいて、その人たちにとっては何もかもが大きく
   変わるのだ。


**すべての邪悪の根源** -- 私は .nxt カンファレンスの尻尾をつかまえた。こ
   れは、新しいジェネリックトップレベルドメイン (gTLD) をめぐる「インター
   ネットのランドラッシュ (土地取り争奪戦)」に参加したいと願っている企業
   のためのイベントだ。トップレベルドメイン (TLD) とは、URL にあるドメイ
   ン名の中で最後のドットの後に来る部分、例えば "com"、"net"、"org" といっ
   たものだ。(おそらく、この三つがあなたのこれまでのウェブサーフィンの経
   験上最も多かっただろう。)この TLD は三種類に分類される。国別コードの
   トップレベルドメイン、ジェネリックトップレベルドメイン、それと残りいく
   つかの技術的ないし実験的なトップレベルドメインだ。その中でジェネリック
   トップレベルドメインは米国発祥のものであって、1990 年代中頃に商用目的
   のインターネットが動き出すまでの時代は、米国内に限られていた。米国以外
   でドメインを得たい者は、国別コードの TLD に依存するしかなかった。

<http://dot-nxt.com/>
<http://en.wikipedia.org/wiki/GTLD>
   (日本語 
)<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3>
   "ジェネリックトップレベルドメイン - Wikipedia"
<http://en.wikipedia.org/wiki/Country_code_top-level_domain>
   (日本語 
)<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%88%A5%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3>
   "国別コードトップレベルドメイン - Wikipedia"

   その結果として、現在もまだ残る歴史的不均衡が生まれた。米国内にある大手
   のチョコレートメーカーは <http://www.hersheys.com/> で見つかるが、英国
   の大手の製菓会社は <http://www.cadbury.co.uk/> という形に依存しなけれ
   ばならない。眼力のある読者ならば、".com" の中に特にアメリカが内在して
   いるわけでないことにお気付きだろう。アメリカの URL のトップレベルが、
   国全体でなく、アメリカの中にある団体を集めたカテゴリーとなったことを、
   私たちは当然のように受け取っている。その後、.com は世界中のあらゆる企
   業を対象にしたデフォルトのドメイン名となり、さらにその後、自分のウェブ
   サイトが「普通の」アドレスを持つようにしたいと思えば(必ずしも商用でな
   くとも)基本的に誰でもこれが使えるようになった。

   ここでちょっと空想をめぐらせて、もしも突然世界中の誰もが声を揃えて自分
   の電話番号を 6 で始まるものにしたい、そうでない番号は駄目だ、と要求し
   たとすればどんな馬鹿げたことになるか、想像してみよう。インターネットで
   は基本的にそれが起こっているのだ。最近十年以内のどんなブラウザでも(た
   だし統合検索バーが装備されているものを除く)何でも好きな単語を入力した
   として、もしもサイトが見つからなければ、きっとそのブラウザは自動的にそ
   の単語の後に .com を追加してそれがあなたの見たかったサイトかどうか示し
   てくるだろう。

   この点はずっと以前から多くの評者たちから指摘を受けてきた。ほんのちょっ
   ぴり奇妙だと指摘する人から、これは世界の諸国に対する米国覇権による攻撃
   の一形態だと評する人までいた。ここではアメリカの団体が Animal Farm[訳
   者注: ジョージ・オーウェルの小説、邦題は「動物農場」]で言うところの
   「同輩中の首席」となり、その上、ドメイン名システムに長らく巣食ってきた
   アクセント付き文字が名前に使えない問題がさらにそれに輪をかけた、という
   のだ。英語に登場しない文字の使用に関する問題はこれまでに部分的に解決し
   た(TLD についてはまだ解決したとは言えない)が、より大きな問題、つまり
   世界中の指向が .com という空間に集中している問題は、未だに未解決問題の
   帳簿に載ったままだ。

   いやつまり、もしもそれが本当に問題ならばの話だ。


**あなたのドメインのご主人は** -- ドメイン名の作成と管理は、Internet
   Corporation for Assigned Names and Numbers (ICANN) が担当している。こ
   の非営利団体は、世界中の政府、技術的団体、それからすべてのインターネッ
   ト市民のために、いわば国連のような役割を果たそうと努めている。この団体
   の組織構成は非常に単純明快で、下の図表に示されるようになっている。

<http://www.tidbits.com/resources/2011-02/ICANN-org-chart.jpg>

   私はよく ICANN を冗談の種にする。そして多くの場合、ICANN はまさしく冗
   談とされるに値するものだ。けれども考えてみれば、ICANN がしなければなら
   ないことと比較すれば上の図表もそれほど複雑なものとは言えない。誰かが、
   www.apple.com を 69.192.205.15 に読み替えるシステムを管理する仕事をし
   なければならない。その誰かとは、定義に従えば、グローバルな支持者層だ。
   そしてこれもほぼ定義通り、グローバルな支持者層とは、必ずしも意見の一致
   をみるものではない。例えば言論の自由とか、誰がインターネットへのアクセ
   スと出版を許されるかとか、そういった点でグローバルに意見がまとまること
   はない。

   ICANN には、.com 問題を解決するという仕事があった。そして、彼らがその
   ためにした方策が、gTLD の開放だ。どんな団体でも、gTLD の獲得を申請する
   ことができる。それは基本的に .com と同等のものを要求することを意味して
   いて、そこからその団体は自分のサーバ(と銀行口座)が処理できる限り任意
   の個数のドメインをそのトップレベルドメインに割り当てることが可能となる。
   既に 100 を超える数のグループが申請を済ませたと言われ、2011 年 10 月に
   全リストが公表されればさらに多くの申請が寄せられると思われる。

<http://dot-nxt.com/applicants>

   もしもあなたが既に自分の .com ドメインを持っているならば、あなたがすべ
   きことは手近のオンライン登録所へ行き、およそ十ドルほどの手数料を納め、
   過去の歴史上誰も思い付いたことのなかった名前を選べばよい。もしもあなた
   が自分独自の gTLD を作りたいと思うならば、手続きはもう少し複雑なことに
   なる。まずは $185,000 (日本円で 1,500 万円以上) の出願料を支払う。そう、
   これはあくまでも申し込むための料金だ。それでも申し込みを却下されること
   はあり得る。gTLD は、すべて ICANN によって承認されなければならず、彼ら
   は彼らの作ったガイドラインに沿った gTLD を求めている。例えば既存のコミュ
   ニティーやグローバルなブランドの名前と結び付いていなければならない、な
   どの決まりがある。詳しくは New gTLD Applicant Guidebook Version 2 を参
   照されたい。これは来月に最終版と入れ替わることになっている。

<http://www.icann.org/en/topics/new-gtlds/comments-2-en.htm>

   このような料金と出願プロセスにした背景には、インターネットドメイン名が
   誰でも参加できる混乱状態となることを防ごうという動機がある。もしもどん
   な単語でも自由に gTLD となれるとしたら、それはまさに、例えて言えば米国
   内の電話番号を 10 桁から 30 桁までの好きな数に設定できるようなものだ。

   だからこそ、私たちは今回 .nxt カンファレンスに集まったのだ。100 人ほど
   の人たちが一つの部屋に集まり、インターネットについて議論し、まるで今が
   1999 年であるかのように盛り上がった。自分で独自の gTLD を持って、その
   ドメイン名がとてもホットなインターネットアドレスとなるようにすれば、そ
   こにショップを作りたいと思う企業や人々のために、あなたが料金を設定する
   ことができるようになる。あるいは、もっと共同体主義の志向の強い人なら、
   あなたの gTLD を使ってそこに集まる人々のコミュニティーを育むこともでき
   るだろう。

   後者のカテゴリーに属するドメインとしてよく議論の引き合いに出されるもの
   が三つある。中でも、.music の所有者となった人ならば、その人の携帯電話
   が鳴り出すと、それは陽気なメロディーで、何の話し合いの場であったとして
   もその人に向かって「すごいブランド力だね!」という大声がかかるだろう。
   でも、残りの二つのドメインを見れば、この問題がどれほど複雑かがすぐに見
   て取れる。.gay と .green だ。.green gTLD を自分のものにしてしまえば、
   たちまちそこに集まって来る多くの応募者たちに対して文字通り "green" と
   いう名前を授け与える権限を持った団体が出現することとなる。

   他方、.gay ドメインの方には、間違いなくかなり多くの国々からそれに反対
   する声が挙がるだろう。ゲイの人々は表に出るべきでない、彼らが互いに話し
   合うことが許されるなんてとんでもない、という態度に出てくるだろう。そし
   て、そのドメインが正式に発足した後も、そのようなサイトをそうした国々が
   すべて一挙に締め出すことのできる、手軽な方法を提供することになるだろう。


**これはゴールドラッシュか、それとも金のごとく見える偽物か?** -- 今回の
   カンファレンスでの論調は、コロンビアの国別コードでもある .co という TLD
   の所有者 Juan Diego Calle (.CO Internet S.A.S. の CEO) が行なったプレ
   ゼンテーションの中に的確に凝縮されていた。彼の意見では(また彼のマーケ
   ティング資料にも述べられているが).com というのは「ミスタイプ」であり、
   歴史的にも法人 (corporation) という単語の省略形としては "Co." が世界的
   に定着していて、それを正しく取り戻しただけだという。けれどもマーケティ
   ングの点は別にしても、彼の論調で際立っていたのは、なぜ彼が gTLD 空間の
   拡張を推し進めたいのかという理由だった。それは、市場が新しいドメイン名
   で埋め尽くされるようになるまでの間は、誰も .com を超えるものがあるとは
   気付かないだろう、という点だ。

<http://www.cointernet.co/>

   その場にいたほぼ全員が、この新しい gTLD がビジネス上の新たなブームを作
   り出すだろうという点で一致していた。.nxt カンファレンスのウェブサイト
   で大々的に掲げられている、ランドラッシュ (土地取り争奪戦) だ。彼らは皆、
   そのための詳細を議論するためにそこに集まっていた。そしてその議論から浮
   かび上がったのは、gTLD の登録を運営するための詳細の中には極めて困難な
   問題が控えていることがあり、この空間でプレイをしようとする人たちの多く
   が失敗に見舞われ、ごく一部の人たちのみが次代のインターネット億万長者と
   なるだろうという考えにほとんど疑いの余地はない、という共通認識だった。

   まさにそこが、私がむしろ疑念を感じるところであり、私が冷めた気持ちでい
   る理由だ。これらすべての話には一つ大きな問題がある。そしてその問題は、
   たった一つの単語で要約できる。それは、今やあまりにもいたる所にあって、
   誰もわざわざその後に .com を付けたりしなくなったもの、Google だ。

   この、.com こそインターネットの Nob Hill[訳者注: サンフランシスコの
   いわゆる「上層階級」地区]であるという考え方は、その昔、インターネット
   住民のごく一部を成すテクノロジーに強い人々が URL を暗記するのが普通で
   あった時代に遡る。けれども今日、平均的なインターネットユーザーたちは、
   探している会社名をただ単に Google に放り込む方が普通だ。そして、URL を
   暗記したりなどせず、必要がある度に何度でも繰り返し Google を使う。これ
   をどこで聞いたかどこに書いてあったのかちょっと思い出せないが、世の中の
   人は Google のホームページに行くために _Google 検索バーの中に Google
   と書き込んで Google する_ のが決して珍しくないという話だ。そういう人た
   ちにとっては、到着したサイトが google.com であろうと、goo.gl であろう
   と、あるいは letmeGooglethatforyou.com であろうと、どうでもいいことだ。
   彼らにとって意味があるのは検索なのだから。[編集者注: 私の父は今や経
   験豊富なインターネット飛行士だが、1990 年代に初めて彼がオンラインを経
   験した頃は URL を入力するロケーションバーさえなく、そもそも URL という
   ものが存在していることすら知らなかったそうだ。彼は、ホームページとして
   Alta Vista を使っていた。-Glenn]

   その一方で、部屋一杯の人々の前で Calle は彼の初期のマーケティングの成
   果を、あえて彼の言葉を引用すると「私たちはデジタルオーガズムを作り出し
   たのです」と述べ、部屋一杯の人々は大笑いして拍手喝采した。そう、その種
   の人を酔わせる清涼飲料を、私も飲んだ記憶がある。あれは、私が 1990 年代
   にインターネット起業家であった時代だ。そういうわけで、今回のミーティン
   グに対する私の印象は、実際に何かが始まろうとして _いる_ というものだっ
   た。それは、いくつかの会社が集まって何か新しいものを作り出し、それをお
   互いに売り買いし始めようとする、ビジネス上の一つのニッチ (隙間市場) だ。
   なぜなら、部外者たちがやって来て仲間に加わることはあまりないだろうから
   だ。アドレスや、ブランド設定は、とても重要なことだ。でも、ただ「正しい
   URL」というだけで商売になるような時代はもう過ぎたのだと思う。

   けれども、そこには一つだけ大きな但し書きがある。


**次なる本物は** -- ものごとを 2011 年の観点から判断して、私たちは NASDAQ
   の崩壊も大不況も乗り越えてきたのだし、1990 年代の自分たちはちょっと狂っ
   ていたのだと切り捨てるのは容易い。けれども、私たちが毎日使うテクノロジー
   の多くがその時代に築かれた、あるいは発明されたものだという事実を忘れて
   はならない。たとえ、そのテクノロジーを私たちに売りつけた人たちが、それ
   を市場にもたらそうと努力しつつ自らは無一文となった人たちとは違っていた
   としても。

   私は、以前に jeffporten.com ドメインを購入した時の、自分の思考過程を思
   い出す。私は昔ながらのインターネットユーザーなので、TLD が実際に何かを
   意味していた時代を覚えている。その昔は、.net を得るためには実際に何か
   のネットワークを運営していなければならず、.org を得るためには実際に非
   営利団体を持っていなければならなかった。その後、登録はオープンになり、
   以上三つの TLD がすべて誰の手にも届くようになった。

   そうだとしても、私は自分の個人的ドメインに jeffporten.com を使うべきか
   どうか、しばらく時間をかけて考えた。確かに、私は自分でビジネスを運営し
   ている。でもそのビジネスの名前は "Jeff Porten" ではない。私はそのビジ
   ネスにおけるエンジンに過ぎない。私はこう考えた。このドメイン名は、やは
   り自由市場における私の役割を示すよりも、私という人間自身を示したもので
   あるべきだ。そう考えれば .org とか .net とかは、ますます場違いとなる。
   では、jeffporten.info はどうだろうか? あるいは、個人用の「公式」TLD
   を使った jeffporten.name はどうか?

   当然のことだが、私は jeffporten.com を選んだ。なぜか? だって、いった
   い誰が .name なんて使うだろうか?(それに、私が自分のウェブサイトの中
   にも書いている通り「jeffporten.info ではなおさらうぬぼれて見えるから」
   だ。)でも、そうすることによって私は、さっきからかいの種にしたばかりの
   Nob Hill 理論に、自らを巻き込んでしまった。自分の名前を冠した .com を
   持つことには、ある種の名声の感覚が _確かに_ 伴う。Greenberg という人物
   が、自分の名前を冠したドメイン名が不動産業者によって先に取られてしまっ
   たことを話題にしているのを見てもそれは分かる。

<http://www.familygreenberg.com/>

   そこで思い出すのがまたもう一つのテクノロジーの歴史だ。20 世紀にずっと
   遡って、国中に市外局番が割り当てられていた時代には、最新テクノロジーの
   一つとして「回転ダイヤル式電話機」というものがあった。電話番号を「ダイ
   ヤル」する際、実際にダイヤルを回したものだ。9 をダイヤルするには 1 を
   ダイヤルするのに比べておよそ 9 倍の時間がかかった。あまり知られていな
   いことだが、これはつまり「より良い」市外局番があったということだ。例え
   ば、ニューヨークの Manhattan には 212 という市外局番が割り当てられたが、
   それはこれが最も速くダイヤルできるからだった。だから、市外局番を見れば
   アメリカの主要都市の重要度がどう見られているかのおおよそのランク付けが
   分かる。Manhattan は 212、Los Angeles は 213、Chicago は 312 だ。(ち
   なみに New Jersey 北部は 908 だ。)

   時代を下って 20 世紀の末に移ると、私たちはアドレス指定の問題に直面し始
   める。市外局番の後の電話番号は 1 や 0 で始まることができないので、一つ
   の市外局番に対しておよそ 8 百万個の番号が利用できる。まるでキャンディー
   を配るかのように気前良くファクス機にも携帯電話にも電話番号を割り当てた
   結果、これはもはやそれほど十分な数でないことが分かってきた。今や、ニュー
   ヨーク市内だけでも五つの異なった市外局番が Wikipedia に挙げられている。
   もはや新しい 212 番号を配ることができない、つまり既に持っている人たち
   の手から市外局番を奪い取らなければならない日がやって来たのを目にして、
   人々はこの仮想の不動産を確保し続けるために必死に戦ったのだ。

<http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_New_York_area_codes>

   今は 21 世紀だ。私はついさっき Atlanta の市外局番 404 を持つ友人に Skype
   したばかりだが、彼は折り返し私の Washington DC の市外局番 202 あてにテ
   キストメッセージを送ってきた。でも、私たちは今二人ともサンフランシスコ
   市内にいるのだ。私たちのどちらも、自分の市外局番が示す場所にはいない。
   今や私たちのような人はいたる所にいるので、市外局番が地理的場所に割り当
   てられている意味はあまりない。(それに、市外通話の料金も、私が子供の頃
   ほど心配の種にはならない。)

   私が思うに、.com にまつわる標準性の感覚の現状は、いずれ 212 の優位性と
   同じ道を辿るのではなかろうか。そして、あの日 .nxt カンファレンスの部屋
   にいた起業家たちの一人が、きっと新たなる標準、つまり次代の仮想 Nob Hill
   を作り出してくれるということも、十分に考えられる。でも、gTLD で使うた
   めの完璧な単語を選び出すだけでそれができるとは私には思えないし、卓越し
   たマーケティングとか、そういったお決まりのビジネス手段で実現するとも思
   えない。実際のところ、どんな風にそれが起こり得るのか、私にも見当がつか
   ない。

   それでもなお、それは _必ず_ 起こる。だから、あの人たちが自分こそそれが
   できるのだと信じていても、必ずしも全員が狂っているというわけではないの
   かもしれない。


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11964#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11964>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 2 月 21 日
-----------------------------------------------------------
     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11984>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**Skitch 1.0.3** -- スクリーンショット編集用ソフトウェア Skitch がバージョ
   ン 1.0.3 にアップデートされた。さまざまのバグが修正されたが、主なもの
   としては、キー組み合わせを押した際に意図しないアップロードを引き起こし
   ていた問題や、ファイルを Skitch にドラッグした際の誤った挙動が修正され、
   一部の新機種の Mac で起こっていたクラッシュも解消された。Skitch サービ
   スの無料ユーザーは今回から新たに三つの画像処理オプション、Rotate、Flip、
   Fonts にアクセスできるようになった。(無料、6.3 MB)

<http://www.skitch.com/>

   Skitch 1.0.3 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11976#comments>


**Digital Camera Raw Compatibility Update 3.6** -- Apple の最新のデジタ
   ルカメラ RAW 互換性アップデートで、Aperture 3 と iPhoto '11 のサポート
   が新たに六つのカメラを追加して拡張され、四つのカメラで画像の処理に関す
   る問題が修正された。新たにサポート追加されたカメラは Canon EOS Rebel
   T3/1100D/Kiss X50、Canon EOS Rebel T3i/600D/Kiss X5、Olympus E-5、
   Panasonic Lumix DMC-FZ100、Pentax K-r、それに Pentax K-5 だ。今回のアッ
   プデートで画像処理が改善されたカメラは Nikon D7000、Nikon Coolpix
   P7000、Panasonic Lumix DMC-GF1、それに Panasonic Lumix DMC-GH2 だ。こ
   のアップデートはソフトウェア・アップデートから、あるいは Apple Support
   Downloads ページからも入手できる。Apple は、サポート対象のカメラのフル
   リストも公開している。(無料、6.45 MB)

<http://support.apple.com/kb/DL1357>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1357?viewlocale=ja_JP>
   "デジタルカメラ RAW 互換性アップデート 3.6"
<http://support.apple.com/kb/HT3825>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT3825?viewlocale=ja_JP>
   "Mac OS X v10.6:サポート可能なデジタルカメラの RAW 形式"

   Digital Camera Raw Compatibility Update 3.6 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11975#comments>


**Evernote 2.0.4** -- 記憶保存用ソフトウェア Evernote がバージョン 2.0.4
   にアップデートされた。今回の新バージョンでは PDF の処理を改善し、大サ
   イズの PDF をロードする待ち時間の問題を防止するとともに、PDF をこのプ
   ログラムの外へ楽にドラッグできるようにした。また、このアップデートには
   開発者の言う「多数のバグ修正」も含まれている。(無料、15.9 MB)

<http://www.evernote.com/>

   Evernote 2.0.4 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11974#comments>


**CopyPaste Pro 3.0** -- Plum Amazing は、同社の複数クリップボードユーティ
   リティ CopyPaste Pro を「あなたのクリップボードのための Time Machine」
   と形容している。バージョン 3.0 での新機能はクリップアーカイブの検索で、
   これによりどのクリップの中からでも何でも見つけ出せるようになる。また、
   このソフトウェアのずっと古いバージョンに存在していた Clip Revolver 機
   能が復活した。さらに、クリップ内容からの電子メールアドレス抽出機能が改
   善され、CopyPaste の全般的挙動のコントロールを拡張する環境設定項目がい
   くつか新設された。(新規購入 $30、無料アップデート、4.3 MB)

<http://www.plumamazing.com/mac/copypaste>

   CopyPaste Pro 3.0 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11971#comments>


**1Password 3.5.7** -- Agile Web Solutions が、1Password をバージョン
   3.5.7 にした。最も注目すべき変更点として、このソフトウェアはメインウィ
   ンドウを閉じた際に自動終了しなくなった。また、添付ファイルを追加した後
   に出る成功メッセージや、Dropbox 同期のセットアップ手順簡略化、パスワー
   ド強度報告機能の改善なども新機能だ。さらに、入力の自動修正や、クレジッ
   トカード情報の自動記入なども改善された。加えて今回のリリースでは、この
   ソフトウェアと Google Chrome との互換性が大幅に拡張され、Firefox 4 と
   Safari に関するマイナーな修正もある。(新規購入 $39.95、無料アップデー
   ト、19.7 MB)

<http://agilewebsolutions.com/products/1Password/Mac>

   1Password 3.5.7 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11970#comments>


**iWeb 3.0.3** -- Apple が iWeb をバージョン 3.0.3 にアップデートした。
   iLife '11 の取り巻き連中のうち、iDVD  _でない_ 方のやつだ。今回のアッ
   プデートでは一部の Mac で iSight Movie ウィジェットを使う際の問題点に
   対処し、FTP 経由で iWeb サイトを公開する際の問題を修正している。Apple
   はまたこのアップデートが「Mac OS X との互換性を改善」したと述べている。
   たぶんそれは良いことなのだろう。何しろ、iWeb が走るのは唯一そのオペレー
   ティングシステムだけなのだから。(iLife '11 の一部としての購入は $49、
   無料アップデート、177.12 MB)

<http://support.apple.com/kb/DL1356>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1356?viewlocale=ja_JP>
   "iWeb 3.0.3"

   iWeb 3.0.3 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11969#comments>


**Adobe Acrobat/Reader 10.0.1** -- Adobe が、同社の PDF オーサリングおよ
   び読み出しツール、Acrobat および Reader にそれぞれアップデートをリリー
   スした。今回の新バージョンでは、それぞれ重大なセキュリティ脆弱性に対処
   するとともに、全般的な安定性を改善している。また、Reader のアップデー
   トでは Protected Modeを改善するとともに、QTP、Flash、SCCM のサポートに
   も改善を施している。(無料アップデート、サイズはいろいろ)

<http://www.adobe.com/products/acrobat.html?PID=3146232>
<http://www.adobe.com/products/reader.html?PID=3146232>

   Adobe Acrobat/Reader 10.0.1 へのコメントリンク:
<http://db.tidbits.com/article/11968#comments>


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11984#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11984>


ExtraBITS、2011 年 2 月 21 日
-----------------------------
     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://db.tidbits.com/article/11983>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週はリンクを二つだけ手早く紹介したい。Glenn が Readability について
   The Economist に書いた記事と、Lex Friedman が自分のバックアップ戦略に
   ついて書いた Macworld 記事だ。


**Readability サービスが読者と出版者双方を助ける** -- Readability が、与
   えられたウェブページからその余分な要素を削ぎ落としたバージョンを生成し
   てアーカイブ保存し、ウェブアカウントを使ってあとで読めるようにする、と
   いう Instapaper に似た購読サービスを追加した。Glenn Fleishman が The
   Economist に、読者のために作られたこのサービスが実は出版者の利益にもな
   るという論説記事を寄稿した。

<http://www.economist.com/blogs/babbage/2011/02/making_web_legible>

   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11973#comments>


**Lex Friedman のバックアッププラン** -- Macworld で、Lex Friedman が彼
   自身の Mac のデータを安全に保つためのバックアップ戦略と、彼がそのやり
   方を選ぶ動機となった妄想症について詳しく語る。要約すれば、Time Machine
   に加えて、SuperDuper によるブート可能クローンを用意し、さらに CrashPlan
   によるオフサイトのバックアップと、その上に Dropbox、そのまた上に Google
   Docs だ。今言ったと思うが、データ喪失に対する妄想症は非常に役に立つ。

<http://www.macworld.com/article/157414/2011/02/mybackupplanlex.html?lsrc=tidbits>

   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11972#comments>


   ----
   コメントリンク: <http://db.tidbits.com/article/11983#comments>
   Twitter リンク: <http://db.tidbits.com/t/11983>


$$

TidBITS 日本語版では翻訳スタッフを募集しています。マッキントッシュや
インターネットに関する珠玉の情報をあなたの翻訳力でより輝かせましょう。
ご賛同の方は翻訳チーム <hosoka @ ca2.so-net.ne.jp> までご連絡ください。

TidBITS は、タイムリーなニュース、洞察溢れる解説、奥の深いレビューを
Macintosh とインターネット共同体にお届けする無料の週刊ニュースレターで
す。ご友人には自由にご転送ください。できれば購読をお薦めください。

非営利、非商用の出版物、Web サイトは、フルクレジットを明記すれば記事を
転載または記事へのリンクができます。それ以外の場合はお問い合わせ下さ
い。記事が正確であることの保証はありません。告示:書名、製品名および会
社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN
1090-7017

Copyright 2011 TidBITS: 再使用は Creative Commons ライセンスによります。

お問い合わせ: <editors @ tidbits.com>
TidBITS Web サイト: <http://www.tidbits.com/>
ライセンス条項: <http://www.tidbits.com/terms/>
全記事検索:  <http://www.tidbits.com/search/>
購読:  <http://sparky.tidbits.com/mailman/listinfo/tidbits-jp>


TidBITS-jp メーリングリストの案内