TidBITS#1081 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2011年 6月 24日 (金) 23:05:43 PDT


TidBITS#1081/20-Jun-2011
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     英語版: <http://tidbits.com/issue/1081>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1081.html>


   Apple の移行に関する疑問はまだまだ続く。Glenn Fleishman が来たるべき
   MobileMe から iCloud への移行に関し私たちが知りたいと思っていることに
   ついていくつか情報をまとめる。Mark Anbinder は米国内のオンライン Apple
   Store でロックを外した iPhone が静かに追加されたことを伝え、Jeff Porten
   は Computers, Freedom, and Privacy 2011 カンファレンスで議論の的となっ
   た "Do Not Track" ヘッダ問題について報告する。また William Porter は、
   iMac の SuperDrive スロットへの SD カード誤挿入に関する警告の記事を寄
   稿する。でも今週号のメインは Joe Kissell による長編記事で、新しく出た
   Nisus Writer Pro 2.0 についての詳しい解説だ。今回の大幅なアップデート
   により、このパワフルなワードプロセッサは再び本格的なライター向けの競合
   に加わった。今週注目すべきソフトウェアリリースは、MailMate 1.2、
   QuickSilver beta60、Kindle for Mac 1.5.1、Fantastical 1.0.1、Default
   Folder X 4.4.1、AirPort Utility 5.5.3、iMac Graphic FW Update 2.0、そ
   れに Typinator 4.4 だ。

記事:
     Apple、米国オンライン Apple Store でロックなし iPhone を販売
     MobileMe から iCloud への移行通知が混乱を招く
     iMac ユーザーは、SD カードを差す場所に気を付けて
     CFP 2011: "Do Not Track" 論争
     Nisus Writer Pro 2.0 レビュー
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 6 月 20 日
     ExtraBITS、2011 年 6 月 20 日


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Apple、米国オンライン Apple Store でロックなし iPhone を販売
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     文: Mark H. Anbinder <mha @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12246>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   先週、PCMag.com の編集長 Lance Ulanoff が、ロックを外した iPhone を
   Apple は米国市場にリリースしようとしているのかどうかという疑問に対して
   発言して、いかにも権威ある口振りで「Apple はそんなことをしない」と述べ
   た。ところがその翌朝、Ulanoff は Twitter 上で、「前言を撤回しなければ
   ならない」と認めた。Apple が、まさに彼の予想と正反対のことをしたからだ。

<http://www.pcmag.com/article2/0,2817,2386860,00.asp>

   簡単に言えば、ロックを外した iPhone というのは特定のワイヤレスキャリア
   と関係しない機種であって、通信契約も何らの義務もなしに購入でき、オーナー
   が自分で互換なキャリアを選んで使うことができるものだ。iPhone 登場後の
   最初の数年間、米国内の顧客は AT&T のネットワークに縛られた iPhone のみ
   を購入できた。今年になってから Apple は Verizon Wireless で使う機種の
   iPhone を追加したが、こちらもそのキャリアのネットワークのみでしか使え
   ない。実際、AT&T と Verizon Wireless は、互いに非互換なテクノロジーを
   それぞれのセルラーネットワークで使用しているが、AT&T および世界中の大
   多数の他のキャリアに対応するようデザインされている GSM 機種の iPhone
   は、ロックを外さなければ米国の T-Mobile ネットワークでも使え、Verizon
   Wireless に対応するようデザインされている CDMA 機種の iPhone は、同様
   に米国の Sprint ネットワークでも使える。

   Apple は、(米国の) オンライン Apple Store に四つの新機種のロックなし
   iPhone をそっと滑り込ませた。16 GB と 32 GB の各モデルの GSM iPhone 4
   で、それぞれにブラックとホワイトがある。Apple によればこれらは「対応し
   ている GSM ワイヤレスキャリアならば何でもあなたのお好きなものが選べ、
   例えば米国では AT&T も選べる」という。(T-Mobile も GSM テクノロジーを
   使用しているが、ここの 3G 実装は AT&T のものと異なる周波数を使っている
   ため、同社のネットワークで iPhone を使った場合はデータの回線容量に制限
   がある。)

<http://store.apple.com/us/product/MC603LL/A?mco=MjI4NTM2NTM>

   重要な点が一つ。ロックなしの GSM iPhone は依然として Verizon Wireless
   のネットワークや、その他の CDMA ベースのセルラーネットワークでは使えな
   い。(最近の臆測によれば、Apple の Verizon Wireless 用 CDMA iPhone に
   搭載されている Qualcomm のチップセットは実際 GSM キャリアにも対応して
   いて、いずれ双方のタイプのネットワークで使えるロックなし iPhone も出る
   のではないかという。まあ、それが実現しなくても私は驚かない。)

   顧客にとって一番の利点は、ロックされていない iPhone はオーナーが世界中
   を旅した際にもいろいろなキャリアを切り替えて使えるところだ。GSM 機なら
   ば、必要なのはあなたが選んだキャリアの提供する SIM カードのみとなる。
   (CDMA iPhone は SIM カードを使っておらず、現時点ではロックなし版は出
   ていない。一般的に、米国内の CDMA キャリアはそれぞれのネットワークでロッ
   クなしの電話機を使わせることに消極的なようだ。)ロックされていない
   iPhone があれば、消費者は外国に旅行した際にはプリペイド方式の音声・デー
   タサービスを購入するか、あるいはもっと費用を節約したければ、補助金付き
   の電話機への経費を埋め合わせるため何百ドルもの料金を設定する必要のない、
   ずっと安い料金のプランを提供しているキャリアを探すかすればよい。

   Ulanoff が分別をわきまえて指摘した通り、Apple がこれまでこの戦略を避け
   てきたのには立派な理由がある。まず、消費者が混乱する可能性がある。普通、
   消費者はキャリアと電話機を別々に購入するのを望まないことが多い。また、
   米国の消費者たちがすっかり慣れてしまった補助金制度がなければ、見かけ上
   iPhone の価格は非常に高く魅力に欠けるものとなってしまう。今回の 16 GB
   モデルの価格は $649 で、32 GB モデルは $749 であるが、AT&T や Verizon
   Wireless に縛られたモデルの価格はそれぞれ $199 と $299 だ。

   ただ、世界を旅行する人たちや、特定のキャリアに縛り付けられることを好ま
   ない消費者たちからの、ロックなし電話機に対する十分な需要があるのは事実
   なので、Apple としても AT&T との独占契約の時代が終わったのを機にロック
   なしのものも発売して、補助金なしの価格を支払ってでもロックなしの機種を
   買いたい人々の希望に応えようと決断したのであろう。その上、今回のことで
   jailbreak をする人々が減るかもしれない。Apple が jailbreak の横行を何
   とかして抑えたいと思っていることは間違いないのだから。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12246#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12246>


MobileMe から iCloud への移行通知が混乱を招く
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     文: Glenn Fleishman <glenn @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12244>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   MobileMe の構想は、一度もうまく行ったためしがないかのように見える。ス
   タートしたのは 2008 年の中頃で、従来の .Mac サービスから移行するものと
   して始まったが、さまざまの故障やデータ喪失、混乱などに見舞われてしまっ
   た。(2008 年 7 月 12 日の記事“MobileMe、よろめきながらも、ついに立ち
   上がる”参照。)最近 Fortune に出た記事によれば、Steve Jobs は MobileMe
   チームを叱りつけたあげく、そのミーティングの最中にグループのリーダーを
   交代させたのだという。

<http://tidbits.com/article/9689>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-936.html#lnk3>
   "MobileMe、よろめきながらも、ついに立ち上がる"
<http://tech.fortune.cnn.com/2011/05/09/inside-apple/>

   そして今、私たちは 2008 年と同じような騒ぎをくり返そうとしている。
   Worldwide Developer Conference で、iCloud について、iOS 5 について、そ
   れに Lion の出荷日について発表したそのすぐ後に、Apple は MobileMe 購読
   者たちに電子メールを送り、建前として状況を説明した。(私たちからの速報
   は、2011 年 6 月 6 日の記事“iCloud の出現で、長期予報は嵐を予想”のセ
   クション「MobileMe はどうなる?」をご覧頂きたい。)

<http://tidbits.com/article/12232>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1079.html#lnk6>
   "iCloud の出現で、長期予報は嵐を予想"

   手短に言えば、Apple は現時点のすべての購読者に対し 2012 年 6 月 30 日
   まで無料でサービスを延長し、新規の顧客の受け付けは停止した。サポート記
   事の中で、Apple はさらなる詳細については「今秋」(つまり 2011 年の第3
   四半期に) iCloud が利用できるようになった時点で発表すると述べたが、こ
   れで私たちは何ヵ月間も混乱したまま取り残されることになる。いったいなぜ、
   今の時点で明確に質問に答えて、顧客の不満と混乱を避けようとしないのだろ
   うか? まあ、時として Apple はこういうやり方をする。残念ながら、あまり
   にも多くの秘密主義の結果、明瞭さが戦略の敵と化した文化が生まれてしまっ
   ている。

<http://support.apple.com/kb/HT4597>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT4597?viewlocale=ja_JP>
   "MobileMe の移行に関する情報"

   混乱にさらに拍車をかけたのが、Engadget チームの post-AOL プロジェクト
   による This Is My Next に載ったレポート記事だ。筆者の Joshua Topolsky
   は次のように書いた。

<http://thisismynext.com/2011/06/13/icloud-apple-strategy-flaw/>

       iCloud が動き出した時に何が起こるのか、ここではっきりさせておこう。
       イベントのステージ上で説明されたことと、私が Apple の PR 担当者に
       尋ねて確認したところによれば、このサービスは MobileMe がウェブで現
       在提供しているものを事実上置き換えることになる。つまり、打ち切り日
       の 2012 年 6 月 30 日がユーザーの眼前に到来するやいなや、現在ある
       ウェブベースの電子メールクライアント、カレンダー、連絡先アプリ、そ
       の他のウェブのコンポーネントはすべて存在しなくなる。あなたはもはや、
       ブラウザからログインしてメールをチェックしたり、カレンダーのイベン
       トを変更したり、連絡先を編集したりできなくなる。

   私たちも自分で Apple PR に問い合わせを送って、Topolsky が説明したこと
   が正しいのかどうか尋ねているところだ。もし正しければ、これは大きな損失
   となる。もしも Mac や iOS 機器にアクセスしてメールやカレンダーイベント、
   連絡先などを同期することができなくなるとすれば、自分のデータから遮断さ
   れてしまうことになる。

   Topolsky の述べたことと相反する報告もいくつかある。例えば、Apple が新
   たに書いた iCloud ベースのウェブアプリを自社のイントラネットでテスト中
   だという報告がある。また、MacRumors が公開したばかりのスクリーンキャプ
   チャには、カレンダーの読者が iOS 5 のベータ版を使って生成したように見
   える、カレンダーへの iCloud 招待状が示されている。

   ウェブアプリの未来の状況はさておき、現行の MobileMe 関係の各種サービス
   に関してもたくさんの疑問がある。

* __新規の iOS 購入者:__ もし私が iPhone を今日買って、ワイヤレスの同期
   をしたいならば、MobileMe 購読を購入することができるのか? AT&T で、
   Verizon Wireless で、そして Apple ストアで人々がどういう風に説明を受け
   ているのか、私は知らない。コンピュータと複数の iOS 機器の間で同期をす
   るために必要であるサービスが、新規の顧客に対しては何ヵ月もの間ただ存在
   しない、というのは奇妙なことのように思える。ひょっとしたら、こっそりと
   無料で使えるようになるのだろうか?

* __ストレージ量:__ iCloud には 5 GB の無料ストレージが付いていて、これ
   をあらゆる種類のメディアに使うことができる。(ただし iTunes Store で購
   入した項目は別扱いで、このストレージ量の勘定には含まれない。)そして、
   どうやらストレージ量の追加アップグレードができるオプションもあるらしい。
   (iOS 5 のベータ版にはそう書かれている。)MobileMe では、年額 $100 の
   購読料金を払って 20 GB のストレージ量が使えた。最終的に価格がどうなる
   のか、またどれだけのストレージ量が購入できるのか、まだ分からない。

* __iDisk:__ 私たちの iDisk ファイルは、どこへ行くのだろうか? 公開した
   ファイルは到達可能のままだろうか? 私たちが自分でアーカイブ保存しなけ
   ればならないのか、それとも自動的に魔法のごとく新しいシステムに移ってく
   れるのか? それに、現在既に 5 GB 以上のデータを持っていて、ストレージ
   量のアップグレード料金を払っていなかった場合はどうなるのか? 2012 年
   6 月 30 日をもって、突然すべて消え去るのか?(Dropbox、SugarSync,その
   他のサービスに代役を務めさせることはできるが、それでも厄介な変化となる
   ことに変わりない。)

* __Gallery:__ iCloud には、写真を iOS 機器やコンピュータの間でやり取り
   するためのコンジットとして Photo Stream がある。でも、MobileMe Gallery
   に貯えられているアルバムや、iPhoto との統合はどうなるのか? iCloud サー
   ビスの説明を読む限り、従来の機能と似たところはない。この従来の機能は、
   全世界を相手にしても、内輪のグループ内でも、いずれも写真の共有ができる
   方法として人気があった。

* __iWeb がホストするサイトとパーソナルドメイン:__ MobileMe Gallery と同
   様、iCloud には MobileMe の iWeb 統合に似た機能が見当たらないようだ。
   また、あなたが所有するドメイン名のエイリアスを作って MobileMe のホスト
   するサイトと並び立つようにできるオプションもない。MobileMe 上でホスト
   された既存のウェブサイトはどうなるのだろうか?

* __Back to My Mac:__ Back to My Mac (どこでも My Mac) は、このサービス
   の公的な要素とは無関係な MobileMe の基盤構造の数個所の部分に依存して動
   作する。例えば、広域の動的 DNS に依存して、同じ MobileMeアカウントに登
   録された複数のマシンの間でセキュアなトンネルを作成する。それ自体はたや
   すく iCloud に移行できるだろう。Back to My Mac は、MobileMe 環境設定パ
   ネルの中の Start/Stop ボタン以外にインターフェイスを持たないからだ。で
   も、はたして Apple はそれをしてくれるのか? このサービスが iCloud に移
   行するのかどうか、同社は沈黙を保っている。

* __Apple コミュニティー:__ Dennis Swaney はこの記事へのコメントの中で、
   彼が長年 Mac.com アドレスを使って Apple の討論フォーラムに参加し、一定
   の信用と評判を得るに至った、と言っている。けれども、新しい Apple ID に
   移行すれば、彼の獲得してきた定評も、過去のフォーラムへの投稿も、新たな
   場所に融合させることができない、と彼は言う。確かに、フォーラムの一貫性
   は崩れ、これまでいろいろのアドバイスを提供してきた人たちはがっかりさせ
   られるかもしれない。もちろん、Apple が何らかのうまい方法で Apple ID の
   統合を可能にしてくれるならば話は別だが。

* __MobileMe エイリアス:__ MobileMe の電子メールエイリアスに依存して使っ
   ているユーザーもいる。Apple によれば、新しいエイリアスを作ることはもう
   できないという。でも、既にシステムに存在しているエイリアスは、どうなる
   のだろうか?

<http://support.apple.com/kb/HT3379>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT3379?viewlocale=ja_JP>
   "MobileMe:メールエイリアスについて"

* __Lion 以前の Mac OS X ユーザー:__ iCloud は Lion への切符なのかもしれ
   ないが、Leopard や Snow Leopard のユーザーで、現在 MobileMe を問題なく
   使いこなしている人たちは、いったいどうなるのだろうか?(もちろんもっと
   古いシステムの人たちもいる。)仮にウェブアプリが存在するとすれば、彼ら
   にはウェブアプリのみが手段となるのか? 同期の手段はことごとく使えなく
   なってしまうのか? 2012 年に移行期が終われば、おそらくそうなるのだろう
   と思われる。

* __初代 iPhone と iPhone 3G のユーザー:__ 初代の iPhone では iOS 4 が使
   えず、iPhone 3G では iOS 4.2 までしか使えないけれど、これらの機種のオー
   ナーは少なくともこれまで同期だけは使えていた。iCloud に移行すれば、彼
   らは 2012 年に移行期が終わった後は同期サービスが使えなくなるのか?

* __Find My iPhone:__ Back to My Mac と同様、Find My iPhone (iPhone を探
   す) 機能で使われるデータを iCloud に持ち込んで、従来の MobileMe ログイ
   ンの代わりに Apple ID を使わせるようにすることはたやすいはずだ。Apple
   は去年、Find My iPhone サービスをすべての iOS 4 ユーザーに対して全機器
   で無料とした際に、このサービスで Apple ID ベースのアカウントへの対応を
   開始した。あなたの Apple ID があなたの MobileMe アカウントと異なってい
   る場合、iCloud はその移行をクリーンに処理できるのか?

   以上、私たちが当面思い付く限りのことを列挙してみた。皆さんは、iCloud
   のリリース以前における MobileMe の使用について、何か他に疑問をお持ちだ
   ろうか? また、MobileMe のホストするデータやサービスについて、何か他の
   懸念でまだ Apple が説明していないことをご存じだろうか?


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   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12244#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12244>


iMac ユーザーは、SD カードを差す場所に気を付けて
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     文: William Porter <wp @ polytrope.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12196>
     訳: 柳下 知昭 <tyagishi @ gmail.com>

   パートタイムだけれども、アクティブなフリーランスの写真家として、私は、
   多くの写真のファイルを SD カードから iMac のハードディスクへコピーす
   る。昨年末、それ以前に数年使用していたウィンドウズのシステムを置き換え
   るために購入した iMac に非常に満足していた。iMac には、美しいディスプ
   レーが備わっていて、Adobe Lightroom 3 が64 ビット対応を開始したこと
   で、iMac 上で以前に比べて速く数百のイメージを処理することができた。

   私の数少ない iMac への不満の 1 つは、背面にある届きにくい USB ポートの
   場所であった。この問題に対しての最初の解決策は、USB ハブを追加すること
   だった。ハブを、iMac のディプレーの下のすぐ届く箇所に据え付けた。SD
   カードを小さなカードリーダーに差し、ハブへとつないだ。

   告白しなければならないが、この時点では、iMac にユーザーガイドが付いて
   いたとしても、私は一度も読んだことはなかった。つまり、最近になって
   iMac のディスプレーの横に 2 つのスロットがあることを見つけるまで数ヶ月
   もそれと知らずにこの素晴しいマシンを使っていたのだ:大きいほうのスロッ
   トは、iMac のスーパードライブであり、CD や DVD を読み込めるもので、小
   さいほうのスロットは、SD と SDHC の写真保管カードを読み込むことのでき
   る SDXC スロットである。私は、光学ドライブはあまり使っていなかったが、
   SDXC スロットを見付けられたのは幸せで、USB ベースのカードリーダーを使
   うのをやめた。


**しまった!** -- 私は、2 つのスロットを勘違いするまでは幸福だった。最
   初に SDXC カードスロットを発見したとき、慎重に使っていた、カードを挿入
   する時には、iMac の側面がよく見えるように体を傾けていた。しかし、すぐ
   にルーチンとなり、あまり注意を払わなくなった。そして、おおよそ 1 週間
   後、よく見ずに iMac の側面に手を伸ばして、うっかりと SD カードを光学ド
   ライブの入口に入れてしまった。SD カードが正しく SDXC スロットに挿入さ
   れれば、CD の様にまったく見えなくなってしまうことはない。入口からカー
   ドが少しはみだすため、カードをデスクトップからマウント解除した時に、そ
   こをつかんで、取り外すことができる。カードが、完全に光学ドライブの入口
   の中に消えてしまった時に、へまをしてしまったと気付いた。

<http://tidbits.com/resources/2011-05/iMac-slots.png>

   光学ドライブの入口には、綿毛状の 2 つのカーテンがある、恐らくほこり除
   けだろう。そのせいで、うっかりと入れてしまった SD カードがどうなったか
   中をのぞくことはほとんど不可能になっている。なので、カードを取り除く最
   適の方法は、わからなかった。

   気まずかったが、何をしてしまったかを TidBITS の著者や編集者のコミュニ
   ティーのMac パワーユーザーの何人かに説明し、提案を募った。このような事
   をしてしまったのは、私が初めてでも、2 人目、3 人目でもないと聞いて驚い
   た。しかもこのコミュニティーは、有能な精通したユーザーのグループなの
   だ。


** ペーパークリップルール** -- 結局は、光学ドライブからカードを取り出
   すことができた。iMac の電源を完全に取り外し、注意深く横にした(そう、重
   いために非常にやりにくい)、そして、SD カードが綿毛状のカーテンに近付け
   るために机の表面に向って、iMac を非常にやさしく叩いた。

   そして、私は Mac ユーザーの最も古くから、最も役立ってきた修理道具:大
   きなペーパークリップを使った。わたしは、- 再度非常にやさしく - 光学ド
   ライブの入口のあたりを無分別につつくこと数分、- やった! - SD カードの
   先端がドライブのカーテンからちらっと見えた。その後に、それを指でつまめ
   るくらいまで引っ張り出すことは、非常に簡単だった。

   iMac を元の位置に戻し、すべてを繋ぎなおし、SuperDrive と 救い出された
   カードをテストした。すべてがきちんと動作して、うれしかった。修理費もか
   からずアップルストアへ出掛けることもなく全てがうまくすんだ。


**優雅と使いやすさ** -- わたしは、よろこんで、間の抜けた事をしたと明記
   するし、間違いなく同じ過ちをおこさないようにするだろう。

   たとえそうであっても、実質的に iMac がこの間違いを呼び込んでいること
   は、非常に明白に思える。2 つのスロットは右側面に配置されることで、視界
   から優雅に隠されている。しかし、この優雅な隠し方とスロットが隣接してい
   ることがあいまって、わたしがした様なうっかりした間違いをおこし易くして
   いる。

   ずばり言うと、このスロットの配置は、工業デザインの悪い例であり、将来の
   iMac のデザインで簡単に取り除くことができるものである。アップルは、
   iMac の右側面の 2 つのスロットをもっと垂直方向に離すことができる。もし
   くは、移動することによって内部のおおきな調整が必要かもしれないが、アッ
   プルは、SDCX カードスロットを垂直方向から水平方向へと変更することや、
   iMac の左側面に移動することができる。

   見ための優雅と使い勝手は、同居できないわけではない。例えば、私は 様々
   なジェスチャーを学んでMagic Trackpad が使えるようになったことで、今は
   これが大いに気に入っていている。しかし、iMac では、アップルが時として
   優雅さのために使い勝手を犠牲にするという非難に分があるかもしれない。
   SDXC スロットの位置以外にも、使い勝手を優雅と交換したように見えるたく
   さんの工業デザイン上の判断に気付いた。例えば、あなたは(積んだ本の上に
   載せることでもしなければ)、ディスプレーの高さを調整できないし、iMac の
   背面にある USB やその他のポートは、非常に届きにくい。さらに、iMac の電
   源ボタンは、左下の背面にあり、うまく隠せてはいるが、画面の角度やその位
   置を調整するために下の角をつかむとき、あやまってスリープさせてしまいや
   すい。

   iMac は、ゴージャスなデザインであることに疑問の余地はなく、これらの使
   い勝手の問題を解消することで、その美学を傷つけるかもしれない。それでも
   なお、私はアップルには将来の設計において、これらの使い勝手について少く
   とも検討して欲しい。当面の間、もしあなたが、iMac を持っていて、SDXC ス
   ロットを使用するならば、SD カードを差す場所に気をつけて欲しい!

    ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12196#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12196>


CFP 2011: "Do Not Track" 論争
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     文: Jeff Porten <jporten @ gmail.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12247>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   ねえ、君のインターネット上での活動に関する詳しいプロフィール情報を、ど
   こかの怪しげな会社が記録しつつずっと追跡して回るのを君は望むのか? そ
   れとも君は、例えば Google Search のような、広告収入でやっている無料の
   オンラインサービスを何百も利用する方が好きなのか? その種の疑問に関係
   した問題、つまりユーザーのプロフィール情報をインターネット上の広告が利
   益を生めるよう利用する開発法に関する問題が、Computers, Freedom, and
   Privacy 2011 カンファレンス初日のパネルディスカッションで議論された。

   Do Not Track メカニズムに賛成する出演者たちは、ウェブブラウザの中にオ
   ンラインの "don't call" (連絡拒否) リストに相当するものを埋め込もうと
   いう現在提案中のインターネット標準に、賛成する立場から意見を述べた。こ
   の案では、追跡されたいか否かをシンプルなオン/オフのスイッチで設定でき
   る。このスイッチがオンの場合は、あなたがウェブページを開こうとする度に、
   そのウェブサイトに対して、あなたが自分の情報を収集されたり再販売された
   り、あるいはそこからデータを抽出されたりすることを望まないという意思が
   伝えられるようになる。

   けれども、Do Not Track のやり方に反対する出演者たちは、提案されている
   やり方があまりにも広範過ぎて予期しない結果を生むだろうと述べた。すべて
   のデータの流れの完全遮断が簡単にできるようにしてしまえば、あるいは彼ら
   の意見ではさらに悪いことに、それを _デフォルト_ の状況にしてしまえば、
   私たちがこれまで依存するようになってきたいろいろの無料サービスが枯渇す
   るだろうというわけだ。

   インターネットは、現在実装されている形では、この問題を「解決」するため
   にブラウザのクッキーを利用する。ここで解決を括弧書きにしたのは、ユーザー
   のプライバシーに関してクッキーがユーザーにコントロールの力を与えること
   にあまり成功していないという意見もあるからだ。技術に長けたユーザーでさ
   え、ウェブページを訪れた際にどれだけ多くのサードパーティの会社が ping
   されているかを見出すのは極めて困難だ。Center for Applied Cybersecurity
   Research の Chris Soghoian は、Wall Street Journal のサイトがそのウェ
   ブデータを外部の 38 社と共有していると述べた。(ただしこれが実際に数え
   た正確な値なのか、それとも口先だけの誇張なのかははっきりしない。)彼に
   よれば問題は、私たちがこのまま Do Not Track ヘッダの使用に踏み切ってす
   べてのユーザーにより多くのコントロールを与えるようにすべきか、それとも
   広告ブロックサービスのような大がかりなやり方を使ってターゲットを定めた
   広告という流れそのものを止めてしまうかという選択なのだという。

   いや、ちょっと待て、と反対陣営は反論する。追跡メカニズムを手軽にブロッ
   クできるようにするヘッダのシステムは、それが手軽になり _過ぎる_ という
   意図せぬ結果を生むだろう。ユーザーたちは追跡メカニズムが自分たちの利益
   になる部分の恩恵を受けられなくなる。例えば、現実に興味の持てる広告が見
   られたり、ウェブデータの内容とその表示方法をいろいろに調整して情報をよ
   り便利に利用できたりといった恩恵だ。彼らによれば、最も大きな懸念は米国
   連邦政府が手荒なやり方で介入して来て、自由市場の革新と新しい情報サービ
   スとを抑え込んでしまう結果になる点だという。欧州連合 (EU) は既にこの方
   向に動き出しており、デフォルトでプライバシーを優先するという現在草稿段
   階の規制により、今後多くのオンラインサービスがヨーロッパでは稼動できな
   くなるのだという。

   さて、ここからは論説に移ろう。論争そのものを見たいと思われる方には、リ
   ンクが判明し次第ここにリンクを掲載するつもりだ。

   Do Not Track ヘッダの実装に反対する人たちについて私が最も問題にしたい
   のは、彼らの論拠の多くが不正直であった点だ。三人の出演者たち全員が、説
   明している内容のビジネス的側面と技術的側面の双方を明らかに知り抜いてい
   た。そうであれば、彼らは自身の述べた論拠の中にいくつか欠陥があることに
   気付いていたはずだ。

   __論拠 1:__ Do Not Track に反対することはユーザーの力を増すことに寄与
   する。なぜなら、人々が自分の見る物をコントロールできるよう、よりきめの
   細かい能力が与えられるからだ。この論拠は、個別のクッキーを削除できると
   いう事実に基づいている。ところが、マスタースイッチを使えばすべてかゼロ
   かの選択になってしまう。

   ここでの問題は、どれだけ多くのインターネットユーザーが "12:00 flasher"
   であるか、つまり 1990 年代にビデオデッキで時計を合わせることさえできな
   かった (時刻合わせができないのでいつまでも "12:00" が点滅したままの)
   人たちと同じかということだ。今日流に言い直せば、何百万という人たちが
   Google に行くために Google 検索バーに "google" とタイプし、Apple のウェ
   ブサイトに行くために "apple" を検索している、ということだ。

<http://video.google.com/videoplay?docid=2791380657531071711#>

   そうした人たちは「きめの細かい能力」が与えられることを望んでいないし、
   与えられる必要もない。その意味で、これは Facebook でプライバシーをコン
   トロールするのと同じことだ。Facebook でのコントロールは確かにきめ細か
   いが、それらはあまりにも使いにくい。私の意見だがこれは意図的にそうなっ
   ているのだと思う。たいていの人々はコントロールがあることも知らないし、
   何のためのコントロールなのかも知らない。この意味の「きめの細かい能力」
   とは、「難しくしておけば、現状維持されるだろう」ということなのだ。

   __論拠 2:__ もしもプライバシーが危ういという理由で人々がインターネット
   への信頼を失えば、それはすなわちインターネットでの商取引の終わりを意味
   する。従って、自由市場を信頼して安全なシステムを設定することは可能だ。

   私に言わせればこの論拠を解読するのはちょっと困難だが、証拠無しに主張を
   述べることを許してもらえるなら、インターネットが一つの巨大な一枚岩であっ
   てそれが信頼できるか信頼できないかのどちらかだと考える人は少ないだろう。
   Amazon で本を注文したりオンラインで銀行口座の取引明細をチェックできた
   りするのはあまりにも便利だ。十年前には「信用」が重大な問題であったけれ
   ど、もはや転換点は過ぎた。私は個人的に、Sony がこれまで何回 PlayStation
   ネットワークに侵入されたかもはや覚えていないし、どんなデータが漏洩して
   いるのかも知らない。それでも同社の顧客の 90 パーセント以上が既にオンラ
   インに戻っている。どうやら、炭疽菌が文字通りデジタル化されて電子メール
   に添付できるようにでもならない限り、多くの人々をオンライン商取引から引
   き離すのは無理なようだ。

<http://bits.blogs.nytimes.com/2011/06/13/one-on-one-jack-tretton-sony-c-e-o-america/>

   __論拠 3:__ 人々が提供しているデータの大部分は安全性に問題がなく、自ら
   意図して提供しているものだ。

   私に言わせれば、これが最も大きな理解の相違だ。この点は、討論の双方の側
   であまりうまく対処できていなかったように思う。例えば今朝、私はウェブ上
   のベンダーに自分のアドレスを提供し、私がバスに乗ってカンファレンスに行
   くことを Google に知らせ、バスの中でも少しウェブサーフィンをした。これ
   らのデータポイントも無害だと言うのだろうね、きっと?

   それ自体では、確かに無害だ。けれども、私の ZIP コード(郵便番号)を購
   買層データベースと比較すれば、私がどんな種類の人物なのかの可能性が絞ら
   れ始める。私は、公共交通機関を利用するタイプの人間であって、私のウェブ
   ブラウザの履歴を見ればおそらく私が自動車を購入したことがないことも簡単
   に分かるだろうし、公の記録を見れば私が運転免許を持ったことがないことも
   分かるだろう。それから私は Android スマートフォンを使い、4G Clear MiFi
   ホットスポットをレンタルで借り、iPod touch を持ち運んでいるタイプの人
   だ。こうしたデータすべてが私のウェブブラウザから流れ出ているのであって、
   純粋に私のインターネット使用のみから発しているものだ。

   これで、皆さんにも私がどんな人物なのかが分かり始めただろうか? これは、
   およそ一時間オンラインにいただけのことからだ。もしも数週間か数ヵ月間、
   あなたが私を観察してデータを収集し続け、私がどんなサイトを訪れてどんな
   ベンダーをひいきにしているか知り尽くしたならば、どこまでのことが判明す
   るか、ちょっと想像してみて頂きたい。Do Not Track ヘッダは正しい方向に
   向けた第一歩だ。現在既に、私たちは皆、ウェブ上にパンくずで足跡を残して
   いるのでなく、丸々一斤のカラ(ユダヤのパン)を次々と榴弾砲で連射してい
   るようなものだ。

   Do Not Track ヘッダは、ウェブサイトのプロバイダがその使用法を尊重して
   それに従うことを前提としている。その点にこそ、何らかの規制の力による裏
   打ちが必要となると私は思う。なぜなら、法律の力で裏打ちされない限り、会
   社が自らの意思でそれに従おうとしたり、さらにはその標準に同意しようとし
   たりする誘因がほとんど見当たらないからだ。

   それに、Do Not Track システムはウェブサーバのメカニズムを要するので、
   広告主に有利な粒度を選べる道が明らかに残されている。例えば Google のよ
   うなウェブサイトで、あなたの情報をカスタマイズする目的で追跡をする必要
   のあるところへ行けば、そのサイトはあなたに対し、ここが信用できるサイト
   であることを示す「ホワイトリスト」に入れる許可を求めることができる。いっ
   たんあなたがそのような許可を与えれば、そのサーバは合法的にあなたについ
   てのプロフィール情報を舞台裏で保存し続けることができるようになる。その
   一方で、認証を与えられていない他のサイトはすべてあなたを追跡することが
   できなくなる。

   残念なことに、規制に反対している陣営は、適切に実装できるかどうかについ
   て政府を信用することができないと述べた点については完璧に正しい。ただし
   それは、その陣営が主張した理由からではない。金の力にものを言わせてロビー
   活動をし、議論をどちらかの方向にシフトさせることはあまりにも簡単だ。ま
   た、互いに衝突する利害の双方をハンガリー風シチューさながらにごた混ぜに
   した法律が出来て、誰の利益にもならない結果に終わることもよくある。カン
   ファレンスでは、他の講演者たちも現在の法律や進行中の将来の法律について
   さまざまな意見を述べていた。賛成意見にせよ、反対意見にせよ、あなたがど
   ちらかに強く共感されたなら、今こそあなたも身近な下院議員、上院議員、あ
   るいはあなたの国の国会議員に連絡を取って、ご自分の意見を伝えておくべき
   絶好の機会ではないだろうか。

   [編集者注: Jeff Porten は Computers, Freedom, and Privacy 2011 カンファ
   レンスからの報告として他にもたくさんの記事を投稿してくれた。今後、週刊
   の TidBITS 号でもこれらの記事を少しずつ小出しにして行くつもりだ。早く
   読みたい方はこちらをどうぞ: "CFP 2011: Teens and Data Retention" (15
   June 2011), "CFP 2011: Arab Spring or Twitter Revolution?" (16 June
   2011), "CFP 2011: Shine On, You Crazy Senator!" (16 June 2011). -Adam]

<http://tidbits.com/article/12250>
<http://tidbits.com/article/12260>
<http://tidbits.com/article/12261>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12247#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12247>


Nisus Writer Pro 2.0 レビュー
-----------------------------
     文: Joe Kissell <joe @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12220>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   Nisus Software が最近 Nisus Writer Pro 2.0 をリリースした。同社の伝説
   的なハイエンドのワードプロセッサの、メジャーな改訂版だ。前回のアップデー
   トからもう一年以上経つが、今回の新バージョンには膨大な数の改善が施され
   ていて、遅れを十分に正当化できるものとなっている。実際、今回は、もっと
   大きなことが言える。私は長年 Nisus Writer の良い時も悪い時もずっと注意
   深く見てきたが、Mac OS X が初めてリリースされた時以来(つまりこの十年
   以上で)私が自分のプロフェッショナルな執筆仕事に Nisus Writer を使おう
   と真剣に考えたのは、実に今回が初めてのことだった。それはショッキングな
   ことでもあり、喜ばしいことでもある。

<http://nisus.com/pro/>
   (日本語)<http://www.mercury-soft.com/jp/products/pro/>
   "Nisus Writer Pro"

   リリースノートは、極めて興味深い読み物となる。そこには _500 以上_ の変
   更点が詳しく記されており、メジャーな新機能も、マイナーな変更も、バグ修
   正もある。今回のリリースで目玉となる主要な機能のいくつかは、まさに私が
   長年にわたって切望し続けてきたもの、例えば変更追跡、パラグラフの縁取り
   と陰影付け、ドロー関係のツールなどだ。Nisus Writer Pro 2.0 はまた、適
   切な目次や内部参照のクリック可能リンクを備えた PDF ファイルを作成した
   り、EPUB フォーマットで書類を書き出したり、ページ内容の背後にウォーター
   マークを追加したり、縦方向のルーラを表示したり、カスタマイズ可能な特殊
   文字メニューパレットを出したり、ディスク上に保存された画像ファイルへの
   リンクを入れたりすることもできる。

<http://nisus.com/pro/releasenotes20.php>

   当然ながら、Nisus Writer Pro は以前からこの製品のトレードマークとなっ
   ていた諸機能を持ち続けている。例えば複数個の編集可能クリップボード、広
   範囲に及ぶ多言語テキスト (特に右から左へ書く言語) のサポート、世界最高
   の検索・置換機能、内蔵のマクロ言語、自動的にテキストを置き換えるグロッ
   サリ(略語辞書)機能、一流の表作成・編集機能、複数コラム・セクション・
   その他のレイアウト機能、多岐にわたりカスタマイズ可能な自動番号付け・ブッ
   クマーク・相互参照・索引・目次の諸機能、脚注と巻末注、ユーザー定義によ
   るパラグラフ・文字・リスト・ノートの各スタイル、それから覚えやすいよう
   にカスタマイズできる複数キーのショートカット (例えば "Save as PDF" に
   Command-S-A-P など) など心配りの行き届いた驚くほど柔軟性のあるユーザー
   インターフェイス、などだ。また、Nisus が開拓者となり今日ではほとんどい
   たる所で見られるようになった機能、例えば非連続選択(今は「マルチパート」
   選択と呼ばれる)や回数無制限の取り消し・やり直しなども忘れてはならない。

   先に進む前に、もしもあなたのワードプロセッサを使う必要性が、ほんの時々
   ビジネス上の手紙を書いたり買い物リストを作ったりする程度を超えないもの
   だとしたら、その場合 Nisus Writer Pro はあなたにとってそれほど魅力ある
   ものではないかもしれない、ということをお断りしておきたい。Nisus Writer
   Pro は、重量級の執筆仕事をする人たちのための、本格的なツールだ。書籍や、
   学位論文、学術論文、法律書類、その他複雑なものを書き上げる必要のある人
   たちにこそ、Nisus Writer Pro は最高のものを提供することができる。すな
   わち、あなたに想像できるほとんどあらゆる方法で _テキストを操る_ ことが
   できるのだ。950 ページにわたる卒業生人名録を調べて、"John Smith, Class
   of '72" という形の項目をすべて "1972 [tab] SMITH, _John_" という形に直
   す、つまり年をすべて4桁に直し、姓をすべて大文字にして前に置き、名の方
   はイタリック体で後に置く、というような作業でも、Nisus Writer Pro なら
   ば 950 ページの全巻を数秒で済ませることができる。この種のパワーこそ、
   Nisus Writer Pro を他のワードプロセッサと一味違うものとしているのだ。

<http://tidbits.com/resources/2011-06/Find-Replace.png>

   私はこの新しい Nisus Writer Pro を使ってかなりの時間を過ごしたし、その
   経験については下で詳しく語らせて頂きたい。新しいことも、古いことも、良
   いことも、悪いこともすべて。私は Nisus と(その製品とも、その会社とも)
   個人的に長い歴史を持っているので、このレビュー記事をちょっとした物語風
   にまとめてみたい。私の性格を知る皆さんはきっと納得して下さるだろう。そ
   んなものを読んでいる暇はないとおっしゃる方は、どうぞ適切な個所 (「2で
   新しいこと」セクション) まで飛ばして読んで頂きたい。でも、何よりも最初
   に、私の見つけたことをまずは一言でまとめさせて頂こう: ワーォ、Nisus
   が戻って来たぞ、やったぜ! 私は今、Mac ユーザーとしての私の最も初期の
   時代以来一度もしたことのなかった方法で、このソフトウェアに夢中になって
   いる。それはまだ私の必要とするものを何から何まですべて備えているわけで
   はないが、ついにそこに手の届く範囲までやって来た。つまり、まだ欠けてい
   るものはほとんどすべて、私がマクロを注意深く書き上げることによって補完
   され得る、それほどまでに完璧に近いという意味だ。ほとんど毎日、ほとんど
   一日中、ワードプロセッサで仕事をしている人にとって、しかも、到底口にす
   ることのできない感情を Microsoft Word に対して抱いている人にとって、こ
   れはものすごく大きなことだ。テキストをやり取りして暮らしているあなたは、
   _今すぐ_ このソフトウェアをダウンロードすべきだと思う。私は本気だ。


**背景を少しばかり** -- 多くの TidBITS 読者の皆さんはずっと以前から私を
   知って下さっていて、とっくにご存じのことかもしれないが、やはりもう一度
   ここに書いておきたい。大学院生として言語学を学んでいた頃の私は PC ユー
   ザーだった。ただ、時々は大学のコンピュータラボで Mac も使っていたし、
   学位論文は Word で書くつもりだと指導教授に話したところ、彼は顔をしかめ
   てから、そんなものの代わりに Nisus を検討すべきだと言ってくれた。(当
   時このソフトウェアは Nisus と呼ばれていた。)そこで私は無料のデモ版を
   注文し、届いたフロッピーディスクをコンピュータラボの Mac にロードして、
   その数分後に、もう私の運命は決していた。(そう、文字通り私の運命、私の
   一生のキャリアが、この時決定付けられた。)私は、このプログラムの機能に
   圧倒された。それは Windows で手に入るどんなものよりも遥かに優れていた。
   あまりにも圧倒されたので、私はじきに自分の初めての Mac を買うこととなっ
   た。(ちなみに、「古き良き日々」の Nisus について興味深い歴史的視点を
   得たいなら、Matt Neuburg が 1992 年に書いた Nisus 3.0 の膨大なレビュー
   がある。全部で 14 個の「記事」が、TidBITS の三つの号にわたって展開され
   ている。)

<http://tidbits.com/series/1055>

   その当時、Nisus は広範な多言語サポートによって最もよく知られていた。そ
   れはまだ Unicode が生まれていない時代で、Mac でアラビア語、中国語、ヘ
   ブライ語、日本語などを書くにはかなりの助力を必要とした。そうは言っても
   私が書くものはほとんど英語だったが、でも私は長い、複雑な学術書類を書く
   必要があった。Nisus で仕事してみると、Word で書くよりもはるかに簡単に
   できることが分かった。Word では全然できないようなことも、Nisus ではク
   リックやキー操作を一つ二つするだけでできる、ということがたくさんあった。
   Nisus はただ単に非常にパワフルなワードプロセッサであるのみならず、際限
   なくカスタマイズが可能であった。内蔵コマンドのない何らかの作業をする必
   要があれば、ただマクロを作ってその機能を自分で追加すればよかった。もち
   ろんこのソフトウェアにも限界はあったが、手に入るツールの中でこれが群を
   抜いてベストなものであることは疑いようがなかった。

   その後数年間、私はいろいろな場所に住み、言語学とも大学とも無関係な仕事
   もいろいろした。それでもなぜか、私は Nisus の重力圏の内部に留まってい
   た。(それ以上詳しく語るのは止めておこう。Macworld でビールを一杯おごっ
   てくれれば喜んで全部お話しよう。)1994 年に San Diego に引っ越してから
   間もなく、私は Nisus Software 社でパートタイムの職を得ることに成功した。
   最初はマニュアルの索引作りを手伝う仕事で、その後技術サポートに移り、そ
   れからいつの間にか私は Nisus Writer の製品マネージャになっていた。同社
   で働きながら、私は初めての本の出版契約にもこぎ着けた。600 ページから成
   る大部の著書 "The Nisus Way" は、1995 年の末に出版された。著者としての
   私のキャリアは、言ってみれば非連続的だが、すべての始まりは Nisus から
   だった。私を Mac に導いたのも Nisus だったし、私を TidBITS に導いたの
   も、Adam と Tonya に引き合わせたのも Nisus だった。(Adam も Tonya も、
   当時 Nisus Writer の大いなる支持者であったし、その後何年にもわたって
   Nisus Writer を使って TidBITS を制作していた。)そうして結局、現在の私
   は滑稽なほどのハイペースで Take Control 本や Macworld 記事を書く習性を
   持つに至っている。

<http://alt.cc/tnw/>

   Nisus Writer で本を書くのは、喜び以外の何物でもなかった。飽き飽きする
   ような繰り返し動作で時間を浪費することは決してなかった。なぜなら、私が
   したいことはすべて、徹底的に自動化でき、すべてがキーボードからコントロー
   ルできたからだ。このソフトウェアを使って私は最高速で仕事ができ、仕事の
   邪魔になるものも、フラストレーションを起こすものも、何もなかった。私は
   Word でもたくさん本を書いたことがあるけれど、その作業を楽しいと思った
   ことは一度もない。本格的に執筆作業をしようと思えば、特にそれが技術的性
   格の内容であれば、Word のツールとしての適性は最小限と言える。ちょうど、
   コーラの瓶が釘を打つツールとして適していないのと同じことだ。(いずれの
   場合も、作業中にツールが壊れてしまうという厄介な傾向がある!)その点、
   Nisus Writer は完璧なバランスを持ったハンマー、ぴったりと仕事の目的に
   合ったツールだ。

   さまざまな仕事や製品を通じて、私は長年 Nisus Writer を呼吸しながら生き
   てきた。編集者や同僚が原稿を Word フォーマットで欲しいと言ってきても、
   私はあわてなかった。ただ Save As コマンドを使うだけで、誰も違いに気付
   かないのだった。けれどもその後次第に、期待される対象範囲が変わってきた。
   1990 年代の末頃には、私が一緒に仕事をしていた人たちのほとんど全員が、
   Word の変更追跡や注釈、ユーザ定義スタイルなどを広く使うようになってい
   たので、彼らと書類をやり取りするためにはそれらの属性すべてが双方で完璧
   に届くようになっている必要があった。Nisus Writer にはそれができなかっ
   たので、私は不本意ながら自分のワードプロセッシングの大部分に Word を使
   い始めた。ただ、可能な場合には引き続き Nisus Writer を使うようにした。

   それから 2001 年になって、Mac OS X が登場した。Nisus Writer は Classic
   モードでしか動作できず、そこでさえも見事に動作するとは言えなかった。そ
   の後 2003 年に至るまで Nisus Software は Mac OS X 互換なワードプロセッ
   サをリリースすることなく、やっと出たものも Nisus Writer Express であっ
   て、こちらは完全に一から書き直されたアプリケーションで、Nisus Writer
   Classic の持つ機能のうちほんのちっぽけな一部分を備えていただけだった。
   それは私の仕事の必要するものには到底及ばぬものに過ぎず、私はほんの数年
   前にすっかり依存していた機能の大部分を備えたワードプロセッサさえ一つも
   ないという状態のまま取り残されてしまった。ハードウェアがいくら速くなり、
   オペレーティングシステムがいくら高度になったとしても、私にとって最も重
   要な仕事を実行することに関して私の Mac は以前よりはるかにパワーの劣る
   ものに成り下がってしまっていた。

   古い Nisus の機能の数々を懐かしみ、何かもっと先進的なものをと夢見てい
   たのは、私だけではなかった。2004 年に、Adam Engst は記事“WriteRight:
   ライターのためのワードプロセッサ”(2004 年 5 月 17 日) を書いて、プロ
   のライターのための本格的なワードプロセッサの欠如を嘆き、理想のツールが
   存在するとすればそれはどんなものかを夢想した。(ネタバレ注意: 彼の描
   いた結論は驚くほど Nisus Writer Pro 2.0 と似ている。)

<http://tidbits.com/article/7670>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-730.html#lnk3>
   "WriteRight: ライターのためのワードプロセッサ"

   21 世紀の最初の十年間を通じて、Nisus Software から何かアップデートが出
   る度に、私はワクワクしてリリースノートを読み、私の必要とする機能がその
   ソフトウェアに実現されたかどうかを確かめた。毎回毎回、私の希望は打ち砕
   かれた。2007 年に、Nisus Writer Pro 1.0 がかなりのファンファーレととも
   にリリースされ、それは確かに正しい方向に向けた大きな一歩ではあった。そ
   の後 2010 年のバージョン 1.4.1 が出た頃には、このソフトウェアはおそら
   く私が Nisus Writer Classic に置き忘れてきた機能のうち 80 パーセントほ
   どを取り戻していただろう。でも残念なことに、その、残りの 20 パーセント
   こそ、かなりの程度に重要なものだった。加えて、私のリストは増大していた。
   例えば、Take Control が電子ブックの制作で Word に頼るしかなかったあの
   暗黒の数年間(その後私たちは Pages に移行した)を通じて、私たちはパラ
   グラフの縁取りと陰影付けを含んだスタイルに依存するようになっていた。そ
   んな機能はそれまでどのバージョンの Nisus Writer にも登場したことがなかっ
   た。このアプリケーションは Word 互換な注釈機能をようやく追加したけれど、
   私が必要とする機能の増大は Nisus Writer Pro の開発速度より速かった。

   私はよく思案した。Nisus Writer の新しいバージョンを試してみる度にがっ
   かりしつつ、私は Adam の書いた不満がまだそのまま言えることに思い至った。
   他のどのワードプロセッサとも同じく、Nisus Writer もまた、現実世界の中
   で編集者たちや出版者たちと協力して作業をしなければならないプロのライター
   たちのためにデザインされたものではない、と。編集可能な形で共有される必
   要の一切ない書類を作成するには十分能力のあるツールに思えたけれど、現実
   世界のワードプロセッシングではそのような状況がますますまれなものとなっ
   てきていた。


**2で新しいこと** -- そして今、バージョン 2.0 がやって来た。私はきっと
   またがっかりさせられるのだろうと覚悟していた。けれどもリリースノートを
   読み進むにつれて、私の口はあんぐりと開いた。まるで、Nisus Software に
   いる誰かが、私の心を読んでいたのではないかとさえ思えた。少なくとも紙の
   上では、追加された(あるいは復活した)機能の数々は、私がリストに挙げて
   いた必要をすべて満たすもののようだった。それも、私たちが Take Control
   の世界の中で頻繁に使っているけれどもあまり公の場で語ったことのなかった
   人目につかない微妙な機能でさえ、そこに書かれていた。これは、夢じゃない
   のか? Nisus Writer Pro は、ついに私に追い付いてくれたのか? 熱狂する
   気持ちと、恐れおののくような気持ちとがないまぜになりつつ、私はその新し
   いバージョンをダウンロードして、テストし始めた。

   Nisus Writer Pro 2.0 は、まさしく Nisus Writer Classic (バージョン 4
   から 6.5 まで、およそ 1994-2001 頃) の、正統なる Mac OS X ネイティブな
   後継者と呼ぶに値する、初めてのバージョンだというのが私の正直な感想だ。
   古い機能のほとんどが復活したのみならず、その多くが再考を経ている。つま
   り、以前より優れたやり方で実装されていて、これはうまいやり方だと感心さ
   せられることもある。それと同時に、このプログラムは現代的な Cocoa ワー
   ドプロセッサが持つべきあらゆる機能を獲得している。

   変更追跡は、おそらく最も重要な新機能だろう。チームの中で書類の作業をし
   ている人なら誰でも、あるいは一人の編集者を相手に仕事をしている人でさえ、
   誰がどこを編集したか、その変更がその書類の進化の過程のどの段階で施され
   たのか、そういうことが分かるのは何よりも重要なことだ。Word と同様に、
   変更追跡をオンにしておけば、削除されたテキストはメインの書類の脇に吹き
   出しの中に入れて表示され、新たに追加されたテキストは異なるカラーで強調
   表示される。個々の変更にはそれを施した人の名前が印付けられる。それぞれ
   の変更は独立に、いくつかある選択肢のどれかを使って検討され、受理され、
   または却下されることができる。また、さまざまの種類の変更を選択的に隠し
   たり表示したりもできる。処理の手順は他のアプリケーションと全く同じでは
   ないが、きちんと筋が通っていて、うまくデザインされている。

   パラグラフの縁取りと陰影付けも新しい機能だが、こちらはちょっと不安定な
   スタートを切ったようだ。縁取りや陰影が表示される方法に関して私は数多く
   の異常を発見し、それらを報告しておいた。(縁取りや陰影を読み込んだり書
   き出したりする際にはさらに問題が多くなるが、これについては後で触れる。)
   時として、縁取りの一部が点滅し始めたり、隣のパラグラフをクリックすると
   縁取りの一部が消えてしまったりまた現われたりすることもある。パラグラフ
   がマージンからインデント分だけ離れていてそのパラグラフの背景に陰影が付
   いている場合、そのパラグラフに縁取りを付けない限り陰影がマージンまで広
   がってくれないこともある。そういった問題点や、他にもいろいろ問題点があっ
   て、縁取りや陰影に関する操作はちょっと予測不可能な挙動をすることもある。
   それから、ヘアライン (つまり 1/4 point) の縁取りを適用すると、スクリー
   ン上では 1/2 point の縁取りより太く見えてしまい、その状態が 300 パーセ
   ントにズーム拡大しても変わらない。かなり苦心惨憺していじり回したあげく、
   私は Take Control 本で使う縁取りや陰影の大多数を再現することに成功した。
   それでも、縁取りと陰影付けの機能はどうやら十分にテストを経たものではな
   いようで、今後さらなる改良が望まれる。

   書類にウォーターマークを追加することができるようになった。つまり、特定
   のページに、あるいはすべてのページに、画像またはテキストをページ内容の
   テキストの手前あるいは背後に表示させることができる。この機能は問題なく
   動作しているようだが、私自身そのようなことをする必要があったのはこれま
   での人生で一度か二度きりなので、きちんとした評価をすることはできない。

   その一方で、新たに追加されたドロー関係のツールはとても素敵だ。線、矢印、
   図形、吹き出し、テキストボックスを追加できる。Nisus Writer Pro はこれ
   らのオブジェクトのサイズ、形、線や図形のカラー、回転、透明度、テキスト
   回り込み、テキスト揃え、グループ分け、その他数多くの特性について詳しい
   制御を提供する。私は頻繁に矢印や吹き出しなどを書類に入れる必要があるの
   で、これらドロー関係ツールの実装方法がこれほどに徹底的で配慮の行き届い
   たものであることに感銘を受けた。ただ一つ不満があるとすれば、それは読み
   込んだグラフィックスに対しても(たった今自分で描いた図形と同じように)
   縁取りや陰影といった属性を適用することができるけれど、そのオプションが
   提供されるのはフローティンググラフィックスのみでインライングラフィック
   スには使えない、という点だ。(Take Control 本ではインライングラフィッ
   クスに縁取りを付ける必要のあることが多く、Word や Pages では問題なくそ
   れができる。)


**中へ、外へ** -- Word との互換性は、私の執筆作業の多くにおいて依然とし
   て優先事項だ。その点で、Nisus Writer Pro 2.0 は奇妙にも良いところと悪
   いところのごた混ぜだ。Nisus Writer Pro はそのネイティブなファイルフォー
   マットとして RTF を使っている。RTF はほぼ普遍的に使われているものであ
   り、また Word や Pages などのプログラムも RTF フォーマットで保存したり
   書き出したりすることができるので、これは賢明な選択と言える。けれども、
   Word ユーザーたちとファイルをやり取りしなければならない人たちにとって
   の問題は、Word 書類が Nisus Writer Pro との間で往復旅行をしてもその内
   容が損なわれないかどうか、それは RTF を仲介フォーマットとして使っても
   使わなくても変わらないのかという疑問だ。その答は、私は相当量のテストを
   した結果はっきりと言うことができる: まあ、ある程度は。

   Nisus Writer Pro 2.0 は Word 書類 (.doc または .docx) と OpenOffice.org
   書類 (.odf) の読み込みに、全く異なる二つのトランスレータを持っている。
   個々のファイルタイプごとにどちらのトランスレータを使用するかは、環境設
   定ウィンドウの Advanced パネルで選択できる。もしも "Mac OS X (faster)"
   の方を選択すれば、ファイルはほぼ瞬時に開くけれども、あまりにもたくさん
   のフォーマッティングが失われてほとんど使い物にならない。"OpenOffice.org
   (more complete)" の方を選択すれば、ファイルの読み込みに数秒間余分の時
   間がかかるけれども、かなりたくさんのフォーマッティングが生き残る。

   この翻訳の忠実度をテストするため、私は Word (.doc) と Pages のフォーマッ
   トになっている Take Control 原稿を使って、それらを可能な限りあらゆる方
   法を使って Nisus Writer Pro で開いてみた。RTF として保存 (Word の場合)
   あるいは書き出し (Pages の場合) してから直接それらのファイルを開いてみ
   たし、Word ファイルを直接、それぞれのトランスレータを使って開いてみた。
   また Pages で .doc に書き出したものも、Word で .docx に保存したものも
   試してみた。

   RTF フォーマットに保存したファイルは、かなりうまく持ちこたえた。なぜな
   ら、Nisus Writer Pro はそれを開くために読み込みトランスレータを必要と
   しないからだ。けれどもパラグラフの縁取りと陰影は多少失われてしまったし、
   ブックマークはほぼ全部が消えたし、内部リンクも全く働かなくなってしまっ
   た。Word ファイルを読み込んだ場合も良くなかった。"Mac OS X" トランスレー
   タでは本当にひどい結果となった。フォーマッティングは見るも無惨で、ユー
   ザ定義のスタイルは失われ、ハイパーリンクが場合によってはテキストの中に
   挿入された使い物にならない生のコードに化けてしまうこともあった。一方
   "OpenOffice.org" トランスレータではそれよりずっと良い結果だったが、そ
   れでも完璧には程遠かった。ユーザ定義のスタイルは大体において生き残り、
   フォーマッティングの大部分がかなり正確に近かった。けれどもパラグラフの
   縁取りと陰影は多数が失われた。ブックマークと内部リンクも、やはり失われ
   たり壊れたりした。それから、トランスレータを経た Word ファイルの中では、
   一部の特殊文字、例えば引用符やエムダッシュなどが、見たところデタラメな
   周期で文字化けした状態になってしまった。

   公平を期して言えば、今述べたようなことはすべてマクロを使って修正できる。
   でも、そんな作業が必要になるべきではないはずだ。トランスレータそのもの
   が、もっと改善されるべきだ。Nisus Software はファイル変換に問題がある
   ことを認めているが、ただ同社はサードパーティの変換コードに依存している
   ため、修正はひいき目に見ても困難だ、と言っている。それはそうとして、私
   としては "Mac OS X" トランスレータを入れておく意味が分からない。数秒間
   が一度節約できるというだけで、とてつもなくひどいファイル変換の言い訳に
   はならないだろう。たとえほんの少しだけ速度が遅かったとしても、良い結果
   を生み出す方のみを採用して、環境設定で選択を提供するのを止めた方が、
   Nisus Writer Pro としてはずっと良い状態になると思う。

   Nisus Writer Pro で Word ファイルに編集作業をしてからそれを同僚に送り
   返す場合に実際に何が起こるのかを調べるため、私はそのファイルをいったん
   Nisus Writer で保存し直してから、それをもう一度 Word で開いてみた。そ
   の結果、注釈や変更追跡が生き残ったのは嬉しい驚きだった。それでも、何か
   はいつも失われた。こちらでスタイルがおかしかったり、あちらで縁取りが正
   しく揃っていなかったりした。ある程度シンプルな書類で複雑なスタイルもな
   ければ、きっとシームレスな作業が実現できて、編集者も出版者もファイルが
   別のプログラムで変更されたと気付かないのかもしれないとは思う。けれども
   Take Control 本くらいの複雑さを持ったものについては、Word フォーマット
   から出し入れするとまるきり駄目になってしまう。

   さて、ファイル変換の問題はいったん棚上げにして、Take Control 本を初め
   から終わりまでずっと一貫して Nisus Writer Pro を使って作業したとしよう。
   私たちが一番関心を持つのは、PDF 書類や EPUB 書類の作成がどの程度うまく
   行くのかという点だ。とても嬉しいことに、PDF 出力は、私がこれまで使った
   ことのある Mac アプリケーションの中で最高の出来だった。ブックマークは、
   宣伝されている通り、すべて正確に出た。内部リンクも外部リンクも、すべて
   期待通りに働いた。PDF の中のすべてが、Nisus Writer の中でと全く同じに
   見えた。ほとんどすべての Mac アプリケーションが PDF 作成の機能を持って
   いるのは事実だが、私たちの経験では Word で作った PDF も、さらには Pages
   で作った PDF でさえ、深刻な問題を伴うことがある。Nisus Writer Pro から
   これほどまでに素晴らしい出力が得られたことは、私の心を暖かくしてくれた。

   EPUB 出力の方はそれほど完璧とは言えなかった。別にひどい結果というわけ
   ではない。電子ブックは確かにちゃんと読めたけれど、スタイル関係はちょっ
   と変だった。特に、もう何度も書いたことだが、パラグラフの縁取りと陰影は
   ほとんどの場合正しく出ていなかった。Pages から EPUB を作成すればもっと
   正しい結果になるのに。それに加えて、内部のブックマークへのリンクがすべ
   て壊れてしまう。ただ、EPUB は XHTML と CSS のファイルで構成されている
   ので、それらを編集して問題を修正するのはそれほど困難なことではないとも
   言える。例えば、壊れたリンクを修理するには "%23" をすべて "#" で置き換
   えればよい。それでも、たとえこれらの作業すべてをマクロで実行できたとし
   ても、それはやはり余分の手間であって、しないで済むに越したことはない。
   Nisus Software が EPUB 出力を大幅に改善してくれることを私は願っている。
   (実際、Nisus Software の人が私に、EPUB 中の内部リンクのバグはバージョ
   ン 2.0.1 で修正されると言っていた。)


**実用上欠けていること** -- ファイル変換の問題点はあるにせよ、Nisus Writer
   Pro が大きな進展を遂げたことは間違いない。そして実際、今や私の夢のワー
   ドプロセッサに、もう少しで手が届きそうなところまで来ている。それでも、
   苛立たしい思いのする欠点もまだいくつかあるので、私としてはぜひとも近い
   将来それらの問題に対処が施されることを望みたい。

   Nisus Writer Pro は下書き、ページプレビュー、フルスクリーンモードなど
   を提供しているが、そのいずれも、書類が一つの連続的な縦方向スクロールと
   してだけしか表示されないという制約がある。スクリーンを分割して書類の異
   なる個所を同時に表示させることはできない。(Nisus Writer Classic では
   これができたし、Word、BBEdit その他多くのアプリケーションでもできる。)
   また、二つ以上のページを並べて表示することも、さらにはページのサムネイ
   ルを並べることさえできない。要するに、あなたの書類の中で、たった一ヵ所、
   それも画面縦方向の長さ以内の範囲に収まる部分しか、一度に表示することが
   できないのだ。ズームイン・ズームアウトはできるけれど、読みやすさを犠牲
   にせず書類の一ページ分以上を見たいと思ってもその方法はない。私の意見で
   は、これは極めて大きな制約だと思う。私は自分の 27 インチディスプレイに
   Word 書類を六ページ分一挙に並べて、あちこちジャンプして飛び回ったりせ
   ずとも書類のいろいろな個所の文章を比べられることに慣れているからだ。も
   しも私が Nisus Writer でたった一ヵ所直すことができるとしたら、私は迷わ
   ず表示オプションを(しかもより柔軟性のあるものを)もっと追加することを
   選ぶだろう。

   無制限の取り消し・やり直しはあるけれども、Nisus Writer Pro には依然と
   して私が Word で最も頻繁に使い最も気に入っているコマンドの一つが欠けて
   いる。それが、Repeat だ。つまり、前回実行したコマンドを何でも再実行す
   るというものだ。もう一つ、私がここにも欲しいと思う Word の機能は、クリッ
   ク一つで行を選択する(ポインタを左マージンの上に持ってくるとポインタが
   右を向いた矢印に変わり、そこでクリックすればドラッグせずとも一行が丸ご
   と選択される)機能だ。また、Nisus Writer のパラグラフに対するスタイル
   の機能はかなり充実してはいるけれど、奇妙なことにそこには "page break
   before" 属性がない。私たちはこの属性を、例えば Take Control 本のすべて
   の章見出しに付与している。もちろん、章の冒頭に毎回必ず手で改ページを入
   れればよいだけの話だが、スタイルに組み込んでおけるようになればずっと便
   利だと思う。

   もう一つ、Adam も私も使い始めてすぐ欠如が気になったのは、シンタックス
   カラーリングがないことだ。何らかの種類のコードを編集する必要があるとき、
   例えば Markdown、HTML、XML、PHP、Perl など何でも、私は必ず専用のテキス
   トエディタ、例えば BBEdit に手を伸ばす。そこではタグ、コメント、変数そ
   の他のコード要素が自動的にカラーコードされ、テキストがぐっと読みやすく
   なる。確かに、Nisus Writer の開発者たちの立場に立てば、プログラミング
   のためにデザインされたテキストエディタにユーザーたちが期待する類いの多
   様な種類の機能にまで首を突っ込みたくはないと思うのも理解できる。でも、
   TidBITS、Macworld、また多くのブログ用プラットフォームも John Gruber の
   Markdown シンタックスを利用していて、単純なタグを用いてプレインテキス
   トにスタイル付けを加えている。私自身も、自分の執筆作業で Markdown を使
   うことがあまりにも多いので、Nisus Writer Pro を使うのか、それとも私が
   以前から頼りにして使ってきたこれらのビジュアルな手掛かりを使える方を選
   ぶのか、決断を迫られることになる。さらに言えば、Nisus Writer 自身のマ
   クロ言語にも、シンタックスカラーリングがあればとても便利だろうにと思う。
   結局のところ、このマクロ言語には Perl や AppleScript のブロックを含め
   ることができるのだから。(もちろん、マクロを使って静的なシンタックスカ
   ラーリングを事後に適用することは可能だが、それでは実際に書いている最中
   にほとんど役に立たない。必要なのは、タイプしている最中に動的にカラーリ
   ングが変化するような機能だ。)

<http://daringfireball.net/projects/markdown/>

   マクロといえば、Nisus Writer Pro 2.0 はその自動化機能において Nisus
   Writer Classic を遥かに凌いでいる。また、マクロを書くだけで完全に新た
   な機能を追加できるという柔軟性は計り知れない利点だ。たとえそうだとして
   も、現状の状態におけるマクロ言語は、一貫性のないいくつかの「方言」を奇
   妙な具合にごた混ぜにして出来ていて、普通のことをするためでさえ直感に反
   した「輪くぐり」を何回もさせられる羽目になることが多い。例えば、現在の
   挿入ポイントでのフォントの名前を表示するマクロを作ることはできるけれど、
   その程度のあたりまえのことを達成するために必要となるたくさんの回りくど
   い手順を見つけ出すために、何が書いてあるのかさっぱり分からない Macro
   Language Reference を穴があくほど見つめたり、いろいろ実験を重ねたりし
   て、私は一時間以上も費やしてしまった。もう一つ例を挙げよう。ウィンドウ
   をリサイズしようと思えば Nisus Writer Pro ではマクロを使ってできるが、
   そのために必要なコマンドを含む AppleScript のコード断片を埋め込む必要
   がある。Nisus Writer 自身のマクロ言語だけではできないのだ。

   問題は、ただ単に説明書が不親切だというだけではない。このマクロ言語自体
   が、まとまりと完備性を欠いているのだ。経験を積んだプログラマーたちは、
   他の言語での挙動と大体似ているけれどもちょっと違う、という点がこの言語
   にあまりにも多く見られることに、フラストレーションをつのらせるだろう。
   例えば「オブジェクト」の意味が予期したものとは違うし、あたりまえの機能
   が欠けていることもあるし、マクロの右手がしていることをマクロの左手がさっ
   ぱり認識していないというちぐはくな挙動もよく見かける。他方、初心者たち
   は、おそらくごく単純な Menu Command Dialect を超えることにまで手を出す
   気になれないだろう。なぜならこの言語自体も、それを使うための参考資料も、
   あまりにも不透明だからだ。これらすべてが、とても残念なことだ。なぜなら、
   マクロは実際極めてパワフルなものであって、ほんの少し身だしなみを整える
   だけで、このマクロ言語と説明書が普通のユーザーたちにも今よりずっと使い
   やすいものになるだろうと思えるからだ。

   「非常に近いが今はまだ手が届いていない」と言えるものはまだ他にもある。
   重要なものをもう少し挙げておこう。

* 複数個の編集可能クリップボードがあるのは素敵だが、何をどのクリップボー
   ドに入れたかを自分で覚えておかなくてはならない。また、保存しておきたい
   ものを上書きしてしまわないよう注意を払う必要もある。PTHPasteboard Pro
   など多くのサードパーティのユーティリティでは、もっと興味深い、もっと便
   利な方法を提供している。それは、クリップボード履歴を自動的に生成して、
   必要なだけいくらでも遡れるようにするというやり方だ。(Nisus Writer Pro
   でも一連のマクロを使えば4つのクリップボードを切り替えて使うようにでき
   るが、これはどう見ても格好の悪い、手作業の、部分的解決に過ぎない。)

<http://pth.com/products/pthpasteboard/>

* テキスト文字列を選んでそれをブックマークとして定義して、あなたの書類の
   他の場所にそのブックマークへの相互参照を埋め込むことができ、元のテキス
   トが変更されても相互参照がそれに対応するようにできる。これはとてもうま
   い仕掛けで、私は Nisus Writer Classic でよくこれを使っていた。ところが、
   現状の Nisus Writer Pro の実装では、ブックマークされたテキストの最初ま
   たは最後の文字を編集すると相互参照が正しくアップデートされない。マニュ
   アルにはこの問題に対する非常に回り道の回避方法が説明してあるけれど、こ
   の問題が 1994 年に存在していなかった以上、今日でも間違いなく解決可能な
   はずだ。私たちは Take Control 本を執筆しながら、いつも気付かされること
   がある。それは、もしも何かをうまく説明できないのなら、それはもともとそ
   の機能自体が正しくデザインされていなかったのだ、ということだ。(他の種
   類の相互参照、例えばページ番号や挿絵の番号などは元が編集されても正しく
   アップデートされる、ということは指摘しておきたい。相互参照が正しくアッ
   プデートされない問題が起こるのは、テキスト自体をブックマーク先とした相
   互参照のみだ。)

* 文字・パラグラフ・リスト・ノートの各スタイルを指定するインターフェイス
   が、モーダルダイアログのレイヤーを幾層にも重ねている Word のインターフェ
   イスよりも優れていることは間違いない。それでも、Nisus Writer Pro では、
   書類とスタイル定義とを同時に見ることができず、またスタイル特性を削除す
   るためのインターフェイスがそれを追加したり編集したりするためのインター
   フェイスと全く違っているのも問題だ。これは不必要に混乱を招くものであり、
   私としてはもっと使い勝手に対する配慮が欲しいと思う。

* これも似たような問題点だが、アイコンやその他のユーザーインターフェイス
   要素に、もっとプロのデザイナーの手法が欲しいと思う。例えばウィンドウの
   一番下にあるステータスバーを見ると、左端の三つのものは現在選択されてい
   るテキストの背景色、強調色、フォント色をそれぞれ表わしている。いったい
   どれがどれか、推測がつくだろうか? そう、私もさっぱり分からない。それ
   から、リストスタイル、文字スタイル、パラグラフスタイルを表わすアイコン
   も、あまりにも小さ過ぎて、アンチエイリアスのため非常にぼやけて見える。
   これらの問題は、簡単に修正可能だ。(私はアーティストではないが、ちょっ
   とやってみたのでご覧頂きたい。現状が上の段、私があくまでも一つの試みと
   して作ってみたのが下の段だ。)そして、ちょっと修正しただけで、このプロ
   グラムが飛躍的に魅力あるものとなるのではなかろうか。(Nisus Software
   によれば、バージョン 2.0.1 でアイコンに改善が施されるとのことだ。)

<http://tidbits.com/resources/2011-06/statusbar-combined.png>

* パラグラフのルーラ、つまりそのパラグラフの全体的な形状、例えばインデン
   ト、タブストップ、位置揃え、間隔などを定める設定を、表示し、コピーし、
   ペーストし、ドラッグし、ドロップすることができる。時として、これらの特
   性をパラグラフのスタイルとは独立に処理できるので便利だが、Nisus Writer
   Classic で可能だったようにルーラに名前を付けることもできるようになれば
   もっと便利だと思う。また、ルーラを別のパラグラフにドラッグした際にその
   ルーラとともに "a" という文字が挿入されてしまうのも困る。(これは明ら
   かなバグで、Nisus Software は次のアップデートで修正すると言っていた。)

* Nisus Writer Pro のアウトライニングは、普通と違っている。パラグラフに
   見出しスタイルを割り当てるとそれが自動的に Table of Contents Navigator
   に現われ、これをサイドバーに表示したり隠したりできるが、これは主として
   その書類の全体的な構造を見て分かるようにし、簡単にナビゲートできるよう
   にするためのものだ。アウトラインで必須の機能として、さまざまの見出しは
   階層的にインデント付けされる。見出しを格上げしたり格下げしたり、畳み込
   んだり展開したり、Table of Contents Navigator 内部で他の位置へドラッグ
   して移動したりもでき、その際には下位の内容も期待通りに移動する。見出し
   スタイルに自動番号付けを指定しておくと、アウトラインを再配置しても番号
   が自動的に付け直される。けれども操作方法はどちらかと言えば人為的な感じ
   がする。それは、書類にテキストをタイプしても、アウトラインの配置は見出
   しのみが含まれた別途の表示モードでしなければならないからだ。それでもな
   いよりはましだと思うし、ごく単純なアウトラインの目的には十分であろうが、
   Word のアウトライナーに比べれば能力で大きく見劣りがするし、独立のツー
   ル、例えば Omni Outliner などとは比較にもならない。

<http://tidbits.com/resources/2011-06/TOC-Navigator.png>

* 内蔵の Document Manager は、あなたのファイルを整理してアクセスしやすく
   するためのものだが、私にはほとんど無用の長物としか思えない。Finder だ
   けでも同じことを完璧にこなしてくれるし、私に言わせれば Nisus Writer Pro
   が、ありもしない問題に解決のため多大な努力を注ぎ込んでいる、そんないく
   つかの実例の一つがこれだと思う。


**最終的に考えたこと** -- 私がここで紹介した機能(とバグ)は、数日間集中
   的に使ってみてたまたま私の注意を惹いたものに過ぎない。Nisus Writer Pro
   にあるその他の機能をただ並べ上げただけでも、このレビュー記事は今の倍の
   長さになってしまうだろう。これは、深い、深いプログラムだ。だから、私が
   このプログラムの欠点を批判するのは、ただそれが他の何千もの素晴らしい、
   正しく動作している機能の数々の中で、あまりにも際立って突出して見えるか
   らに他ならない。私が問題点について語るのは、それらが(長い長い年月を経
   てようやく)私が必要としているものと手にしているものとの間に残る比較的
   微小な差分を構成しているからに過ぎない。

   Nisus Writer Pro 2.0 は、Adam が 2004 年に仮想のプログラム WriteRight
   を夢想した際に述べた、プロフェッショナルな現代的ワードプロセッシングの
   ための要件をほとんどすべて満たし、さらにその先のいくつかも備えている。
   Nisus Writer Pro にまだ欠けているところがあるのは厄介なことだが、私が
   それを使って Word や Pages でするよりも能率的に仕事をこなすことができ
   ないほど厄介ではない。今、私はこのレビュー記事を Nisus Writer Pro でタ
   イプしながら、またその中で時々はマクロを書いたりキーボードショートカッ
   トを調整したりもしながら、次の本はこのアプリケーションを使って書けるか
   どうか、心の中でその可能性をためつすがめつしている。それは、私としては
   絶賛と同等だ。そして、荒野をさまよい続けた 15 年間を経てようやくここに
   たどり着いたという感慨の気持ちもわき起こる。今や再び、私は文章を書く手
   仕事を心から楽しむことのできる機会が与えられたのであって、私にとってそ
   れはとても深い意味を持つ。あなたにも同じ感慨がわくとお約束することがで
   きないのはもちろんだが、ぜひ試してみて、ご自分で判断して頂きたい。

   Nisus Writer Pro に昨年膨大な数の改善が積み上げられたのは驚異的なこと
   だが、私はゆっくりとした着実な進歩の方がもっと良いことだと思う。例えば、
   毎月バグ修正リリースが出て、三ヵ月に一回ほんの少数の新機能が追加される、
   という風になればもっと嬉しい。大幅な変更は貯め込んでおいて、二・三年に
   一度の有料アップグレードでまとめて出す、というのでも一向にかまわない。
   けれども私の経験では、顧客たちは自分たちの必要に対して活発に対処の努力
   がなされていると実感できる方が満足の気持ちがわいて忠誠心が増すものだ。
   それに、まだ足りない機能がすべて手に入るけれどそれにはあと何年も待たな
   ければならないというよりも、私としては数ヵ月程度の期間内にその 10 パー
   セントだけが手に入る方を選びたい。

   はるか昔に私が Nisus ユーザーとなった理由は、私が Mac に切り替えそこに
   留まったのと同じ理由だった。それを使うことで、私の暮らしが楽になり、仕
   事を仕上げるために嘆き悲しんだり気を散らしたりすることが少なくて済むか
   らだ。Nisus Writer Pro 2.0 になって、このソフトウェアはほとんど円を描
   いて元に戻り、私はもう一度、自分がこれを使えると知り、他の人にも心から
   推薦できると自信を持って言えるようになった。あとは、最後の、ほんの微小
   な部分をこのプログラムが前進できさえすれば、私は完璧な喜びに包まれるだ
   ろう。そうなれば、足りないものはただ一つ、このソフトウェアについてきち
   んと説明できる本だ。そんな本を誰が書けるのか、私はちゃんと知っている。

   Nisus Writer Pro 2.0 は 160 MB のダウンロードで、これはユニバーサルバ
   イナリ、新規購入価格は $79、3ライセンスのファミリーパックは $99 だ。
   Nisus Writer Pro 1.x から、または Nisus Writer Express (どのバージョン
   も) からのアップグレード料金は $49 で、15 日間有効の無料試用版もある。
   (Nisus Writer Express は Nisus Writer Pro の機能の一部のみを持ち、価
   格は $45 のままだが、2010 年 4 月以来アップデートされていない。)[訳
   者注: Nisus Writer Pro 2.0 日本語版の価格はダウンロード版 14,490 円、
   パッケージ版 15,540 円とのことです。]

<http://nisus.com/free/pro.php>
<http://nisus.com/Express/>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12220#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12220>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 6 月 20 日
-----------------------------------------------------------
     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12265>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**MailMate 1.2** -- Freron Software が MailMate 1.2 をリリースした。同社
   の Mac OS X 用、IMAP 専用電子メールクライアントだ。今回の新リリースで
   は、見栄えの刷新と、添付ファイルの管理機能、メッセージの中で HTML コン
   テンツを処理する機能の改善などが加わった。また、ユーザーインターフェイ
   スの調整も施され、特にコンテクストメニュー関連でいろいろの改良がある。
   それからもう一つ、これは現在は実験的機能とされているが、John Gruber の
   人気ある Markdown フォーマットでメッセージを作成できる機能もこのアプリ
   に追加された。(新規購入 $39.95、無料アップデート、3.0 MB)

<http://freron.com/>
<http://daringfireball.net/projects/markdown/>

   MailMate 1.2 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12262#comments>


**QuickSilver beta60** -- 人気のランチャー QuickSilver は、緩やかに衰退
   への道を下っているかと思われていたところ最近になって復活を果たしたが、
   今回バージョン beta60 にアップデートされた。この新リリースは Mac OS X
   10.6 Snow Leopard のみと互換だが、多数のバグ修正や新機能の、正真正銘の
   宝庫が含まれている。主なものだけ紹介すれば、ファイル拡張子で検索できる
   ようになり、指定したアプリで最近開かれた書類をすべて見つけたり、どのア
   プリが現在見えているかを示したりでき、テキストを処理するインターフェイ
   スも改善された。(無料、1.6 MB)

<http://qsapp.com/>
<http://qsapp.com/changelog.php>

   QuickSilver beta60 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12263#comments>


**Kindle for Mac 1.5.1** -- Amazon が、同社の人気ある Mac OS X 用 Kindle
   アプリのバージョン 1.5.1 をリリースした。このアップデートではユーザー
   インターフェイスが調整され、ドイツ語に対応した辞書を内蔵し、Kindle ブッ
   クが「本物の」ページ番号を含んでいる場合にはそれを表示でき、文中の一節
   を他の Kindle ユーザーがハイライト表示した場合にそれを表示できるように
   なった。また、Kindle アプリは今回からブックを離れることなく内蔵辞書を
   参照できるようになった。このアップデートは Amazon のウェブサイトから入
   手できる。Kindle アプリは Mac App Store からもダウンロードできるが、そ
   こにあるバージョンは数リリース分古いもののようだ。(無料、26.6 MB)

<http://www.amazon.com/gp/feature.html/ref=kcp_mac_mkt_lnd?docId=1000464931>

   Kindle for Mac 1.5.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12259#comments>


**Fantastical 1.0.1** -- Flexibits が Fantastical のバージョン 1.0.1 を
   リリースした。同社の Mac OS X 用カレンダー管理ツールだ。この新リリース
   ではアプリのいくつかの分野に関係するバグが数多く修正されており、ミーティ
   ングの出席者に招待状を出す機能や、複数の自動アラームを設定する機能、地
   域情報のフォーマッティングを変更する機能などに修正がある。さらに、今回
   から Fantastical はカスタム URL スキームにも対応し、これにより外部のア
   プリケーションからのコミュニケーションが容易になってカレンダー項目の作
   成もできるようになるとともに、Microsoft の Outlook および Entourage ア
   プリケーションとも以前より緊密な連携ができるようになった。(新規購入は
   Flexibits からも Mac App Store からも $19.99、無料アップデート、7.9 MB)

<http://flexibits.com/fantastical>
<http://flexibits.com/fantastical_releasenotes>
<http://itunes.apple.com/us/app/fantastical/id435003921?mt=12>

   Fantastical 1.0.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12258#comments>


**Default Folder X 4.4.1** -- 開く・保存のダイアログでのナビゲーションが、
   St. Clair Software の Default Folder X 4.4 リリースにより以前にも増し
   て手軽にできるようになる。今回はさまざまのパフォーマンス拡張、新機能、
   いろいろのアプリケーションとの互換性向上などが盛り込まれている。新機能
   の主なものとしては、お気に入り項目がマウントされていないドライブ上にあっ
   ても表示できる機能、お気に入りおよび最近のフォルダをあらかじめロードし
   ておくことによるパフォーマンス改善、三本指のスワイプジェスチャーによる
   フォルダ階層のナビゲーション、Command-F を押して検索フィールドにフォー
   カスを移す機能などがある。主として見栄えに関係するバグ修正に加えて、
   Default Folder X 4.4 は Firefox 4、QuarkXPress、REALbasic、Chromium、
   Brother ControlCenter、Shimo、Neu との互換性を改善している。注目すべき
   は、バージョン 4.4 が Mac OS X Lion Developer Preview 4 と互換であるこ
   とだ。これで、Lion がついに出荷されればフル互換性が期待できるだろう。
   バージョン 4.4.1 は、4.4 のすぐ後に、二件の重要なバグを修正して出され
   た。(新規購入 $34.95、無料アップデート、10.5 MB)

<http://www.stclairsoft.com/DefaultFolderX/>
<http://www.stclairsoft.com/DefaultFolderX/release.html>

   Default Folder X 4.4 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12256#comments>


**AirPort Utility 5.5.3** -- このアップデートは急いでダウンロードするほ
   どのものではないかもしれないが、AirPort Utility 5.5.3 は詳細不明のさま
   ざまのバグを修正しているのに加えて、設定中に突然クラッシュする可能性の
   ある問題を解決している。AirPort ベースステーションを設定しなければなら
   ない場合を除き、今度他のソフトウェアをアップデートしようという際につい
   でにこのアップデートも入手しておくとよい。AirPort Utility 5.5.3 は Mac
   OS X 10.5.7 かそれ以降を要する。(無料、10.8 MB)

<http://support.apple.com/kb/DL1390>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1390?viewlocale=ja_JP>
   "AirMac ユーティリティ 5.5.3 (Mac)"

   AirPort Utility 5.5.3 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12252#comments>


**iMac Graphic FW Update 2.0** -- Apple が iMac Graphic FW Update 2.0 を
   リリースし、iMac で稀に起こる、起動時またはスリープからの復帰時にコン
   ピュータが応答しなくなる問題を修正した。このファームウェアアップデート
   は Mac OS X 10.6.7 を必要とするが、Apple はこれがどの機種の iMac に適
   用されるのか述べていない。だから、最も簡単な方法は、ソフトウェア・アッ
   プデートに判断を任せて、このアップデートが表示されるかどうか見ることだ。
   ファームウェアアップデートではいつもそうだが、インストールの最中には作
   業を中断しないよう注意しなければならない。(無料、699 KB)

<http://support.apple.com/kb/DL1389>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1389?viewlocale=ja_JP>
   "iMac グラフィックス・ファームウェア・アップデート 2.0"

   iMac Graphic FW Update 2.0 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12251#comments>


**Typinator 4.4** -- 数週間前に出されたこのリリースに私たちは気付かない
   でいた。Ergonis Software が、同社の人気のテキスト拡張ユーティリティ
   Typinator をバージョン 4.4 にアップデートし、いくつかの歓迎すべき新機
   能を加えるとともに、数多くの微妙なバグを修正していたのだ。改善点の主な
   ものとしては、拡張サウンドの音量調整機能、Quick Search 機能の微調整、
   適切に Search フィールドに入れる Command-F ショートカット、略語や拡張
   語に数字が含まれていた場合の正しい数字順並べ替えなどがある。バグ修正は
   すべて特定の異なったプログラムに対するものであり、Typinator をいろいろ
   のプログラムの中で使った場合の挙動を改善するものだ。対象となるアプリケー
   ションを挙げれば、Coda、Espresso、Sparrow、MessengerPro、FileMaker Pro、
   Adobe InDesign、Script Debugger、LaTeXiT、Google Chrome、Safari、
   RStudio、RubyMine、MacVim、iCab、MarsEdit、Photoshop、Editra、Unitron、
   Adobe Illustrator、MacGiro だ。やれやれ!(新規購入 19.99 ユーロ、無料
   アップデート、3.8 MB)

<http://www.ergonis.com/products/typinator/>
<http://www.ergonis.com/products/typinator/history.html>

   Typinator 4.4 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12249#comments>




ExtraBITS、2011 年 6 月 20 日
-----------------------------
     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/article/12264>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週は特に興味深い読み物が二つある。ただし、Apple の小売事業について論
   じた Wall Street Journal の記事に行くには Google の輪の中をくぐり抜け
   る必要がある。もう一つの記事に行くのは簡単だが、その意味するところが何
   かは明確でないのが、Garmin がライバルの Navigon を買収するというニュー
   スだ。


**Wall Street Journal、Apple の小売事業を分析** -- Wall Street Journal
   が Apple の小売事業を詳細に分析した記事を出した。そこには、よく訓練さ
   れしっかりと管理された従業員たちの姿が垣間見える。Apple で働くというの
   がどんなものか、あるいはコンピュータのスーパーストアの分野で長年日の目
   を見ない経験をした後で Apple がいかにしてその驚異的な成功に繋がる道を
   見つけたのか、そういうことを知りたければ Google 検索結果を経由して記事
   を開いていただきたい。(Google 検索を経由せずに開くには Wall Street
   Journal の購読が必要だ。)

<http://bit.ly/m6UMgB>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12255#comments>


**Garmin、ライバルの Navigon 社を買収** -- これが良いことなのか悪いこと
   なのかはよく分からないが、GPS 分野の巨人たる Garmin 社が、株式非公開の
   Navigon 社を買収しようとしている。Navigon 社は、iPhone 用の人気ある
   Navigon MobileNavigator GPS アプリを出している。プレスリリースの文面は
   いつも通り冷静沈着な表現を並べているが、一般的に Navigon 製の機器やア
   プリの方が Garmin 製よりも好きだという人たちが多いという事実を見れば、
   ひょっとして Navigon 独自の機能が消え去ってしまうのでないかという心配
   の気持ちも起こる。

<http://garmin.blogs.com/pr/2011/06/garmin-ltd-announces-signing-of-agreement-to-acquire-navigon-ag.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12248#comments>




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