TidBITS#1094 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2011年 9月 24日 (土) 11:27:55 UTC


TidBITS#1094/19-Sep-2011
========================
     英語版: <http://tidbits.com/issue/1094>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1094.html>


   Parallels Desktop と VMware Fusion、どちらの方が良いのか? それから
   VirtualBox はどうか? Joe Kissell が、ますます成熟しつつある Mac 上の
   仮想化という分野を概観する。この問題に対する彼の思慮に満ちた考察をぜひ
   お読み頂きたい。また今週号では Glenn Fleishman が Apple ID (そう、あな
   たもたぶんお持ちだ) が Lion において新たに持つようになった役割について
   検討し、Jeff Carlson が Printopia を使ってみた感想を語る。Printopia を
   使えばあなたの iOS 機器から、Mac に接続されたどんなプリンタにも印刷で
   き、さらにそれ以上のこともできる。それから、Sharon Zardetto の新刊書、
   “Take Control of Spotlight for Finding Anything on Your Mac”が出た。
   これまで一度でも Spotlight による検索結果に悪態をついたことのある人に
   は必読の一冊だ。今週注目すべきソフトウェアリリースは、DEVONthink と
   DEVONnote 2.3、Camino 2.0.9、Microsoft Office for Mac 2011 14.1.3/2008
   12.1.3/2004 11.6.5、VMware Fusion 4、それに Mac mini、MacBook Pro、
   MacBook Air の最近の機種に対するファームウェアアップデート三つだ。

記事:
     新しい Take Control Ebook が、Mac 上の探し物をお手伝い
     Printopia 2 で iOS から印刷その他
     Apple ID、Mac OS X と iCloud を結び付ける
     Mac 仮想化最新情報: VMware、Parallels、そして VirtualBox
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 9 月 19 日
     ExtraBITS、2011 年 9 月 19 日


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    今週は Paul Holmstrom 氏、Charles Watts-Jones 氏、
    Knud Vohn 氏と John C. Schroeder 氏の暖かい支援に感謝!

* SYNC YOUR PHONE with The Missing Sync: Sync your calendar,
   address book, music, photos and much more between your phone
   and Mac. Supports ANDROID, BLACKBERRY, PALM PRE and many
   other phones. <http://www.markspace.com/bits>

* Dragon speech recognition software for Macintosh, iPhone, and iPad!
   Get the all-new Dragon Dictate for Mac from Nuance Communications
   and experience Simply Smarter Speech Recognition.
   Learn more about Dragon Dictate: <http://nuance.com/dragon/mac>

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   to your own drives, computers, and online with unlimited storage.
   With unlimited online backup, this is one resolution you can keep.
   Back Up Your Life Today! <http://crashplan.com/ref/tidbits.html>

* Get more productive with software from Smile: PDFpen for
   editing PDFs; TextExpander for saving time and keystrokes while you
   type; DiscLabel for designing CD/DVD labels and inserts. Free demos,
   fast and friendly customer support. <http://www.smilesoftware.com/>

* Intego: Washing Machine cleans up files created by Web browsers
   and other programs that access the Internet. Get rid of caches,
   cookies, download histories, browsing histories and more.
   Download a free trial. <http://www.intego.com/wmtb>

* Noteboom Video Tutorials for Apple Software: "As a trainer myself,
   I appreciate the clarity of these 'Tutor for' programs... I
   heartily recommend them to all! -MA" Learn iMovie, Lion, iPhoto,
   Bento, and more! <http://www.noteboomproductions.com/tb>

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新しい Take Control Ebook が、Mac 上の探し物をお手伝い
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   文: Adam C. Engst <ace @ tidbits.com>
   原文記事: <http://tidbits.com/e/12497>
   訳: 柳下 知昭 <tyagishi @ gmail.com>

   長く Mac のエキスパートである Sharon Zardetto が、Mac OS X の謎に包ま
   れた箇所に光をあてた: Spotlight 検索である。彼女の最新の本、"Take
   Control of Spotlight for Finding Anything on Your Mac" では、Mac OS X
   10.7 Lion 上で、Mac の上にあるほとんど全ての - ファイル、フォルダ、コ
   ンタクト、アポイントメン、曲、特定のサイズの写真までも - それらがどこ
   に隠されていてもそれらを見付けるために Spotlight をどのように使用する
   かを説明している。最も重要なことは、この 158 ページの電子書籍は、
   Spotlight 検索の背後にある隠された文法を明らかにし、Spotlight の内部の
   検索言語を直接使用して、検索できるようになる。

<http://tid.bl.it/spotlight-finding>

   Sharon は、最初に Spotlight がデータをどのようにインデックス付けするか
   を説明し、Spoltlight 検索の根底にあるコンセプトを説明する、そして、
   Spotlight 検索を開始する様々な方法について解説する、どこにいても使用で
   きるメニューバーの拡大鏡経由や、Finder ウィンドウの検索フィールド、、
   オープンダイアログやセーブダイアログ、キーボードショートカット、コンテ
   キストメニュー、自分用に設定し保存しておいた検索条件についてである。そ
   の後、キーワード検索や複数条件での検索、論理値検索等を使用して探したい
   ものを正確に見付ける方法について説明する。

<http://www.takecontrolbooks.com/tc-graphics/spotlight-examples.png>

   検索は、単に見失ったファイルを見付けることだけではないことを気に留めて
   おいて欲しい、それは、作業対象とするファイルを選択する際にも便利な方法
   である。例えば、フォルダ中のどの写真が小さいサムネイルであるかや、我々
   のどの電子書籍が特定のフレーズを含んでいないかについて識別することに
   Spotlight を使用したことがある。GarageBand の E フラットのキーの曲を見
   付けて処理することもできる。

   "Take Control of Spotlight for Finding Anything on Your Mac" の読者
   は、以下のことをどのように行うかを含めて、基本的な検索関連のテクニック
   を学習する:

* Spotlight の検索対象箇所を限定して、検索の精度を向上する

* 検索精度を向上させるために Spotligh メニューのどのカテゴリーを選ぶべ
   きか

* Spotlight メニューで本来見付かるべきアイテムがリストされなかった時に
   どうすべきか

* 複雑な検索クエリを作成するための条件バー (さらに覚えにくい論理値
   バー!) の使い方

* Spotlight 検索フィールドで複雑で強力なクエリを入力することで条件バー
   をスキップする方法

* 検索結果の精度を向上させるために、AND, OR, NOT を使用した論理値検索
   の作成方法

   さらに、以下のテクニックを使用することでより簡単に検索できるようにファ
   イルを設定することができる:

* ファイルのメタデータのカスタマイズ

* フリーのサードパーティユーティリティを使った、便利で検索しやすいタグ
   の付加

* 動的なファイル管理をするための洗練されたスマートフォルダのセットアッ
   プ

   テラバイトドライブが普通の最近では、あなたの Mac は、膨大なストレージ
   容量を持っていて、数千のファイルを溜め込んでいるだろう。(我々は、数十
   万ものファイルが我々のディスクを埋めてしまうことを容認するわけではな
   い!)しかし、"Take Control of Spotlight for Finding Anything on Your
   Mac" から得られる知見によって、あなたの Mac からどんなものでもそれがど
   んなに深い場所に隠されていたり、どんなに特殊な検索が必要であってもお構
   いなしに、探しだすことができるようになるだろう。

    ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/12497#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12497>


Printopia 2 で iOS から印刷その他
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     文: Jeff Carlson <jeffc @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12460>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   iPhone、iPad、あるいは iPod touch から印刷する。これは、考え方そのもの
   が時代錯誤に聞こえる。何もかもデジタルにこなそうという機器を使っている
   のに、いったいなぜ、紙による不便さでその体験を汚そうというのか?

   いや、実は、iPhone のスクリーン上でスクロールしてまわるのではなく、何
   かを紙の上で見直してみたいこともある。また時には、コンピュータやハンド
   ヘルド機にその場でアクセスできない同僚に書類のコピーを渡す必要があるこ
   ともあるだろう。

   あるいはひょっとしたら、私のように、あなたも怠け者かもしれない。私は、
   リビングルームにいて iPad を使って航空券を購入し、搭乗券を印刷する必要
   があった。もちろん二階に上がってコンピュータのところへ行けばよいだけだ
   が、夜も遅くなってソファの隅に落ち着いているというのに、わざわざそこか
   ら立ち上がって二階の仕事部屋まで歩いて行くのは、大変な労力のような気が
   した。(プリンタも仕事部屋にあるのだが、取りに行くのはあとでもいいし、
   別に明日の朝でもかまわない。)

   iOS 4 で、Apple は AirPrint を導入した。これは、iOS 機器から直接プリン
   タに印刷するテクノロジーだ。ただし、AirPrint に対応する特定の HP 製プ
   リンタを持っていればの話だ。私の場合、iOS でのワイヤレス印刷だけのため
   に新しいプリンタを購入したいと思うほどたくさん印刷はしない。

<http://www.apple.com/iphone/features/airprint.html>
   (日本語)<http://www.apple.com/jp/iphone/features/airprint.html>
   "アップル - iPhone 4 - AirPrint"

   皆さんが心配な気持ちになる前にお伝えしておくと、私は実際ソファから立ち
   上がらなくてもよかった。その代わりに、私は Ecamm の Printopia 2 を使っ
   て搭乗券を印刷した。でも、Printopia にできるのはそれがすべてではない。
   私が Printopia を紙に何かを印刷するために使うのはあまり何度もあること
   ではなかった。これについてはこの後を読んで頂けばお分かりになるだろう。

<http://www.ecamm.com/mac/printopia/>


**プリンタに印刷** -- 意外に聞こえるかもしれないが、Printopia は Mac OS
   X 用のシステム環境設定パネルであって iOS アプリではない。幸いにも、Mac
   上での設定がほとんど必要なく、iOS での設定は一切不要だ。あなたの Mac
   に Printopia をインストールすれば、そのコンピュータから印刷できるプリ
   ンタがすべて認識される。

<http://tidbits.com/resources/2011-09/printopia_prefpane.png>

   iOS 機器では、書類や電子メールメッセージ、ウェブページ、その他何でもあ
   なたが印刷したいものを開く。あなたが使っているアプリが iOS の印刷機能
   に対応しているならば、まず Share ボタン(時には Action ボタンと呼ばれ、
   長方形とそこから出て来る曲がった矢印がある)をタップし、それから Print
   ボタンをタップする。

<http://tidbits.com/resources/2011-09/printopia_share_button.png>

   すると Printer Options ポップオーバーが出るので、Printer ボタンをタッ
   プすればあなたの Mac がアクセスできるプリンタを選ぶことができる。印刷
   する枚数を選び、それから Print ボタンをタップする。これで、プリントジョ
   ブがワイヤレスネットワークを通じてあなたの Mac に送られ、それを受けて
   その Mac がバックグラウンドでそれらのページを印刷する。

<http://tidbits.com/resources/2011-09/printopia_print_popover.png>


**Dropbox または Mac 上のフォルダに送る** -- さきほども触れた通り、世界
   の大部分は紙から他へと移りつつある。そこで、Printopia は書類をデジタル
   な行き先に「印刷」する方法も提供する。私にとって最も便利な代替の行き先
   は、ファイルを私の Dropbox フォルダの中に保存することだった。例えば私
   が iOS で多数のスクリーンショットを作る必要がある場合(私の本 "Take
   Control of Media on Your iPad" を執筆する際もそうだった)には、この機
   能のお陰でいちいち iPad や iPhone を USB 接続する手間をかけずに済んだ。
   (もしも Photos アプリが Dropbox に直接共有する機能に対応していたなら
   ば、この状況で Printopia を使う必要はないだろうが、Photos にその機能は
   ない。まあ Apple のすることだから驚きはしないが。)

<http://www.dropbox.com/>
<http://www.takecontrolbooks.com/ipad-media?pt=TB1094>

   スクリーンショット(Home と Sleep のボタンを同時に押す)を撮れば、その
   画像は Camera Roll に保存されるが、これは Photos アプリからアクセスで
   きる。画像をタップして開き、Share ボタンをタップし、Send to Dropbox on
   Mac オプションを選んでおいてから Print をタップする。

   さらに嬉しいことに、多数の画像を一度に送ることもできる。一度に一枚ずつ
   画像を見るのでなく、Camera Roll を(またはどんなアルバムでも)見ている
   状態で Share ボタンをタップする。あなたが送りたい画像すべてをタップし
   て選択しておいて、「印刷」すればよい。ほんの数秒で、それらのファイルが
   あなたの Dropbox フォルダに出現する。

   一つの欠点は、画像が "Photo.png" とか "Photo-1.png" とかいった名前にな
   ることだ。だから、あとで Mac 上でファイルを改名する必要がある。Printopia
   にはまた到着したファイルを自動的に開く設定もあるが、これは使っているう
   ちに煩わしく思えてくる。けれども、それを止めるのは簡単だ。Printopia の
   環境設定パネルで、Dropbox オプションを選び、リストの下にある Action ポッ
   プアップメニュー(歯車アイコン)をクリックして、Printer Properties を
   選び、Open Sent Files Automatically オプションをオフにすればよい。

<http://tidbits.com/resources/2011-09/printopia_open_auto.png>

   Printopia は受け取ったファイルをあなたの Dropbox の中に新しく作られる
   Printopia フォルダの中に置くが、Change Save Location ボタンをクリック
   して別のフォルダを指定することもできる。

   もしもあなたが Dropbox アカウントを持っていなければ、あなたの Mac 上で
   あなたの選んだどんなフォルダの中にでも「印刷」できるオプションもある。
   私自身は、設定しておいた別のコンピュータにファイルが自動的にコピーされ
   バックアップされるので Dropbox を使う方が好きだ。

   特に役に立つ機能がある。Printopia では複数個の Dropbox フォルダや Mac
   フォルダを行き先の候補として設定しておくこともできるのだ。Add (+) ボタ
   ンをクリックしてから、Save to Folder on Mac または Save to Folder in
   Dropbox を選んで新しい場所を指定する。複数のプロジェクトで仕事をしてい
   る場合、あるいは個人的なものと仕事用のものとを区別したい場合など、印刷
   の行き先を複数個指定しておければ便利だろう。


**アプリケーションまたは PDF ワークフローに送る** -- 多くの場合、あなた
   がファイルを iOS 機器から Mac へ送る際の行き先はあくまでも一時的な置き
   場所で、その後でファイルを何か他のアプリケーションで開くことになるだろ
   う。Printopia は、その手順を省略するために、ジョブを直接一つのプログラ
   ムに送ることもできる。例えば、あなたがオンラインで何かを購入したとして、
   そのレシートをあなたの Mac 上で Evernote や Yojimbo などの情報断片キー
   パーの中に「印刷」したい、ということもあるだろう。

   Printopia の環境設定パネルで、新規のプリンタを追加し、その際に Send to
   Application を選んで行き先のアプリを選んでおく。そのアプリケーションに
   印刷した場合、画像や PDF が直接そのアプリに送られる。

   もう一つ、ジョブを Automator ワークフローに渡すというオプションもある。
   Printopia 環境設定パネルで新規のプリンタを追加する際に Add PDF Workflow
   を選べばよい。例えば、プリントダイアログの中の PDF ポップアップメニュー
   から Save to Web Receipts Folder を選んだことのある人なら、Documents
   フォルダの中に Mac OS X が置いた Web Receipts フォルダの中へプリントジョ
   ブを送るようにすることもできる。あるいは、Automator を使って自分だけの
   Print Plugin を作成し、送り出した PDF ファイルにそのワークフローを作用
   させるようにすることもできる。


**パスワードのオプション** -- Printopia があなたの Mac 上で走っている間、
   プリンタ名の左にあるチェックボックスをクリックしてサービスの共有をオフ
   にしておくこともできる。でも、プリンタへの印刷を誰ができるかについて制
   限を課したい場合、あるいはあなたの Mac や Dropbox フォルダに誰でもファ
   イルを保存できるようになっていてもらいたくない場合は、どうすればよいの
   か? 環境設定パネルで Setup Password を選べば、個々の仮想プリンタごと
   にパスワードによる保護ができる。この機能が有効になっていれば、印刷する
   度にまずユーザ名とパスワードを入れなければならなくなる。

<http://tidbits.com/resources/2011-09/printopia_password.png>

   Printopia が初めて登場したとき、私はこれがあればたまに何かをプリンタに
   送る必要がある場合に役に立つだろうとしか思っていなかった。けれどもこの
   ユーティリティはそれよりはるかに便利であることが分かった。スクリーン
   ショットを扱う作業では何時間分もの作業時間を短縮してくれたし、私の妻が
   (あるいは誰でも iOS 機器を持って私たちの家を訪れた人が)書類を印刷し
   たり手軽に書類を Dropbox へ送ったりすることもできるようになったからだ。

   Printopia の価格は $19.95 で、7 日間のみ機能するデモ版もある。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/12460#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12460>


Apple ID、Mac OS X と iCloud を結び付ける
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     文: Glenn Fleishman <glenn @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12457>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   あの目立たない Apple ID も、iTunes から音楽を購入する手段として、或いはそ
   の名前相応の開発者アカウントにログインするという当初の目的から年を経るご
   とに拡大してきた:Apple は認証情報を必要とするものほとんど全てに Apple
   ID - 有効なメールアドレス -  を鍵として使ってきており、そこにはあの退役間
   近の MobileMe と次を担う iCloud も含まれる。そして Mac OS X 10.7 Lion で
   は Apple ID の使用を更に拡大して、それをユーザーアカウントに対する有用だ
   が任意の補佐役として使っている。

   この Apple ID は iCloud の到来と共に更に重要なものとなる、と言うのも
   Apple は iCloud の名の元に多くの異なるサービスを寄せ集め構築しようとして
   いるからである。例を挙げれば、カレンダーやコンタクトの同期、 Find My
   iPhone, そして Back to My Mac といったもので、これまでは MobileMe の下に
   あった。他の例を挙げると、Cloud 内の iTunes や iOS 機器のワイヤレスバック
   アップ等は全く新しいものとなる。そして当然ながら、Apple ID は、iOS App
   Store, Mac App Store, 開発者アカウント、オンライン Apple Store, 等々でも
   引き続き使われる。

   まずは、あなたの Apple ID を Lion の中でどの様に使えるのかに注目し、そし
   てこの Apple ID システムが今後直面する問題 - そしてその限界に対応するため
   Apple は何が出来るかを論じたいと思う。


**Lion でアカウントを迂回する鍵** -- Lion では、Apple ID はアカウントに対
   する二次的な ID として設定することが可能で、ユーザーアカウントがアクセス
   出来るものなら何に対してでもアクセスが許可される。この中には、スクリーン
   共有、ファイル共有、そしてアカウント復元の様なサービスが含まれる。

   これを設定するには、Users & Groups 設定ペインから始め、 Apple ID の Set
   ボタンをクリック、そしてあなたの Apple ID とパスワードを入力する。この際、
   特別である Guest アカウント以外のどんなアカウントでも Apple ID と組み合わ
   せに出来る。一旦一つの Apple ID と一つのアカウントを関連付けてしまえば、
   それをそのアカウントに対する遠隔アクセスのために使用出来るもう一つのオプ
   ションとなる。更にある特定のアカウントに対して複数の Apple ID を関連付け
   ることも出来、そのためには最初の Apple ID を設定した後 Change ボタンをク
   リックすればよい。

<http://tidbits.com/resources/2011-09/lion_user_apple_id.jpg>

   スクリーン共有とファイル共有は、遠隔アクセスのために Apple ID を使える二
   つの最も分かりやすい例であろう。Finder ウィンドウでサイドバーの Shared 区
   分の中から一つのコンピュータを選択しそして Share Screen 或いは Connect
   As をクリックすると、前もってアカウントに対してパスワードを保存していない
   場合は、ゲストとして (ファイル共有のみ)、登録済みユーザーアカウントとして、
   或いは Apple ID を使って接続するよう求められる。もしあなたの現在のアカウ
   ントに二つ以上の Apple ID が関連付けられている場合は、これらの ID はポッ
   プアップメニューの中に示される。(両方のボタンが現れるかどうかは、遠隔で起
   動されたサービスの種類による。)

<http://tidbits.com/resources/2011-09/lion_user_apple_id_popup.jpg>

   更に Lion で新しくなったのは、起動時に (自動的にログインするよう設定され
   ていない限り)、あるアカウントからログアウトする場合、或いは高速切り替えメ
   ニューから Login Window を選択した場合に、画面に現れるログインシートから
   あなたのユーザーアカウントのパスワードを Apple ID を使ってリセット出来る
   ことである。こんなことが必要になる場合はそう多くはないが、役に立つ場面も
   あるであろう。

<http://support.apple.com/kb/HT4798>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT4798?viewlocale=ja_JP>
   "OS X Lion:Apple ID を使ってユーザアカウントパスワードをリセットできる"

   セキュリティの問題も考えておく必要がある:他の誰かにパスワードを教えてあ
   る Apple ID を使う場合、或いは他の誰かに属する Apple ID を追加する場合
   (その人にパスワードを入力させる)、Lion で走っている Mac 上のあなたのアカ
   ウントは、ローカルネットワーク上で、いやもし正しい設定がなされていれば、
   例えば Back to My Mac 経由の様な、遠隔にでもアクセス可能となってしまう。
   誰かがあなたのメールアドレスを知っていて推定できるような弱い Apple ID パ
   スワードを使っている場合も問題である。この場合、遠隔スクリーン、ファイル、
   そしてアカウントアクセスを許すことになってしまう。


**一人で複数のアカウントを持っている場合に対する配慮の無さ** -- Apple は
   我々に Apple ID システムにもっと依存して欲しいと思っているのであろうが、
   そこには本来なら歓迎すべき柔軟性となるべきものが欠けているのが明らかにな
   った。その代表例は、長年に亘る使用と購入から複数の Apple ID を持つ結果と
   なっていても、Apple は購入品やその他の登録済みのものを一つのアカウントに
   統合するための手助けを提供していないばかりか、この原稿を書いている時点で
   は、そのユニバーサルログイン識別子についての Apple が提供している FAQ に
   よると、そうする計画もないと言う。(この FAQ には一般的なアカウント変更を
   扱うためのヒントが載せられている。) これは iCloud が立ち上げられそして人々
   がアップス、音楽、そしてその他のものを複数のアカウントに散らばって購入し
   てきたが散らばっている必要などもうない事に気付いた時、より大きな問題とな
   るであろう。

<https://support.apple.com/kb/he37>

   これは仮定の話ではない。過去に Apple オンライン店からあなたのプロバイダ付
   与のメールアドレスを使って何か購入したことがあるとする。これは一つの
   Apple ID である。次に 2008年以前に作成したまだ生きている MobileMe アカウ
   ントも持っているとする。これも Apple ID である。そして過去には Apple 自身
   が別の Apple ID を持つ様要求したこともある;TidBITS Publisher Adam Engst
   は彼の主たる Apple ID と関連付けられた iTunes Connect アカウントを持って
   いるが (TidBITS iOS アプリを管理するため)、Apple が iBookstore を開いた時、
   彼は iBookstore のための裏方として働く iTunes Connect のバージョンへとロ
   グインするため二つ目の Apple ID を作るよう強制された。

   それに 2008年の .Mac/MobileMe 移行時の混乱もある。当時 .Mac アカウント持
   っていた我々は、その時点以前で二つの正当なログイン識別子を持つこととなっ
   た:_account_ @ me.com_account_ @ mac.com である。これらは厳密には両方と
   も Apple ID ではないが - これらは元々 Web アクセス、同期、そして iChat の
   ために用いられた - Apple ID として用いることも出来る。私は @mac.com の代
   わりに @me.com を何のために使ったのか全く思い出せない。そして私は、例えば
   iChat は mac.com バージョンしか受け入れないという事例も経験して来ている。

   (自慢するわけではないが、我々が統合された TidBITS と Take Control アカウ
   ントシステムを設計した時、我々は個々のメールアドレスは個別のアカウントと
   なるよう設定したが、同時にアカウント統合機能も設けたので読者は自分の全て
   のメールアドレスを呼び出しそしてそれらに関連した電子本購入を一つのアカウ
   ントに統合することが可能である。我々がこれをやったのは、8 年にも及ぶ
   Take Control の注文を見返した時、メールアドレスというのは一意の識別子とし
   ては適していない場合が往々にしてあることが明らかであったからである:人々
   は学校を卒業し、職を変え、そして新たな場所に引越しをするが、その度に新し
   いメールアドレスを持つことになる。)

<http://tidbits.com/account>
<http://www.takecontrolbooks.com/account>

   Apple の My Apple ID Web サイトは、あなたの Apple ID 情報へのアクセスを提
   供しているし、そのアカウントに登録されたメールアドレスを変更することも許
   している、そして追加のメールアドレスをそれに関連付けられる (但しそれらは
   既に他の Apple ID と関連付けられていないことが前提である)。何年も前にメー
   ルアドレスではないユーザー名を使って Apple ID アカウントを設定したことが
   ある人は、それをメールアドレス以外のものに変更する事は出来ない。

<http://appleid.apple.com/>


**統一の概念** -- Apple ID を統合出来ないという機能的な苛立ち以上に、私は
   Apple の家族共有という概念と同社の単一 ID へのこだわりの間の終りのない対
   立に惑わされ続けている。これは、家族はメディアをどう共有するかについての
   同社の何時までも続く先見性のなさの一部でもある。Apple の "共有" とは、
   iTunes の Home Sharing オプションで言う様に、"同一人の単一  Apple ID アカ
   ウントに対して登録された機器間での共有" なのである。

   Apple は、あなたにメディア、アップス、そしてその他のものを異なる Apple
   ID に関連付けられた機器やコンピュータとの間で使うことを許している。しかし
   ながら、これらのものにアクセスするためには - DRM 無しの音楽を例外として、
   これらはアカウントに紐付されたコピー保護がかかっていない - これらのものが
   購入或いはダウンロードされたアカウントのパスワードを入力しなければならな
   い。このパスワードは、インストール或いは演奏する時だけでなく、アップスの
   場合、アプリアップグレードがインストールされる度に必要とされる。

   Apple は自社製品が如何に共有をやり易くしているかについて話すのが大好きだ
   が、通り一遍の調査からでも明らかになる様に、Apple の共有の概念は一方向の
   一回限りの転送である。これは "共有" ではなく "供与" であって、共有とは定
   義からすれば複数者間の双方向のプロセスでなければならない。iTunes でのメデ
   ィア共有であれ、iPhoto での写真共有であれ、或いは消え去りゆく iWork.com
   サービス上のドキュメント共有であれ、Apple は真の共有に不可欠のコントロー
   ルの欠如を快く思っていない。

   全ての購入に一つの Apple ID アカウントしか使わないという家族もいる。そし
   て、物を買うのには一つの Apple ID を使い、MobileMe や iCloud 同期には別の
   を使うというのも可能である。しかしこれはあくまでも避難措置であるしそれに
   もどかしい。理想は、複数の Apple ID を単一のグループアカウントに関連付け
   る手段があり、そして iTunes や iCloud インターフェース経由で簡単に設定出
   来るポリシーを持てることであろう。

   例えば、私の妻 Lynn と二人の子供、全員がそれぞれの Apple ID アカウントを
   持っているとしよう。我々としても子供用には別個のアカウント持ちたいと思う、
   そうすれば購入は我々が管理できるし、クレジットは必要に応じてギフトとして
   与えられる。彼らがアクセス出来る一つのアカウントに我々の色々な購入品全て
   を単純に統合するのは良い考えとは言えないであろう。私としては、"音楽や映画
   で、成人向けは除いて一般向けを全て家族アカウントに統合せよ" などと言いた
   い。この種のコントロールは個々の機器上での同期や購入には使える様になって
   いる;どうして同じことが家族に対しても使えないのか?

   グループアカウントの他の長所としては、家族の誰もが他の人のパスワードを知
   っていなければならないという要件を不要とすることであろう。これはとりわけ、
   あなたのスケジュール、メール、そしてコンタクトといった情報は表向き子供た
   ちとは共有したくないという問題に帰する。また、あなたのクレジットカードと
   つながった Apple ID に対して彼らが自由にアクセス出来るのを許すというのも
   やりたくないものの一つであろう。

   家族レベルの包括アカウントがあれば、或いは Apple ID アカウントを統合出来
   るという能力があればどれ程役に立つかには拘わらず、Apple は単純に意に介さ
   ないのではないかと私は恐れる。彼らは幾つかの簡単な対応をするだけで、家族
   のためのグループアカウントが欲しいとか複数のアカウントを統合したいという
   数百万の人々の支援を行う様なことはしないと思われる。それは Apple の様に考
   える会社にとっては、これは個人レベルでの世話の焼きすぎなのであろう。悲し
   いかな、これまでの経験から言えることは、Apple は問題があるなどと全く考え
   ていない。


**進化する ID の概念** -- 一つの Apple ID を持つことで、Apple に関する機
   能なら何でも - オペレーティングシステム、購入、そしてクラウドに蓄積したデー
   タ - 扱える様にすることで、Cupertino の我々の友人たちは背伸びをし過ぎたの
   かもしれない。単純であることは素晴らしい概念であり、我々も全面的に支持す
   る。Apple の Apple ID の Lion への統合は付加的なサポートとしては如何に上
   手にやれるかを示しているが、一方では一か所に複数の識別子を許してしまった。
   もし同社が同じレベルの考慮を Apple ID のより広範囲な利用にも払っていてく
   れたなら、我々の多くももう少し正気でいられたであろう。


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   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/12457#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12457>


Mac 仮想化最新情報: VMware、Parallels、そして VirtualBox
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     文: Joe Kissell <joe @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12498>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   5 年と少し前、私の本 "Take Control of Running Windows on a Mac" の初版
   が出された頃、Mac の上で Windows をフルスピードに近い状態で走らせると
   いうのは、どう見てもまだまだ目新しいことに過ぎなかった。当時、有力な選
   択肢といえば Apple によるデュアルブートシステム Boot Camp と、Parallels
   Desktop しかなかった。Parallels Desktop は Mac OS X の内部で Windows
   を走らせる仮想化プログラムだが、Virtual PC など PowerPC ベースのソフト
   ウェアに見られた大幅なパフォーマンス低下がないことが特徴であった。その
   後、VMware が独自の仮想化プログラム Fusion を携えて登場し、ここから状
   況は非常に面白くなってきた。それからは数ヵ月に一度ごとに、Parallels か
   VMware のどちらかがアップグレードを出して、しばらくの間はそちらの製品
   の方が優れているように見える、ということを繰り返してきた。両社は機能面
   でも、パフォーマンスでも、価格でも戦いを繰り広げ、この競争によって Mac
   上の仮想化の品質がぐんぐん上がって行った。それは、とても良いことだった。
   (さらにもう一つ、無料の競合製品、Oracle の VirtualBox まで登場したの
   も素晴らしい! VirtualBox については記事の最後の方でもう一度触れる。)
   もちろん、Apple もまた Boot Camp を改良し続けてきた。そして、Windows
   自身もまた、以前よりずっとずっと良いものとなった。

<http://www.takecontrolbooks.com/windows-on-mac>
<http://www.apple.com/support/bootcamp/>
   (日本語)<http://www.apple.com/jp/support/bootcamp/>
   "アップル - サポート - Boot Camp"
<http://www.parallels.com/products/desktop?icid=1479>
   (日本語)<http://www.parallels.com/jp/products/desktop?icid=1479>
   "Parallels Desktop 7 for Mac"
<http://www.vmware.com/products/fusion/overview.html>
   (日本語 
)<http://www.vmware.com/jp/products/desktop_virtualization/fusion/overview.html>
   "VMware Fusion: Mac をデスクトップ仮想化に使用して、Mac 上で Windows を実行"
<http://www.virtualbox.org/>

   今月に至るよりも前にはかつて一度も起こったことのないことがある。それは、
   Parallels と Fusion 双方のメジャーリリースが、ほぼ同時に登場したことだ。
   私は Parallels Desktop 7 と VMware Fusion 4 の双方を使ってみて、今こそ
   ちょうど良いタイミングだと思った。Mac 用の仮想化ソフトウェアの、簡単な
   「一般教書 (state of the union)」を書いてみようと思ったのだ。話を始め
   る前に、いくつかはっきりさせておきたいことがある:

* これはレビュー記事ではない。単なる概観に過ぎない。私が実体験したことも
   いくらか述べるけれど、この記事では詳細な分析やテストに深入りすることは
   ないので、適切なレビュー記事の要件を満たしていない。

* 私は Fusion の方で少し深く掘り下げた使用の体験がある。本を執筆したのが
   その理由だ。("Take Control of VMware Fusion 3") ただ、私自身の Mac で
   の使用経験は Parallels と Fusion でほぼ同じくらいだ。(ちなみに、機会
   さえあれば喜んで Parallels についての本も書いてみたいと思っている。)

<http://www.takecontrolbooks.com/vmware-fusion-3>

* 私は CodeWeavers の CrossOver 製品については、この記事で触れるつもりは
   ない。CrossOver は、あなたの Mac に Windows 自体をインストールする必要
   なしにいくつかの Windows アプリが走るようにするというものだ。人によっ
   ては、まさにそれで十分必要が満たされるということもあるだろう。けれども
   これは全く違った種類の製品で、それ独自の利点と制約とを持っており、フル
   の仮想化ソフトウェアと直接比較することはできない。

<http://www.codeweavers.com/products/crossover/>

* 人それぞれ、経験することは違っている。私も(もちろん)例外ではない。あ
   なたはあなた自身の意見をお持ちだろうが、どうか、苦情や中傷合戦でコメン
   ト炎上を招くようなことはお止め頂きたい。それから、もしもあなたがどちら
   かの製品の開発者と提携関係をお持ちならば、コメントを書き込まれる際にそ
   の事実も明かして下さるべきだと思う。


**類似点** -- この記事を書いている時点で、Parallels 7 and Fusion 4 につ
   いての客観的かつ完備した機能比較表を私はまだ見たことがない。Parallels
   のウェブサイトにあるチェックリストは、まだ Fusion 4 での変更点を盛り込
   んだアップデートを経ていない。(いずれにしても Parallels に有利に見え
   るように作られているのは当然のことだろう。)Wikipedia も比較ページを出
   しているが、これも今のところまだ Fusion 3.1 の情報しか反映していない。
   いずれにしても、この種のチェックリストは、それぞれのアプリケーションが
   似た機能を異なるやり方で実装している場合には解釈が難しくなる。少し捻り
   を加えるだけで、あまりにも簡単に片方のアプリケーションが優れていると見
   えるようになってしまう。それに、この種の表はすべての機能に等しいウェイ
   トを置いているようだが、ほとんどのユーザーはほんの少数の機能にのみ関心
   があるものだ。そういう訳で、ここで私が網羅的な機能比較表を自分で作ろう
   と試みることはせずに、主要な点のみに集中してみたいと思う。

<http://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_VMware_Fusion_and_Parallels_Desktop>

   Parallels 7 と Fusion 4 はいずれも、下記のことすべてができる:

* Lion の下で動作し、ジェスチャー、Mission Control、フルスクリーンモード、
   Launchpad など(個々の Windows アプリケーションについてさえも)フルに
   対応している。

* ほとんどすべてのバージョンの Windows または Linux、さらには Lion、Lion
   Server、それに Snow Leopard Server をゲストオペレーティングシステムと
   して走らせることができる。(ただし通常版の Snow Leopard を走らせること
   は _できない_。)

* Boot Camp パーティション上にある Windows を仮想マシンとして走らせるこ
   とができる。

* OpenGL 2.1 または DirectX 9 Shader Model 3 のグラフィックスを利用する
   Windows アプリケーションを走らせることができる。

* 高度に自動化されたやり方で Windows の新規コピーをインストールしセット
   アップすることができる。

* どんな仮想マシンにも最大 8 個の仮想プロセッサと最大 8 GB の RAM を割り
   当てることができる。

* 本物の PC から、Boot Camp パーティションから、あるいは競合する他の仮想
   化プログラムからも、簡単に Windows インストールを読み込んだり移動させ
   たりできる。

* Mac OS X と Windows の間で、一般的なユーザーフォルダ (例えば Desktop、
   Downloads、Pictures など) のミラーリングができる。

* バックグラウンドに自ら消えるので、Windows アプリケーションが Mac アプ
   リケーションと自然に交じり合う。

* Mac アプリを使って Windows ファイルやハイパーリンクを開くことができ、
   またその逆もできる。

* Mac または Windows の標準のキーボードショートカットを、好みに合わせて
   選んで使うことができる。

* Windows 環境と Mac 環境の間でテキストやグラフィックスをコピーとペース
   トを使って移し合うことができる。(場合によってはドラッグ&ドロップも使
   える。)

* Windows のプリンタドライバをインストールする必要なしに、Windows アプリ
   ケーションから共有 Mac プリンタに印刷することができる。

* USB デバイスを、ホスト Mac に割り当てるか、それともゲストオペレーティ
   ングシステムに割り当てるか選択できる。

* あなたの Windows の状態を Time Machine 互換なスナップショットとして保
   存し、バックアップのために必要な時間と容量を節約することができる。

* 仮想マシンを暗号化できる。

   (もう一度言うが、これと比べて VirtualBox がどうなのかはあとで述べる。)

   私の Mac で Parallels 7 と Fusion 4 を両方並べて走らせてみて、両者がど
   れほど似ているかに私は感銘を受けた。それぞれが使っている用語やユーザー
   インターフェイスはいくらか異なっている。けれどもその違いは数年前に比べ
   てずっと小さな違いになっているので、私は今自分がどちらのアプリケーショ
   ンを使っているのか忘れてしまうこともあるくらいだ。


**相違点** -- 共通のところがこれほど多いので、どうやらこれら二つの製品の
   開発者たちは自社の製品が他と違う点を新たに作ろうとして、ますます苦闘し
   つつあるようだ。ただ、仮想化プログラムに望むべき新たなものというのは、
   もはやあまり残されていない。それでも、片方が他方より優位に立っている点
   に私はいくつか気付いた。

   Parallels 7 では、Mac OS X と Windows 間でビデオカメラの共有が(内蔵の
   iSight または FaceTime カメラでも、あるいは外付けの USB ビデオカメラで
   も)できる。それに対して Fusion 4 では、カメラをホストまたはゲストのオ
   ペレーティングシステムで使用できるけれども、両方で同時に使うことはでき
   ない。既に Windows 7 を持っているのでない人たちのために、Parallels は
   アプリケーションの中からこれを購入してダウンロードできる方法を提供して
   いる。私がこれを実際に試したことはないが、聞いた話によればその手順はと
   うていユーザー・フレンドリーとは言い難いものだという。また、Parallels
   は Parallels Mobile ($19.99 だが現在 $4.99 でセール中) という iOS アプ
   リを提供して、あなたの Mac 上で動作中の仮想マシン、あるいは Mac OS X
   自体を開き、一時停止し、再開し、その他相互作用できるようにしている。そ
   れは確かに素敵だが、途方もなく素晴らしいというほどでもない。一方、どの
   ような VNC クライアント (無料の iOS クライアントもある) を使っても任意
   の Fusion 仮想マシンに接続することができる。ただし、そのセットアップの
   手順にはとうてい分かりやすいとは言えないステップがいくつか含まれている。
   Parallels は Boot Camp 仮想マシンを一時停止させることもできるが、Fusion
   では独自の仮想ディスクを持つゲストオペレーティングシステムしか一時停止
   させることができない。

<http://itunes.apple.com/us/app/parallels-mobile/id295531450?mt=8>

   Fusion 4 にも、Parallels 7 にない素敵な機能がいくつか提供されている。
   Fusion は自己充足のアプリケーションとなり、ドラッグ&ドロップでインス
   トールも、アンインストールもできる。また USB フラッシュドライブから走
   らせることさえでき、終了させればアクティブなバックグラウンドプロセスも
   一切残らない。(Parallels 7 はより深くシステムの中へ自ら入り込むので、
   終了した後もいくつか走り続けているものが残る。)Fusion 4 はまた仮想
   Bluetooth (仮想マシンが直接 Bluetooth デバイスにアクセスできる) と
   Remote Disc (あなたのネットワーク上にある別の Mac または PC の DVD や
   CD にアクセスできる) に対応しているが、Parallels 7 にはこれら二つの機
   能はない。いずれのアプリケーションも容量節約のために仮想ディスクを圧縮
   することができるが、Fusion 4 ではその仮想マシンがスナップショットを持っ
   ている場合でさえもそれができる。Parallels 7 ではディスクを圧縮する前に
   すべてのスナップショットを消去しなければならない。それから、Fusion で
   は仮想マシンをシャットダウンするかサスペンドするか以外に、ポーズすると
   いう一時停止ができる。これは、一時的にシステムリソースを解放し、その後
   瞬時に元通り再開することができる機能だ。最後にもう一つ、Fusion は完全
   に 64-bit の Cocoa アプリケーションであるとのことだが、Parallels には
   いくつか 32-bit のコンポーネントがあり、Cocoa 以外に他のフレームワーク
   も二つ使用している。64-bit Cocoa であることで普通のユーザーにとって毎
   日の使用感にどのような影響が出るのか私には全然分からないが、少なくとも
   将来のための良い基盤であるとは言えるようだ。


**パフォーマンス** -- 私が一番最初に使ったバージョンの Parallels は、こ
   れは今や Lion を走らせることもできないほど古くなった Mac の上でだった
   が、あまりにも高速で Windows を走らせるので私は我が目を疑ったほどだっ
   た。まるで、Windows を最新の PC ハードウェアの上で走らせているのと変わ
   らないとさえ感じられた。時間差も、遅れも、不満を感じるようなものは一切
   体験しなかった。だから、その次のバージョンの Parallels が大幅なパフォー
   マンス改善を謳って登場した時、どこが良くなったのかさっぱり分からないと
   思ったものだ。それまで何かが遅過ぎると感じたことがなかったので、高速化
   の必要もなければ、高速化を実感することもなかった。さて、その初期の時代
   に比べて現在は Parallels も Fusion も何倍も高速になったので、また私の
   使うハードウェアもやはり高速になったので、私の状況下では速度に関して何
   を宣伝されようとも私にとって何の意味も感じられない。

   ここで、私がゲーマーでないという事実を理解して頂きたい。(たとえ私がゲー
   マーであったとしても、フレームレートのほんの些細な違いに一喜一憂するよ
   うなタイプにはなりたくないと思う。)私は Windows ではビデオ編集もしな
   いし、3D アニメーションのレンダリングも、複雑な数学的モデリング計算も
   しない。おそらく、その種のことをするユーザーなら、Parallels や Fusion
   の一つのバージョンとその次のバージョンとの違いを本気で感じ取ることがで
   きるのだろうが、私にそれはできない。私がしたのは、Outlook や Word のよ
   うなオフィスアプリケーション、Internet Explorer や Safari のようなウェ
   ブブラウザ、それから Amazon Unbox Video Player のようなビデオアプリを
   走らせることだけであった。こちらのタイプのユーザーにとっては、たとえ古
   いバージョンの Parallels や Fusion でも十分きびきび動くように感じられ
   た。今日私が持っているものよりずっと遅い動作のハードウェアの上で走らせ
   てさえもそれは言える。要するに、私が Windows を使うやり方においては、
   何かのベンチマークテストでこちらがあちらより 10 パーセント高速だったと
   しても、何の興味も湧かないということだ。そういうことは私には影響しない
   し、きっと Windows を走らせている Mac ユーザーの多くにとってもそれは同
   じことだろうと思う。

   以上述べてきたのはすべて、パフォーマンスについての私の考えを正しい角度
   から明らかにしたいと思ってのことだ。

   2010 年に、MacTech は一連のベンチマークテストを実施して、当時の現行バー
   ジョンの Parallels (バージョン 5) と VMware Fusion (バージョン 3) とを
   比較した。その比較テストの結果、ほんの数個のテストを除いて、Parallels
   が完全に Fusion を圧倒した。それは接戦ですらなく、曖昧なところもなかっ
   た。客観的なスピードのテストについては、Parallels が断然先を行っていた。
   この事実を見て、Parallels 5 の方が Fusion 3 よりも _良い_ と結論づけた
   人たちが多かったようだ。私は、それを根拠のない推論だと思った。Porsche
   が軽トラックより速く走れるからといって、必ずしも Porsche の方が良いと
   は限らない。それは、あなたが軽トラックの最高速よりも速くドライブしたい
   と思っていて、荷物を運べるかどうかよりもスピードを重視したい場合に、良
   いだけのことだ。私は決してベンチマークテストの結果に異を唱えているので
   はなく、ただ多くのユーザーにとってベンチマークテストの結果は無関係だと
   言いたいだけだ。

<http://www.mactech.com/articles/special/1002-VirtualizationHeadToHead/index-001.html>

   いずれにしても、それは当時の話だ。では、現在の状況はどうなのだろうか?
   Parallels 7 と Fusion 4 のいずれも、それぞれの前バージョンと比べて大幅
   にパフォーマンスが向上したと主張しているが、誰もが知りたいのは両者を比
   べればどうなのかということだ。VMware が私に送ってくれたレビューワー用
   キットには、Fusion 4 と Parallels 7 を比較したベンチマークがたくさん含
   まれていた。それらのテスト結果(VMware はまだこの結果を公開していない)
   によれば、ほとんどの点で Fusion 4 が _非常に僅かながら_ Parallels 7 を
   上回っていたが、いくつかの点では _非常に僅かながら_ 下回っていた。全体
   として、この二つのアプリケーションの全般的なパフォーマンスはあまりにも
   接近していて、その違いが統計的に言って無意味であることをこれらのテスト
   は示している。もちろん、このテストが製品の開発者自身がその競合相手の製
   品と比較をしているものである以上、私としては結果を割り引いて受け取らね
   ばならない。VMware を信用しないという訳ではないが、自社の製品が最も良
   く見える角度から見たくなるのは自然というものだろう。いずれ近いうちに、
   MacTech (あるいは別の独立な試験者) が独自のテスト結果を発表するだろう
   し、そうなればより客観的な目でパフォーマンス比較を評価することもできる
   ようになるだろう。それがどんな結果を出すかを私が予想することはできない
   が、私がどれほど速くタイプしたり電子メールのチェックをしたりできるかと
   いう感覚において差が出るような違いにならないという予想はできる。実用的
   な目的には、これら二つのプログラムは同程度に高速だ。

   そしてそれこそが、本当の要点だ。ベンチマークというものは、特定の、客観
   性のある、測定可能なことがらをテストする。それは、あなたが個人的に重要
   だと思う作業においては一切何の意味も持たないものかもしれない。Fusion 4
   のリリースについて私が書いた紹介記事に寄せられたコメントで指摘され、私
   も確認したことだが、いくつか特定の状況下において、サスペンドした仮想マ
   シンを再開させる速度は Parallels 7 の方が Fusion 4 よりも速い。この種
   のことは、ベンチマークテストに現われることも現われないこともある。それ
   でいて、あなたにとって極めて重要なのはこの種のことかもしれないし、反対
   にあなたには全然重要でないかもしれない。このような統計データではいつも
   言えることだが、あまり抽象的な数字そのものにとらわれないことを皆さんに
   お勧めしたい。

   その代わりに、もう長年言い続けていることだが、私がお勧めするのは、皆さ
   んがそれぞれのアプリの無料の試用版をダウンロードして、自分の手で試して
   みられることだ。あなたが必要とする種類のソフトウェアを走らせて、あなた
   にとって重要な種類の作業をさせてみることだ。もしもそれであなたがパフォー
   マンスの違いを実感できなかったならば、あなたにとって、両者に違いはない
   のだ。そして、もしもあなたが違いを感じたのならば、それは役に立つ情報だ。
   それでも、もう少し時間をかけて、両者の試用版で他の機能、インターフェイ
   ス、説明書、技術サポートなどについても、どうなのか比べてみよう。そのよ
   うな要素のどれかが、あなたの気持ちをどちらかに向けてくれるかもしれない
   から。


**価格とライセンス** -- 長らく、Parallels と Fusion は同じ定価 $79.99 を
   保ってきた。けれども、クーポン、セール、バンドル、その他の宣伝販売のお
   陰で、実際にはどちらもその半額程度の価格で購入できるのが普通であった。
   今回の最新リリースでは、いずれのアプリのアップグレード価格もそれぞれの
   意味で人々を驚かせた。

   Parallels は、バージョン 5 または 6 からのアップグレード価格を $49.99
   としており(2011 年 8 月 1 日以降に Parallels を購入した人は無料でアッ
   プグレードできる)Fusion の登録ユーザーに対しては競合クロスグレード価
   格をたったの $29.99 としている。ここには興味深い傾向がありありと見える。
   Parallels は過去 5 年間にわたり、毎年有料のアップグレードを出してきた。
   その料金は、バージョン 4.0 が $39.99 であったのを除いてすべて $49.99
   であった。もしも Parallels 1.0 を定価で購入してその後のアップグレード
   すべてに料金を払っていれば、支払った金額は現時点で合計 $559.91 となる。
   (ここには Parallels Mobile の値段は含まれていないが、それを購入した人
   もいるだろう。)つまり、Parallels という製品は最新版に遅れずについて行
   けば、高くつく。さらに、Fusion オーナーが安い価格で入手できるという事
   実は、毎年 Parallels にお金を払い続けてきた長年の顧客たちにしてみれば
   ちょっとひどい仕打ちに映るだろう。

   一方、VMware は Fusion 4 をすべての人に対して(アップグレードであろう
   となかろうと)今年の末まで限定の $49.99 という値引き価格で販売している。
   (Lion がリリースされた 2011 年 7 月 20 日以降に Fusion 3 を購入した人
   は無料だ。)奇妙なことに、この宣伝販売に関して VMware が特別の「アップ
   グレード」価格を提供していないではないかという怒りの声が巻き起こってい
   るようだ。でも、実際これはアップグレード価格だ。ただ、その値引き価格を
   期間限定で新規の購入者にも提供しているだけのことだ。過去の歴史を通じて、
   Fusion はこれまで有料のアップグレードをたった二回だけ出した。前回はバー
   ジョン 3.0 へのアップグレード ($39.99) だった。だから、最初のリリース
   を定価で購入してその後すべてのアップグレードをしても、支払った金額の合
   計は現時点でたった $169.97、同様のことをした Parallels オーナーに比べ
   てたった 30 パーセントの支払いで済んでいる。その上、Fusion の新しいラ
   イセンス条項を読めば、商業用と教育用の環境を除いて、一つのライセンスは
   その人が所有またはコントロールするすべての Mac で有効だ。これに対して、
   Parallels のライセンスは個々の Mac ごとに別途にライセンスを購入するこ
   とを要求する。しかもその上に、インターネット上にクーポンコードが出回っ
   ていて、Fusion 4 の購入に際してチェックアウト時に FUSION20 というその
   コードを入力すれば 20 パーセント ($10) 値引きされる。

   要約すると、Parallels 6 を持っている人が Parallels 7 へアップグレード
   するには $49.99 を払わなければならないが、Fusion 4 はそれより $10 安い
   $39.99 で手に入る。一方、Fusion 3 を持っている人は Fusion 4 へのアップ
   グレードが $39.99 だが Parallels 7 へはそれより $10 安い $29.99 で乗り
   換えられる。けれどももしも Parallels がこれまで通りのアップグレード方
   式を今後も続けるのならば、安値に惹かれて乗り換えた人も来年はまた $50
   を払ってバージョン 8 へ進む(そしてその後も同じようにする)ことになる
   だろう。これではちょっと安値の魅力も減ってしまうような気が私にはする。


**VirtualBox はどうか?** -- さて、VirtualBox についてもいくつかのことを
   述べると約束していた。VirtualBox は、オープンソースのプロジェクトとし
   てスタートした。現在は Oracle の所有となっているけれども、オープンソー
   ス版(あなたが自分でコードをコンパイルするもの)として今も入手できる。
   また、あらかじめコンパイルされ、個人用には無料、という形でもさまざまの
   プラットフォーム向けに出されている。無料だということで大きく騒がれてい
   るけれども、Fusion に支払う $50 も、Windows 自体のために支払わなければ
   ならない金額に比べれば小さいことを忘れてはならない。言い替えれば、無料
   であるのは確かに良いことだけれども、いずれにしても Mac 上で Windows を
   走らせるにはお金がかかる。そして、ある意味、金を惜しめばそれなりのもの
   しか手に入らないのだ。

   誤解しないで頂きたい。VirtualBox は決していいかげんなものではない。そ
   れに、初期と比べれば劇的に良くなっている。ホストとゲストのオペレーティ
   ングシステムとして幅広くさまざまなものに対応しており、機能の数も膨大だ。
   Parallels や Fusion と同様、仮想化環境がほぼ見えなくなって Windows の
   アプリケーションがビジュアルには Mac アプリと同じ立場でふるまうように
   なるモードも提供される。また、共有フォルダ、スナップショット、3D グラ
   フィックス加速、(複数ディスプレイを含む)多くの一般的ハードウェアなど
   にも対応している。パフォーマンスも、競合相手の商用製品と同等とは言えな
   いまでも、きちんとしたレベルにある。そして、最大 32 個の仮想 CPU コア
   を仮想マシンに割り当てることさえできる。

   では、何か気に入らない点はあるだろうか? 少なくともバージョン 4.1.2 の
   時点では、VirtualBox は Lion の下でもきちんと動作はするけれども、Lion
   専用の諸機能、例えば Mission Control、Launchpad、フルスクリーンモード
   といったものを利用することはできない。また、ゲストオペレーティングシス
   テムとして Lion や Lion Server を走らせることもできない。Windows 仮想
   マシンのセットアップを自動化する機能もないし、Boot Camp パーティション
   から Windows を走らせたり、Mac のプリンタを自動的に使用したりすること
   もできない。Mac OS X との全般的な統合の度合も低い。それから、ユーザー
   インターフェイスや、説明書も、このソフトウェアがオープンソースであると
   いう本質を裏切るものだ。とにかく見て美しいものではない。

   それでもなお、VirtualBox はきちんと役割を果たす。これは決して皮肉で言っ
   ているのではない。すべき仕事はちゃんとやってのける。だから、Mac 上でほ
   んの時たまにしか Windows にアクセスする必要がないという人には、$50 を
   節約するのと引き換えにいくつかの機能をあきらめるのも、立派な妥協策と言
   えるだろう。これは試してみても何も失うものはない。長期間にわたって使っ
   ても差し支えない。そして、もしもあとでその気になれば、いつでも商用製品
   に乗り換えることができる。


**結びに** -- 一年一年が過ぎる度に、Windows のみで遂行できて Mac OS X で
   ネイティブに遂行できない作業の数は減って行く。これは一つにはウェブアプ
   リケーションの興隆のお陰であり、一つには Windows アプリが Mac OS X に
   移植されつつあるお陰であり、また一つには Mac 専用またはクロスプラット
   フォームの新しいアプリケーションで古い Windows 専用の選択肢より優れた
   ものが登場しつつあるお陰でもある。今もまだ正当な理由で Windows を Mac
   上で走らせる必要のある人たちは多いけれど、その人数は確実に減りつつある。

   Boot Camp も依然としてきちんと動作するが、私はもうずっと以前に使うのを
   止めた。仮想化ソフトウェアに比べて Boot Camp は必要以上に扱いにくく柔
   軟性も低い。それに Boot Camp と仮想化とのパフォーマンスの差も大きく縮
   まったし、Boot Camp で動作するけれども仮想マシンでは動作しないというア
   プリケーションや外付け機器の数も非常に少なくなった。だから、今でも Mac
   上で Windows を走らせる必要のある人たちの圧倒的大多数にとってただ一つ
   残った大きな疑問は、仮想化プログラムのうちどれを使うかという問題だ。
   Parallels 7 と Fusion 4 が出揃って、その疑問に対する答はこれまで以上に
   五分五分の状態となった。もちろん両方の製品の開発者たちにはあとほんの少
   しずつ追加のパフォーマンスを絞り出せる余地が依然として残っているのだろ
   うとは思うが、私の感覚は私たちが今や Windows を Mac 上でどれだけ高速に
   走らせることができるかの理論的限界値に近づきつつある(そしてそれは既に
   十分に速い)と私に告げている。その上、Windows 自体にもいろいろな仮想化
   プログラムにも改善が施されて、Mac 上で Windows をセットアップして使用
   するのがとても簡単でシームレスになり、その結果、ユーザーとしてはもはや
   オペレーティングシステムの間の違いを忘れてしまい、ほとんどどんなプログ
   ラムでもそれがどのプラットフォーム用に書かれていようと関係なしに自由に
   ダウンロードして走らせることも多くなった。

   長い年月を通じて、私はインターネットのあちこちで、これらの製品のうちの
   一つを持っているユーザーが、最初に選んだ製品に何らかの理由で幻滅して別
   の製品に乗り換えることにしたというコメントを書いているのを何百と目にし
   てきた。彼らの苦情は、バグや、機能の欠落から、顧客サービスのまずさや、
   ユーザーインターフェイスの見栄えの悪さまでさまざまだった。総数を数えた
   ことなどないが、私の印象では歴史的に Parallels に不満を感じて Fusion
   に乗り換えたというユーザーの方がその逆のユーザーより多かったような気が
   する。また、VirtualBox から商用製品へ乗り換えた人たちの方がその逆の人
   たちよりも多かったと思う。けれども初めのところでも述べたように、人それ
   ぞれ、経験することは違っている。ここで、どの選択肢の方が全体的に優れて
   いるとか、誰にでもベストの選択はこれだとか、そういうことを皆さんに押し
   付けようとは思わない。あなたにとって最適なものが何かを選択できるのは、
   あなたしかいない。それに、現時点での答は、一年前の答とは違っているかも
   しれない。さらにもう一年経てば、答が変わるかもしれない。あなたがもしも
   現在お使いのもので満足しておられるならば、その同じプログラムの最新バー
   ジョンにアップグレードしてもきっとそのまま満足していられるだろう。もし
   もあなたが現在のものに不満なら、今こそ競合製品を調べてみる絶好の機会で
   はないだろうか。

   でも、この種のソフトウェアについて書かれたものを読む際には、慎重である
   ことを忘れないで頂きたいと思う。偽情報が意図的に流されているのに気付い
   たこともあるし、片方の製品を宣伝するために無節操な戦術が用いられている
   のが気になったこともある。とても残念なことだ。Parallels も、Fusion も、
   VirtualBox も、いずれも優れたプログラムで、純粋にそれぞれの長所で競争
   できるはずだ。だから、ぜひともご自分で試してみて、ご自身で決断して頂き
   たい。本当の意味で重要なのは、あなた自身の体験なのだから。


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   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/12498#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12498>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 9 月 19 日
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     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12501>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**DEVONthink と DEVONnote 2.3** -- DEVONtechnologies の情報管理アプリケー
   ション DEVONthink と DEVONnote が、またアップデートされた。今度はバー
   ジョン 2.3 だ。Lion ユーザーは、メインウィンドウでフルスクリーンモード
   が使えるようになったことや、添付ファイルとリッチテキスト書類へのリンク
   が Quick Look に対応したことを歓迎するだろう。Address Book の読み込み
   と、DEVONthink Pro Office での電子メールのアーカイブ機能も改善され、そ
   の他数多くのバグ修正も施された。(アップデートはすべて無料、新規購入は
   DEVONthink Pro Office が $149.95、DEVONthink Professional が $79.95、
   DEVONthink Personal が $49.95、リリースノート;DEVONnote は $24.95、リ
   リースノート)

<http://www.devon-technologies.com/products/devonthink/>
<http://www.devon-technologies.com/products/devonnote/>
<http://www.devon-technologies.com/products/devonthink/releasenotes.html>
<http://www.devon-technologies.com/products/devonnote/releasenotes.html>

   DEVONthink と DEVONnote 2.3 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12499#comments>


**Camino 2.0.9** -- バージョン 2.0.8 を出して間もなく、Camino Project が
   Camino for Mac OS X ウェブブラウザのバージョン 2.0.9 をリリースした。
   これら二度のアップデートで、無効な SSL 証明書の処理が改善されるととも
   に、Camino Crash Reporter の電子メールフィールドのローカリゼーションも
   改良された。新バージョンの Java Embedding Plugin も含まれ、Camino の広
   告ブロック機能が向上した。今回の 2.0.9 リリースで、前バージョンでビル
   ドに問題があって以前に修正されたクラッシュのバグが再現してしまっていた
   点が修正された。さらに、2.0.9 では Netflix に関係したクラッシュのバグ
   と、Camino が他のアプリケーションから未知のプロトコルを使った URL を開
   くよう要求された場合のハングの問題とが修正された。また、Flash アニメー
   ションをブロックするためにブラウザが使用するコードもアップデートされた。
   (無料、15.8 MB)

<http://caminobrowser.org/releases/2.0.8/>
<http://caminobrowser.org/releases/2.0.9/>
<http://caminobrowser.org/>

   Camino 2.0.9 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12496#comments>


**Microsoft Office for Mac 2011 14.1.3/2008 12.1.3/2004 11.6.5** --
   Microsoft が三つのアップデートを Office for Mac 2004, 2008, 2011 用に
   リリースした。Office 2004 アップデートと Office 2008 アップデートはそ
   れぞれバージョン 11.6.5 と 12.1.3 だが、攻撃者が悪質なコードで Mac の
   メモリ内容を上書きできる脆弱性に対処している。Office 2008 アップデート
   ではそれに加えて、Word のヘルプがあらゆる言語で表示されるようにすると
   ともに、Entourage のタイムゾーン情報を更新している。(Microsoft
   AutoUpdate 経由で無料アップデート、2008 は 333 MB、2004 は 9 MB)

<http://support.microsoft.com/kb/2598782>
<http://support.microsoft.com/kb/2598781>

   一方、Office 2011 アップデートはバージョン 14.1.3 で、このスイートのほ
   とんどすべてのアプリに改善を施している。まず PowerPoint と Excel につ
   いては、プログラムがクラッシュする問題が修正された。Word については、
   PivotTable フィールドの設定が有効になり、オランダ語版で引用文献のオプ
   ションが正しく表示されるようになった。Outlook については、連絡先の画像
   が正しく表示されなかった問題が今回のアップデートで解決した。また、共有
   Outlook カレンダーのオプションの処理も改善された。注目すべきことに、今
   回のアップデートでは Outlook に Apple Mail から読み込む機能が無効化さ
   れた。これは「Mac OS X 10.7 Lion 上では予想どおりに機能しない」からだ。
   (Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、112 MB)

<http://support.microsoft.com/kb/2598783>

   Microsoft Office for Mac 2011 14.1.3/2008 12.1.3/2004 11.6.5 へのコメ
   ントリンク: <http://tidbits.com/article/12494#comments>


**Mac mini、MacBook Pro、MacBook Air 用ファームウェア・アップデート** --
   Apple が、外見的には全く同じように見える三つのアップデートを最近の機種
   の Mac 用にリリースした。Mac mini EFI Firmware Update 1.3、MacBook Pro
   EFI Firmware Update 2.2、MacBook Air EFI Firmware Update 2.1 の三つだ。
   これらのアップデートで、インターネット接続を使用した Max OS X 10.7 Lion
   復旧機能の安定性が向上し、詳細は不明ながら Thunderbolt ディスプレイに
   接続する際の問題点が解消され、Thunderbolt ターゲットディスクモードのパ
   フォーマンスが改善されている。どんなファームウェアアップデートでも同じ
   ことだが、インストールの際には必ず前もってインストールの説明書を注意深
   く熟読しておくべきだ。必要ないマシンでアップデートを手に入れずに済むよ
   うに、入手はソフトウェア・アップデートに任せることをお勧めする。もしも
   ソフトウェア・アップデートにこのアップデートが登場しなければ、それはあ
   なたの Mac には必要ないということだ。(無料、4 MB)

<http://support.apple.com/kb/DL1449>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1449?viewlocale=ja_JP>
   "Mac mini EFI ファームウェア・アップデート 1.3"
<http://support.apple.com/kb/DL1450>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1450?viewlocale=ja_JP>
   "MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデート 2.2"
<http://support.apple.com/kb/DL1448>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1448?viewlocale=ja_JP>
   "MacBook Air EFI ファームウェア・アップデート 2.1"

   MacBook Air EFI Firmware Update 2.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12492#comments>


**VMware Fusion 4** -- 先週 Parallels 7 がリリースされたばかりだが、今週
   は VMware Fusion 4.0 が登場した。Mac ユーザーが Mac OS X と隣り合わせ
   て Windows、Linux、その他のオペレーティングシステムを走らせることがで
   きるようにする、人気の仮想化プログラムへのメジャーなアップグレードだ。
   Fusion 4 には 90 以上の新機能が含まれ、そのうち大きな変更点としては、
   Lion の機能のフルサポート、具体的には Mission Control、フルスクリーン
   モード (個々の Windows アプリケーションにも使える)、ジェスチャーなどが
   ある。また、Mac OS X 10.7 Lion と Lion Server をゲスト・オペレーティン
   グシステムとして走らせることもでき、どの Windows アプリが Launchpad に、
   「アプリケーション」フォルダに、そして Spotlight に、登場するかを選ぶ
   こともできる。シングルウィンドウモードで走っている際に Fusion 4 がスク
   リーン面積をより良く使えるようになり、これは (MacBook Air など) 小さな
   ディスプレイを持つ Mac ではありがたい。その他さまざまの変更が Fusion
   にも仮想マシンで走る Windows アプリにも施され、より Mac 風に動作するこ
   とでより良く Mac OS X に統合されるようになった。さらに、Fusion 4 では
   Time Machine との互換性も向上し、Remote Disc に対応し、仮想 Bluetooth
   にも対応した。

<http://www.vmware.com/products/fusion/overview.html>
   (日本語 
)<http://www.vmware.com/jp/products/desktop_virtualization/fusion/overview.html>
   "VMware Fusion: Mac をデスクトップ仮想化に使用して、Mac 上で Windows を実行"
<http://communities.vmware.com/docs/DOC-17077>

   Fusion は自己充足の 64-bit Cocoa アプリケーションとなったので、ドラッ
   グ&ドロップでインストールもアンインストールもでき、どこからでも走らせ
   られる。それだけでなく、動作していない時には一切システムリソースを使用
   しない。また、このプログラムのパフォーマンスが大幅に改善され、とりわけ
   2D および 3D のグラフィックスでそれが顕著だ。VMware のベンチマークテス
   トによれば、全体的なパフォーマンスは Parallels 7 と互角だという。ハー
   ドウェアとテスト項目にもよるが、平均して Fusion の方が 2 から 4 パーセ
   ント優れていたという。(ただし、いくつかのテストでは少し Parallels に
   後れを取っていた。)現在のところ Mac App Store では販売されていないが、
   Fusion 4 はそれと同様のライセンスモデルを使うようになった。企業向けと
   教育機関向けのものを除き、シングルライセンスは一人のユーザーが所有する、
   またはコントロールする、すべての Mac で有効となる。今年の末まで、$49.99
   の宣伝販売価格(アップグレードも新規購入も同価格)となっている。(新規
   購入もアップグレードも $49.99、399 MB)

   VMware Fusion 4 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/12491#comments>



ExtraBITS、2011 年 9 月 19 日
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     文: TidBITS Staff <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12500>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   CEO たちが本当は何を考えているのかは、どんな場合でも興味深いことだ。今
   週私たちは Netflix の CEO Reed Hasting が、Netflix が自己消滅しようと
   していることに対する説明を述べているのに気付いた。それと、元 Apple CEO
   の John Sculley のインタビュー記事もある。また今週は、Google Docs がコ
   メントのみのアクセスのオプションを追加し、Apple が魅力的な 3D ディスプ
   レイと画像システムに関する特許を取得した。


**Netflix CEO が値上げと DVD サービス改名について説明** -- ほとんど不可
   解としか言えない 60 パーセントの値上げを 2011 年 7 月に実施して以来、
   顧客数の減少に見舞われた Netflix の CEO Reed Hastings が、謝罪と説明を
   同社のプログに掲載するとともにすべての顧客に電子メールで送った。その中
   で、Hastings は Netflix が今後同社の DVD 側、ストリーミング側のサービ
   スをさらに分割するとともに、DVD 配達サービスを新しい "Qwikster" ブラン
   ドに衣替えする予定であることを明かした。同社のブログに寄せられた反応は
   (現時点で 10,000 件以上だが)ほぼ一様に否定的な意見で、将来サービスが
   分割され価格改定されることに(控え目な表現をすれば)不満を述べる顧客が
   ほとんどだった。これは Netflix としても、手遅れにならないうちに方針転
   換をすべき時ではないだろうか。

<http://blog.netflix.com/2011/09/explanation-and-some-reflections.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12502#comments>


**John Sculley がインタビューで Steve Jobs を語る** -- John Sculley は、
   Steve Jobs が 1983 年に Apple を経営するために採用した人物だが、今もま
   だ投資や社内指導教育などの分野で活躍中だ。このインタビュー記事で、彼は
   自身の経歴と、Pepsi に入社した経緯、Apple に行く道を選んだ理由、そして
   彼と Steve Jobs との間でどのように物事が運んだかを語る。

<http://it-jobs.fins.com/Articles/SBB0001424053111903285704576560420813121788/John-Sculley-on-Apple-s-Jobs-and-the-Experience-of-a-Lifetime>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12495#comments>


**Google Docs にコメント専用アクセスのオプション** -- これまでは、Google
   Docs にある書類に対してコメントのみができる形で人々がアクセスする方法
   はなかった。けれども問題は、自分の書類を誰かに勝手に変更されるのは困る
   けれども、人々からのフィードバックは欲しい、という状況がよくあることだ。
   Google Docs のブログ記事によれば、近日中に Google Docs アカウントで、
   他の人がコメントを書き込むことのみできるという形で書類を共有するオプショ
   ンが設定できるようになるという。公開の書類で誰でもコメントを書き込める
   という設定さえ可能になる。今回の変更によって、Google Docs はこれまでに
   も増して価値ある共同作業ツールとなるだろう。もはや、コメントを求めるた
   めに人々に Word 書類を送りつける必要がほとんどなくなるからだ。

<http://googledocs.blogspot.com/2011/09/comment-only-access-in-google-documents.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12490#comments>


**Apple が 3D ディスプレイと画像システムの特許を取得** -- Patently Apple
   が、3D ディスプレイと画像システムに関する特許が新たに Apple に与えられ
   たことを伝えている。どうやらこれは、ユーザーの前にある空間を監視して、
   ホログラフィー画像あるいは手による仮想の表現を通じてユーザーが仮想のオ
   ブジェクトに対する操作を実行できるようにするものらしい。出荷される製品
   にこれが登場するのはまだまだ先のことと思われるけれども、明らかに Apple
   の研究室においては、現在のキーボードとマウス、タッチスクリーンを超えた、
   新たな形の仮想交流の方法を定義する必要を認識しているようだ。

<http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2011/09/whoa-apple-wins-a-3d-display-imaging-system-patent-stunner.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/12477#comments>




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