TidBITS#1097 追悼号

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2011年 10月 12日 (水) 13:42:33 UTC


TidBITS#1097/10-Oct-2011
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     英語版: <http://tidbits.com/issue/1097>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1097.html>


   Apple の共同創立者であり前 CEO、現在は取締役会の会長である Steve Jobs
   が亡くなった。56 歳だった。完全に予想外のことではなかったけれども、そ
   の知らせはテクノロジーのコミュニティーをも外の世界をも大きく揺さぶった。
   この TidBITS 特別号は、すべて Steve Jobs のために捧げられる。まず Jeff
   Carlson が、その知らせを伝えるとともに、インターネットのあちこちから届
   いたさまざまの Jobs 関係のコンテンツへのリンクを多数紹介する。それから
   TidBITS スタッフの Mark H. Anbinder と Rich Mogull、そしてゲスト寄稿者
   の Angus Wong が、Jobs の遺したものについてそれぞれの考えを記す。最後
   に TidBITS 出版者の Adam Engst が、なぜ Steve Jobs の死がこれほど多く
   の人々の心を騒がせたのかという疑問を考察する。TidBITS の通常号も出るの
   でお待ちあれ。

記事:
     Steve Jobs が 56 歳で逝去
     Steve Jobs: 楽しみを共有
     Steve Jobs: テクノロジーを大衆のものとして
     Steve Jobs: クレイジーな人たちの一人として
     Steve Jobs を追悼する


Steve Jobs が 56 歳で逝去
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     文: Jeff Carlson <jeffc @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12539>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   Apple の共同創立者であり前 CEO、現在は取締役会の会長である Steve Jobs
   が、2011 年 10 月 5 日の水曜日に死去した。56 歳だった。この知らせは
   Apple の取締役会によって発表され、その声明は次のようなものであった:

<http://www.apple.com/pr/library/2011/10/05Statement-by-Apples-Board-of-Directors.html>
   (日本語 
)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2011/10/05Statement-by-Apples-Board-of-Directors.html>
   "Apple (日本) - Apple Press Info - Apple取締役会による声明"

    深い悲しみと共にスティーブ・ジョブズが本日逝去したことを発表します。

    スティーブの才気、情熱、行動力は、私たちすべての人生を豊かにし向上さ
    せてきた無数のイノベーションの原点でした。スティーブのおかげで、この
    世界は計り知れないほど素晴らしいものになりました。

    彼は妻の Laurene と家族をこよなく愛しました。私たち取締役会の思いを
    彼の妻と家族、そして彼の非凡な才能に感化されたすべての人々に捧げます。

   同じ日、Apple CEO の Tim Cook は、次のような電子メールをすべての Apple
   社員に送った:

<http://www.apple.com/pr/library/2011/10/05Apple-Media-Advisory.html>
   (日本語 
)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2011/10/05Apple-Media-Advisory.html>
   "Apple (日本) - Apple Press Info - 報道発表"

    チームの皆さん、

    皆さんにとても悲しい知らせをお伝えしなくてはなりません。スティーブが
    今日早く他界しました。

    Apple は先見と創造性に満ちた天才を失いました。世界は一人の素晴らしい
    人物を失いました。スティーブを知り、共に仕事をすることができた幸運な
    私たちは、大切な友人と、常にインスピレーションを与えてくれる師を失い
    ました。スティーブは彼にしか作れなかった会社を残しました。スティーブ
    の精神は永遠に Apple の基礎であり続けます。

    Apple の社員を対象に、スティーブの非凡な人生を思い出し、語り合う場を
    近く設ける予定です。それまでの間、みなさんの思い出やお悔やみの言葉を
    Eメールで送ってください。rememberingsteve @ apple.com

    スティーブの死への悲しみ、彼と一緒に仕事をすることができたことへの感
    謝は、言葉では表しきれません。彼があれほど愛した私たちの仕事にこれか
    らも私たち自身を献身的に捧げることで、彼の思い出に敬意を払いたいと思
    います。

    ティム

   Jobs の家族も声明を発表した:

<http://finance.yahoo.com/news/Statement-by-Steve-Jobs-bw-3903835262.html>

    Steve は本日、家族に囲まれながら平和のうちに亡くなりました。

    公人としての生活の中では、Steve はビジョンを持つ人として知られていま
    した。個人的な生活の中では、彼は家族を大切にする人でした。昨年 Steve
    が病気になって以来、祈りの気持ちを捧げて下さった多くの皆様に、感謝し
    たいと思います。思い出やお言葉を寄せて下さる皆様のためにウェブサイト
    を用意させて頂きたいと思っています。

    私たちの Steve に対する気持ちに心を合わせて下さった皆様の、お支えと
    優しさに感謝して止みません。多くの皆様が私たちとともに悲しんで下さる
    こととは思いますが、喪に服する期間中は、どうか私たちのプライバシーを
    尊重して頂ければと思います。

   今年の 8 月に Jobs が CEO の役職を辞任することを発表した際に、私たちは
   多彩な反応を記事にまとめた(2011 年 8 月 25 日の記事“Steve Jobs の辞
   任: 反応と思い出”参照)が、その時以上に今もそれらは相応しいと言える。

<http://tidbits.com/article/12446>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1091.html#lnk2>
   "Steve Jobs の辞任: 反応と思い出"

   Apple は Remembering Steve Jobs ページを開設して、その中で人々が追憶や
   哀悼の言葉を寄せることのできる電子メールアドレスのリンクを示している。

<http://www.apple.com/stevejobs/>
   (日本語)<http://www.apple.com/jp/stevejobs/>
   "Apple - 追悼 Steve Jobs"

   Jobs がすべての私たちの生活に深い影響を及ぼした、といくら言ってみても
   とうてい言い足りない。おそらく最も多くを物語る事実がある。それは、私た
   ちの多くが彼の死を知ったのは、何らかの機器、つまり Mac か、iPhone か、
   iPad か、あるいは iPod touch の上でだったということだ。それらの機器が
   生まれたのは、彼が Apple でした仕事によって可能となったところが大きい。

   彼の家族と友人たちに、私たちの心からのお悔やみの言葉を捧げたい。

<http://tidbits.com/resources/2011-10/Steve-Jobs-dies.png>


**広範囲からの反応** --長年 Apple と Jobs について記事を書いてきた私たち
   TidBITS は、確かに彼の遺したものに対する感謝の気持ちで溢れている。けれ
   ども、Jobs の逝去を受けて世の中にほとばしり出た言葉の数々に、私たちも
   驚きを禁じ得ないでいる。コラムニストたちも、CEO たちも、国の首脳までも
   声明や思い出の言葉を述べ、Apple リテール店は何千人もの人々からの敬意の
   しるしが集まりまるで一時的な神殿のようになった。

   私たちのウェブサイトでこの記事へのコメントとして寄せられた情報から、そ
   うしたお悔やみと敬意の言葉へのリンクをここにいくつか集めてみた。圧倒さ
   れるほど数が多いことは分かっているが、それでもここに挙げるだけの価値は
   あると思う。

* Obama 大統領から、Steve Jobs の逝去について。

<http://www.whitehouse.gov/blog/2011/10/05/president-obama-passing-steve-jobs-he-changed-way-each-us-sees-world>

* Bill Gates のコメント。

<http://www.thegatesnotes.com/Personal/Steve-Jobs>

* Steve Ballmer の声明。

<http://www.microsoft.com/Presspass/press/2011/oct11/10-05statement.mspx>

* Steve Wozniak が Steve Jobs について語る。

<http://www.bbc.co.uk/news/technology-15198013>

* Steve Wozniak が Steve Jobs について語るビデオもう一つ。最後の数秒間を
   見逃さないようにしよう。

<http://www.washingtonpost.com/national/wozniak-remembers-steve-jobs/2011/10/06/gIQAAINvPL_video.html>

* xkcd の観点。漫画の上にポインタを置いて、ツールチップを読もう。

<http://www.xkcd.com/961/>

* Steven Levy が Wired に書いた Steve Jobs 追悼記事。

<http://www.wired.com/epicenter/2011/10/jobs/all/1>

* BoingBoing による Steve Jobs へのレトロ調オマージュ。

<http://boingboing.net/2011/10/05/steve-jobs-has-died.html>

* Tom Standage が The Economist に書いた Steve Jobs 追悼記事。

<http://www.economist.com/blogs/babbage/2011/10/obituary>

* Wall Street Journal の Walt Mossberg によるブログ記事「私の知っていた
   Steve Jobs」

<http://allthingsd.com/20111005/the-steve-jobs-i-knew/>

* Robert Scoble による Apple 本社からのレポートと写真。

<http://scobleizer.com/2011/10/06/my-apology-to-tim-cook-and-remembering-steve-jobs/>

* Macworld の Dan Moren が Steve Jobs に対する思いを書いた素敵な文章。

<http://www.macworld.com/article/162831/2011/10/steve_jobs_is_gone_but_his_impact_will_live_on.html>

* Jeff Carlson が Seattle Times に書いた記事「私たちは毎日 Steve Jobs と
   交流していた」

<http://seattletimes.nwsource.com/html/businesstechnology/2016439511_ptmaccjobs08.html>

* John Gruber の鋭い目。

<http://daringfireball.net/2011/10/universe_dented_grass_underfoot>

* Ethernet の発明者 Bob Metcalfe が Steve Jobs の思い出を語る。

<http://news.cnet.com/8301-13579_3-20116378-37/bob-metcalfe-recalls-steve-jobs-cold-call/>

* John Siracusa も Steve Jobs の思い出を語る。

<http://arstechnica.com/staff/fatbits/2011/10/steve-jobs-a-personal-remembrance.ars>

* 私たちの友人、Macworld の Jason Snell が、宇宙に足跡を残すことについて。

<http://www.macworld.com/article/162827/2011/10/steve_jobs_making_a_dent_in_the_universe.html>

* 多くの開発者たちからの Steve Jobs への言葉を Macworld が集めた。

<http://www.macworld.com/article/162830/2011/10/steve_jobs_developers_politicians_ceos_and_celebrities_pay_tribute.html>

* Guy Kawasaki はキーノート講演を Steve Jobs と Apple について語る一時間
   とした。

<http://www.vimeo.com/30115815>

* 一度もテレビ放映されなかったバージョンのコマーシャル "The Crazy Ones"、
   ナレーションは Steve Jobs 本人。

<http://www.youtube.com/watch?v=8rwsuXHA7RA>

* Dilbert の Scott Adams から、心に触れるほんの短い文章。

<http://dilbert.com/blog/entry/1955__2011/>

* iOS の自動修正機能、泣きながらエラーを返す。

<http://yfrog.com/h8spqpknj>

* Apple Store が臨時の祈念堂と化す。「ありがとう 日本より 愛をこめて」
   (Macworld)

<http://www.macworld.com/article/162828/2011/10/mourners_flock_to_apple_stores_to_pay_tribute_to_jobs.html>

* John Markoff が The New York Times に書いた Steve Jobs 追悼記事。

<http://www.nytimes.com/2011/10/06/business/steve-jobs-of-apple-dies-at-56.html?_r=2&pagewanted=all>

* Lex Friedman の書いた素敵な記事。ほとんどの人が一度も会ったことのない
   人なのにその死がこれほど悲しく感じられるのはなぜか。

<http://www.macworld.com/article/162833/2011/10/why_steve_jobss_death_feels_so_sad.html>

* David Pogue からの心のこもった言葉。

<http://pogue.blogs.nytimes.com/2011/10/06/steve-jobs-imitated-never-duplicated/>

* 過去に対する Jobs の興味深い観点。済んだことは気にするな。

<http://www.washingtonpost.com/lifestyle/style/steve-jobs-and-the-idea-of-letting-go/2011/10/05/gIQAWxNqOL_print.html>

* 素晴らしく想像力をかき立てる Steve Jobs の肖像写真へのリンク。

<http://www.washingtonpost.com/blogs/comic-riffs/post/rip-steve-jobs-the-artful-apple-founder-is-the-subject-of-these-5-moving-portraits/2011/10/06/gIQAMGUYPL_blog.html>

* Jon Stewart が私たち多くの感情を代弁。「私たちとあなたとの関係が切れた
   わけではない!」

<http://www.thedailyshow.com/watch/thu-october-6-2011/moment-of-zen---steve-jobs--commencement-speech>

* この悲しみの時にも、Stephen Colbert のユーモアはとてもありがたい。

<http://www.colbertnation.com/the-colbert-report-videos/399182/october-06-2011/tribute-to-steve-jobs>

* Adam と Tonya が、Your Mac Life に Shawn King が集めた "In Memoriam"
   シリーズで Steve Jobs について語る。ぜひともこのポッドキャストをお聴き
   あれ。オーディオのみを直接ダウンロードすることもできる。

<http://yourmaclifeshow.com/inthenews/2011/10/07/memoriam-steve-jobs>
<http://yourmaclifeshow.com/QT/In_Memoriam.mp3>

* 2005 年の Stanford 大学卒業式の際の Steve Jobs の素晴らしいスピーチを
   忘れてはならない。

<http://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc>

* Steve Jobs に捧げたクロスワードパズル。

<http://allthingsd.com/20111006/new-york-times-crossword-honors-steve-jobs-with-puzzle-written-by-quora-engineer/>

* Macworld が Steve の業績を振り返る。

<http://www.macworld.com/article/162763/2011/10/>

* Dan Frakes による考察。Steve Jobs が、いかにしてテクノロジーに人間味を
   与えたか。

<http://www.macworld.com/article/162843/2011/10/opinion_jobs_humanized_technology_made_the_magical_common.html>

* New York Times の記事。Jobs がいかにして情熱を製品に注ぎ込んだか。

<http://www.nytimes.com/2011/10/08/business/how-steve-jobs-infused-passion-into-a-commodity.html>

* Randall Stross が、Steve Jobs を Thomas Edison と比較する。

<http://www.nytimes.com/2011/10/09/business/an-analogy-of-thomas-edison-and-steve-jobs.html>

* Jobs が暴君であったことも覚えておくとよい。

<http://www.nytimes.com/2011/10/07/technology/steve-jobs-defended-his-work-with-a-barbed-tongue.html>

* The Onion は、単刀直入に言ってのける。

<http://www.theonion.com/articles/last-american-who-knew-what-the-fuck-he-was-doing,26268/>

* 私たちの友人 Adam Khan が、Steve Jobs と Frank Lloyd Wright を比較した
   素敵な記事を書いた。

<http://www.adamkhan.net/parries/the-mouse-and-the-cantilever>

* Adam が、Jobs について Tech Night Owl Live ホストの Gene Steinberg と
   対談した。

<http://www.technightowl.com/radio/podcast/now-playing-october-8-2011-peter-cohen-adam-engst-and-daniel-eran-dilger/>


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Steve Jobs: 楽しみを共有
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   文: Rich Mogull <rich @ tidbits.com>
   原文記事: <http://tidbits.com/e/12550>
   訳: 柳下 知昭 <tyagishi @ gmail.com>

   Steve Jobs が亡くなったという報道がなされた晩、妻と私は、子供にやさし
   いレストランに幼い娘といた。そこは、時代遅れになってきているようなカラ
   フルな色使いで風船のたくさんあるような種類の場所だが、私は、家族の楽し
   い時間に集中できなくなってしまい、かわりに、電池が無くなるまで世界から
   寄せられている深い悲しみをフォローしていた。

   これを読んでいるほとんど全ての皆さんと同様に、私は、Steve Jobs に会っ
   たことはない。皆さんのほとんどと違うのは、幸運にも彼の最後の Macworld
   Expo でのキーノートに参加することができ、彼の評判の現実歪曲空間を近く
   で個人的に体験したことである。2008 年には、BlackBerry を持って入った
   が、iPhone を持って帰宅していた。あなたが、現実歪曲空間についてなんと
   言おうとそれでも私は、あの判断を決して後悔していない

   私のテクノロジーへの愛は、アップルと、それほどの重要性はないがコモドー
   ルと共に始まった。しかし長年の間、私は、アップルがデザインしたものを所
   有したことがなく、学校や友人宅を訪問したときに借用したくらいだった。私
   の最初の iPod の美しさによるハロー効果に圧倒された 2005 年に最初の Mac
   を購入した。今日では、家に 6 台の Mac と 2 つの iPad,数台の iPhone, そ
   して、様々なアップル製品がある。手放すことができない最初の iPod までも
   が含まれている。

   あなたが、アップルを好きでも嫌っていても構わない - 今日のほとんど全て
   の技術的なものは、Steve が率いていたチームの仕事に影響されている。どん
   なコンピュータも、どんな最新の電話も、どんな音楽プレーヤーも、他のどの
   ようなソースよりもアップルのデザインに影響を受けている。私の娘が大好き
   な CG によるアニメーションさえも、Pixar の仕事なしには、現在のようには
   なっていなかっただろう。

   食事を終え、帰宅しようとしたときには、私の心は、家族よりもより Jobs に
   向けられていた。1 才の娘をだっこして、受付を通ったときにヘリウムガスの
   風船をつかみ取って、娘の手首にリボンを巻き付けた。駐車場を横切るとき、
   彼女は、目に幸せそのものをうつしながら笑って風船を叩きはじめた

   彼女を見おろして微笑みながら、私は自分自身について考えた、成長するにつ
   て、それが単純か複雑か、安いか高いかに関わらず、物から、このような子供
   のような喜びを体験することがめったになくなった。

   そして、この日の出来事に影響されて私は、思い出した、数ヶ月にわたり、自
   分の iPhone 4 の Retina ディスプレーをじっと見ていたことを。私の初めて
   の iPod から広がる光を。およそ 2 年前から 2 つのモデルの iPad をそばに
   いつも持っていることを。

   アップル製品の全てが私を子供のころの驚きを取り戻してくれるわけではない
   が、画面とプロセッサの付いた何かがそうしてくれるならば、それは、
   Cupertino でデザインされたのだろう。

   Steve Jobs は、我々にたくさんのプレゼントを残してくれたが、このこと
   が、私が最も印象に残っていることだ。彼にとっては、ただ新しいテクノロ
   ジーを我々の生活に組み入れただけでは十分でなく;彼の創造する楽しみを共
   有したかったのだ。

   彼の死は、想像していたよりも私をうちのめした。これがアップルや素晴しい
   製品の終りでないことは知っている。しかし、技術世界全体が、我々の目の前
   にある山に登り、道を作り、熱狂的に引き返してきて、手を振り、"ついて来
   い!"という一人の人間を失なったのだ。


    ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/12550#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/12550>


Steve Jobs: テクノロジーを大衆のものとして
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     文: Mark H. Anbinder <mha @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12549>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   この数日間は、たくさんの賛辞や思い出、感情のほとばしりなどが嵐のように
   吹き荒れた。そして私も、この文章を自分の頭の中で書き始めて、十回以上も
   書き直している自分に気付いたのだった。もう二十年以上にもわたって Apple
   や Mac 業界について文章を書いてきたパートタイムのジャーナリストとして、
   私も Steve Jobs が亡くなったのに際して思い出を記す「資格」があるのでは
   ないかと思う。私は、その人本人から数フィート以内に近寄ったことさえある。
   最初は完成したばかりの彼の新しい NeXT コンピュータのお披露目に Cornell
   大学キャンパスを彼が訪れた折りで、その後もいろいろな Macworld Expo や
   WWDC で、彼に近寄る機会があった。けれども思い返してみると、Steve Jobs
   その人が、また彼の仕事が、私の人生にどれほど浸透していたかということを
   あらためて思い知らされる。

   私がここのところ読んでいる文章を書いた何人かの人たちと違い、私が初めて
   持ったコンピュータは Apple ではなく、Atari 400 であった。でも、やがて、
   私は学校で、友だちの家で、またキャンプでも、Apple ][ ばかり使うように
   なって、遊んだり、文章を書いたり、プログラミングしたり、いろいろといじ
   くり回したりした。

   私が初めて自分のものにした Apple 製品は 512K Macintosh だった。これは
   私が Cornell 大学の一年生だった時に購入したもので、コンピュータサイエ
   ンスのクラスで Mac のプログラミングが必要だったからだ。その後コンピュー
   タサイエンスをあまり長く続けて選択することはなかったのだが、疑いもなく
   私の人生の分岐点となったのは、ある冬、Cornell の教授の一人が私にこんな
   質問をした時だった。

   「君は、Mac のプログラミングができるかい?」

   言っておくが、実際私はプログラマーではない。けれどもあの 1986 年当時で
   さえ、Mac でプログラミングして素晴らしいことをさせるのはあまりにも理に
   かなっていて、あまりにも簡単にできたので、私でさえも十分簡単に「できる
   ふり」ができたのだった!

   やがて、私の仕事はプログラミングから Mac に焦点を置いた技術サポート中
   心のものに移って行った。細かいことは二・三年ごとに変わって行ったけれど、
   総体的に見れば私のキャリアは一貫していた。私の専門は、人々がテクノロジー
   を用いて周囲の世界を最大限に活用できるように手助けすること、に他ならな
   かった。Steve Jobs が亡くなったことを知ってからほどなく、私はあること
   に気付いた: 彼もまた、そうだったのではないか。

   そもそもの初めから、つまり Apple ][ が最初の大衆向け生産性コンピュータ
   として存続できるものとなった時以来、Jobs のキャリアの円弧はテクノロジー
   を大衆がアクセスできるものとすることの上に置かれていた。(私たちがどれ
   だけ長い間 Mac について書いてきたかを考えれば、最初の Apple ][ が出て
   から最初の Macintosh が出るまでの年月の差がいかに短かったかに気付いて
   ちょっと驚かされる。)

   ここ数日間、悪口を言う声も確かに聞こえていた。Jobs と Apple は多くの業
   界を破壊し、あるいは取り返しのつかないほどのダメージを与えてきたのだと。
   ただし、丁重な反論によって黙らされたものも多かった。けれども、音楽業界
   の内部にいて、コンパクトディスク (CD) の売り上げが落ちたことを声高に嘆
   く人たちは、ほんの僅かな手数料で一曲 99 セントの楽曲を販売できることを
   大いに気に入っている業界のプレイヤーや演奏家たちと、ほぼ対等の議論を今
   も続けている。フィルムが廃れてしまったことで苦闘していた写真ラボ業界は、
   今は iPhoto からプリントを注文するデジタル写真家たちから収入を得るよう
   になった。開発者たちの生態系に Apple がより大きなコントロールの力を及
   ぼそうとすることに不平たらたらのソフトウェア開発者たちがいる一方で、思
   いがけなく大きな収入の道ができたことを喜んでいるソフトウェア開発者たち
   もいる。ウェブサイトから人々が無料で何でも得られることで購読収入が減る
   のを望まなかった雑誌の出版者たちも、今は iPad での有料購読を使う人々が
   増えつつあることに気付き始めている。

   これらに共通する潮流は、NeXT と Pixar で苦労の末に手に入れた智慧と活力
   を携えて Apple に復帰した Steve Jobs による新たな統率力の下で、Apple
   が会社を成功に導くとともに、それと並行してコンシューマたちがコンテンツ
   で素晴らしいことができるように手助けしつつ、また驚くほどさまざまの他の
   業界がそこから利益を得られるようにも手助けしてきたということだ。

   不平の声は今後も続くだろうか? それは当然だ。その中には確かに正当な不
   平もあるに違いないが、どのような大転換にも犠牲者は付き物だということを
   も私たちは忘れてはならない。自動車が馬に取って代わった時には蹄鉄工たち
   が苦難を味わったし、誰もが電気による照明に切り替えた時にはランプ用オイ
   ルの会社が破綻の憂き目にあった。また、近い将来、テキストメッセージから
   の収入をあてにしていた携帯電話キャリアたちは、意図的に高額に設定されて
   いる SMS テキストメッセージ料金を私たちが iMessage のお陰で支払わずに
   済むようになれば困ることになるだろう。

   では、Apple は次に何を成し遂げるのだろうか? それはまだ、私たちがほん
   の少しだけ想像できるようになり始めたばかりだ。Steve Jobs 自身が自らの
   手を触れていたパイプラインの中にどのような進化が出番を待っているのかを。
   ましてや、彼がこれまで育成してきた環境の中から、今後どのような革新的な
   進化が新たに生まれ出て来るのかは、まだまだ私たちには見えていない。

   Steve Jobs は、コンピュータも、インターネットも、携帯電話も発明しなかっ
   た。彼はただ、それらを使う価値のあるものへと進化させるのを手助けしたの
   だった。次に何が起こるのか、それは今後のお楽しみだ。


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Steve Jobs: クレイジーな人たちの一人として
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     文: Angus Wong <atkw @ anguswong.net>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12548>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今日は三つの物語について考えたい。

   大したことではない。たった三つの物語だ。

   最初の物語は、パーソナルコンピュータについての話だ。

   他にも多くの人たちからの寄与があったのを否定するわけではないが、もしも
   Steve Jobs がいなかったならば「パーソナルコンピュータ」が本流に乗るこ
   とはあり得なかったと想像するのはいとも容易いことだ。HP はあからさまに
   そのアイデアを却下したのだし、IBM は Jobs が創出に力を貸したそのマーケッ
   トに見込みがあると認識しつつも自ら参加するまでには永遠とも思える時間を
   要した。もしもパーソナルコンピュータがなければ、私たちが今日知っている
   インターネットはほとんど知られることもなく軍人たちと学者たちだけの使う
   ものとなっていたかもしれない。それに、もしも Tim Berners-Lee が CERN
   で NeXT マシンを使うことがなかったとしたら、彼の頭の中の閃きにどれほど
   欠けるところがあったのかは誰にも分からない。[訳者注: Tim Berners-Lee
   は World Wide Web を考案・開発したと言われる人物。]

   第二の物語は、ユーザーたちについての話だ。

   まるでプロメテウスのごとく、Steve Jobs はテクノロジーを一般大衆に、つ
   まり「残りの私たち (the rest of us)」にもたらした。偉大なるアイデアを
   象牙の塔の中の培養状態や趣味人たちの薄暗い小部屋に閉じ込められた状態か
   ら解放した Jobs は、未来への先駆者であった。グラフィカルなユーザーイン
   ターフェイス、USB、ワイヤレス接続、ユーザーが生成する HD 内容、タッチ
   スクリーン、アップストア等々、彼は Apple 製品の更新ごとにほとんど毎度、
   最先端の革新をより広い世界へともたらした。そして彼はそれをいかにも短気
   な態度で、確信を持って、私たちが共有する未来を確固として注視することに
   よって成される移行を通じ実行した。そこには、後ろ向きの互換性をちらちら
   と気にするためらいがちの視線は存在しなかった。

   第三の物語は、繋がりについての話だ。

   Steve Jobs は私たちを結び付けた。全く異なる人々の間に、彼は動きや動作
   による共通言語を与えた。マニアたちや導師たち。技術者たちや書体デザイナー
   たち。彼は、コンピュータの純然たる生の力を魅惑的な美と融合させて一つの
   チームを組織し、子供たちに喜びをもたらすイメージを作り出しつつ大人たち
   には全体像が見えるようにした。彼は、私たちが音楽や映画、書物を体験する
   方法を変換させ、私たちが飢えた、馬鹿げた世界を歩き回りつつもお互いに連
   絡を取り合うことのできる方法を変えてみせた。

   今日は私の誕生日だが、私は MacBook Pro で Pages を使ってこの記事をタイ
   プしつつ、Steve Jobs により練り上げられたテクノロジーを使ってきたこの
   三十年以上の年月について思い巡らせている。それは壮大なる、刺激に満ちた
   長旅であったが、今や私たちは最も予知能力のある先導者の一人を失ったのだ。

   そのニュースを聞いた時、あなたはどこにいただろうか? 私の場合、そこは
   快晴のハワイだった。Jobs もよくハワイ滞在を楽しんだものだ。太陽は輝き、
   雲は薄かった。そんな中で、この宇宙の中で何かがうまく行っていないことを
   聞くのはどこか場違いのような気がした。それでも、何百万人もの他の人たち
   と同様、私は彼の逝去の知らせを自分の iPad 上のニュース警報として知った。

   Jobs はそれを知って喜んだかもしれない。たとえそれが彼自身の死の知らせ
   だとしても。彼は、Apple の認知度を引き上げて大いなる善きことを生み出し
   たのだ。その上、おそらくこれは彼の Stanford 大学でのスピーチの要点をあ
   ともう一歩だけ進めることになったのかもしれないが、彼はすべての私たちの
   ために、ホッケーパックが結局どこへ動くかを見越してあらかじめスケートを
   そこへ滑らせていたのだった。

<http://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc>

   私はたまたま、一度もテレビ放映されなかったバージョンの Apple のコマー
   シャル "The Crazy Ones" を知った。ナレーションの声は Steve Jobs 本人だ。
   その中で彼は、当初彼は嫌っていたであろう、けれども結局認めるようになっ
   た、心に迫る、詩的な類いの表現を用いて、無意識のうちに彼自身への賛辞を
   呈している。いわく、「自分が世界を変えられると思うほどにクレイジーな人
   たちこそが... 実に世界を変える人たちに他ならないのだから。」

<http://www.youtube.com/watch?v=8rwsuXHA7RA>

   彼のことを称賛するにせよ、けなすにせよ、Steve Jobs は、これまでも、そ
   して今後も常に、一目瞭然かつ他に代わりのきかぬ、めちゃくちゃ素晴らしい
   (insanely great) 人なのだ。


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Steve Jobs を追悼する
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     文: Adam C. Engst <ace @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/12546>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   1997年に、我々の友人であり 1980年代から 1990年代にかけての傑出した
   Macintosh 作家の一人であった Cary Lu が癌のため亡くなった ("CCary Lu を偲
   んで" 29 September 1997 参照)。彼の最後の数か月の間、我々は彼が健康な時よ
   りも多くの時間を Cary と過ごしたのだが、彼はこんなことを言った、死が避け
   られないと分かってくると、ある人は遠ざかって行き、ある人はより近しいもの
   となると。死の直後も同じで、我々の何人かは Cary の最後の本を完成させるた
   めに協力していた ("『The Race for Bandwidth』" 21 September 1998 参照)。

<http://tidbits.com/article/4169>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-399.html#lnk2>
   "Cary Lu を偲んで"
<http://tidbits.com/article/5099>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-447.html#lnk3>
   "『The Race for Bandwidth』"

   Steve Jobs が今週亡くなり ("Steve Jobs が 56 歳で逝去" 5 October 2011 参
   照)、私は Cary の死を考えている自分を発見した、私は私が感じたものは何だっ
   たのかを見つけ出そうとしたのである。それは必ずしも単なる悲しみではない、
   Cary とは違い Jobs は個人的な友人ではなかったし、彼の健康状態についても他
   の人以上に知っている訳でもなかったからである。私が Jobs に会ったことがあ
   るのは二回に過ぎない、最初は 1980年代後半に Cornell University で NeXT マ
   シンが初めて公開される幕開けの時で、当時 Tonya と私は大学のコンピュータ室
   の学部学生管理者であった。そして二回目は  Macworld Expo の会場でほんの短
   い時間だけで、その時彼は私の友人である Jeff Robbin と会場を回って歩いてい
   たのだが、彼の SoundJam は iTunes の基盤として Apple に買われたばかりであ
   った。最初の時、私は Jobs と話をした記憶はないし、二回目も何か言ったとし
   たも、それは単なる感謝の挨拶だけであったろう。

<http://tidbits.com/article/12539>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1096.html#lnk0>
   "Steve Jobs が 56 歳で逝去"

   と言うわけで、悲しみはふさわしい感情ではない - 私は Steve Jobs を知らない
   し、彼も私を知らない。彼が TidBITS を見たことがあるかどうかも私には知る由
   もないが、可能性はあるであろう、何故ならば我々の読者の中に他の高位の
   Apple 幹部の名前を見ることが出来るからである。

   にも拘わらず、水曜日の夜に Jobs の死に関する我々の記事を大急ぎで出した後、
   私は木曜、金曜と何か生産的なことを成し遂げられないでいた。そしてその感覚
   は Apple を周回するのに何年もの歳月を過ごしてきた他の多くの人にも共通して
   いた。私は Twitter 上で見た共有記事全てを読まずにはおられず、そしてそれら
   を集めそして整理したくてしょうがなかった。これはあたかも、私が最も説得力
   があるものと興味深いものを力の限り一緒に出来れば、私の人生にぽっかり開い
   た穴をどうにか塞げるかの様であった。私のしたことは我々の記事のコメントで
   見ることが出来る。

<http://tidbits.com/article/12539#comments>

   皮肉にも、Jobs の死が何故私にとってそれ程落ち着かないものなのかを私に気付
   かせてくれたのは大学の時の Windows 使いの友人であった。年に数回メールのや
   り取りをしそして会うのも年に一回ぐらいしかない友人にとってすらも、この出
   来事は我々にお悔やみの挨拶を送ってくる程大事なことだと思えたというのであ
   る。会話の中で彼が言うには、Jobs と Apple は 1980年代のコンピュータ革命に
   おいてその先頭を切りそして中心にいたし、彼はこの時代にコンピュータに出会
   った人達にとって象徴的な存在であった、そしてそれは彼らが Mac を使っている
   かどうかは関係なかった。我々の世代だけではない - 1980年代のおたく達にとっ
   ては、Apple の創設はコンピュータ革命の重要な瞬間であったし、1996年の
   Jobs の  Apple への復帰そして Mac, iPod, iPhone, そして iPad と続く
   Apple の成功は、過去 15 年の間に成人した何百万人という人達の人生において、
   強いて言えば、Apple はより際立っていたことを意味した。

   我々の誰かが彼のことを本当に知っている、或いはそう感じているということで
   はなく、彼はいつもそこにいて、いつも次なる目玉をもって現れ、いつもデザイ
   ンと革新に対する信頼出来る試金石を提供して来たということである。

   この感覚はもう一人の友人によっても裏付けされた。彼女は我々に語った、
   1995年の Macworld Boston で Grateful Dead の Jerry Garcia が亡くなったと
   聞いた後最初に会った彼女の知人が Tonya と私であったこと、そして我々が、単
   に会話をつなぐために、彼女がどうしているかを聞き、そして彼女が答えたの
   は、 "まだわからないわ。Jerry Garcia が死んだと聞いたばかりだし、私は単に
   役立たずだわ。" Jobs が死んだ翌日に彼女が我々にくれたメールで彼女が言った
   のは、感覚は全く同じで、人生は変わってしまった。どう変わったのかは今は見
   えないけれども、昔は違っていたし、これからもいつもどこか違うだろうという
   ことであった。

   だからと言って、私が Apple, Inc の将来に不安を持っているという訳ではない。
   私は Apple で働いている人々の能力にものすごい尊敬の念を持っているので、予
   知出来る未来に同社が大きく変わるであろうとは思えない。我々は前にもこの様
   な議論をしてきた、Jobs が病気療養休暇に入った時、そして彼が CEO から辞職
   した時。Apple が向かう全体的な方向が今度は変わると信ずるべき理由は何も見
   当たらない。

   しかし、Steve Jobs はもうこの世にはいず、そして彼が如何にうまく彼流の考え
   方と働き方を Apple に植えつけてきたとしても、このテック業界はその魂の本当
   に必要とされる部分を失ってしまったのは事実である。私が実際にそうである以
   上にギークに聞こえるかもしれないのを覚悟の上で言えば、Steve Jobs の死は
   Force [訳者注:未来予知能力の源ともなる架空のエネルギー帯] での擾乱である。
   それがこれ程多くの我々があれ以来目的を失いそして集中できないと感じてきた
   理由なのである。そしてもしあなたも同じ様な喪失感を感じているならば、あな
   ただけではないこと、そしてこれが徐々に新しい正常になるであろうことを知る
   べきである。

   Mac に向かって効率的に働くことのできない状態で二日間過ごした後、私は土曜
   日を秋の太陽の下 Tonya と Tristan と共に屋外で過ごした。我々は何百ポンド
   ものリンゴを木から振り落とし、隣人宅に行きプレスを借りて、その日の午後い
   っぱいサイダー作りをした。私はもう十分に没頭していると装うつもりはないが、
   我々の土地の果物採りに従事し、来たるべき冬に備えて食物を準備するのは、失
   うこと - 何かが終りを迎えるというあの空虚感 - は人生のサイクルの不可欠の
   部分であることを良く認識させてくれた。


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