TidBITS#1132 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2012年 7月 7日 (土) 06:25:45 EDT


TidBITS#1132/02-Jul-2012
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   英語版: <http://tidbits.com/issue/1132>
   日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1132.html>


   今週の大ニュースは、そのことはつまり今はちょっとのんびりした時期だとい
   うことをも意味しているが、Apple による新しい Podcasts アプリのリリース
   だった。このアプリでポッドキャストを購読して、iOS デバイスで聴くことが
   できる。熟練のポッドキャスターである Andy Affleck が概観する。今週号で
   はまた、Bob Mansfield が Apple を退職すること、ZangZing と QOOP が閉鎖
   されること、Dropbox 駆動のブログ用プラットフォーム Calepin がオープン
   ソースになることもお伝えする。それから Steve McCabe が寄稿記事で、国境
   を越えた iPhone 修理について、また代替品との交換が不可能である理由の技
   術的詳細説明について、Apple からその場しのぎの言い逃ればかりを聞かされ
   た体験談を語る。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Aperture 3.3.1、
   CloudPull 2.1.1、それに KeyCue 6.2 だ。

記事:
     Bob Mansfield が Apple を去る
     Calepin 帰る: 最小主義ブログ・プラットフォームがオープンソースに
     ZangZing と QOOP がドアを閉じる
     Apple の国際的な不明瞭さ
     Podcasts アプリ、ポッドキャストを Music アプリから分離
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 7 月 2 日
     ExtraBITS、2012 年 7 月 2 日


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Bob Mansfield が Apple を去る
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     文: Jeff Carlson: <jeffc @ tidbits.com>, @jeffcarlson
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13092>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   Apple のプレスリリースによれば、Apple の Hardware Engineering 担当
   Senior Vice President、Bob Mansfield が同社から退職しようとしている。
   Mansfield は 13 年間にわたり Apple で働き、現在同社の中心的な経営幹部
   の一人だ。彼はまた Apple の製品発表のビデオにもひときわ目立って登場し、
   それらのマシンを構成する内部のコンポーネントがいかに素晴らしいものかに
   ついて語ってきた。

<http://www.apple.com/pr/library/2012/06/28Bob-Mansfield-Apples-Senior-Vice-President-of-Hardware-Engineering-to-Retire.html>
   (日本語 
)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2012/06/28Bob-Mansfield-Apples-Senior-Vice-President-of-Hardware-Engineering-to-Retire.html>
   "Appleのハードウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、ボ 
ブ・マンスフィールドが退職"
<http://tidbits.com/resources/2012-06/mansfield_retires.png>

   Mansfield はまた、iPhone 4 リリースの後間もなく、その外部アンテナに対
   する批判が集まったことで Apple が記者会見を開いてその干渉が iPhone に
   限った問題ではないことを説明した際にも活躍した。(2010 年 7 月 16 日の
   記事“Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える”参照。)プレゼンテーション
   の後で、彼と Steve Jobs、それに Tim Cook が壇上に居並び、ごくフランク
   な質疑応答セッションがあった。(このイベントのストリーミングビデオはオ
   ンラインで見られるが、質疑応答の部分はビデオに含まれていない。)

<http://tidbits.com/article/11434>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1036.html#lnk4>
   "Apple、iPhone 4 アンテナ問題に答える"
<http://www.apple.com/apple-events/july-2010/>

   Mansfield は小柄な男ではなく、痩せて手の小さな人々の多いこの世界の中で、
   彼のように大きな男が肉付きのよい指を駆使して Apple 製のコンピュータや
   モバイルデバイスの非常に小さなコンポーネントについて説明するのを見ると、
   いつもちょっとへんてこな感じがした。私たちの友人 John Moltz は 2009 年
   の Macworld Expo の会場で、Mansfield を穏やかな冗談の種にしたものだ:
   "Big Bob Mansfield. Ask for him by name. Accept no substitutes."
   (大きな Bob Mansfield、彼の名前でご指名だ、代わりの者じゃ駄目。)

<http://crazyapplerumors.com/2009/01/06/keynote-coverage-live/>

   Apple によれば、Mansfield の役職は Apple の iPad Hardware Engineering
   担当 Vice President である Dan Riccio に引き継がれることになるという。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13092#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13092>


Calepin 帰る: 最小主義ブログ・プラットフォームがオープンソースに
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     文: Marshall Clow: <marshall @ idio.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13086>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今年の 1 月に、私は Dropbox ベースのブログ作成サービス Calepin につい
   ての記事を書いた。(2012 年 1 月 5 日の記事“Calepin: シンプルで最小
   主義のブログ制作に一捻り”参照。)それ以来、私は Calepin プラットフォー
   ムを使ってさまざまの短い文章を出版したり、家系図の断片を親戚たちと共有
   したりしてきた。

<http://calepin.co/>
<http://tidbits.com/article/12701>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1108.html#lnk2>
   "Calepin: シンプルで最小主義のブログ制作に一捻り"
<http://marshall.calepin.co/>

   ところが、Calepin を支えてきた人物である Jokull Solberg Audunsson が、
   このサービスに対する需要に追い付くことができなくなってしまった。購読者
   たちにあてた最近の電子メールで、彼は次のように書いた:「私は広告代理店
   でインタラクティブの責任者としてフルタイムで働いていますので、Calepin
   を開発してビジネスにするのは私にとった困難なことなのです。」

   彼には時間がないことへの対応として、Jokull は Calepin をオープンソース
   としてリリースする決断をした。今後は github がホストすることになる。そ
   れが意味するのは、今後は誰でも Calepin サーバを運営したければできると
   いうことだ。ただし十分な技術的スキルを持ち、利用可能なサーバがあること
   が条件だ。

<https://github.com/jokull/calepin>

   自分で独自のサーバを運営したい人たちを Jokull は今後もサポートして行く
   つもりだが、元々の Calepin サーバの将来は不透明だ。今から 60 日前に、
   彼はこのサービスを 90 日以内に閉鎖すると tweet している。

   私は Calepin サービスが消えてしまうのを悲しく思うが、これが間もなく消
   えてしまうことで、前の記事で私が述べた論点の一つがくっきりと浮き彫りに
   なる。つまり、たとえそのサービスが何らかの理由で消滅したとしても、私が
   失うのは単にブログの表の顔だけであって、私がそこに投稿した実際のデータ
   は消えたりはしないという点だ。私が書いた記事はすべて、私のラップトップ
   機の中の、私の Dropbox フォルダの中に、そのまま残っている。Calepin か
   ら「自分のデータを取り出す」心配をする必要などない。なぜなら、Calepin
   がホストしていたのは私の元々のデータのコピーのみだからだ。多くの人々が
   2012 年 6 月 30 日までに MobileMe から自分のデータを取り出そうと殺到し
   たのに比べれば、いかにも好対照ではないか。

   Calepin に代わるものをと探しているのなら、Scriptogr.am を試してみるこ
   とをお勧めする。見た目も動作方法も Calepin とよく似ており、Calepin か
   らの移行もおそらくほんの数分で済むだろう。Dropbox 駆動のブログ作成サー
   ビスをホストしたいけれども Calepin のインストールの仕方が分からないと
   いう人には、Ian Landsman の Kudos というものもあって、こちらの方がイン
   ストールするのも管理するのも易しいかもしれない。

<http://scriptogr.am/>
<https://github.com/ianlandsman/Kudos>
<http://tidbits.com/resources/2012-06/Scriptogram.png>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13086#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13086>


ZangZing と QOOP がドアを閉じる
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13093>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   時として想像しにくいことではあるが、インターネットで次々と新たな起業が
   現われるということは、一方で消滅の率も高い。最高のテクノロジーを持った
   会社ならばきっと生き残るという考えは素敵だけれど、それが事実でないこと
   もまた明らかだ。私たちが記事にしたこともあり、そのサービスを使ったこと
   もある二つの会社、ZangZing と QOOP が、それぞれの仮想のドアを間もなく
   閉じることになった。とても悲しいことだと私たちは思う。

   ZangZing の目標は、グループのメンバーたちがお互いに写真を手軽に共有で
   きるサービスを提供することだった。これは、名の通った写真共有サイトでは
   なかなかうまく実行できるものではない。私が ZangZing を偶然見つけたのは、
   Ithaca のクロスカントリーチームのメンバーの親たちがレースの写真を共有
   できる方法を探していた時のことであった。この ZangZing サービスが見事に
   私たちの必要に応えてくれ、ウェブインターフェイスも Flash に依存しない
   非常に洗練されたものだったので、私は強い感銘を受けた。(2011 年 10 月
   3 日 の記事“ZangZing でグループの写真共有が成長”参照。)

<http://tidbits.com/article/12507>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1096.html#lnk4>
   "ZangZing でグループの写真共有が成長"
<http://tidbits.com/resources/2012-06/ZangZing.png>

   残念ながら、2012 年 6 月 27 日に、ZangZing は購読者たち全員に電子メー
   ルを送って、2012 年 7 月 2 日をもってサインアップと写真のアップロード
   の受け付けを中止し、サービス自体も 2012 年 8 月 31 日に完全に閉鎖し、
   その日をもってすべての写真と、連絡先情報およびアカウント情報を恒久的に
   消去すると発表した。幸いにも、以前に私がリクエストしたことのある機能の
   お陰で、ZangZing に保存されている自分の写真を簡単にダウンロードできる。
   単にログインして、ダウンロードしたいアルバムの上にマウスを動かし、そこ
   で i メニューをクリックして、Download を選べばそのアルバムに属する写真
   すべてを含んだ Zip ファイルが手に入る。個々のアルバムは順次一つずつダ
   ウンロードしよう。なぜなら、ブラウザによっては同時に複数のものをダウン
   ロードするとファイルが壊れることがあるからだ。

   ZangZing の創設者の一人であり Claris Organizer/Newton で働いたこともあ
   る Joseph Ansanelli と連絡を取って何が起こったのか詳しく聞くことはでき
   ていないが、私の推測ではこの会社は自身のビジネスモデルを実装することが
   できるよりも前に資金が尽きてしまったのではないかと思う。また、グループ
   による写真共有という ZangZing の特定分野が予想よりも市場規模が小さかっ
   た、あるいはこの会社がこれを使ってくれる可能性のあるグループに十分に宣
   伝することができなかった、ということも考えられる。

   ZangZing は比較的若い会社であったが、オンデマンド印刷の会社 QOOP は既
   に 7 年近くも活動を続けてきた。この会社は私たちの Take Control 電子ブッ
   クにも、またプリント写真、本、ポスター、カレンダー、マウスパッド、名刺
   その他を販売しようと考えるどんなインターネットユーザーにも、これまでずっ
   とオンデマンド印刷のサービスを提供してきた。私たちはこの会社の初期の時
   代、2006 年にそのサービスを利用し始めた。きっかけは、Joe Kissell が以
   前この会社の創設者の一人と一緒に働いたことがあったことと、私たちのシス
   テムにこの会社のサービスを統合できたことであった。

<http://tidbits.com/resources/2012-06/QOOP.png>

   収入の落ち込みが食い止められなくなって、QOOP の人たちはもう数ヵ月も前
   から買い手を探していた。けれども結局買い手は見つからず、彼らはサイトを
   2012 年 6 月 30 日に閉鎖すると発表した。未処理の注文はすべてきちんと果
   たされる。私たちも最近になって Take Control サイトから QOOP へのリンク
   を削除した。突然買い手が出現してこの会社を再生してくれるという見込みが
   薄くなったからだ。

<http://qoopblog.wordpress.com/2012/03/14/qoop-site-business/>

   ZangZing がなくなってとても残念だと思う。どなたか、ZangZing に類似のサ
   イトで、複数の人たちがグループを作って一つの中心的な場所にアップロード
   することで写真をグループ内で共有できる、そんなところをご存じならばどう
   か私にお知らせ願いたい。けれども、QOOP がなくなることについては、それ
   よりもっと深刻に困ったことだと私たちは思っている。なぜなら、これは私た
   ちが Take Control で提供しているサービスの(小さいながらも)確固とした
   一部分だったからだ。私たちにとっては電子ブックが第一だが、電子ブックよ
   りも紙に印刷された本を読む方が好きだという人たちは現実に多くいる。その
   人たちのために QOOP のオンデマンド印刷のサービスを利用できるのは私たち
   にとっての喜びであった。QOOP に代わるサービスを見つけるのは難しい。な
   ぜなら、オンデマンド印刷を提供する会社は膨大な数が存在しているけれども、
   それらを一つ一つチェックして、それが私たちのシステムに統合できるかどう
   か、妥当な価格で私たちの望む本を作れるのかどうかを調べるのは、気が遠く
   なるほど大変な作業だからだ。

   現時点では、Take Control の PDF を印刷したいと思う人は、FedEx Office
   Print Online (旧名 Kinkos)、Staples Copy&Print、あるいは Office Depot
   Copy & Print Depot を調べてみて頂きたい。過去にこの種のサービスを使っ
   てみた読者から聞こえてきたところによると(一般的なコピーショップでも言
   えることだが)こういった店では著作権付きの作品の複製に関していろいろと
   うるさく言われることもあるが、たいていの場合はあまり問題にならないよう
   だ。今後出版する本については著作権ページの記述を変更して、個人的使用目
   的ならばプリントサービスがコピーを1部作成することを許すよう明記するつ
   もりだが、当面、もしもあなたがこの点に関して何かトラブルに遭われた場合
   は私にご連絡頂きたい。できるだけのことをしたいと思っている。

<https://printonline.fedex.com/>
<http://www.staplescopycenter.com/>
<http://www.officedepot.com/a/design-print-and-ship/>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13093#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13093>


Apple の国際的な不明瞭さ
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     文: Steve McCabe: <steve @ stevemccabe.net>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13090>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   ニュージーランドでの生活の多くの部分は楽しみに満ちているが、時々フラス
   トレーションの元となる問題が持ち上がる。その一つは、Apple リテール店が
   存在しないことだ。認定再販業者はたくさんいるけれど、Apple 自身がやって
   来ているのはオーストラリアまでで、この国には来ていないので、手持ちの
   Apple 製品を修理に出す方法の選択肢が限られている。最近、私の iPhone 4S
   は異常に早くバッテリが切れるようになってしまったのだが、普通に考え得る
   ソフトウェアの調整(Bluetooth をオフにする、Mail のチェック頻度を減ら
   す、不要な位置情報サービスを無効にする、不要なバックグラウンド通知を停
   止するなど)以外、私にできることはあまりなかった。

   そこで、最近英国の Manchester に旅した際に、この機会を利用しなければと
   ばかりに私はその iPhone 4S を Arndale Centre にある Apple Store に持っ
   て行った。それを見てくれた Genius 係は、確かに私の疑っていた通りバッテ
   リ消費が異常だと確認できたが、診断ソフトウェアによればバッテリは正常に
   働いているのでバッテリ自体に問題があるのではないと言った。彼が作成した
   作業規定書によれば「挙動スキャンの示すところによればバッテリに何の問題
   もないが、iPhone 診断の結果はこの機器でバッテリが空になるのが異常に早
   いことを示している」とのことだった。そこで彼が勧めた解決策は「機器内の
   コンポーネントの問題と思われる(バッテリ自体の問題ではない)ので、保証
   交換をするのがよい」であった。

<http://www.apple.com/uk/retail/manchesterarndale/>

   それは素晴らしい、と私は思った。古い機器を新しい機器に素早く取り替えて
   もらえたら、ニュージーランドの自宅に帰ってすぐ新しい iPhone を iTunes
   バックアップからリストアするだけですべてが完了だ、と思った。Genius 係
   はラップトップ機にひとしきりタップしてから、顔をしかめて、店の奥に引っ
   込んだ... おやおや、何かまずいことの前兆に違いない。それから 10 分後、
   彼は Genius Bar に戻って来て、こんな風に説明した。新しい iPhone をお渡
   ししたいのはやまやまなのだけれど、残念ながらそれができない。同じものを
   同じものに交換するのはできるけれど、ニュージーランドの iPhone を英国の
   iPhone に交換することはできない。「だって、その二つは同じものじゃあり
   ませんか」と私は直ちに抗議した。「いいえ違います、アンテナが異なるので
   す」と彼は答えた。

   今度は私が顔をしかめる番だった。彼の説明によれば、Apple は三つの異なる
   地域それぞれに対応する iPhone を販売していて、米国は一つの地域に、英国
   は第二の地域に、そしてニュージーランドは第三の地域に属しているのだとい
   う。「本当ですか」と私は言った。「いったい、どこが違うのですか?」私が
   2009 年に米国からニュージーランドに引っ越した際、私は自分の iPhone 3G
   を持って来たけれども、何の問題もなくそのまま使い続けてきた。私が 3GS
   にアップグレードした際に売った友人のところでも、まだ問題なく働き続けて
   いるはずだ。私の妻はニュージーランドで買った 3GS を米国に持って行って、
   何の問題もなく使っているし、私たちの娘も、やはり自分の iPhone 4 を両方
   の国で使ったことがある。ニュージーランドから英国への旅行中、私はオース
   トラリアとシンガポールで飛行機を乗り継いだが、ニュージーランドで買った
   私の iPhone 4S は、その二ヵ国でも、ニュージーランドでと英国でと同じよ
   うにちゃんと働いた。

   「直接の交換が不可能なほど大きく違っているところが何かあるのですか?」
   と私は尋ねた。「それは」と彼は答えた。「ネットワークの種類が違うのです
   よ。」「もちろん」と私は言った。「それは知っています。おっしゃる市場の
   いずれも GSM 電話、例えば iPhone 4S を使っています。」「ああ」と彼の返
   答が来た。「でも、それ以外に CDMA もあるのです。」

   私はため息をついた。心の中では、ちょっと泣けてきた。ここは引き時だと判
   断して、私は彼に作業規定書を電子メールで送ってくれるように頼んだ。彼は
   電子メールで送ってくれたし、親切なことにその場で紙にも印刷してくれた。
   私はその場で立ち上がって議論を続けることもできたけれど、おそらく彼の
   MacBook にあるデータベースには外国製の iPhone の部品番号は載っていない
   だろうから、いずれにしても私がその日のうちに新しい機器を手にできる望み
   はなかった。その上、店の外では兄が待っていて、一緒にカレー料理店に行く
   ことになっていた。その後チキンコーマを頬張りながら、兄は私に「お前なら
   連中より専門家であるところを見せつけられただろうに」と言った。うん、そ
   うだな、と私は思った。

   そこで次の日の午後、私は時間をかけて(実際、一時間近くかかった)電話で
   Apple のサポート担当者と話をした。無料通話のニュージーランドの番号にか
   けたところ、電話に出た顧客サポートの担当者ははっきりとオーストラリア訛
   りだった。私が問題を説明すると、彼は何の問題もないと言ってくれた。私が
   iPhone を Apple に送れば交換してもらえるし、あるいは Express オプショ
   ンを選べば彼らが先に iPhone と箱を送ってくれ、私が古い方を箱に入れて送
   り返すこともできるという。「それは素晴らしい」と私は言った。「じゃあ、
   その Express オプションをお願いします。」

   ただ、そこにはもちろん落とし穴があった。いつも結局そうなるんだよね?
   Express オプションを使うためには、Apple は私のクレジットカードにホール
   ドをかけなければならない。ホールド額は、新しい iPhone のフルの購入価格、
   つまり 1199 ニュージーランドドルだ。「ノー」と私は答えた。「それは駄目
   です。私はただ、現在使っている iPhone を手放す必要なしに新しい iPhone
   を送って欲しいだけなのです。」

   そこで私は Matt に取り次がれた。たいていのコールセンターの担当者と同じ
   く、名字なしの Matt だ。私に分かったのは彼がオーストラリアの Brisbane
   にある Apple のコールセンターで Senior Advisor の立場にあるということ
   だけだった。私は彼に、千ドルを優に超えるものを Apple にただ引き渡すこ
   とはしたくないと説明した。(そう、もちろんそれは単なるホールドに過ぎな
   いのだけれど、それはホールド状態にある間アクセスができない千ドルであっ
   て、私の側から見れば千ドルの現金と事実上何の違いもなく、薄給の教師の身
   では、凍結されても見過ごしにできる額を優に超える。)Matt によれば、も
   しも Apple が $1200 の保証金なしにただ交換用の iPhone を送れば、顧客の
   側でもう片方の iPhone を返却しなければならない動機が何もなくなってしま
   うという。そちらの片方が既に壊れているという事実はさておき(それだから
   こそ交換しようとしているのだが)それは顧客に対する信頼が完全に欠落して
   いるということだし、がっかりさせられた、と私は指摘した。「今の時代の人
   たちは」彼は言った。「もはや信頼をもとにビジネスをしてはいないのです。」
   (ついでに言うと、このことについて記事を書くつもりだと私が五回目に言う
   と、Matt は今のは Apple の公式見解ではないとあわてて強調した。)

   私も大人なので、必ずしもすべての人が私と同じくらい正直ではないと知って
   いる。この種の機会に便乗する人が誰もいないと考えるほど私も単純ではない。
   でも、Senior Advisor たる Matt 氏にも指摘させてもらった通り、これでは
   あまりにも一方のみに偏した要求というものだ。もしも私が自分の電話機を
   Apple に送ってから向こうが交換品を送ってくるまでただ待たねばならないの
   だとしたら、Apple の側には相応の重荷が何も課されていないことになる。ど
   うやら私という人間は、信頼をもとに行動せざるを得ないようだ。正直言って、
   私は全然満足していなかった。それが正しいことか間違っているかはさておい
   ても、私は Apple にはもっとちゃんとしてもらいたい。けれどもこの時点で、
   この件に関して Matt からは何ら満足すべき結果を得られないと悟ったので、
   私は方針を変更することに決めた。そしてここからが、本格的に面白くなって
   きたのだった。

   私が電話で話している相手は Senior Advisor だったので、ローカライズ版の
   iPhone についてもう少し技術的な情報を彼から引き出してみようと私は思っ
   た。今回の問題はハードウェアの問題だと相手は言った。そのような言い方で
   わざと論点をごまかそうとしていると感じ取った私は(何と言っても私は高校
   の物理教師なのだから)これを聞き流すわけにはいかなかった。そこで私は尋
   ねた。実際には、どんな種類のハードウェアの違いなのですか、と。Matt は
   Manchester の Genius 係がしたのと同じ説明を繰り返して、Apple は iPhone
   を三つの異なる地域で販売している、それ以上の詳細は分からない、三つには
   それぞれ独自の要件がある、と言った。私は具体例を挙げるよう強く求めた。
   そこで例として、中国の話が出た。中国政府は Wi-Fi を無効にするよう要求
   している。どうやらそれは人々がどのウェブサイトを訪れるかを政府がコント
   ロールできるためらしい。

<http://www.gomonews.com/over-priced-wi-fi-crippled-iphone-not-selling-all-that-well-in-china/>

   この議論において中国は特殊なケースだと私は理解している。かの人民共和国
   の公務員は、Apple をはるかに凌ぐコントロール狂たちなのだから。でも依然
   としてこれでは私が Manchester で地球の反対側用の電話機を交換してもらえ
   なかったことの説明にはならない。「それに」と Matt は言った。「時には電
   話機のハードウェアに特殊なソフトウェアをインストールする必要があること
   もあります。」私は自分が「ファームウェア」のような専門語も使いこなせる
   と指摘した。そこで Matt は、例えば、インドでは FaceTime を無効にするこ
   とが義務付けられていると説明した。それはすごく面白い、と私は思った。で
   も、これはファームウェアの変更で処理できるし、おそらくそれで処理されて
   いるのであろう。私は自分がニュージーランドで iPhone 3GS を購入して最初
   にアクティベーションをした際に、その手順の一段階で iTunes が「キャリア
   の設定をアップデートしています」という表示が出たことを指摘した。この場
   合は、MMS メッセージングが有効とされ (もし私の記憶が正しければ AT&T は
   当時 SMS テキストにしか対応していなかった) Visual Voicemail が有効とさ
   れた。(Vodafone NZ は未だに Visual Voicemail に対応しておらず、これは
   大いなるがっかりだ。)これらすべてが、ファームウェアを通じて処理された。
   明らかに、一つの機種の iPhone がすべての市場に対して出荷され、その上で
   個々のキャリアの必要(と弱点)に合わせて微調整されていたのだ。

   (正確を期すために言っておくと、私はインドの FaceTime について Matt の
   言ったことを確認することにした。すると、彼の状況認識は若干弱いことが分
   かった。Apple のウェブサイトのインドのセクションでは iPhone 4S の重要
   機能の一つとして FaceTime を宣伝している。公平を期して言えば、FaceTime
   は実際サウジアラビアとアラブ首長国連邦では利用できず、またエジプト、ヨ
   ルダン、カタールでは一時利用できなかったことがある。)

<http://www.apple.com/in/iphone/features/#facetime>

   Matt はまだ、私の二つの母国でのハードウェアの違いについて納得できる理
   由を説明していなかった。私はもう一度、アンテナの違いについて尋ね、私の
   iPhone 4S は 4G ネットワークを処理できるようにするために違うアンテナを
   持っているのかもしれないという返答を得た。そこで私はきちんと座り直して、
   細心の注意を払って相手の言葉に耳を傾けた。ひょっとするとこれは大スクー
   プをものにできるかもしれないぞと。ひょっとして Matt は、私の iPhone 4S
   が真の意味の 4G ネットワークを(それがどんなものであるにせよ)処理でき
   るというニュースを漏らしてくれようとしているのではなかろうか。私は彼に、
   もの凄いこの話の展開についてもっと詳しいことを話してくれと頼んだ。でも
   もちろん、これもまた、彼がわざと論点をごまかそうとしていたに過ぎなかっ
   た。そこで私はもう一押ししてみた。私は Matt に尋ねた。「Auckland で買っ
   た iPhone 4S と Manchester で売られている iPhone 4S のハードウェアはど
   う違うのですか?」「違いはあります」と彼は答えた。「違いは何ですか?」
   と私は尋ねた。「一つでいいですから、ハードウェアの違いの例を挙げていた
   だけませんか? ファームウェアの違いではなく、「ハードウェア内蔵のソフ
   トウェア」の違いでもなく、ハードウェアの、英国の iPhone とニュージーラ
   ンドの iPhone の間の違いを、教えていただけませんか?」

   驚くことではなかったが、何の答も出てこなかった。Apple のウェブサイトは、
   問題の三つの国々、つまり米国と、英国と、ニュージーランドで、すべて全く
   同じ技術仕様を iPhone 4S について提供している。つまり、それら三つとも、
   "World Phone" であって、UMTS/HSDPA/HSUPA (850, 900, 1900, 2100 MHz)、
   GSM/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)、CDMA EV-DO Rev. A (800, 1900 MHz)
   に対応している。三つとも同じ周波数、同じテクノロジーだ。私はセルラー関
   係の世界的権威ではないが、これら三つの間に意味ある違いがあるとは思えな
   い。そこが間違っているのならば喜んで間違いを受け入れる(というより間違
   いだと分かった方が嬉しい)が、私の知る限り、これらのデバイスの間にある
   唯一の違いは部品番号だけだ。

   私は 1980 年代の終わりごろからずっと Apple 製の機器を使ってきた。それ
   は Manchester の Genius 係も、さらには Matt さえもまだ生まれていなかっ
   た頃かもしれない。私は数年にわたって Apple に関する記事を書いてきたし、
   Apple 認定のコンサルタントにもなったし、Apple で働いていたことさえある。
   だが、今回の Senior Advisor たる Matt 氏との電話は、私の人生において最
   もフラストレーションの溜まる Apple 体験の一つであった。Apple リテール
   店を持たない地域に対して Apple のサポートチームが示した信頼の欠如は、
   がっかりさせられるものではあったけれど、たぶんこれは今がそういう時代だ
   ということなのだろう。でもそれより気に障るのは、Apple の非妥協的な部品
   番号システムだった。Manchester の Genius 係が同じものを同じものに交換
   することができなかったのは、ただ部品番号が違うというだけの理由だったの
   だから。

   けれども今回のやり取りすべてにわたって最も私に嫌な思いをさせたのは、私
   が話をした相手全員が、科学用語を振りかざして私の目をくらまそうと試みた、
   素っ気なく拒絶的な、少しばかり人を見下したような態度だった。私が十分に
   テクノロジーに詳しいことを結構雄弁に明言した後でさえ、依然として例のわ
   ざと論点をごまかそうとする「ああ、それは技術的なことだよ、坊や」という
   口調の返事が返ってきて、結局実質的には「いいかい、もうお前には何も教え
   ないぞ」と言っているのとほとんど変わらない結果になってしまうのだった。
   あるいは、もう少し寛大な言い方をするならば、Manchester の Genius 係も
   Senior Advisor たる Matt 氏も、自分の言っていることが本当はこれっぽっ
   ちも分かっておらず、ただ難しそうな言葉を持ち出して早く会話を打ち切り、
   自分たちの無知を認めずに済まそうと試みていただけだと考えるべきなのかも
   しれない。

   いずれにしても、Apple なら、もっとちゃんとしてもらいたい。


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Podcasts アプリ、ポッドキャストを Music アプリから分離
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     文: Andy Affleck: <andy @ andyaffleck.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13095>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp

   ポッドキャッチャーは、ポッドキャストに登録しダウンロードするアプリケーシ
   ョンに対する俗称だが、形もサイズもまちまちである。Apple は、デスクトップ
   版の iTunes ではポッドキャッチングのサービスを提供しているが、その iOS 版
   ではポッドキャストを見つけ出しそしてダウンロードする能力はあるが、登録す
   ることは出来ない。このためサードパーティにも出番が出来、このギャップを埋
   めるために多くのアプリが出現した。Instacast や Downcast はその例である。

<http://itunes.apple.com/us/app/instacast/id420368235?mt=8>
<http://itunes.apple.com/us/app/downcast/id393858566?mt=8>

   先週、Apple は iTunes U アプリの先例にならって Podcasts をリリースした。
   これは iPhone, iPod touch, そして iPad のための汎用アプリで、過負荷の
   Music アプリからポッドキャスト関連の仕事を引き取る。この Podcasts アプリ
   は、iTunes iOS アプリのポッドキャスト部分をほぼ文字通りコピーしたものに、
   再生機能と番組へ登録し自動的にダウンロードする能力を付け加えたものである。

<http://itunes.apple.com/us/app/podcasts/id525463029?mt=8>
   (日本語)<http://itunes.apple.com/jp/app/podcasts/id525463029?mt=8>
   "iTunes App Store でご利用いただける iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、
   iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、iPad 対応"

   Podcasts アプリは、二つの主たる部分からなる:ポッドキャストを見つける
   Catalog と、そしてあなたが登録しダウンロードしたポッドキャストを聞く
   Library である。


**Catalog** -- Catalog は Podcasts アプリの "店頭" であり、iTunes Store
   にある全てのポッドキャストを展示している。この部分全部が iTunes アプリの
   ポッドキャスティングの所から直接剥ぎ取られたものである。ここでは、新しい
   そして注目すべきポッドキャストをブラウズしたり、人気のポッドキャストの "
   初心者パック" を試したり、上位ランクのポッドキャストを見たり、そして各種
   のカテゴリでポッドキャストの大海をスクロールしたり出来る。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_01_catalog_featured.png>

   大きな変更は、個々のポッドキャストに今や Subscribe ボタンが付いたことであ
   る。これまでは、iTunes アプリでポッドキャストを見ることは出来たが、それに
   登録することは出来なかった。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_02_catalog_show_detail.png>

   出来ないのは、驚きには値しないかもしれないが、Podcasts は iTunes Store へ
   の入り口であることから、URL を入力して放送に登録すること、そして認証を必
   要とするポッドキャスト (例えば有料ポッドキャスト) に登録することである。
   これらの機能のためには、今お使いの独立のポッドキャッチャー、それが何であ
   れ、に頼らなければならない。

   私がテストしている間に、Catalog で性能上の問題に時折出くわした。あるポッ
   ドキャストの詳細を見るべくタップすると、ダウンロードに時間がかかった挙句、
   登録をしたり特定のエピソードをダウンロードするためのボタンが言うことをき
   かなくなったりした。ある時は、iPad の向きを変えてスクリーンがその向きに合
   うように回転するまで 20 秒以上も待たなければならなかった。この様なことは
   散発的にしか起こらなかったので、他の問題、とりわけインターネット接続の問
   題が関係していたかもしれないが、当惑させられることに変わりはない。


**Library** -- Podcasts アプリの Library には、あなたが登録した或いは自分
   でダウンロードしたポッドキャスト全てが含まれる。あなたの Mac の iTunes ラ
   イブラリにあるポッドキャストも、その機器に既に同期済みであればこの
   Library に現れる。更に、Podcasts アプリで手でダウンロードしたエピソードも
   デスクトップ iTunes ライブラリに同期し戻される。しかしながら、登録はそれ
   がなされた所でしか、iOS 機器或いはデスクトップ上のどちらかで、働かない。
   一つの番組に両方から登録することは可能であるが、私の知る限り、それぞれの
   機器はその登録を独自に追跡する。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_03_library_podcastslist.png>

   それぞれのポッドキャスト内には、要求したエピソードのリストがあり、デフォ
   ルトでは最新のものから最古のものへと並べられる。このアプリ内で新しく登録
   すると、最新のエピソードだけが未再生としてマークされる (青いドットで)。も
   しそのポッドキャストがデスクトップから同期されたものであれば、デスクトッ
   プ上で未再生とマークされたエピソードは全て iOS 機器上でも未再生としてマー
   クされる。もしそのエピソードが未だダウンロードされていない場合、Podcasts
   アプリはそれをストリームする - Wi-Fi 或いはセルラー上で、但しセルラー経由
   でのダウンロードオプションが生かされていて (Settings > Store で) そしてそ
   のエピソードのサイズが 50 MB 以下の場合に限られる。エピソードはオフライン
   聴取のために自動でダウンロードも出来るし、またエピソードの隣にあるダウン
   ロード矢印をタップすることでマニュアルでも出来る。

   iPhone 又は iPod touch 上でエピソードリストを見ている時にポッドキャストの
   名前をタップすると幾つかのオプションを設定できるようになる (iPad 上では右
   上にあるギア型のアイコンを探す)。オプションには、登録をオンオフする、登録
   したポッドキャストの自動ダウンロードのオンオフ、エピソードのソート順番を
   変える、そして全部のエピソードを未再生或いは再生済みにすることが含まれる。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_04_library_podcastdetailwithoptions.png>

   Library にはもう一つ大きな部分があるのだが、殆ど理解し難い:Top Stations
   である。これはある種のポッドキャストにそれがあたかもラジオ番組でもあるか
   のようなアクセスを与える試みの様には見える (上部にジャンル間を移動するダ
   イヤルを含んだユーザーインターフェースを持っている)。良くできているとは思
   うが、要はポッドキャストを探す一方法にすぎず、どうしても疑問を投げかけて
   しまう:Top Stations はなぜ Library に出てくるのか? これは Catalog に既
   にある Top Charts とはどう違うのか?

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_05_library_topstations_withcover.png>

   Top Stations が Catalog の中で何をしているかに拘わらず、これもまた性能問
   題を抱えていて、ロックアップ、惨めな程鈍感なオーディオ/ビデオの切り替え、
   そして出てこないカバーアートが含まれる (そして、このカバーアートはどの番
   組が表示されているのかを知る唯一の方法であり、例外は小さな情報ボタンであ
   るが、アプリのこの部分にある他のものと同様反応しないことがしばしばある)。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_06_library_topstations_missingcover.png>

   事態を更に悪くしているのは、番組のトラックリストを見ている時 (情報ボタン
   をタップした後)、そのエピソードの題名が欠けていることがしばしばある。結論
   を言えば、この Top Stations の部分は役立たずで使うとイライラする。無視す
   るのが一番である。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_07_library_topstations_missingtitles.png>

   この Podcasts アプリは、基本的なポッドキャスト利用のために必要な機能は全
   て提供しているが、独立のポッドキャッチャーアプリによって確立された領域に
   は踏み込んでいない。例を挙げれば、スペース節約のため聞いた後エピソードを
   自動的に消去する機能、ポッドキャストをまとめるプレイリストの作成機能、等々
   である。


**プレーヤー** -- Podcasts アプリは、統合したオーディオ/ビデオプレーヤー
   を提供している。これは目にも楽しくそして大抵の一般的な再生機能を扱う大き
   なボタンを提供していて、エピソード間のナビ、エピソード内で 10 秒戻る (邪
   魔が入ったり、何かをミスったりした時のため) 或いは 30 秒前に進む (退屈な
   イントロや広告をスキップするため)、一時停止、そして AirPlay を使ってオー
   ディオとビデオを他の機器に切り替える、が含まれる。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_08_player_coverart.png>

   カバーアートをスワイプアップすると、模擬のオープンリールのテープデッキが
   現れたり、その他にも幾つかの新しい捜査手段が提供されている:再生速度を速
   めたり遅くしたりするオプション;スリープタイマー;エピソードを聞きながら、
   他の人にツイート、メール、或いはテキストメッセージする能力である。この模
   擬のオープンリールのテープデッキは、エピソードを通して進行を示すべくテー
   プがリールからリースへと動くので、感じのいい良くできたフィードバックを提
   供してくれる。

<http://tidbits.com/resources/2012-07/podcasts_09_player_tapedeck.png>

   私もこのおもちゃ仕掛けに関しては色々な意見を目にして来た。ただ私個人とし
   ては、模擬の仕掛けは (現実世界の物や行動を模倣するというやり方)、少なくと
   もそれが邪魔にならない限りは、それ程気にはならない。ここでは、この模擬テー
   プデッキはちゃんと仕事をしている。これが現れる場所は元々何もない所だし
   (とりわけ iPad を縦位置に置いた時) そして結構見栄えも良い。私は、Apple が
   1970 年代に一般には使われなくなった技術を甦らせる選択をしたということを極
   めて奇妙だとは感じた;この Podcasts アプリの大多数のユーザーはオープンリー
   ルのテープデッキなど見たこともないであろう。

   もっと厄介なのは、このプレーヤーのタップに反応する時にしばしば見られる鈍
   さである。とりわけ他のアプリを使った後このアプリに戻った時など尚更であり、
   最初からロードし直さなければならない程である。


**ブレイクアウトボックスに向かって** -- Apple は、Music アプリは音楽だけ
   に焦点を当てればよいという方向に遅々として歩を進めてきた。この Music アプ
   リは、過去にはある種のビデオや iTunes U コンテンツを見るための唯一の方法
   であったが、今では Videos アプリがビデオを再生し、そしてiTunes U アプリが
   授業のコンテンツを保持している。Podcasts アプリの登場で、Music アプリの将
   来バージョンからは更なるデータが取り出されると思われ、iOS 6 でその一部が
   見られるかもしれない (Audiobooks アプリ或いは新しいバージョンの iBooks と
   言った形で、Music アプリにまだ残っている非音楽型のデータであるオーディオ
   本が扱われるのではなかろうか)。これは Apple の iOS アプリエコシステムに
   対する歓迎すべき変化であり、より良いユーザー経験全般に役立つであろう。何
   故ならば、データの型は全般的に似た様なものではあっても、それを取り巻く活
   動は極めて違う - 音楽を聴く、ビデオを見る、iTunes U 授業をとる、或いはお
   気に入りのポッドキャストに接続するといった具合に。この傾向からでは分から
   ないのは、iTunes Store への統合されたインターフェースとしての iTunes アプ
   リの Apple の計画である - iTunes U と Podcasts アプリで授業コンテンツやポ
   ッドキャストに対する iTunes アプリの必要性は無くなるが、Videos アプリは直
   接のアクセスを提供する代わりに未だにあなたを iTunes へと導く。

   数多くの性能上の問題を別にすると、Podcasts アプリに関する私の一番の苦情は
   重複するそして紛らわしい Top Stations の部分についてである。これはどう見
   ても、Apple の誰かが Catalog にある Top Charts 機能に対する代替案を示すべ
   く書いたものだが、間違って両方のインターフェースが残されてしまった様にし
   か見えない。

   高度なニーズを持つ人には、Music アプリがこれまで提供して来たもの以上に目
   に付く機能は無いであろうが、ポッドキャストの音楽からのアプリレベルでの分
   離という意味を除いて、元々それこそが独立のポッドキャッチャーの存在価値と
   いうものである。その他の万人にとっては、Podcasts アプリは良いスタートを切
   ったと言え、そして一旦 1.0 の性能問題がきれいになれば、これは Apple の基
   本的な iOS アプリスイートに対する気の利いた追加となるであろう。


     ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13095#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13095>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 7 月 2 日
----------------------------------------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13097>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**Aperture 3.3.1** -- 6 月の前半に Aperture 3.3 をリリースした Apple が
   つい最近になって Aperture 3.3.1 を出した。「ライブラリをアップグレード
   する際まれに Aperture がハングしたり異常終了したりすることのある問題を
   修正」しているという。前回の Aperture 3.3 アップデートはその前のバージョ
   ンから大きく踏み出したアップデートであって、写真ライブラリのフォーマッ
   トを変更して Aperture と iPhoto の双方から使えるようにするとともに、新
   しい Retina ディスプレイモデルの MacBook Pro への対応を追加した。今回
   問題となったバグに遭遇した人たちにとって(私たちも何人かからそういう話
   を聞いたのでそれほど稀な問題ではなかったはずだ)Aperture 3.3.1 は歓迎
   すべきアップデートだろう。(Mac App Store から新規購入 $79.99、無料アッ
   プデート、554.9 MB)

<http://support.apple.com/kb/DL1553>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1553?viewlocale=ja_JP>
   "Aperture 3.3.1"
<http://tidbits.com/article/13062>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1130.html#lnk7>
   "Aperture 3.3"
<http://itunes.apple.com/us/app/aperture/id408981426?mt=12>

   Aperture 3.3.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13091#comments>


**CloudPull 2.1.1** -- Golden Hill Software が、Google のデータをバック
   アップする同社のアプリケーション CloudPull のバージョン 2.1.1 をリリー
   スした。少数の Gmail メッセージをアプリがバックアップできなくなり、し
   かもそのことを報告しないという、重大なバグを修正している。Golden Hill
   Software の John Brayton はこの過ちについてリリースノートの中で謝罪し
   て、このバグの影響を受けたメッセージは全体の 1 パーセント以下であった
   けれども「バックアップの状況について誤ったセキュリティの感覚を与えるよ
   うなバグは極めて深刻なものである」と述べた。今回のアップデートをインス
   トールした後には、CloudPull がメールのバックアップ保存場所を検索して悪
   いメッセージを探し出し、そのメッセージバックアップを削除した上で失敗し
   たバックアップとマークし、その後でそのメッセージをもう一度バックアップ
   する。(それがまだ Gmail に存在していればの話だが。)この手順を実行す
   る結果として、アップデート後初めてのバックアップサイクルは数時間かかる
   こともある。(新規購入 $24.99、無料アップデート、7.6 MB)

<http://www.goldenhillsoftware.com/>
<http://www.goldenhillsoftware.com/2012/06/cloudpull-2-1-1/>

   CloudPull 2.1.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13088#comments>


**KeyCue 6.2** -- Ergonis が KeyCue 6.2 をリリースした。キーボードショー
   トカットを思い出すためのこのユーティリティに、リクエストの多かった機能
   を一つ追加している。新設されたハンズフリーモードでは、ショートカットの
   一覧表を開けばそのまま開いた状態になり、キーを一切押す必要なしにずっと
   参照できる。また今回のリリースでは新しい白黒のテーマを二つ追加するとと
   もに、既存の白黒のテーマについても透明度の調整機能を改善した。さらに、
   Microsoft Word、Excel、PowerPoint における遅延や、Sibelius でショート
   カットが一つも表示されなかった問題に対する回避策、Settings ウィンドウ
   で項目が一部重なり合ってしまった問題の修正、iTunes でいくつかのショー
   トカットが見落とされていた点の修正なども今回のアップデートに施されてい
   る。(新規購入 19.99 ユーロ、無料アップデート、2.2 MB、リリースノート)

<http://www.ergonis.com/products/keycue/>
<http://www.ergonis.com/products/keycue/history.html>

   KeyCue 6.2 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13087#comments>


ExtraBITS、2012 年 7 月 2 日
----------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13096>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   Siri がプライバシーの問題を引き起こすという話を、心配すべきだろうか?
   それはこの MIT Technology Review 記事がきっかけとなった疑問だ。今週は
   また Andy Ihnatko が、iCloud との統合のためにいくつかの事柄が要求され
   る点について彼の懸念を表明する。


**Siri を使うとプライバシーの懸念が** -- Mashable が転載した MIT
   Technology Review 記事の中で、Siri に問われた質問を Apple が保存してい
   ることを巡るプライバシーの懸念が問題となっていることを David Talbot が
   伝える。Apple は録音された質問が Siri の動作のためと理解・認識の改善を
   図るためのみに用いられると言っているが、プライバシーを気にする人たちは
   声紋を用いて話し手の特定が行なわれるのではないかと心配する。個人情報の
   保存が必須となるサービスを提供することと、国家権力の手を心配することの
   間の、どこにプライバシーの線を引くべきなのだろうか?

<http://mashable.com/2012/06/28/apple-siri-stores-voiceprint/>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13094#comments>


**iCloud への移行が家のリフォームと似ている理由** -- 比喩の大御所 Andy
   Ihnatko が、開発者が MobileMe から iCloud への「単なる」移行をすること
   を、住宅のリフォームに例える。家をリフォームした経験のある人ならば知っ
   ていることだが、いったんそれを始めると、次から次へと決断が必要となり、
   その度にさらなる手間とさらなる出費とが必要となる。権威ある人に向かって
   「お母さん、これもしていい?」と駆け引きしなければならないことも言うま
   でもない。

<http://ihnatko.com/2012/06/26/icloud-and-app-store-transition-yojimbo/>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13085#comments>


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