TidBITS#1163 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2013年 3月 7日 (木) 21:25:32 PST


TidBITS#1163/04-Mar-2013
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     英語版: <http://tidbits.com/issue/1163>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1163.html>


   パスワードで困っていませんか? 私たちの最新の電子ブックに解決法がある。
   Joe Kissell の、"Take Control of Your Passwords" だ。("Joe of Tech"
   なる漫画と、楽しい入門ビデオもある。)TidBITS 関係のその他のニュースと
   しては、私たちの電子メール戦略を議論したスタッフ円卓会議もあるし、前回
   のスタッフ円卓会議にヒントを得た New Republic 記事もあり、さらに Adam
   Engst が出演した KCRW ラジオの番組もある。でも私たちが出演した話はもう
   それくらいでいいだろう。Jeff Carlson はバグの多い Kindle アプリの騒動
   の蓋を開け、Adam は再び認可を得た DataMan Pro を検討し、Glenn Fleishman
   は無料で App.net に加入する方法を説明する。今週の特集記事は二つあって、
   Josh Centers がビジュアルコミュニケーションアプリ Napkin をレビューし、
   Matt Neuburg は iOS の歴史を遡って概観しつつ私たちの TidBITS News の新
   機能を概説する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Scrivener 2.4、
   CrashPlan 3.5.2、DEVONthink と DEVONnote 2.5、PDFpen と PDFpenPro 5.9.5
   だが、いずれのアプリも Take Control 電子ブックで扱われている。

記事:
     "Take Control of Your Passwords" で、パスワードのイライラを克服
     VidBITS: TidBITS スタッフたちの電子メール戦略
     Kindle App アップデートで iOS App Store の欠陥が露呈
     DataMan Pro が再び復活、より少ない機能で
     App.net がフリーミアムのオプションを追加
     Napkin、視覚通信に新しい見方を提供
     TidBITS News 1.5、一言で言えばそれは革命
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 3 月 4 日
     ExtraBITS、2012 年 3 月 4 日


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"Take Control of Your Passwords" で、パスワードのイライラを克服
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13591>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   あなたは Web サイトのユーザー名とパスワードを、何とかかんとかやり繰りし
   ていくのにイライラしていませんか? 私の場合は間違いなくそうである。10 年
   以上の間に、積もり積もって 300 を超える Web アカウントを持つことになって
   しまっている。その間、安全なパスワードに対する考え方も大幅に変わり、そし
   て問題に遭遇する可能性も、そして安全を脅かされたアカウントを所持する不利
   益の両方が劇的に増加してきている。これは腹立たしいし、正直いって少々恐ろ
   しくもある。とりわけ、昨年のあの注目を浴びた Wired 筆者 Mat Honan のハッ
   キングや ("TidBITS Presents "Protecting Your Digital Life" を見よう" 22
   August 2012)、Yahoo, Twitter, そして Facebook 等からのパスワード盗難と続
   いた後では尚更である。

<http://tidbits.com/article/13215>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1140.html#lnk1>
   "TidBITS Presents "Protecting Your Digital Life" を見よう"
<http://finance.yahoo.com/news/yahoo-confirms-theft-450-000-users-passwords-182147150--finance.html>
<http://blog.twitter.com/2013/02/keeping-our-users-secure.html>
   (日本語)<http://blog.jp.twitter.com/2013/02/blog-post.html>
   "Twitterブログ: より安全にご利用いただくために"
<http://blog.seculert.com/2012/01/ramnit-goes-social.html>

   幸いにして、Joe Kissell がこの問題に取り組んで来ており、そして彼の最新の
   88 頁の電子本 "Take Control of Your Passwords" が、あなたもなるべく手間
   をかけずに適用できる安全で信頼性のある戦略を冷静に提供する。ここでもっと
   それについて書くよりも、我々ももう少しましな楽しみを持ちたかったので、
   Joy of Tech にいる我々の友人 Snaggy と Nitrozac にお願いして、特別な "
   Joe of Tech" 漫画を書いてもらった (クリックすれば拡大する)。

<http://tid.bl.it/tco-passwords-tidbits>
<http://tidbits.com/resources/2013-02/Joe-of-Tech-passwords.png>

   もっと良いことに (Joe of Tech 漫画よりももっと良いものなどあればの話だ
   が)、Joe はこれを短い紹介ビデオに纏めてくれた - ここでは "Take Control
   of Your Passwords" の中で Joe が解決の手助けをしている問題をユーモアたっ
   ぷりに見せてくれる。もっとも、あなたがいまだに Commodore 64 を使っていな
   ければの話ではあるが。

<http://www.youtube.com/watch?v=C9Netv5vjTg>

   最後に、2003 年の我々の最初のタイトルであった Joe の "Take Control of
   Upgrading to Panther" の時にやったことの再現になるが、もしこの電子本が役
   に立ったと思ったら、あなたの経験を我々に知らせて欲しい:例えば、どの様に
   して悪いパスワード習慣を克服したか、或いは難しいパスワード問題を解決した
   かとかである。(もしあなた自身の写真も含めたければ、ひょっとするとこの本
   からの進言で助けた気難しい "叔父さん" と一緒でも良い、どうぞご自由に!)
   我々は最も面白くてそして創造的なレスを Take Control Web サイトに載せたい
   と思う。そして月に一度 (この本の出版から最初の 3 か月間) Joe は彼のお気
   に入りの話を選び、そしてその幸運な読者に彼の有名なチョコレートチップクッ
   キーを送る。このクッキーに関する写真や感想も勿論大歓迎である!


     ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13591#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13591>


VidBITS: TidBITS スタッフたちの電子メール戦略
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13597>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   私たちの内輪の議論をきっかけに、先週号の TidBITS に二つの記事が載った。
   Josh Centers の“iPhone 用 Mailbox、メールの仕分けは簡単だが重要な機能
   が欠落”(2013 年 2 月 22 日) と Joe Kissell の“壊れているのはメールで
   はなく、あなたの方だ”(2013 年 2 月 23 日) だ。私は、TidBITS の同僚た
   ちが実際どんなやり方で電子メールを処理しているのだろうか、と考え始めた。
   毎日のように、時には一時間ごとに、電子メールをやり取りしている相手の人
   たちなのだから、考えてみればちょっと変な話だ。でも、私が目にするのは彼
   らから届く返事だけであって、彼らが私から届いたメッセージをどのように処
   理しているかは見えないし、ましてや彼らが毎日大量に届く他のメッセージを
   どうしているかなど分かるはずもない。

<http://tidbits.com/article/13572>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1162.html#lnk2>
   "iPhone 用 Mailbox、メールの仕分けは簡単だが重要な機能が欠落"
<http://tidbits.com/article/13586>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1162.html#lnk3>
   "壊れているのはメールではなく、あなたの方だ"

   そこで、今週のスタッフ円卓会議の席で、私は Joe Kissell、Jeff Carlson、
   Michael Cohen、それから Tonya Engst に向かって、電子メールの扱いにスト
   レスを感じているかどうか、基本的な電子メール戦略はどんな風にしているか、
   その戦略の中に iOS デバイスをどのように組み込んでいるか、と尋ねてみた。
   (もちろん私のやり方も話した。)いくつか興味深いことが分かった:

<http://www.youtube.com/watch?v=tM1PKHfMu6I>

* おそらく Tonya は例外かもしれないが、全員が電子メールにかなりストレス
   を感じている。Tonya は、注意深く言葉を選びながら、電子メール自体がスト
   レスなのではなくて、あまりにもたくさんのものを読んだり、注意深く見たり、
   何らかのことをしなければならなかったりするのが問題なのだと言った。電子
   メールはますます多くの情報を運ぶものとなっているので、それらのストレス
   の焦点に電子メールが位置することもよくある。

* 私たち全員について、それぞれの受信箱に何通の電子メールメッセージがある
   かを調べてみた。Joe は、別に Inbox Zero のやり方をしているわけではない
   けれども、受信箱にはたった 1 通しか残していなかった。Jeff は 200 通近
   く、Michael は 900 通以上、Tonya は彼に僅差で勝る 1,100 程度を受信箱に
   持っていたが、「圧勝」したのは私で、私の受信箱には何万通ものメッセージ
   が溜まっていた。(でも、その主な理由は、私が Gmail の Inbox ラベルをメッ
   セージから除去する理由がないと思っているからで、その代わりに私は読んだ
   けれどもまだ処理する必要の残っているメッセージに未読のマークを入れるよ
   うにしている。)

* 電子メールを扱うやり方が一人一人全く違うのを見て、私はとてもおもしろい
   と思った。フィルタリングを駆使して受信箱をクリーンに保とうとしている人
   もいれば、電子メールを情報の流れと捉えてあとで見つけられるようにファイ
   リングする必要もないと考えている人もいる。

* 朝一番に iPhone か iPad で電子メールを読む人もいる。まだベッドの中にい
   る間に、あるいは朝食を食べながら読む人さえいる。Mac に向かわず何もかも
   こなすのは不可能だが、簡単なことを先に素早く済ましてしまうのは良いこと
   かもしれない。

   最後に、多過ぎる電子メールの問題を解決すると約束するどんなアプリやテク
   ニックも、すべての人の役に立つことは不可能だと私は気付かされた。なぜな
   ら、私たちは一人一人、それぞれにニーズも違えば好みも違うからだ。それで
   もなお、この私たちの議論をぜひお聴き頂きたい。ひょっとしたら、あなたが
   電子メールを制御するために役立つヒントが見つかるかもしれない。そして、
   あなたのために素晴らしくうまく働いている電子メール戦略があれば、どうぞ
   コメントに書き込んで頂きたい。

   (いつもと同様、必ずしもビデオをご覧になる必要はない。この記事のページ
   [訳者注: 英語版サイトのみ]の上の方にある Listen リンクをクリックす
   ればオーディオ版が聴けるし、TidBITS ポッドキャストを購読すれば iTunes
   の中に、あるいはお好きなポッドキャストアプリの中に自動的にダウンロード
   される。)

<https://itunes.apple.com/podcast/tidbits/id276986548?mt=2>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13597#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13597>


Kindle App アップデートで iOS App Store の欠陥が露呈
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     文: Jeff Carlson: <jeffc @ tidbits.com>, @jeffcarlson
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13590>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   企業が顧客に最新作をダウンロードしないよう言うとしたら何故であろうか?
   何故ならばそのバージョンに簡単には直せない性質の悪いバグが含まれているか
   らである。

   27 February 2013 に Amazon はその Kindle iOS アプリのバージョン 3.6.1 を
   リリースし、そしてすぐ後に "このアップデートには既知の問題がある" として、
   ユーザーにそのアップデートを適用 _しない_ よう勧告した。

<http://tidbits.com/resources/2013-02/kindle_update2.png>

   アップデートすると、あなたの Amazon アカウントにログバックするよう強制さ
   れ、その機器から全てのタイトルが除去され、そしてそれらをダウンロードする
   と New とラベル付けしてしまう。それにもかかわらず、それらの本のあなたが
   読んだ最後の場所は覚えている。

   次の朝には、3.6.2 アップデートが現れ、この問題は回避された。もし 3.6.1
   にアップデートはしたがそのアプリを未だ開いていないのであれば、そのまま
   3.6.2 にジャンプすればこれらの問題に遭遇することは無い。

   そもそも何故この様な事態になり得るのか? 企業が Apple に App Store での
   リリースのためにアップデートを提出すると、その企業はそのアップデートが承
   認されるまで待たなければならない。今回の場合、Amazon がテストでは十分に
   取り切れなかったインスタレーションバグが通り抜けてしまったのであろう。

   しかし、あるアップデートが Apple に一旦提出されてしまうと、開発者はその
   様なバグを修正する術を持たない。唯一の方法はその問題を正すもう一つのアッ
   プデートを再提出することである - これも再度 Apple の審査過程を通り過ぎな
   ければならない。

   Amazon がとれる他の唯一の行動はリリースノートを変えることであり、こちら
   は開発者が容易にできる。そして Apple が新しいバージョンを承認するのを待
   つのである。不幸なことに、ユーザーはリリースノートなどまず読まない。もっ
   とも iOS App Store アプリでは、iPhone 上でそうするのを簡単にはしている。
   もっと前のバージョンでは、実にちっぽけな What's New 三角形の真上をタップ
   しなければならず、殆ど不可能に近いことであった;今や、そのアプリの名前の
   上のどこかをタップすればリリースノートが見られる。

<http://tidbits.com/resources/2013-03/Kindle-update-362.png>

   これから先、同様なバグの影響を減らすため、Apple はユーザーが前のバージョ
   ンに戻るのを容易にすることが出来る。Matt Neuburg が指摘した様に、二つの
   条件さえ整えば、手動で前のバージョンに戻ることは可能である:アプリのアッ
   プデートは iTunes 同期経由でしかやらないこと、そしてアップデートした後
   Trash を空にしないことである。そうであれば、あなたは Trash から前のバー
   ジョンを拾い出し、そしてあなたの Mobile Applications フォルダにあるもの
   と入れ替えるのである。

   しかしもしあなたも私の様で、App Store アプリアイコン上にバッジ (入手可の
   アップデートの数を示す) が現れたままにしておくのは嫌いであっても、何でも
   直ちにアップデートするのは待った方が良い。アップデートに予期しないバグが
   出現したのは何もこれが初めてではないし、これが最後という訳でもないであろ
   う。


     ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13590#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13590>


DataMan Pro が再び復活、より少ない機能で
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13593>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   過剰なセルラーデータ使用量の問題はまだまだ続いているが、ここ数ヵ月間は
   騒動もだいぶ収まっているように見える。おそらくそれは、Apple が iOS 6
   の中で黙ってバグを修正したからなのかもしれない。私は個人的に、iOS 6.1
   にアップグレードして以来、データ量が手に負えなくなる経験をしていない。
   (2012 年 10 月 24 日の記事“iOS 6 の不可思議なセルラーデータ使用量:
   もう一歩深く検討する”参照。)けれども、まだ問題を経験している人たちは
   きっといると思う。そういう人たちは、静かに苦痛に耐えているか、それとも
   習慣を変えることによって(例えば手動でセルラーデータをオンオフすること
   で)問題を回避しようとしているかのどちらかだろう。未だに懸念を拭えない
   でいる人たちに、嬉しいニュースがある。セルラーデータ使用量を追跡する
   iPhone アプリ、DataMan Pro が、またもう一度、App Store に再登場したの
   だ。(2012 年 11 月 20 日の記事“DataMan Pro で iOS のアプリ別データ使
   用を追跡”参照。)期間限定で、$9.99 のこのアプリは半額の $4.99 で販売
   されている。

<http://tidbits.com/article/13354>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1148.html#lnk6>
   "iOS 6 の不可思議なセルラーデータ使用量: もう一歩深く検討する"
<https://itunes.apple.com/us/app/id572431648>
<http://tidbits.com/article/13402>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1151.html#lnk4>
   "DataMan Pro で iOS のアプリ別データ使用を追跡"

   DataMan Pro は App Store の中で、波瀾万丈の歴史を持つ。当初は認可を受
   けかなりの数を売り上げたにもかかわらず、その後 Apple によって取り下げ
   られてしまった。しかも一度ならず二度も。問題は、DataMan Pro には Apple
   が認可しないテクニックを使う必要があるという点だ。特に、バックグラウン
   ドで走り続けてさまざまの内部的ログファイルを読み取らねばならない。バー
   ジョン 6.1 の DataMan Pro を Apple が App Store から取り去ったのは、こ
   れが voice-over-IP クライアント(バックグラウンドで走ることができる)
   を実装しながら、その一義的目的が VoIP ではないというのが理由となった。
   そう、まさにその点が Apple の制約を回避するための試みであって、開発者
   たちを制限してユーザーたちの望む有用な機能を提供しないシステムならば、
   必ずその種の回避策を招くものだ。

   今回の新しい DataMan Pro 6.3 は別のアプローチに切り替えた。ただし残念
   なことに、VoIP のトリックを使えない結果として DataMan Pro の最も重要な
   機能のいくつかが削除されてしまった。特に、一時間ごと、日ごと、週ごとの
   追跡ができなくなり、全体的使用量もアプリごとの使用量も、それぞれ月ごと
   のレベルでしか追跡されなくなった。もっと細かい追跡はという質問に対して、
   DataMan の開発者 XVision の Johnny Ixe は私に次のように説明してくれた:

     「私たちがそれを除外したのは、Apple が私たちに課した技術的制約を克
     服するためでした。VoIP モードを利用することができないことにより、
     信頼性をもって一時間ごとの数字を表示することができなくなりました。
     日ごとの追跡もまた困難なものとなったため、Apple からの異議を招かな
     いためにも、また DataMan Pro を早く復帰させるためにも、除外せざる
     を得ませんでした。このように「詳細度の低い」アプリ監視ならば Apple
     が受け入れてくれることを私たちは願ったのです。そして予想は当たりま
     した。Apple はもう一度、DataMan Pro を認可してくれたのです。今後は、
     何とか日ごとの追跡を復活させたいと願っています。」

   今回の新バージョンにはもう一つ面倒なことがある。正確なデータを保つには、
   再起動の _前_ に DataMan Pro を開いておかなければならない。再起動の後
   に開く必要はない。

   良いこともある。DataMan Pro は従来よりもはるかに見栄えが美しくなった。
   メインのスクリーンが色で識別されるようになり、あなたがその月のデータ量
   上限に接近する危険度がどの程度かが一目で分かる。単なる緑・黄・赤の色分
   けだけでなく、DataMan Pro の Smart Forecast 機能は割り当てデータ量の範
   囲内にいられる可能性を常時予測してくれる。その際、その月の内にどれだけ
   の量が使われたか、請求期間の終わりまであとどれだけの日数が残っているか
   が勘案される。だから、あなたが上限の 90 パーセントまで使っていてもその
   月があと残り 1 日ならば、緑色の表示で何も心配することはないと知らせて
   くれる。けれども、まだ 21 日も残っているのに 90 パーセントに達した場合
   は、表示が赤くなって上限を超える可能性が極めて高いと警告する。

   メインのスクリーンから上へスワイプすると、アプリごとの使用量内訳(セル
   ラーのみ)のリストが出る。位置情報のピンも示される。一方、メインのスク
   リーンから左へスワイプすると Settings 画面になる。

<http://tidbits.com/resources/2013-02/DataMan-Pro-6.3.png>

   DataMan Pro 6.3 は従来よりもはるかに魅力的になったし、iPhone 上でセル
   ラーデータの使用量を追跡するための最良の方法の一つではあるけれども、よ
   り細かい追跡機能が失われたことにはがっかりせざるを得ない。もしもあなた
   が DataMan Pro 6.1 を持っていてそれらの機能を使っているのならば、今回
   のアップデートはせずにおくことをお勧めしたい。もしもあなたが iPhone で
   まだ DataMan Pro を使ったことがないのならば、今回のバージョン 6.3 はあ
   なたに iOS 内蔵のレポート機能より多くの手引きを提供してくれるだろうし、
   私たちは XVision が将来のアップデートで Apple の制約を乗り越えてこれら
   の機能を獲得してくれることを願いたい。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13593#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13593>


App.net がフリーミアムのオプションを追加
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     文: Glenn Fleishman: <glenn @ tidbits.com>, @glennf
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13589>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   App.net が、フリーミアムになった。[訳者注: 基本的なサービスを無料で
   提供し、より高度なサービスに料金を課金するビジネスモデルのことです。]
   このソーシャルネットワーキングプラットフォームはサードパーティの開発者
   たちによって活用されるためにデザインされているので、本来は料金を支払っ
   た顧客に焦点が向けられており、そこに無料のレベルを追加するのは一見うま
   く合わないようにも見える。けれども、Dropbox が無料と有料の部分に分かれ
   ているのと同じように、無料版にかけられた制限はちゃんと意味を成している。
   無料ユーザーになるためには、既存の有料アカウントを持っている人に招待さ
   れなければならない。

<http://blog.app.net/2013/02/25/introducing-a-free-tier/>

   App.net は、初めのうちは Twitter に似たマイクロブロギングサービスだと
   誤解されるかもしれない。いずれは Facebook のような本格機能のソーシャル
   ネットワークになりたい野心を持っているのだろうと。けれどもこのビジネス
   は、その正反対を向いている。App.net は、広告に支えられたビジネスモデル
   にすることは決してないと約束していて、開発者たちが自分のソフトウェアに
   対して自由に料金を設定したり好きなビジネスモデルを用いたりしても(彼ら
   が払う年額 $100 の購読料金に満たない収入しか得られなくとも)構わないと
   しており、制限をかける対象は悪意ある活動と、このネットワークの安定性を
   脅かす者たちのみだと述べている。

   私が初めて App.net について書いた記事は 2012 年 8 月 28 日の“新ソーシャ
   ルネットワーク App.net、チャットと広告の上を目指す”で、その中で私は、
   初めのうちは Twitter に似たものに見えるけれども、App.net の持つ野心は
   開発者たちのために配管を提供して、彼らが煩わしい基盤構造を気にすること
   なくそのプラットフォームの上に自分のソフトウェアを築くことができるよう
   にしたいということなのだと説明した。つまり、App.net をガスや電気、下水
   道、上水道、そしてインターネット接続を提供する市役所だと考え、開発者た
   ちはそれらを利用して、基本的に広さに制限のない土地の上に、自由に住宅や
   ホテル、オフィスタワーなどを建設する、と考えればよい。App.net はそうし
   た公共設備を提供することで収入を得るのであって、緩い建築基準法を超えた
   ルールを作ろうとはしない。

<http://tidbits.com/article/13216>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1141.html#lnk4>
   "新ソーシャルネットワーク App.net、チャットと広告の上を目指す"

   App.net は 2012 年の中頃に、クラウドファンドのプロジェクトを通じてスター
   トし(クラウドファンドを利用したのは資金を集めるためでもあり、人々の興
   味を集められるかを確かめるためでもあった)その際に通常のユーザーの年額
   料金を $50 と設定した。2012 年 10 月になって、料金を年額 $36 に下げる
   とともに、試行をしてみたい人たちのために月額 $5 の毎月払いプランも追加
   した。(2012 年 10 月 3 日の記事“App.net 値下げ、ソフトウェアオプショ
   ンも増加”参照。)さらにその後、同社はひっそりと有料購読者たちに対して、
   友人たちに一ヵ月間の無料サービスをプレゼントする招待状を三通ずつ配った。

<http://tidbits.com/article/13315>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1145.html#lnk0>
   "App.net 値下げ、ソフトウェアオプションも増加"

   今から数週間前、App.net は "File API" を公表した。これは、すべての有料
   購読者にそれぞれ 10 GB ずつのストレージを割り当てて、どこででも利用可
   能なクラウドデータの貯蔵場所として開発者たちがそれを使うことができるよ
   うにするものだ。Tapbots の作った iOS アプリ Netbot は現在無料となって
   いるが、これは App.net のストレージを使って写真をアップロードし、その
   ネットワークのマイクロブロギング部分を通じて共有するようにしている。

<http://blog.app.net/2013/01/28/announcing-the-app-net-file-api/>
<http://tapbots.com/software/netbot/>

   無料で利用できるレベルの App.net には多くの制限がある。無料ユーザーが
   フォローできるのは 40 人まで、保存できるデータは 500 MB まで(さらに、
   個々のファイルのサイズが 10 MB まで)となっている。有料ユーザーたちに
   はそれぞれのアカウントに招待状が配られて、他の人たちに渡せるようになっ
   ている。過去に一ヵ月間の試用に招待されたことのある人たちのアカウントも、
   それぞれ無料レベルに変換されている。

   このようなモデルは過去にも例がないわけではない。App.net は Dropbox や
   github の名前を前例として挙げているし、もっと小規模なものは他にも多数
   ある。Dropbox の価値は数十億ドルと評価されているが、同社はその無料・有
   料の使い分けを、ホストされ同期されるクラウドストレージの魅力を人々に伝
   えるためのツールと位置付けて続けてきた。Dropbox の無料レベルには 2 GB
   のストレージというなかなか気前の良い量が与えられる(さらに紹介によって、
   また写真のアップロードによって割当量を増やすこともできる)が、その上限
   量に近づいた場合には、簡単な手続きで月額料金を払うだけでより多くのスト
   レージを得ることができる。それは、あなたが既に Dropbox の便利さを実感
   しているということでもあるのだ。

<https://www.dropbox.com/>
<https://github.com/>

   招待状というやり方にしたのは、App.net のユーザー基盤をじっくりと増やし
   て行こうという意図に基づくものだ。同社は、一夜のうちに何百万人もの新規
   ユーザーが押し寄せることは望まない。なぜならそれは、ユーザーたちにも、
   またサードパーティの開発者たちにも利益とならないからだ。それよりもむし
   ろ、ゆっくりとだが着実に成長することが目標であって、今回同社はその成長
   をほんの少しだけ促進したいと思い、人々が手軽にそこに何かが本当にあるか
   どうかを理解できるための道を作ったのだ。好奇心を持った人たちがとにかく
   参加して、他の人の語ることを聴き、議論に加わり、自分の興味が 40 人の他
   の人たちをフォローするレベルを超えた場合には有料購読者となってもらおう、
   というわけだ。

   最初のところで述べた通り、App.net は単なるマイクロブロギングのサービス
   ではない。それは App.net で最も目につく機能であって、このサービスがで
   きることを説明する役には立つ。その面を要約すれば「App.net は Twitter
   に似ているけれども、開発者たちを市場から締め出すような Twitter のビジ
   ネスモデルはここにはない」と言えるだろう。

   最も興味深いのは今後何が起こるかだ。より多くの、多様なアプリケーション
   が登場して、App.net の基盤構造のさまざまの部分に依存しつつ、もっと風変
   わりなやり方で働くようになるだろう。(もちろん、App.net の基盤構造にも
   まだ発表されていない部分が数多く加わることだろう。)例えば、数ヵ月前に
   App.net は多人数が参加できるプライベートメッセージングを追加したが、こ
   の機能はまだほとんど生かされていない。また、App.net を基盤として写真共
   有サービスを始めることもできるだろう。(表面上は、それをすることでいず
   れ私たちはより多くのストレージを購入するようになるだろう。)それから、
   いろいろの既存のプログラムの中に App.net を加えて、Twitter や Dropbox
   など、ストレージやコメント認証その他の機能を統合するものの代わりに利用
   することもあり得る。

   未来を予測することなどしたくないが、現在私たちに見えているものは開発者
   たちが App.net のサービスを利用してできることのほんの氷山の一角に過ぎ
   ないと、私には思えてならない。無料ユーザーを加えることで、きっと私たち
   の目にもその氷山のより多くの部分が見えてくることだろう。


   ----
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Napkin、視覚通信に新しい見方を提供
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     文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13532>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   最近最も話題に上っているリリースの一つは Napkin である。これは Aged and
   Distilled からの新しい画像注釈と描画のアプリである。Napkin が際立ってい
   るのは視覚通信を、ナプキン上に落書きするのと同じくらい速くそして簡単にし
   ている点である。この比喩を具現化するかのように、そのデフォルトの背景はナ
   プキンの質感となっている。

<https://itunes.apple.com/us/app/napkin-concise-image-annotation/id581789185>
<http://aged-and-distilled.com/>
<http://tidbits.com/resources/2013-02/Napkin.png>

   Napkin は、視覚通信を出来るだけ簡単にすることに焦点を当てている。同種の
   多くのアプリケーション - そして一般的に言えば多くの Mac アプリケーション
   - とは違って、Napkin はジェスチャーを強調しているので Mac 上のみならず
   iPad 上でも相性が良いであろうと思える。iOS バージョンが準備されていない
   というのは考え難いが、Napkin の考え方は現在の Apple の考え方に極めて沿っ
   ており、OS X 10.8 Mountain Lion のみに限定され、そしてデフォルトでは
   iCloud に保存される (即ち Mac App Store のみに限定される)。

   あなたのナプキン上に画像を載せるには三つのやり方がある:既存のファイルを
   開く、スクリーンショットを撮る、或いはウェブキャムから写真を撮るである。
   スクリーンショットは全ウィンドウを撮ることも、或いはウィンドウの一部をク
   リック&ドラッグすることで選択して撮ることも出来る。必要ならば、一つのナ
   プキン上に何枚でも画像を追加出来る。

   希望の画像が得られた後の注釈付けは直観的で、注釈を追加するのはメニュー或
   いはツールバーから、或いはジェスチャーによって出来る。もしテキストを追加
   したければ、ただタイプし始めればよい。矢印で何かを指したければ、ただクリ
   ック、ドラッグ、そして直線を引けばよい。形を描きたければ、Command キーを
   押して、クリック&ドラッグで形を作る。一つのオブジェクトをロックすること
   も出来、もしそのオブジェクトから矢印をドラッグして出すと、その矢印はその
   オブジェクトにリンクしたままとなる。従ってそれをアンロックして動かしまわ
   ったとしても、矢印はつながったままである。もしロックされたオブジェクトの
   内部に線を引くと、Napkin は代わりに寸法線を作成し、その線の長さが何ピク
   セルであるかのラベルも付ける。

   これらの Napkin 機能全てを使って線画やマインドマップまで作成出来る。一つ
   の形の中にテキストを直接加えることも出来るので、バブルを作り、そしてその
   中に考えを付け加え、それからそのバブルをロックすることが出来る。更に、そ
   の考えを含んだバブルから矢印を引き出して次の考えにつなげることも出来る。

   取り込んだ画像はフレームで飾ることも出来る。これは言わば境界の様にも働き、
   背景も付けられるが、その選択肢は限られている。Napkin は選択肢として六つ
   のフレームを提供しているが、調整は全くできない。私自身も実際に気に入った
   と言えるものにまだ行き当たっていない。まあまあと思えるものに Simple と
   Photo があるが、これらは趣味のよい、少々幅広の、白い縁である。Capsule フ
   レームというのもあるが、これは選択された画像の角を丸める。残りの三つは似
   て非なる構造で間が抜けた感じがする:Thumbtack, Tape, そして Paperclip で、
   それぞれが捉えた画像の一番上に名前の通りのものの漫画バージョンを追加する。
   背景はより選択肢が限られて、オプションは三つしかない:Transparent,
   White, そしてこれまでに紹介している Napkin である。Napkin は紙ナプキンの
   質感を出している。

   もし取り込んだ画像に秘匿情報が含まれている場合、それをダブルクリックして
   編集することが出来る。Napkin はあなたがクリックした場所にズームインして、
   二つのツールを提供する:マーカーと消しゴムで、それぞれが色々な大きさに設
   定出来る。これは気の利いた機能だとは思うが、私だったら単にその秘匿情報の
   上に黒の四角を描くだろうと思う。通常手で描いた修正部分は汚らしく見える。

   Napkin の看板機能は Call-Out である。これは固定の拡大鏡の様に働き、あな
   たが注意を喚起したい詳細に目を向けさせる。これを作るには、Call-Out ボタ
   ンをクリックするか円を描き、それからその Call-Out をあなたが拡大したいも
   のの上にドラッグし、そしてそれを再度クリックしてそこに固定させる。Call-
   Out と矢印とで、Napkin はインターフェース項目に注意を向けさせるのを簡単
   にしてくれる。

   Napkin は本質的にソーシャルである。内蔵の Share ボタンを使って、その画像
   を Twitter, iCloud, Facebook, そしてメール等々に送らせてくれる。Napkin
   の最も賢い機能の一つは File Pip で、".png" と名付けられたボタンとして右
   上に配置されている。そのボタンを何処にでもドラッグすれば現在のナプキンの
   PNG 画像を追加できる。残念ながら、この File Pip はまだ完璧ではなく、それ
   をどのアプリケーションにでもドラッグすることは出来ない。TidBITS では、我々
   の現行の管理システムに画像をアップロードするのに ShotBOT というカスタム
   アプリを使っているが、File Pip を ShotBOT にドラッグしても働かないし、他
   にも働かないアプリケーションがかなりある。しかしながら、もしあなたが
   DragonDrop をお持ちなら、これはファイルやコンテンツの中間保管庫として働
   く気の利いたユーティリティであるが、Napkin から PNG を DragonDrop へドラ
   ッグすることが出来、そこからあなたのお好みのアプリケーションへとドラッグ
   出来る。不幸にも、生成された PNG の名前を何にするか直接選ぶことは出来な
   い;それはナプキンのファイル名とタイムスタンプの合わさったものとなる。

<http://shinyplasticbag.com/dragondrop/>

   そのプロ向けの価格設定にも拘らず、Napkin 1.0.2 は多くのプロ機能を欠いて
   いるだけでなく、幾つかの基本的なものまで欠いている。ズームイン或いはズー
   ムアウトの機能は一切ない。これは如何なる画像編集ツールにも不可欠の機能で
   ある。スクリーンショットを撮るためのシステム全体にわたるホットキーもまだ
   ない。尤もこのスクリーンショット機能は Mission Control とは十分に上手く
   働くが、その場合でも、あなたの Napkin ウィンドウはあなたがスクリーンショ
   ットを撮りたいウィンドウと Desktop を共有している必要がある。画像を互い
   同士で整列させることは出来るが、Napkin には目安となるガイドが無いので、
   整列具合を微調整するのは難しい。Napkin には画像切り取り (クロッピング)
   も無い。スクリーンショットを撮る時にはウィンドウの一部だけを選択させては
   くれるが、一旦画像を取り込んでしまえば、Napkin はそこから更にトリムダウ
   ンすることは出来ない。また、メニューとかダイアログと言った特定のインター
   フェース項目にスクリーンショットを合わせる簡単な方法も無い。

   Mac アプリケーションとしては革新的だが、Napkin のジェスチャーベースのイ
   ンターフェースは時としてイライラさせられることがある。私は、既存のエレメ
   ントをドラッグしたいと思っているのに矢印を描いてしまっている自分をしばし
   ば発見する羽目になった。更に、寸法を測るのではなく矢印をトリガーする方法
   を覚えるのも難しい。Napkin はあなたがやりたいと思っていることを推測しよ
   うとするが、何時も正しく推測できるわけではない。私は、Napkin の開発者が
   ユーザーフィードバックに耳を傾け、そしてこれらの不具合を直してくれること
   を望みたい。

   私は Napkin を好きになりたいと思う。これは革新的だし賢くもある、そして時
   間と共にもっと良くなると思う。しかし現時点では、このアプリを私が、とりわ
   け $39.99 という値段では、お勧めするのは難しい。その簡素さのお蔭で、手軽
   に描画したり注釈付けをしたりするのが楽しくなるが、制作業務のために必要な
   細かいコントロールを備えていない。私はこれを簡単なノートや遠隔でのプロジ
   ェクト共同作業に使うことは考えられるが、ユーザーに最終的なアウトプットに
   対する制御を殆どさせてくれないので、もしある特定のニーズを持った出版者の
   ために画像を準備しようとしているのならば、Napkin では役に立たないであろ
   う。私は Napkin を "Squarespace 6 ウェブホスティング: 使い易さとデザイ
   ンが欠陥を凌ぐ" (8 February 2013) において、最初の画像のために使った。
   結果的には、画像の整列と縁取りオプションの制限にイライラさせられてしまっ
   た。

<http://tidbits.com/article/13521>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1161.html#lnk4>
   "Squarespace 6 ウェブホスティング: 使い易さとデザインが欠陥を凌ぐ"

   Napkin は、開発チーム対する不可欠のツールとなる可能性を秘めている。その
   Call-Out 機能は細かな詳細を指し示すには素晴らしい方法だし、そしてこの機
   能だけでもそのコストには十分見合うと感じる人もいるかもしれない。しかし現
   時点では、あなたの視覚通信のニーズ全てには対応出来ないであろうから、これ
   は既存のツールに対する単なる補足でしかない。


     ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13532#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13532>


TidBITS News 1.5、一言で言えばそれは革命
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     文: Matt Neuburg: <matt @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13552>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   フリーウェアの TidBITS News アプリは、最新の TidBITS 記事を読んだり聴
   いたりするためのものだが、その中に iOS の歴史そのものをほとんど丸ごと
   詰め込んだ極小の小宇宙とも言える。犬の一年 (dog year) が人間の 7 年に
   相当するとすれば、開発者の一年 (developer year) は、iOS のような急速に
   変化しつつあるものに追い付こうとし続ける 20 年のごとくに感じられる。こ
   のアプリが公開されていたのは太陽年にしてたった 3 年間に過ぎないが、私
   はこれを走り続けさせ最新に保ち続けようと努めるため既に一生涯を費やした
   ような気さえしている。

<https://itunes.apple.com/us/app/tidbits-news/id348629441?mt=8>


**世界の歴史を手短かに** -- おそらく私はこのメタファーをさらに押し広げて、
   開発者の一年を 2 億年くらいに考えるべきかもしれない。すると、リリース
   済みの TidBITS News の六つのバージョンをそれぞれ地質時代に当てはめ、気
   候変動による大規模な変化を追跡することができるだろう。TidBITS News が
   生き抜いてきた(そして何とか生きながらえてきた)歴史を、ここに概観して
   みよう:

* TidBITS News のバージョン 1.0 がリリースされたのは 2009 年 12 月のこと
   で、当時は iPhone 3GS と第三世代の iPod touch が最新のデバイスであった。
   私はそのほんの二ヵ月ほど前に第三世代の iPod touch を手に入れていて、そ
   こには Apple のピカピカに新しい iOS 3.1 が走っていたが、速度、メモリ、
   スクリーン面積のいずれの意味においてもこれほど少ないもので立派に間に合
   わせることができることに非常な興味をそそられたものだった。私が TidBITS
   News を書いたのは、このちっぽけなシングルウィンドウとタッチインターフェ
   イスという奇妙な新しい世界でどうやってプログラミングをするのかを学んで
   みたいという気持ちがその動機の一つであった。

   アーキテクチャの観点からは、TidBITS News はメインと詳細の二つのスクリー
   ンを単純に組み合わせたものであった。メインの表示では、TidBITS 記事のリ
   ストにそれぞれのタイトルと要約が並ぶ。その一つをタップすれば詳細表示に
   移り、その記事の全文が読める。それでも、舞台裏では、かなり巧みなネット
   ワーキングが処理されていた。記事の本文は RSS フィードからダウンロード
   された上でオープンソースのライブラリを使って構文解析され、またその記事
   のオンラインポッドキャストがある場合は詳細表示でそれを聴くことができた。
   さらにメイン表示には極めて革新的な機能が含まれていた。すなわち、タイト
   ルも要約文も、またそれらを含む表の各行も、一行単位で行の高さを調節する
   ことができたのだ。当時私の知る限りそれができるアプリは他になく、これほ
   ど巧妙なことをうまくやり遂げられたことを私は誇りに思っていた。その後私
   はそのやり方の説明を公表し、今ではかなり広く使われるインターフェイス形
   式となっている。

<https://github.com/kballard/feedparser>
<https://github.com/mattneub/Programming-iOS-Book-Examples/tree/master/ch21p622variableHeights>

* 2010 年 4 月に、Apple は iPad をリリースした。幸いにも iPhone サイズの
   アプリも引き続き iPad 上で、一種のエミュレーションモードで動作すること
   ができた。iPad の画面上で、iPhone のスクリーンのサイズのままで(または
   かなり見苦しいダブルサイズでも)表示された。だから、TidBITS News アプ
   リにはとりたてて iPad 用のバージョンを別途作る必要などないと私は思い、
   何もせずそのままやり過ごしたいと考えていた。ところが残念なことに、この
   エミュレーションは厳密なものではなかった。iPad は iOS 3.2 を走らせてい
   たが、iPhone はまだ iOS 3.1 のままで、デバイスにより相違のあるこの状態
   を Apple が解消するまでに、法外に長い時間がかかってしまった。二つのシ
   ステムの間には同一の機能でも実装する方法に違いがあったり、同一のコード
   に対して異なるやり方で反応したりした。(最も言語道断であったのは、iOS
   3.1 でシャドウを描いた場合、同じコードが iOS 3.2 では反対側にシャドウ
   が描いてしまったことだ。いったいどうしたんだ、Apple は?)

   システムの挙動におけるこのような違いが、TidBITS News にもさまざまな結
   果を及ぼした。iOS 3.2 は、メイン表示でタイトル、要約文、表の行のサイズ
   を動的に変更するという、高く評価された私の手法を壊してしまったので、私
   は大急ぎで問題の修正にあたらなければならなかった。それを解決した時のこ
   とを私は今もよく覚えている。ニュージャージー州 Princeton にある両親の
   家の台所に座って、仮想のハンマーでガンガン叩き続けた挙句、両方のシステ
   ムと両方の種類のデバイスで働くコードを何とか思い付くことができたのだっ
   た。この修正を盛り込んだバージョン 1.1 の TidBITS News は 2010 年 6 月
   に公開された。

* その頃までに、Apple はもう一つの革命の準備を整えていた。iPhone 4 だ。
   これにより、二つの極めて大きな変更がもたらされた。第一に、このデバイス
   は二倍解像度のスクリーンを備えていた。そのため TidBITS News のテキスト
   は素晴らしく見えたが、残念なことにグラフィックスが酷い見栄えになってし
   まった。第二に、そしてこちらの方が影響が大きかったが、iOS 4 と _マルチ
   タスキング_ が導入された。その当時の記事で私が解説したように(2010 年
   6 月 23 日の記事“高速アプリ切り替えとは何か?”参照)それはつまりユー
   ザーが Home スクリーンあるいは他のアプリにに切り替えた際にアプリは終了
   させられず一時停止の状態になるということを意味した。しかも、一時停止状
   態のアプリはその後何の断わりもなしに勝手に終了させられてしまうかもしれ
   ないのだ。2010 年 8 月に、私たちはバージョン 1.2 の TidBITS News をリ
   リースして、マルチタスキングと二倍解像度のグラフィックスとに対応した。
   (その際私たちは App Store に関する厄介な騒動にも巻き込まれた。2010 年
   8 月 21 日の記事“TidBITS News アプリのバージョン混乱の背景”参照。)

<http://tidbits.com/article/11378>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1034.html#lnk4>
   "高速アプリ切り替えとは何か?"
<http://tidbits.com/article/11531>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1041.html#lnk1>
   "TidBITS News アプリのバージョン混乱の背景"

* iOS 4.0 は新しい iPhone 4 のみならず、一部の古い iPhone や iPod touch
   機種でも動作したが、iPad では動作せず、iPad はまだ iOS 3.2 のままで、
   従ってマルチタスキングやその他の iOS 4 における革新の恩恵を受けること
   ができなかった。TidBITS News は(App Store ではそのようにして配布する
   ことが許されなかったにもかかわらず)iPhone でも iPad でも動作するよう
   デザインされていたので、さまざまの障害をくぐり抜けてそれがどのシステム
   で走っているかを探知しそれに相応しく反応するように、極めて複雑な追加の
   コードをたくさん含むことになった。私にとってこの状況はうんざりさせられ
   るもので(それより良い方法で切り抜けることはできなかった)Apple が開発
   者たちに向かって(仮想の)指を突き出すような態度を続ける限り、こちらも
   同じ(仮想の)指を Apple に向かって突き返してやろうと決心した。その昔
   Achilles がテントに立て篭ったのを見習って、私の望む条件が整うまでは外
   に出て戦うことはしまいと決めたのだ。まず Apple が、各デバイスでシステ
   ムを統一する義務がある。2010 年 11 月になってようやく、劇的なフライイ
   ングスタートの後、Apple は iOS 4.2.1 をリリースした。これは iPad でも、
   従来 iOS 4.0 を走らせていた他のすべてのデバイスでも動作し、これでやっ
   と Achilles も外に出て戦う準備ができた。そうして私は TidBITS News を
   "universal" なアプリに仕上げた。つまり、iPhone サイズのスクリーンでロー
   ドされるインターフェイスと iPad でロードされるインターフェイスの両方を
   備えるようにした。

   バージョン 1.3 の TidBITS News は 2010 年 12 月にリリースされた。障害
   をくぐり抜けるためのコードは _依然として_ 結構たくさん含まれていたが、
   今回は以前とは _違う_ 種類のくぐり抜けのためのコードだった。異なるシス
   テムごとに異なる挙動をするのではなくて、異なるデバイスごとに異なる挙動
   をするように作った。それは、システムの機能が異なるのでという理由ではな
   くて、インターフェイスのアーキテクチャが異なるので必要なことであった。
   iPhone 上では、ナビゲーションのインターフェイスで最初に表示されるのは
   メインのスクリーンであり、詳細表示がナビゲーションインターフェイスの第
   二の部分としてそれに置き換わるようになった。一方 iPad 上では、双方が同
   時に見えるようにして、分割表示として左右に並べるようにした。(ただし、
   これは横長にデバイスを置いた場合の話で、縦長に置いた場合はメイン表示が
   「ポップオーバー」なる煩わしい存在と化した。なぜなら、それが iOS 4 が
   分割表示を実装した方法だったからだ。)iPad では縦方向も長いので、表の
   各行の高さも高くでき、スクリーン面積にも余裕があったので、記事にはより
   大きな画像を入れたり広いマージンをとったりできた。

* バージョン 1.3 のリリース後間もなく、稀に起こるメモリのバグが発生した。
   いくつか実験をしてみると、それは結局のところ私のバグではないことが判明
   した。それはあの極めて煩わしいポップオーバーに関係しており、私はできる
   限りの手段を尽くしてそれを防止するようにした。また、ある読者からの助言
   に従って、私は新たなオーディオ管理ポリシーを組み込んだ。すなわち、もし
   もユーザーがバックグラウンド音楽をプレイしている最中に TidBITS News が
   前面に来れば、ユーザーが記事を読みながらそのまま音楽を楽しみ続けられる
   ようにするけれども、その後でユーザーが私たちのポッドキャストを聴こうと
   すれば、バックグラウンドの音楽を一時停止するようにしたのだ。バージョン
   1.4 の TidBITS News は 2011 年 2 月に公開された。(2011 年 2 月 18 日
   の記事“TidBITS News アプリ 1.4 でバックグラウンドオーディオが可能に”
   参照。)

<http://tidbits.com/article/11977>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1064.html#lnk4>
   "TidBITS News アプリ 1.4 でバックグラウンドオーディオが可能に"

   そしてその状態が、TidBITS News に関する限り、その後二年間近く続いた。
   けれども Apple 世界の事柄は、いつも通りの速度で動き続けていた。iOS 5
   (2011 年 10 月) と、とりわけ iOS 5.1 (2012 年 3 月) が、私が TidBITS
   News に組み込みたいと思い願っていた革新をもたらした。(2011 年 10 月
   17 日の記事“iOS 5 は開発者に、そしてあなたに、どう影響するか”参照。)
   けれどもそれらによって何かが壊れるということはなかったので、私にはあえ
   て新バージョンを書かなければならない動機が生じなかった。その後第三世代
   の iPad (2012 年 3 月) に Retina ディスプレイが装備され、私たちのテキ
   ストは以前にも増して良く見えるようになった。私たちは既に(アプリのアイ
   コン自体を除いて)二倍解像度に対応したグラフィックスを備えていたので、
   何もあわてる必要はなかった。それから、iOS 6 (2012 年 9 月) がさらなる
   魅力的な革新をもたらした(2012 年 9 月 25 日の記事“iOS 6 は開発者に、
   そしてあなたに、どう影響するか”参照)上に、私が待ち望んでいた動機をも
   たらしてくれた。そう、iOS 6 で、テキストを描く際に表の行の高さを動的に
   変更するために私が使っていた手法が、ほんの微妙にだが、壊れたのだった。
   それからもちろん、新しい iPhone 5 の縦に長くなったスクリーンでは私のア
   プリの画面の上下に黒い帯が付くようになった。私はあの「二つのシステムで
   走る」障害をくぐり抜けるのはもう二度とご免だと思ったので、TidBITS News
   を完全に一から、純粋な iOS 6 アプリとして書き直すという解決法を採るこ
   とにした。記事“iOS 4.2 と iOS 5 用の TidBITS News アプリを今入手しよ
   う”(2012 年 12 月 10 日) で然るべき警告を提供した上で、2013 年 1 月に
   私たちは  TidBITS News 1.5 を公開した。

<http://tidbits.com/article/12560>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1099.html#lnk6>
   "iOS 5 は開発者に、そしてあなたに、どう影響するか"
<http://tidbits.com/article/13296>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1145.html#lnk3>
   "iOS 6 は開発者に、そしてあなたに、どう影響するか"
<http://tidbits.com/article/13446>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1153.html#lnk0>
   "iOS 4.2 と iOS 5 用の TidBITS News アプリを今入手しよう"


**あなたの目に見えるものは** -- だから、TidBITS News 1.5 の新機能とは、
   iOS 5、iOS 5.1、および iOS 6 における新機能の横断面を高度に反映したも
   のと言える。その中には、表面的に見て明らかなものもいくつかある。例えば、
   メイン表示(記事のタイトルや要約文をリストする表示)を iOS 5.1 の走る
   私の iPod touch 上で TidBITS News 1.4 で開いたもの(左)と、iOS 6 の走
   る私の iPhone 上で TidBITS News 1.5 で開いたもの(右)とを比べてみよう。

<http://tidbits.com/resources/2013-02/masterview.png>

   まず、スクリーンの一番上、TidBITS ロゴよりも上のところをご覧頂きたい。
   ここに、現在の時刻やバッテリ状態などの情報が表示される。この部分は私の
   アプリという訳ではなく、システムのステータスバーだが、ここにも変化が見
   られる。iOS 6 は、iPhone 上で(ただし iPad 上ではそうはならない)この
   ステータスバーを不可思議な、自動的なやり方で色付けしようとする。開発者
   たちはこれが好きでない。なぜなら、この色付けのアルゴリズムが公開されて
   おらず(ただしもちろん私たちはそれがどうなっているかを既に見極めていて、
   ステータスバーを欺いて別の色付けをさせる方法も見つけている)色付けをオ
   フにすることもできないからだ。ただし、ステータスバーの色を黒にした場合
   だけは別だ。とにかく、何たることか、iOS 5 やそれ以前にあった、古き良き
   グレイ階調のステータスバーにすることはどうしもできない。それは、もはや
   懐かしき思い出に過ぎない。

   ほんの少し下に目をやると、TidBITS ロゴがある。ここで変わったのはロゴ自
   体でなく、その背景にあるものだ。もっと前、TidBITS 1.4 が書かれた時代の
   iOS 4 では、このような標準的インターフェイス要素は(これはナビゲーショ
   ンバーだ)あらゆるアプリで基本的に同じであった。実際それはステータスバー
   と似ていて、グレイ階調か黒の階調かを選べた。iOS 5 になって、Apple は多
   くのインターフェイス要素をカスタマイズする手段を公式に提供するようにな
   り、iOS 6 ではさらにその先まで歩を進めた。そこでこのナビゲーションバー
   も、従来なかったバックグラウンド画像が今では含められ、TidBITS のホーム
   ページから取って来た階調模様が示されるようになった。そうそう、このナビ
   ゲーションバーのすぐ下に、_ほんの_ すぐ下だが、右のスクリーンショット
   では「リネン」のバックグラウンド画像との際にかろうじて見える程度に、も
   う一つ iOS 6 の新機能がある。ナビゲーションバーとそのすぐ下に来るもの
   との間に、微細なシャドウを入れるオプションが出来た。

   ナビゲーションバーの右の方に、バージョン 1.4 では Refresh ボタンがある
   が、バージョン 1.5 にはない。これは、iOS 6 には新たに表の Refresh コン
   トロールが内蔵して提供されるようになったからだ。もともと Twitter アプ
   リで生まれたこの考え方は、_引っ張ればリフレッシュされる_ というものだ。
   つまり、表を下の方へスクロールして行けば Refresh 記号が現われ、そのま
   まスクロールを続ければ Refresh 記号がアニメーションを始める。これを利
   用することによって、私は今や iOS 6 版の Apple の Mail アプリなど標準的
   アプリの共通通貨となったインターフェイスをきちんと利用できるとともに、
   目で見たインターフェイスを Refresh ボタンが不必要に乱すことがないよう
   にした。

   この iOS 6 の Refresh コントロールでは、アクティビティのインジケータの
   他に、テキストを表示できるラベルも提供される。私はこれを利用して、最後
   にフィードからデータをアップデートした日付と時刻を表示する方法を変更す
   ることにした。TidBITS News 1.4 では、常時見えているラベルの上にこの情
   報が表示され、目で見て気が散るだけでなく貴重なスクリーン面積も浪費して
   しまう。バージョン 1.5 では、これが Refresh コントロールの一部分となり
   通常は表の一番上のロゴの下に隠されている。フィードのデータがリフレッシュ
   された直後のみそれが見えるようになって、スクリーンショットにはその状態
   が示されている。こうして、1.5 のインターフェイスの方がずっとクリーンな
   ものとなった。リフレッシュボタンもなく、Updated ラベルも通常はなく、た
   だ TidBITS ロゴと、素敵なバックグラウンド画像、それから記事のリストが
   示されるだけだ。

   記事のリスト自体も、もちろんバージョン 1.5 では少し違った風にフォーマッ
   トされる。セルの高さを以前より少し高くできるようにしたので、要約文の全
   文が表示される可能性が高くなった。(iPad 上では、_常に_ 要約文の全文が
   表示される。)けれども最も大きな変化は舞台裏で起こっている。バージョン
   1.4 やそれ以前では、タイトルと要約文はそれぞれ別のラベルであって、それ
   ぞれが単一のフォントとフォントスタイルと決まっていた。さきほども述べた
   ように、当時はたくさんの創意工夫を駆使することによって行の高さを調整し
   たり動的に位置取りしたりする必要があった。けれども iOS 6 がそれらすべ
   てを変えてしまった。本物のスタイル付きテキストが、正式市民として受け入
   れられたのだ。だから、見出しと要約文とは一緒になり、二つの段落にフォー
   マットされた _一つの_ 文字列として扱われ、以前よりはるかに簡単かつ正確
   に、直接描いてレイアウトできるようになった。

   さて、詳細表示(つまり個々の記事)の方は、二つを並べて見比べてもそれほ
   ど劇的に興味深い違いはない。ここでもやはり、TidBITS News 1.5 では標準
   的インターフェイス要素をカスタマイズできるようになったお陰で、ナビゲー
   ションバーの上のボタンにも素敵な色付けが可能となり、新しいバックグラウ
   ンドの色階調と似合ったものにできるようになった。(ナビゲーションバーの
   すぐ下に描かれるシャドウは、こちらのスクリーンショットの方が一目で分か
   るだろう。)

<http://tidbits.com/resources/2013-02/detailview.png>

   次に、ユーザーがポッドキャストを聴く方法について見てみよう。両方並べて
   比べれば、バージョン 1.5 で表示が根本的に変わったことが分かる。けれど
   もこれは、iOS 6 による革新のお陰ではない。ただ、私がインターフェイスを
   根本的に作り直したというだけのことだ。左側はバージョン 1.4 やそれ以前
   のもので、インターネットからのリソース(ムービーまたはサウンド)を再生
   するための単一の内蔵ビューそのままだ。私はバージョン 1.0 の当初からこ
   れを使っていた。なぜなら、TidBITS News を書き始めたばかりの頃、オンラ
   インのポッドキャストが再生できること、そのためのインターフェイスはたっ
   た二行のコードを書き加えるだけで済むことを発見してすっかり安心してしまっ
   たからだ。けれどもその後、バージョン 1.3 や 1.4 を書いていた際に、この
   インターフェイスではサウンドに対して出来ることの範囲に限界があるという
   側面に気付き始めた。そこで、バージョン 1.5 では、インターフェイスを変
   更することにした。この変更により、現在再生中のポッドキャストのタイトル
   を表示できるようになったのだが、それは変更の主たる理由ではない。本当の
   理由は、ポッドキャストの再生中にユーザーが他のアプリへ切り替えた場合に
   何が起こるかに関係がある。

<http://tidbits.com/resources/2013-02/playerview.png>

   従来は、私がサウンドをバックグラウンドで再生し続けられるのはユーザーが
   TidBITS News の中に留まりスクリーンをロックした場合に限られた。けれど
   も今は、インターフェイスを変更したお陰で、サウンドに関するアプリのポリ
   シーに対してずっと多くのコントロールができるので、たとえユーザーが完全
   に TidBITS News を終了した後であってもサウンドの再生を続けることができ
   る。その上、ロックスクリーン自体の中から、またはアプリ切替インターフェ
   イス(右へスワイプしてサウンドコントロールを出した状態)から、ユーザー
   が再生を一時停止したり再開したりすることも可能となる。さらに、今述べた
   二つの場所の中で、現在再生中のポッドキャストのタイトルをユーザーが見る
   こともできる。これは iOS 5 で導入された機能のお陰だ。

<http://tidbits.com/resources/2013-02/lockscreenview.png>
<http://tidbits.com/resources/2013-02/appswitcherview.png>

   もう一つ、一目で明らかに分かる TidBITS News 1.5 での変更点がある。それ
   は、iPad 上で記事のリストが表示される方法だ。従来は、さきほども述べた
   通り、デバイスを縦長に置いた場合にはリストがポップオーバーの中に呼び出
   される必要があった。けれども iOS 5.0 で、Apple は新たなインターフェイ
   スを導入した。これはとりわけ Mail アプリで目立つ、メッセージのリストが
   左側からスライドして出てくるというものだ。私はすぐに三日間を費やしてこ
   のインターフェイスをリバースエンジニアリングし、さらにはどうすればそれ
   が達成できるかの説明を発表しさえした。けれども私がそんなことをする必要
   はなかった。iOS 5.1 で、Apple は同じインターフェイスを開発者たちが直接、
   何のコードも必要なく利用できるようにした。基本的に、古いポップオーバー
   のインターフェイスがただ魔法のように新しいスライド式のインターフェイス
   に変身したようなものだ。TidBITS News 1.5 は、iOS 5.1 より後のシステム
   バージョンのためにコンパイルされているので、自動的にその新しいインター
   フェイスを使うようになっている。

<https://github.com/mattneub/Programming-iOS-Book-Examples/tree/master/ch22p667splitViewNoPopover>


**ボンネットの中では** -- あと二つ、TidBITS News 1.5 では大きな変更点が
   内部に埋め込まれている。いずれも、インターフェイスには全く現われない。
   むしろそれらは、Apple が開発者に提供する構成要素における変更点に関係が
   ある。けれども二つのうち一つは、このアプリの挙動を少し変えることとなっ
   た。まずはそちらの点を説明しよう。

   TidBITS News は、iOS 5 で導入された _storyboard_ を使うようになった。
   この storyboard というのは単一のファイルで、その中に一つのアプリのイン
   ターフェイスの大部分あるいは全部に対する図面が含まれる。従来は、多数の
   「スクリーン」を持つアプリは個々のスクリーンのインターフェイスをコード
   で構築するか、または "nib" ファイルからインターフェイスをロードするか
   しかなかった。多くの場合、一つのアプリには非常に多数の nib ファイルが
   含まれていた。これらの nib ファイルを一つのファイルにまとめる効果的な
   方法となるのが storyboard だ。私の目から見て iOS 5 が storyboard を実
   装したやり方はかなり荒削りなものだったが、iOS 6 になっていくつか改善が
   施され、storyboards が真の意味で役立つものとなった。そこで、私はこれを
   TidBITS News 1.5 に採用した。

   TidBITS News は二つの storyboard を含んでいて、それぞれが一つのデバイ
   ス用のバージョンのためのインターフェイス全体を代表する。一つは iPhone
   または iPod touch 用、もう一つが iPad 用だ。アプリが起動する際に、現在
   のデバイス用の正しい storyboard が _自動的に_ ロードする。その上、その
   storyboard 自体がスクリーンからスクリーンへの標準的移行をすべて実装し
   ている。例えば、iPhone 上でメイン表示から詳細表示へナビゲートしたり、
   ポッドキャスト再生表示を呼び出したり片付けたりといったことだ。その結果
   として、私は膨大な量のコードを削除することができた。自分のインターフェ
   イスをコードで描いたりする必要はもはやない。さらに重要なことには、もし
   も iPhone 上で走っているならばこちらをして、もしも iPad 上で走っている
   ならばこのことをする、といったややこしい条件文だらけのコードでアプリを
   埋め尽くす必要がなくなった。もちろん今でも多少の条件文はある。主として、
   双方のデバイスが共有するインターフェイスの構成における些細な違いに関す
   るものだ。例えば、さきほども触れたように、iPhone 上ではメインの表の行
   の高さに制限があるが、iPad 上では制限がない。(iPad 上では記事の要約文
   がどれだけ長くても全部を表示するようにした。)それでも、コードは全体と
   して以前よりはるかにきちんとしてシンプルなものとなり、理解するのも維持
   管理するのもはるかに易しくなった。

   もう一つの大きな内部的な変更点は、起動と起動の間でどのように状態が保持
   されるかということに関係がある。これは、iOS 4 でマルチタスキングが猛威
   をふるうようになって以来ずっと厄介な問題であったし、まだこの問題を解決
   できていないアプリも (Apple 自身の iBooks も含めて) 存在している。問題
   は、アプリが目覚めるには二つの非常に違った道があるという事実から生じる。
   もしもそのアプリが一時停止の状態にされたならば(つまりユーザーがホーム
   スクリーンあるいは別のアプリに切り替えたならば)即座にそのアプリは現在
   の状態のまま凍結乾燥される。そしてユーザーがそのアプリに戻れば、そのア
   プリは解凍され、そのまま、前回していたのと同じことをし続ける。他方、も
   しもそのアプリが一時停止の状態の最中に _終了させられた_ ならば(つまり
   デバイスがいくらかのリソースを解放する必要に迫られたならば)そのアプリ
   は一から起動し直されることになる。両者の違いは厄介なもので、ユーザーに
   とっては不可解なものとなり、とりわけ、ユーザーの観点からは、これら二つ
   の状況を区別できる手段がないことが大きな障害となる。ユーザーが明示的に
   一つのアプリを終了させることは決してないし、現在何が走っていて何が走っ
   ていないのかをユーザーが知ることのできる簡単な方法もない。アプリ切替の
   インターフェイスさえ、走っているアプリと終了したアプリの区別をしない。

   開発者にとって、これはそう簡単に解決できる問題ではない。TidBITS News
   も、マルチタスキングが出現するより前の時代から、コールドスタートの際に
   何が起こるべきかという疑問に取り組む努力をしてきた。もしもユーザーが個
   別の記事を読んでいたならば、TidBITS News はその事実を覚えていて、再起
   動された際にはその記事へナビゲートした。マルチタスキングの登場によって、
   問題は実際さらに困難なものとなった。なぜなら、アプリが前面に来る方法が
   二通りになったことで、開発者はそれらを区別しなければならなくなったから
   だ。もしもアプリが単に一時停止の状態から復帰するだけならば、何もしなく
   てよい。けれどももしもアプリが一から起動しようとしているのならば、前回
   読まれていた記事がある場合にはその記事へナビゲートするようにしなければ
   ならない。これを理に適った、維持可能なやり方で実装するのは、途方もなく
   困難であることに私は気付いた。たとえ、主たる表示がたった二つしかないア
   プリにおいてであっても!

   iOS 6 になって、Apple は状態を保存し復帰するためのメカニズムを新たに内
   蔵した。私は TidBITS News 1.5 を一から書き直しながら、待ち望んでいたと
   いう思いでこれを採用した。その結果として、ユーザーたるあなたは TidBITS
   News が再開する際に、それが一時停止の状態からの復帰であるかそれともいっ
   たん終了させられた TidBITS News を起動し直しているのかをほとんど区別で
   きないようになっているはずだ。いずれにしても、アプリはあなたが前回いた
   場所に戻って、メイン表示ならば記事のリストを前回と同じ位置までスクロー
   ルして同じものを選択し、詳細表示ならば前回開いていた記事を開いてやはり
   前回と同じ位置までスクロールする。

   残念なことに、Apple が内蔵した状態保存と復帰のメカニズムには大きなバグ
   が一つある。これはあまりにも大きなバグなので、たとえあなたが超豪華キャ
   ンピングカー Winnebago を目を閉じたまま時速 120 km で運転してその中を
   通り抜けても車内にゆったり座ってマティーニなんか飲んでいる Apple 重役
   たちの髪の毛一筋さえ傷付かないほどだ。_保存された状態は、デバイスを再
   起動すると忘れ去られてしまうのだ_。

   このバグに気付いた私は、深刻な板挟みに追い込まれた。素晴らしいはずの新
   機能を利用してせっかく TidBITS News を書き直したのに、その結果として以
   前よりも動作が _悪く_ なってしまったのだ! TidBITS News 1.4 やそれ以前
   では、不格好な、単細胞な形で状態復帰が実行されていた。一時停止の際に、
   もしもユーザーが記事を読んでいたならば、その事実を保存し、その記事の識
   別子とスクロール位置も保存し、復帰の際に、もしも一から起動し直す場合に
   は保存したものを復元しようと努めていた。確かに不格好かつ単細胞だったが、
   それでも _常に動作した_。ところが今や、私は素晴らしい場所に行くつもり
   で間違った場所に連れて来られたようだ。この新しい内蔵の状態保存と復帰は、
   _時々_ にしか動作しない。いったい私はどうすればいいのだろうか?

   私の決断は、Apple にいる人たちは当然このバグの存在に気付いているだろう
   という考えに影響され、いずれこのバグは修正されるだろうという期待に後押
   しされた。私には次のような選択肢があった:

* 内蔵の保存と復帰のメカニズムを利用することを止め、以前使っていた不格好
   な方法にすっかり戻す。この道に戻ろうという気は起きなかった。なぜなら、
   私のコードはとても醜悪で、ほとんど解読不能のものだったからだ。

* 二股に分かれたやり方にする。つまり、動作する場合には内蔵の保存と復帰の
   メカニズムを利用し、アプリが一から起動して保存と復帰のメカニズムが動作
   していないことが明らかな場合には以前の不格好なやり方に戻る、ということ
   もできる。けれども、こには二つ問題があった。まず第一に、私の古い醜悪な
   コードが生き続けなければならないことを意味するけれども、私はそうしたく
   なかった。さらにそれより重要な問題は、もしも Apple が突然バグを修正し
   たらどうなるのかという点だった。デバイスが再起動した後でも内蔵の保存と
   復帰のメカニズムが正しく働き出すことは容易に想像でき、そうなった場合に
   私の古い醜悪なコードが何かコンフリクトを起こさないとも限らない。

* 内蔵の保存と復帰のメカニズムのみを使い、いつか Apple がバグを修正して
   くれると期待することもできる。

   私はその第三の選択肢を選んだ。そしてもちろん... もちろん! Apple は今
   も、iOS 6.1 になっても、まだこのバグを修正していない。

   そういう訳で、現状では、もしもあなたがデバイスを再起動すれば(あるいは、
   あなたが愚かにも何か標準外の方法で、例えばアプリ切替インターフェイスの
   「ブルブル揺れるモード」を使って TidBITS News を手動で止めてしまえば)
   _すべての状態保存が失われる_。アプリは _まるでそれまで一度も起動された
   ことがなかったかのように_ 起動する。結果として、保存されたフィードは何
   もなく、もしもその時点でインターネット接続がなければインターフェイスは
   空白のままでエラー警告が出るようになる。当然ながら、もしもインターネッ
   ト接続が _あれば_、まあ、たいていの場合はそうだと思うが、大して深刻な
   問題は起こらない。つまり、TidBITS News は改めてフィードのダウンロード
   をやり直し、記事のリストをリフレッシュするようにあなたが命じた場合と同
   じ動作をするだけだ。

   結果として完璧ではないが、問題となる状況は十分に稀なものであって、たい
   ていの人にとって悪影響を受けることはないはずだ。デバイスの再起動を頻繁
   にするユーザーはそれほど多くないと思うし、たとえデバイスを再起動したと
   しても、アプリが一から起動し直すのを見てもユーザーが腰を抜かすことはな
   いだろう。実際、それこそがデバイスを再起動する _目的_ の一つだとも言え
   る。また、人々は普通アプリ切替でアプリを強制的に止めたりしないものだし、
   もしもそれをするのならば、その結果に責任を持つのは自分以外にないだろう。
   その次にそのアプリが一から起動し直したとしても、文句は言えないのではな
   いか。(ただし、率直に言えば、文句を言う資格があると考える一人の読者か
   ら私は既に電子メールを受け取っているが。)忘れないで頂きたいが、再起動
   する際にインターネット接続がありさえすれば、結果は決して重大なものでは
   ない。

   他方、一時停止の最中にシステム自体がアプリを止めた場合には、内蔵の保存
   と復帰のメカニズムが何の問題もなく働く。その次に TidBITS News を起動す
   れば、それがバックグラウンドで止められたのかそれとも単に一時停止された
   ままだったのか、あなたが見分けることは事実上不可能なはずで、あなたが前
   回見ていた時点で保存されたフィードとインターフェイスが、きちんとその通
   りに再現される。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13552#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13552>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 3 月 4 日
----------------------------------------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13602>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**Scrivener 2.4** -- Literature & Latte が Scrivener 2.4 をリリースし、
   長文執筆プロジェクトに特化したこのワードプロセッサにたくさんの改良や修
   正を加えた。(Scrivener を使って脚本や小説、学術論文、その他を書く方法
   について詳しくは、Kirk McElhearn の "Take Control of Scrivener 2" をお
   読み頂きたい。)今回のアップデートでは、Retina ディスプレイ対応、グロー
   バルとプロジェクトベースで別々のコンパイルプリセット、コンパイルの際に
   標準の Adobe Digital Editions ページを含めるオプション (iTunes Producer
   に持ち込むファイルに含めた場合のエラーに備えてこのオプションのチェック
   を外すこともできる)、前付け部分の後で (あるいはチェックを外した場合は
   一番初めのページで) Kindle ブックを開始するオプション、脚本用シンタッ
   クス Fountain のサポート、Scapple のメモを Scrivener のフリーフォーム
   コルク板モードへドラッグできる機能を追加し、Find and Project Replace
   パネルではテキストフィールドを大きくするとともに不可視文字を表示するこ
   ともできるようになった。修正されたバグとしては、プロジェクトが二日間以
   上開いていた場合に scrivenings モードに施した変更が保存されないことが
   あるという重大なデータ喪失問題、新規プロジェクトを作成した直後にレイア
   ウトを適用した場合に起こったクラッシュ、サンドボックス化された Mac App
   Store 版がプロジェクトをテンプレートとして保存できなかった問題、などが
   ある。

<http://www.literatureandlatte.com/scrivener.php>
<http://www.takecontrolbooks.com/scrivener-2?pt=TB1163>

   Scrivener 2.4 は Literature & Latte ウェブサイトのダウンロードページか
   ら二つのバージョンで入手できる。一つは Mac OS X 10.6 Snow Leopard また
   はそれ以降用 (これは Mac App Store からも入手できる)、もう一つは 10.5
   Leopard および 10.4 Tiger 用だ。この記事を書いている時点で、Mac App
   Store にある Scrivener はまだバージョン 2.3.1 のままだ。しかしながら、
   デモ版を Literature & Latte サイトからダウンロードしてそれであなたのシ
   ステム上の Mac App Store 版を置き換えれば、デモ版が通常通りに登録され
   たバージョンとして動作する。(Literature & Latte からも Mac App Store
   からも新規購入 $45、無料アップデート、35.7 MB (10.4/10.5 版は 31.4 MB)、
   リリースノート)

<http://www.literatureandlatte.com/download_mac.php>
<http://itunes.apple.com/us/app/scrivener/id418889511?mt=12>
<http://www.literatureandlatte.com/scrivChangeList.php>

   Scrivener 2.4 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13600#comments>


**CrashPlan 3.5.2** -- Code 42 Software が CrashPlan 3.5.2 をリリースし
   た。人気あるこのインターネットバックアップソフトウェアに対する小さなメ
   ンテナンスリリースだが、一つだけ大きな変更がある。Mac OS X 10.4 Tiger
   がサポート対象から外れた。(CrashPlan について詳しくは、Joe Kissell の
   "Take Control of CrashPlan Backups" をお読み頂きたい。)CrashPlan サポー
   トページによればバックアップもリストアも引き続き動作するはずだが、今後
   のバージョンの機能を利用できるためにもより新しいバージョンの Mac OS X
   にアップグレードすることを勧めている。CrashPlan 3.5.2 では、Retina ディ
   スプレイ対応、Java 7 への対応、それから日本語、ポルトガル語、中国語 (簡
   体字)、中国語 (繁体字) のローカライズ版が追加された。また、一部のユー
   ザーに起こっていたウェブリストアの際の問題を修正し、クロスプラットフォー
   ムのコンピュータ採択を改善し、システムがスリープから目覚めた際にメニュー
   バーが消えてしまわないようにした。10.5 Leopard またはそれ以降の走る Mac
   ではアプリが自動的に自分でアップグレードする(ただしそれには数日かかる
   こともある)ので、必ずしも手動で CrashPlan 3.5.2 をダウンロードする必
   要はない。(30 日間の CrashPlan+ オンラインバックアップサービス付きで無
   料、21.2 MB、リリースノート)

<http://www.crashplan.com/consumer/crashplan.html>
<http://www.takecontrolbooks.com/crashplan?pt=TB1163>
<https://helpdesk.crashplan.com/entries/23159088>
<http://support.crashplan.com/doku.php/release/3_5_2>

   CrashPlan 3.5.2 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13599#comments>


**DEVONthink と DEVONnote 2.5** -- その情報管理アプリのシリーズに大幅な
   同期機能の強化を施して、DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版すべ
   て (Pro Office、Pro、Personal) と DEVONnote をいずれもバージョン 2.5
   にアップデートした。今回の新リリースでは、Dropbox、WebDAV サーバ、ある
   いは自分でマウント可能なドライブなどを使って複数のコンピュータや保存場
   所との間で、または同じローカルネットワークあるいは VPN 上で動いている
   他の DEVONthink との間で、データベースの同期ができるようになった。同じ
   "sync store" に同僚たちがそれぞれアクセスでき、オフラインで作業をした
   後ですべての変更を(ローカルまたはリモートで)手動ででも自動ででも同期
   させることができる。(詳しいことは、Joe Kissell の "Take Control of
   Getting Started with DEVONthink 2, Second Edition" をお読み頂きたい。)

<http://www.devontechnologies.com/products/devonthink/>
<http://www.devontechnologies.com/products/devonnote/>
<http://www.takecontrolbooks.com/devonthink-2?pt=TB1163>

   三つの版の DEVONthink も DEVONnote もすべて、タグ付け機能が改善され、
   書類リストに Tags カラムが付いて複数の項目を手軽にタグ付けできるように
   なった。DEVONthink Pro Office ではウェブ共有機能が改善され、書類をアッ
   プロード・作成・改名・移動・消去する機能とテキストを編集する機能が提供
   されたほか、画像を変換したり、スキャンして作った PDF を検索可能 PDF に
   変換したりすることもできる。Mac ベースのウェブブラウザに加えて、フルの
   ウェブインターフェイスは iPad 上の Safari でも走る。

   DEVONthink 2.5 の公開ベータ版を使っていた人は、最終版を使うより前にあ
   らかじめ既存の sync store フォルダを(ファイルサーバ、WebDAV ドライブ、
   あるいは Dropbox から)削除しておく必要がある。(いずれもアップデートは
   無料。DEVONthink Pro Office 新規購入 $149.95、リリースノート。DEVONthink
   Professional 新規購入 $79.95、リリースノート。DEVONthink Personal 新規
   購入 $49.95、リリースノート。DEVONnote 新規購入 $24.95、リリースノート。
   TidBITS 会員には DEVONnote もいずれの版の DEVONthink もそれぞれ 25 パー
   セント割引)

<http://www.devontechnologies.com/products/devonthink/devonthink-pro-office/release-notes.html>
<http://www.devontechnologies.com/products/devonthink/devonthink-pro/release-notes.html>
<http://www.devontechnologies.com/products/devonthink/devonthink-personal/release-notes.html>
<http://www.devontechnologies.com/products/devonnote/release-notes.html>
<http://tidbits.com/member_benefits.html>

   DEVONthink と DEVONnote 2.5 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13594#comments>


**PDFpen と PDFpenPro 5.9.5** -- Smile が PDFpen と PDFpenPro をバージョ
   ン 5.9.5 にアップデートした。これら PDF 処理プログラムで、いくつかの誤
   作動を解消するための、小さなメンテナンスリリースだ。今回のリリースでは、
   Full Screen モードに入った際に現在のズームレベルを処理する方法を改善し、
   内部的通知をする際にクラッシュが起こる可能性があったのを避け、ページリ
   ンクを辿る際に稀に起こった問題を修正し、起動時にウィンドウを元に戻す際
   のサイドバーの初期化を修正している。詳しい説明書としては Michael Cohen
   の "Take Control of PDFpen 5" がある。(新規購入 $59.95/$99.95、TidBITS
   会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、47.5/48.5 MB)

<http://www.smilesoftware.com/PDFpen/>
<http://www.smilesoftware.com/PDFpenPro/>
<http://www.takecontrolbooks.com/pdfpen-5?pt=TB1163>
<http://tidbits.com/member_benefits.html>

   PDFpen と PDFpenPro 5.9.5 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13592#comments>


ExtraBITS、2012 年 3 月 4 日
----------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13601>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週は外部の記事で素晴らしいものがたくさんある。南カリフォルニアの KCRW
   ラジオ局で Adam Engst が 4 分間のインタビューを受け、最近の TidBITS ス
   タッフ円卓会議にヒントを得た New Republic 記事が出た。Rob Griffiths は
   Siri と Google 音声入力テクノロジーを比較し、Dan Moren と Lex Friedman
   は iCloud が黙って一部の電子メールを床に落としてしまう様を検討する。ま
   た、Panic 社の人たちが(弓のこを使って)Apple の Lightning Digital AV
   Adapter 内部に極小型のコンピュータを発見する。さらに Apple が iTunes U
   での 10 億ダウンロードを発表し、元 Apple エバンジェリスト Guy Kawasaki
   が将来のスマートフォンのアドバイザーとして Google の Motorola グループ
   に参加する。


**KCRW ラジオで Apple を分析** -- Adam Engst が KCRW ラジオ (南カリフォ
   ルニアで一番の NPR 系列局) で Steve Chiotakis のインタビューを受け、素
   敵な説明を展開した。話題となったのは、Apple にはもともとどんな魅力があっ
   たか、iPhone と iPad はどんな意味で驚くべきものであったか、現在 Apple
   が以前より多くの競合相手に直面しているのはなぜか、同社は今後どのような
   課題に直面することになるか、といった点だ。

<http://blogs.kcrw.com/whichwayla/2013/03/apple-fanatics-grumble-as-companys-stocks-decline>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13604#comments>


**New Republic でブランドにがっかりする** -- 今になっても私たちが Apple
   を支持し続けるのはなぜかを検討したスタッフ円卓会議が New Republic の注
   目を得た。Lydia DePillis が記事 "Apple Agonistes: What happens to Mac
   fanatics when the brand bums them out?" (Apple 闘士: ブランドにがっか
   りした時、Mac の熱狂的ファンに何が起こるか) の中で、私たちの円卓会議を
   引用したのだ。彼女は適切な人選をして多くの人たちにインタビューし、その
   結果この記事には現在 Apple コミュニティーの中で皆が感じている不安のい
   くつかが捉えられている。

<http://www.newrepublic.com/article/112528/apple-blogs-mac-fanatics-disillusioned-over-company-direction>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13603#comments>


**Macworld、iCloud が黙ってする電子メールフィルタリングを追跡** -- 別に
   新しいニュースでも何でもない。Apple はずっと以前から一部の電子メールを
   黙って削除しているし、時には TidBITS のメールを削除したことさえある。
   今回 Dan Moren と Lex Friedman は、iCloud が特定の語句を含んだメッセー
   ジをユーザーに何の断わりもなく削除しているやり方を説明する。これはその
   語句が zip 圧縮された PDF 添付書類の中にある場合にさえ起こる。だから、
   もしもあなたに届くはずのものが届かなかったならば(あなたが気付けばの話
   だが)送信相手に頼んで別の電子メールアドレスに送り直してもらうのがよい
   かもしれない。

<http://www.macworld.com/article/2029570/silent-email-filtering-makes-icloud-an-unreliable-option.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13606#comments>


**Rob Griffiths が Siri と Google Search を比較** -- 私たちは Siri が大
   好きだが、はたしてこの Apple の音声認識テクノロジーは現在最高のものな
   のだろうか? Macworld 記事で、Rob Griffiths が Siri と iOS 用 Google
   Search アプリの音声入力機能とを比較し、Google のシステムの方が「より良
   く、高速で、より直観的だ」という結果を得た。Apple が Google の音声入力
   を iOS の中で Google 自身のアプリの外へ出ることを許すことなどあり得な
   いが、それでも Apple は Siri を Android や Chrome OS の音声入力と競い
   合えるレベルに保つ必要がある。

<http://www.macworld.com/article/2021316/siri-vs-google-search.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13605#comments>


**Panic、Lightning AV アダプタの中に極小コンピュータを発見** -- iPad か
   ら HDTV へのビデオ出力の際の奇妙な挙動に困惑した Panic 社の人たちは、
   弓のこを手にして Apple の Lightning Digital AV Adapter の中を調べてみ
   た。驚いたことに、彼らがその中に発見したものは極小型のコンピュータのよ
   うに見え、プロセッサ一基と 2 ギガビットの RAM (参考のために言えば、初
   代の iPad に内蔵された 256 MB の RAM と同等のもの) が組み込まれていた。
   Panic が当初推測したのは、このプロセッサが AirPlay 信号を出力している
   のではないかというものだった。(それならば圧縮の副作用がスクリーン上に
   現われるのが説明できる。)しかしながら、匿名であるがどうやら知識豊富な
   人物(Apple で働いているのではないかと推測される)からのコメントによれ
   ば、アダプタをこのようにするやり方によって「地球上にあるどのデバイスに
   も出力することが基本的に可能となる、エンドポイントのバスがどんなもので
   あっても (HDMI も、DisplayPort も、また将来発明されるどんなものでも)
   ただそれに対応するアダプタを作ってそれを Lightning ポートに差し込むだ
   けでそこへ出力できるようになる」とのことだ。ぜひ試してみよう!

<http://www.panic.com/blog/2013/03/the-lightning-digital-av-adapter-surprise/>
<http://www.panic.com/blog/2013/03/the-lightning-digital-av-adapter-surprise/#comment-16841>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13598#comments>


**iTunes U で 10 億のダウンロード** -- Apple が、iTunes U コンテンツのダ
   ウンロード数が 10 億本に達したと発表した。iTunes U がマスコミの注目を
   集めることはあまりないけれども、これは Apple にとって最も重要なプロジェ
   クトの一つかもしれない。1,200 以上の大学に加え、1,200 以上の K-12 (幼
   稚園から高校) に属する学校や教育学区が、2,500 以上の一般に公開されてい
   るコースや何千もの非公開コースを提供しており、iTunes U のコースの中に
   は 25 万人以上の学生が受講しているものもあって、iTunes U アプリのダウ
   ンロードの 60 パーセント以上がアメリカ合衆国以外からのものとなっている。
   要するに、iTunes U は驚くべき教育資源であるということだ。

<http://www.apple.com/pr/library/2013/02/28iTunes-U-Content-Tops-One-Billion-Downloads.html>
   (日本語 
)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2013/03/28iTunes-U-Content-Tops-One-Billion-Downloads.html>
   "Apple (日本) - Apple Press Info - iTunes Uからのダウンロード数が 
10億本を突破"

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13596#comments>


**Guy Kawasaki が Google の Motorola Group に参加** -- 元 Apple エバンジェ
   リストであった Guy Kawasaki が、携帯電話メーカー Motorola (現在 Google
   の所有) でアドバイザーの職を得た。彼は製品設計、ユーザーインターフェイ
   ス、マーケティング、ソーシャルメディアに注力する予定で、Apple 社内や
   Macintosh 世界で働いた彼の経験が将来の Google フォンにどのような変化を
   もたらすことになるのか興味深い。

<https://plus.google.com/+GuyKawasaki/posts/JY1xvcpCuer>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13595#comments>


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