TidBITS#1165 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2013年 3月 22日 (金) 04:31:37 PDT


TidBITS#1165/18-Mar-2013
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     英語版: <http://tidbits.com/issue/1165>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1165.html>


   今週の大ニュースは Google から届いた。何か新しいものというわけではなく
   て、古いもの、Google Reader が消え去るというニュースだ。Josh Centers
   が、Google Reader で RSS ニュースフィードを読んだり、他の RSS アプリを
   搭載したデバイスとの間で RSS ニュースフィード同期したりしていた人のた
   めに、これに代わって使えるものをいくつか紹介する。また、Adam Engst は
   この機会を利用して、Google Reader の消滅が何を意味するかを、ツール対プ
   ラットフォームの観点から、出版者対配布者の観点から、インターネット上の
   情報の無限性の観点から、より深く考察する。さて、地に足の着いた話題に戻
   れば、Adam が OS X 10.8.3 アップデートについても検討し、Joe Kissell は
   FlippedBITS をお披露目する。これはテクノロジーに関する思い違いを是正す
   ることを狙った新たなコラム記事シリーズで、さっそくその第一回として Joe
   はハードディスクの複製からブートしている際に気を付けるべきことを説明す
   る。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Snow Leopard および Lion 用
   セキュリティアップデート 2013-001、MacBook Pro Retina SMC アップデート
   1.1、Pear Note 3.1、LaunchBar 5.4.2、Microsoft Office 2011 14.3.2 およ
   び 2008 12.3.6、Default Folder X 4.5.8、それに Dropbox 2.0 だ。

記事:
     OS X 10.8.3 Mountain Lion、なかなか直らなかったバグを修正
     FlippedBITS コラムが新登場
     FlippedBITS: 複製ボリュームから Mac をブート
     Google Reader の代替を探る
     Google Reader 消滅に際しての考察
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 3 月 18 日
     ExtraBITS、2012 年 3 月 18 日


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OS X 10.8.3 Mountain Lion、なかなか直らなかったバグを修正
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13637>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   OS X Mountain Lion 10.8.3 アップデートと、その中に含まれる Safari 6.0.3
   で、Apple はずっと付きまとっていたバグを数多く解消した。その大多数は極
   めて個別的なもので、半年近く前により大幅な 10.8.2 リリースを出した際に
   見過ごされてしまったものたちだ。(2012 年 9 月 19 日の記事“OS X 10.8.2
   が通知センターとメッセージのフラストレーションを緩和”参照。)今回の無
   料アップデートは Mac App Store 経由で入手できるが、Apple のサポートダ
   ウンロードサイトから直接にも差分アップデート (540.46 MB、10.8.2 から)
   と統合アップデート (793.69 MB、10.8 のどのバージョンからでも) の二種類
   の形でダウンロードできるようになった。今回のアップデートに関する問題点
   を私たちはまだ何も耳にしていないけれども、新たな問題が何も発生していな
   いことを確認するまで数日間ほどアップデートせずに待つことをお勧めしたい。
   アップデートの内容を少し詳しく見ていこう。

<http://support.apple.com/kb/HT5612>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT5612?viewlocale=ja_JP>
   "OS X Mountain Lion v10.8.3 アップデートについて"
<http://tidbits.com/article/13274>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1143.html#lnk0>
   "OS X 10.8.2 が通知センターとメッセージのフラストレーションを緩和"
<http://support.apple.com/kb/DL1641>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1641?viewlocale=ja_JP>
   "OS X Mountain Lion アップデート v10.8.3"
<http://support.apple.com/kb/DL1640>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1640?viewlocale=ja_JP>
   "OS X Mountain Lion 統合アップデート v10.8.3"

   嬉しいニュースだ! ファイル URL のバグが消えた。記事“A Simple Text
   String that Crashes Most Mac Applications”(2013 年 2 月 4 日) をご覧
   頂きたい。これはごくマイナーなバグだったが、とても気恥ずかしいものだっ
   たので、Apple が対処してくれて良かった。

<http://tidbits.com/article/13540#comments>

   連絡先アプリではプリントに関係したいくつかのバグが修正された。カードが
   順番通りにプリントされないバグや、住所が間違った位置にプリントされるバ
   グなどだ。私たちは今もまだ主に BeLight Software の製品でより多機能の
   Labels & Addresses を使ってプリントをしているので、これらの問題を経験
   することはなかった。(2008 年 12 月 12 日の記事“Labels & Addresses で
   ホリデーカードに正気を取り戻す”参照。)

<http://www.belightsoft.com/products/labelsaddresses/overview.php>
<http://tidbits.com/article/9939>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-957.html#lnk9>
   "Labels & Addresses でホリデーカードに正気を取り戻す"

   VMware Fusion や Parallels Desktop でなく Boot Camp を使っていて、フェ
   ンスの両側とも最新版を使いたいと思う人のために、10.8.3 では Windows 8
   のインストールに対応するとともに、3 TB ドライブ搭載の Mac にも対応した。

   見た目が素敵なものが大好きな人には、10.8.3 でようやく Mountain Lion の
   Slideshow スクリーンセーバがサブフォルダにある写真を表示できる機能が復
   活し、またログアウトや再起動の後にデスクトップピクチャが変更されてしま
   うバグが修正された。スリープからの復帰後に画面が変になるのが気になって
   いた人も、もうその問題を心配する必要がなくなったはずだ。

   オーディオ関係の修正も二つあるので耳を澄ませよう。一つは 2011 年リリー
   スの Mac でオーディオが途切れていた問題の修正、もう一つは特定のプラグ
   インを使用中に Logic Pro が反応しなくなる問題の修正だ。

   ネットワーキングについては、Mail で Microsoft Exchange アカウント使用
   時の信頼性が向上し、Notes アプリにおいて IMAP サーバとの互換性が向上し、
   Messages でスリープからの復帰後にメッセージが順番通りに表示されない問
   題を修正し、高遅延ネットワーク上で遅れが生じたりシステム環境設定の セ
   キュリティとプライバシー パネルにアクセスするとユーザーをロックアウト
   したりする Active Directory の二件のバグを修正した、と 10.8.3 は約束し
   ている。

   Safari 6.0.3 では、Facebook でスクロールする際と、ウェブページをズーム
   インしながらスクロールする際、およびプラグインコンテンツが含まれている
   ウェブページにおいて、それぞれパフォーマンスを改善している。また、ブッ
   クマークを変更できないという誤った警告が出るバグ、Mac 上の Safari でブッ
   クマークを編集すると iOS デバイスでブックマークが重複表示される問題、
   ペアレンタルコントロールが有効になっていても Google 検索の際にフィルタ
   処理されていない検索結果にアクセスできてしまう問題、それと Safari で前
   のページに戻った際に直前の位置が復元されない問題が修正された。

   いつもと同様、10.8.3 と Safari 6.0.3 の双方とも、数多くのセキュリティ
   脆弱性に対処している。Safari 6.0.3 では WebKit におけるメモり破損のバ
   グが 15 件以上修正されたのに加えて、クロスサイトスクリプティングの問題
   を 2 件解決している。10.8.3 におけるセキュリティ修正も多岐にわたってお
   り、Apache、CoreTypes、International Components for Unicode、Identity
   Services、ImageIO、IOAcceleratorFamily、カーネル、ログインウィンドウ、
   メッセージ、PDFKit、QuickTime その他のコンポーネントやアプリに対処が施
   された。また、このアップデートにより不正な SSL 証明書を許可しないよう
   になった。

<http://support.apple.com/kb/HT5671>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT5671?viewlocale=ja_JP>
   "Safari 6.0.3 のセキュリティコンテンツについて"
<http://support.apple.com/kb/HT5672>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT5672?viewlocale=ja_JP>
   "OS X Mountain Lion v10.8.3 およびセキュリティアップデート 2013-001 
のセキュリティコンテンツについて"

   マルウェア除去ツールについても述べられている。Apple によれば、アップデー
   トのインストールの際にこのツールが走り、マルウェアの最も一般的な変種を
   除去するという。マルウェアが見つかった場合に限り通知が出る。

   最初に述べた通り、10.8.3 と Safari 6.0.3 における変更点はいずれも歓迎
   すべきものだが、Apple が意図せず新たな問題を持ち込んでしまったか否かは
   全くわからないので、今回のアップデートで修正された具体的問題のどれかに
   あなたが日々悩まされているのでない限り、新し物好きの人たちがすべてをク
   リアにしてくれるまで、しばらくこのアップデートをせずに待つことをお勧め
   したい。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13637#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13637>


FlippedBITS コラムが新登場
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     文: Joe Kissell: <joe @ tidbits.com>, @joekissell
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13617>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今日は私たちが始める新しい記事シリーズを皆さんにご紹介したい。私たちは
   この記事シリーズを FlippedBITS と名付けた。[訳者注: あべこべになった
   情報ビット、というような意味です。]私たちがこれを考えたのは、テクノロ
   ジーは思い違いを生みやすく、私たちがものごとをする際に情報の欠如が原因
   で一見もっともらしいけれども間違った思考的モデルを頭の中で作り上げてし
   まうことがあまりにも多いからだ。こうした誤った考えが原因となって、日常
   的に起こる問題を解決するのがより困難となったり、時間と労力とお金の浪費
   に繋がったりすることもある。FlippedBITS 連載記事の一つ一つで、こうした
   誤解を一つか二つずつ取り上げて、事実の白黒をはっきりさせるために最大限
   の努力をしてみたいと思う。

   2 歳になる私の息子はまだ世界がどのように動いているかを学んでいる最中だ
   が、テクノロジーに対する彼の理解が発展する様子はとても興味深い。ほんの
   数ヵ月前、彼はリモコンを手に持って電話のようにそれに話しかけようとして
   いた。彼の頭の中では、片側にボタンが並んでいるプラスチック製の長方形の
   箱は電話であったに違いない。どうして彼がそんな間違いをしたかを推察する
   のは容易いことだ。(それに、公平を期して言えば、私たちの使っていた電話
   とリモコンはとってもよく似ていた。)今では、リモコンが別のものであるこ
   とを彼は理解している。リモコンはテレビに向けて使って大好きな番組を見る
   ためのものだ。そこで今度は、ボタンを押すと音が出るだけのオモチャのリモ
   コンを手渡してみると、彼は混乱してとてもイライラした。どうしてテレビが
   反応しないのか、彼には理解できなかったからだ。

   子供たちがこの種の間違いをするのは当然予想できることだし、子供たちが何
   かを一つの論理範疇に入れてみて、それがうまく当てはまらないのに気付き、
   また別の範疇を試してみる様を見ながら私たちは物知り顔で笑う。そういった
   ことはすべて、子供の成長そのものなのだ。けれども実際のところ、世界を解
   明したいという私たちの試みが止まることはない。大人になった私たちもやは
   り完全には理解できない新しいものに出会うし、そういうものを見て私たちが
   その中身はきっとこんな風になっているに違いないという思考的モデルを頭の
   中で作り始めるのは、ほぼ自動的に、おそらく無意識のうちに、起こることだ。
   そのようなモデルは、ただ単に現在見ているものを説明するための役に立つば
   かりでなく、将来ものごとがどう働くかを予測するための役にも立つ。ただ、
   時々私たちは間違った予測をするのであって、それは決して私たちが悪いわけ
   ではない。

   例えば、私は初めて「レーザープリンタ」という新式のデバイスのことを聞い
   たときのことをよく覚えている。当時私は大学一年生であった。何も書いてな
   い紙を入れると、何かレーザーに関係することのお陰で、鮮やかな黒い文字で
   テキストが印刷されて出てきた。でも、これがどうなっているかという点につ
   いて私が最初に持った印象は、レーザー光線が紙の上に直接文字を焼き付けて
   いるのだろうというものだった。結局のところ、レーザー光線は物を焼き焦が
   すのだから。後になって、レーザープリンタがトナーと呼ばれる黒い粉を使う
   ことを知った私は、自分の理論を修正しなければならなかった。ひょっとした
   ら、レーザー光線を照射する前にまず紙をトナーで覆っておいて、レーザー光
   線の熱でトナーがその場で融けて紙にくっつくのかもしれない。もちろん、そ
   れもまたとんでもなく見当外れの理論であった。当時の私は、レーザー光線が
   帯電を反転させることによりドラムにくっついていたトナーを自由にすること、
   そして紙がドラムに巻き付く際にドラムに残ったトナーが(やはり静電気引力
   で)紙に移ること、それから熱と圧力によってトナーが紙に結合されること、
   などを知る由もなかった。私の考えた理論はいずれも、私が入手できた情報に
   基づけばもっともらしいものに思えたし、プリンタから出てきた紙が暖かいこ
   とを正しく予想してさえいたのだが、それでも私の頭の中の思考的モデルは現
   実を反映したものではなかった。

   レーザープリンタの仕組みを誤解したことは、何も否定的な結果を私に及ぼさ
   なかった。けれども時として、思考的モデルが誤っていることが深刻な問題に
   繋がることもある。もしも自動車のエアバッグの働きに関するあなたの思考的
   モデルが、あらゆる種類の衝突においてエアバッグが完璧な保護を提供してく
   れるというものであったならば、それを根拠にわざわざシートベルトなんかす
   る必要がないと考えてしまうかもしれない。その結果として、例えば自動車が
   ひっくり返る事故に遭えば生死にかかわるかもしれない。

   私の本や記事を読んだ人たちから、あるいは私がどこかで話した講演を聴いた
   人たちから、私はたくさんの技術的質問を受ける。そのうちのかなりの割合の
   ものが、誤った思考的モデルから生まれたものであることを示す言い回しの質
   問だ。例えば、ここ数週間以内に少なくとも三人の別々の人たちから、私はほ
   とんど同じ質問を受けた。「FileVault がディスク上のすべてのファイルを暗
   号化するということは、ファイルを他のディスクにコピーしてもそのファイル
   はまだ暗号化されているのではないか?」というものだ。そうではない! そ
   れは、決してそんなことを意味しない。(いずれ、FlippedBITS 記事でそのこ
   とも説明したいと思っている。)けれども、そういう結論に陥りやすいことは
   容易に推察できるし、この種の誤解の結果として重要なファイルの扱い方に安
   全でない判断をしてしまうのも十分あり得ることだ。

   正直に告白しよう。この種の質問を聞くと、時々私は目を丸くして「何て馬鹿
   げた考え方だ!」と叫び出したい衝動に駆られることがある。でも、私自身も
   また、これまで馬鹿げた思い違いをたくさんしてきた。(おそらく今もまだた
   くさんしているだろう。)何かをきちんと理解していなかったり、あるいはも
   のの働き方について正しくない観念を持っていたりするからといって、それは
   あなたが馬鹿だということにはならない。それはただ、そのものに対してまだ
   十分な情報を得ていないというだけのことだ。そこで、私は全力を尽くしてそ
   れらの欠落した事実を供給することで、皆が正しい道を進めるようにしたいと
   願っている。FlippedBITS で取り上げたい話題として既にかなりの数のものを
   リストアップしてあるが、もしも適切な良い話題をお持ちならばどうぞ提案し
   て頂きたい。

   それで、"FlippedBITS" という名前はいったいどこから出てきたのか? もち
   ろんここ TidBITS にいる私たちが何にでも名前の後に "BITS" を付けたがる
   のはご承知の通りだが、情報 (bit) があべこべになっている (flipped) とい
   うのが、ここで正そうとしている種類の誤りの説明として適切だと思ったのだ。
   ご存じの通り、コンピュータは 1 と 0 の並びとして情報を保存する。bit と
   は、その 1 または 0 を保持することのできる「スロット」だ。その bit の
   保持する値が 0 のときにそれを flip すれば、1 になる。もう一度 flip す
   れば 0 に戻る。時には、プログラミングのエラーや、機械の故障、メディア
   の劣化、宇宙線の照射 (本当の話だ!)、その他気まぐれな出来事により bit
   が flip されてしまうことがある。そして残念なことに、bit がたった一個
   flip されただけで、つまり 0 であるはずが 1 になるか、またはその逆が、
   たった一ヵ所で起こっただけで、一つのプログラムが成功するか失敗するかの
   違いを意味することになりかねない。早い話が、"w" という文字のバイナリ表
   現は 01110111 だけれども、それとほとんど同じでたった一個の bit を flip
   した 01110011 は "s" という文字になる。たった一個の bit の flip が、
   "win" (勝利) という単語を "sin" (罪) という単語に変えてしまうのだ!

   そういうわけで、願わくはこれから長く続いて皆さんのお役に立てる記事シリー
   ズとなるべき FlippedBITS の第一回、“FlippedBITS: 複製ボリュームから
   Mac をブート”(2013 年 3 月 13 日) に読み進んで頂きたいと思う。

<http://tidbits.com/article/13618>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1165.html#lnk2>
   "FlippedBITS: 複製ボリュームから Mac をブート"


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13617#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13617>


FlippedBITS: 複製ボリュームから Mac をブート
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     文: Joe Kissell: <joe @ tidbits.com>, @joekissell
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13618>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   FlippedBITS の第一回となるこの記事では、あなたの Mac をその起動ディス
   クの複製(いわゆる「クローン」)からブートした場合に何が起こるかについ
   て検討してみたい。その際いくつかのよくある混同、特にバックアップの継続
   や、その他のタイプのデータの同期について何が起こるかという点についても
   はっきりさせておきたい。

   もう何年も前からずっと、私は三方面のバックアップ、つまりバージョン分け
   されたバックアップ (例えば Time Machine や CrashPlan を使ってできる)、
   ブート可能な複製 (あなたの起動ディスク上にあるすべてのものの完璧なコピー
   を、外付けドライブの上に保存したもの)、それからオフサイトのデータ保存
   (クラウド上か、または物理的メディアを他の場所へ持ち回りすることによる)
   の三つを含むバックアップ戦略を推奨してきた。それらを組み合わせることに
   よって、あなたのデータはほとんどどんな災厄からも守られるし、万一の場合
   にも可能な限り簡単に復旧ができるからだ。(私が提案する戦略について詳し
   いことは、特にブート可能な複製の作成のしかたについては、"Take Control
   of Backing Up Your Mac" をご覧頂きたい。)

<http://www.takecontrolbooks.com/backing-up?pt=TB1165>

   Carbon Copy Cloner や SuperDuper などのツールを使って複製を作るのは簡
   単だ。それを済ませておけば、システム環境設定の「起動ディスク」パネルを
   使うか、あるいは再起動の際に Option キーを押さえておいてその複製を含む
   ボリュームを選ぶかすれば、その複製を使って Mac を起動できる。こうする
   ことで、仮に起動ディスクで何かがおかしくなっても、あなたはすぐに仕事に
   戻ることができる。複製を使って走らせればあなたの Mac は何事もなかった
   かのように働くからだ。ここまでのところは、何も問題ない。

<http://bombich.com/>
<http://www.shirt-pocket.com/SuperDuper/SuperDuperDescription.html>

   けれども、バックアップについて書いたさまざまの本や記事を読んだ人たちと
   私がやり取りした数限りない電子メールでの会話に基づいて言えば、いったん
   複製からブートした後で何をすべきかは明確でないことがありがちだ。複製が
   元のディスクとあらゆる状況で全く同じ挙動をすると期待する人たちもいるが、
   それは厳密には正しくない。また、複製が元のディスクと違うことを気にする
   あまり、複製のままではあらゆる種類の問題が起こり、余分の不必要な作業が
   必要となるのではないかと心配する人たちもいる。そういったものごとを解き
   ほぐすために、まずは曖昧さの一番少ない状況から話を始めよう。


**起動ドライブを交換する** -- あなたの Mac の内蔵ハードドライブが完全に
   死んでしまって、そのドライブをあなたの Mac から取り外してから、ブート
   可能な複製として作ってあったドライブと交換する場合を考えよう。この場合、
   あなたの Mac はその新しいハードドライブが以前と違うブランド、容量、速
   度を持っているかどうかを全く気にしない。Mac にとって重要なのは、以前と
   同じデータが以前と全く同じ場所にあるディスクだということだ。だから、あ
   らゆる実用的な目的において、それは以前と同じディスクだ。つまり、あなた
   はまるで何事もなかったかのように使い続けることができ、バックアップも含
   めてあらゆることが、これまで通りの場所から、同じように働くはずだ。まず
   間違いなく、それはまさにあなたの望んだことだろう。

   さて、ここに一つだけちょっと注意しておかなければならないことがある。あ
   なたがその複製を作成した時点と、それを使い始めた時点との間に、時間差が
   あった場合はどうすればよいのだろうか? もしも、その時間差の間に、あな
   たが起動ディスク上のデータを作成したり編集したりしていて、それをブ−ト
   可能な複製とは別の場所にバックアップしていたらどうすべきか? その場合、
   あなたが使い始めた新しい起動ディスクは少し古くなっているわけで、それを
   最新の内容にするために、あなたはその別のバックアップに行き、最後に複製
   を作成したよりも _後に_ 変更を受けた重要なファイルを見つけ出してリスト
   アしなければならないだろう。そのための手順は、残念ながら、完全に手動の
   作業になってしまうことが多い。バックアップ用アプリの多くは(ここでもや
   はり Time Machine と CrashPlan を念頭に置いているが)単純に「時刻 x よ
   り _後に_ 変更を受けてバックアップされたファイルのみをすべて表示する」
   方法がない。おそらくあなたは、バックアップアーカイブの中で多数のフォル
   ダを一つ一つかき分けて、欲しいファイルを探し出さねばならないだろう。も
   ちろん、特定の時刻以後にバックアップされたもの _すべて_ について既存の
   ものを上書きしてリストアするようにソフトウェアに命ずることは可能かもし
   れないが、それには相当長い時間がかかるだろう。他の機能は非常に充実して
   いる多くのバックアップアプリが、この目的でにはうまく使えないのはとても
   残念なことだ。


**外付けドライブからブートする** -- たった今説明した状況が曖昧さの一番少
   ないものだが、それはまた比較的稀にしか起こらない状況でもある。一方最も
   起こり得る状況は、これはより多くの混乱を伴いやすいものでもあるが、通常
   の起動ディスクがまだ存在して機能しているけれども、そこに複製のディスク
   を繋いで一時的にそちらからブートする場合だ。その複製がちゃんと動作する
   かどうか確認するためにそうしているのかもしれない(その場合、複製から走
   らせるのはほんの数分間だけかもしれない)し、あるいは起動ディスクに問題
   が生じていて、いつもの仕事を続けつつディスク修復ユーティリティを走らせ
   たいのかもしれない。

   いずれにしても、まずはここで問題には _ならない_ 点から説明を始めよう。
   一つには、起動ディスクが外付けかどうかは問題でない。動作速度を別にして
   考えれば、起動ディスクが内部の SATA ポートに接続されていようと、USB、
   FireWire、Thunderbolt、あるいは他のどんな方法で接続されていようと、Mac
   は全く同じに動作するはずだ。だから、このことは少しも気にする必要がない。

   もう一つは、複製からブートしている間にクラウドとの同期が起こっても問題
   でない。例えば、iCloud を使っているならば、カレンダー、連絡先、ブック
   マーク、その他がバックグラウンドで同期される。複製ディスクの上にある古
   いデータがクラウド上のより新しいデータを上書きしないかと心配する必要は
   ない。それどころか、実はクラウドにある方が「マスター」コピー(「本物」
   と呼ばれることもある)なので、あなたの複製ディスク上のデータの方が最新
   のものに変わる。同じように、Dropbox やその他のクラウドベースのファイル
   保存サービスを使っているならば、やはりあなたのディスク上のデータをクラ
   ウド上の本物を使って最新にしてくれるので、あなたがそのことについて頭を
   悩ます必要はこれっぽっちもない。

   (ただし、電子メールに POP を使っている場合、あるいはルールやフィルター
   を使って IMAP または Exchange サーバから届く電子メールをローカルのメー
   ルボックスの中へ仕分けしている場合は、頭を悩ます必要が _ある_。複製ディ
   スク上のものは簡単な手順では元のものに適用できない方法で変更されてしまっ
   ているので、確信が持てない場合は複製ディスクからブートしている間は電子
   メールをチェックしない方が安全だろう。)

   エイリアスについて心配する必要すらない - 通常は。現在のブートドライブ
   上にある項目のエイリアスを作れば(これには Finder のサイドバー上の項目
   や、あなたのログイン項目のリストに並ぶものも含まれる)Mac OS X がそれ
   に対する _相対的_ リンクを作成する。つまり、もしもあなたが複製ディスク
   を作って、その複製ディスクからブートし、エイリアスを開けば、その結果開
   くものはその複製ディスク上のものであって、元のディスク上にあるものでは
   ない。(おそらくあなたはそうなることを望んでいるだろう。)だからと言っ
   て、あなたの Mac にスクリプトや、あなたが Terminal で作成したシンボリッ
   クリンク、あるいはその他ファイルやフォルダをディスク名を使って参照する
   ポインタが含まれていないとも限らないし、もしもそういうものが存在すれば、
   あなたが知らないうちに違うファイルやアプリケーションを開いてしまったり、
   違うディスクにデータを保存してしまったりということが起こり得る。(もし
   もそのことが心配で、開こうとしているものがどれであるかを絶対確実に知り
   たいと思うならば、複製からブートしている際はディスクのトップレベルから
   手動でナビゲートすればよい。)

   しかしながら、あなたは気付かないかもしれないが、少なくとも一つの重要な
   ことが違っている可能性が高い。たとえあなたの複製ディスクに元の起動ディ
   スクと同じ名前が付いていたとしても(おそらくそうなるのが最も一般的だろ
   うが)時として少しばかり変なことが起こり得る。Mac OS X は、二つの全く
   同じ名前のボリュームを同時にマウントさせてくれないからだ。Finder の中
   では両方が同じ名前を持っているように _見える_ かもしれないが、もしも既
   に "Macintosh HD" という名前のボリュームをマウントしていて、二つ目のも
   のをマウントしようとすれば、舞台裏で、二つ目には作業用の異なる名前が付
   く。(この場合は "Macintosh HD 1" となる。) その理由は、Mac 上では名前
   によるディスクの区別に依存してたくさんのことが起こっているからだ。名前
   だけではディスクの区別に曖昧さが生じるということになってしまえば、ファ
   イルが間違った場所に保存される事態が起こりかねない。

   通常は、このようなその場限りの改名で、問題なくものごとが進む。けれども
   絶対確実というわけには行かない。"Macintosh HD" と "Macintosh HD 1" が
   マウントされている状況で、もしもネットワーク上にいる別のユーザーがあな
   たの Mac に接続して、ファイルを今の "Macintosh HD"、つまりあなたの複製
   ディスクにコピーしたとすればどうなるだろうか? あなたはそれに気付かな
   いかもしれないが、その後あなたがいつもの起動ディスクに戻った時には、あ
   るはずのファイルがもはや存在していない。同じようなことが、ファイル同期
   アプリや、ソフトウェアのダウンロード、その他のことでも起こり得る。その
   上、Mac OS X が混乱してしまい、舞台裏でのボリューム名のリストを正しく
   アップデートしないことも時々あるので、例えば "Macintosh HD" があなたが
   "Macintosh HD 1" よりも _あとで_ マウントしたボリュームになってしまう
   状況に遭遇するかもしれない。

   他方、複製ディスクの名前を変えても必ずしも問題は解決されない。例えばあ
   なたの通常の起動ディスクが "Cindy" だとして、あなたが一時的に "Kate"
   からブートしたとすると、今のところは名前のミスマッチの問題を避けられる
   かもしれない。けれども、後になって、恒常的に "Kate" で起動するようにな
   れば、まだデータを "Cindy" に保存するつもりでいるアプリやユーザーたち
   が混乱してしまう。結局のところ、私は複製ディスクを元のディスクと同じ名
   前にしておく方がより良い結果が得られると思うが、問題を起こさないために
   も複製の方で走らせている間はいくつかの注意点(すぐ後で説明する)を念頭
   に置いておくべきだと思う。

   それと同時に、もう一つの微妙なバックグラウンドプロセスにも気を配ってお
   くべきだろう。そう、バックアップだ! 結局のところ、おそらくあなたのバッ
   クアップソフトウェアは自動的に動作するように設定されているのだろう。例
   えば一時間に一度 (Time Machine の場合) あるいは常時 (CrashPlan の場合)
   といった具合に。通常、Mac をブートした直後はバックアップが即座に始まる
   ことはないが、10 分か 15 分以内には走り出すことが多い。それより長い時
   間にわたって複製から Mac を走らせ続けたい場合はどうすべきだろうか? い
   つも通りにバックアップを走らせる(つまり複製の方をバックアップする)べ
   きか、それともバックアップをオフに切り替えるべきか?

   一般的に言って、バックアップを走らせ続けても別に害はないし、むしろ利益
   が大きいと私は思う。あなたのバックアップソフトウェアはその複製ディスク
   があなたの通常の起動ディスクであるかのように挙動し、あなたが通常通りに
   再起動したかのようにしてファイルをいつも通りの保存先へコピーし続けるだ
   ろう。それはおそらく、まさにあなたが望むことだ。なぜなら、複製ディスク
   で走らせている間にファイルを作成または変更すれば、それがバックアップさ
   れるからだ。実際のところ、問題が起こりやすいのはそれと反対の場合だ。つ
   まり、あるファイルを変更してもそれが(おそらく定時バックアップの時刻が
   まだ来ていなかったため)バックアップされなかった場合にはどうなるだろう
   か? あなたが通常の起動ディスクに戻ると、そのファイルはもはやそこには
   なくて(または古い状態のままで)しかもバックアップにも残っていない。も
   ちろん複製ディスクの方には残っているけれども、それが手に入るのはあなた
   がその複製ディスクを次にアップデートするより前にそのディスクの中をチェッ
   クする気になった場合のみだ。それを忘れて複製ディスクをアップデートして
   しまえば、おそらくその新しいファイルは起動ディスク上にないので削除され
   てしまうだろう。

   以上のことをすべて考えに入れた上で、短期間だけ複製からブートしなければ
   ならない場合にあなたが守るべき注意点として、私は次のことをお勧めする:

* ファイルの作成・変更・ダウンロードを避けることができるならば、なるべく
   避けよう。避けられない事情がある場合は、そのファイルをクラウドに同期す
   るか、通常の起動ディスクにコピーするか、バックアップするか、あるいはそ
   の他の方法を使って、あとで通常のディスクに戻ってもそのファイルが使える
   ようにしておこう。

* 通常の、バージョン機能付きのバックアップ (Time Machine や CrashPlan な
   ど) を、いつも通りに動かしておこう。ただし、いつものディスクに戻る前に
   (すぐ前の項目で述べた通り)作成せざるを得なかったファイルが間違いなく
   バックアップソフトウェアでバックアップされたことを確認しよう。

* ブート可能な複製に対しては、スケジュールで動くアップデートをすべてオフ
   にしておこう。あなたが絶対に望まないのは、あなたがテストをしている最中
   に複製ディスクが勝手に自らをメインの起動ディスクの上へクローンしたり、
   あるいは何かのソフトウェアが勝手な行動をして元のディスクのクローンを現
   在ブートしている複製ディスクの上へクローンしたりし始めるといった事態だ。

* 他のユーザーたちがあなたの Mac に接続させないように、とりわけファイル
   をアップロードさせないようにしよう。


**別の Mac からブートする** -- もう一つ、考えておくべき状況がある。ある
   Mac を、別の Mac の起動ディスクの複製でブートする場合だ。例えば、あな
   たが iMac の起動ディスクの複製を作っておいたとして、その iMac を修理の
   ために店舗に持って行かなければならなかったとしよう。修理を待つ間、あな
   たはその複製を MacBook Pro に繋いで、それが iMac である「ふりをして」
   使うことにする。その MacBook Pro が iMac で走っていたものと同じバージョ
   ンの Mac OS X に対応している限り、このお膳立ては問題なく働くはずだ。た
   だし、もう皆さんは予想して下さっているとは思うが、注意点が二つある。

   まず第一に、この状況はさきほど説明した状況、つまり Mac を一時的に別の
   ドライブからブートする状況と見かけ上はよく似ているけれども、状況が継続
   する時間枠が長い(数時間でなく数週間になるかもしれない)ところが違って
   いる。だから、ファイルの変更や電子メールのチェックなどの作業を避けると
   いう方針は現実的でない。そこで、この MacBook Pro 上の複製ディスクは通
   常あなたが iMac の内蔵ドライブを使うのと同じように使うことをお勧めした
   い。そして、iMac が修理から戻ってくれば、外付けの複製をそちらに繋ぎ、
   逆向きクローンの作業(つまり、外付けドライブの内容すべてを iMac を起動
   した内蔵ドライブの中へコピーして戻す作業)をすればよい。

   第二に、あなたの MacBook Pro が複製で走っている間、それは _ほとんど_
   あらゆる面で iMac で _ある_ かのように走る。ファイル共有やスクリーン共
   有といったものでは、iMac の名前さえ使うことになる。けれども、すべての
   Mac はそれぞれ固有の識別子をいくつか持っている。シリアル番号、UUID
   (universally unique identifier)、各ネットワークインターフェイスごとの
   MAC (media access control) アドレス、といったものだ。ソフトウェアによっ
   ては、それが認証あるいはライセンスを受けたものと同じ Mac で走っている
   ことを確認するために、これらの識別子のどれかをチェックすることがある。

   最も一般的な実例が iTunes だ。その iMac があなたの iTunes アカウントを
   利用するように認証されているならば、その iMac のディスクの複製を使って
   MacBook Pro を起動しても、その MacBook Pro が自動的に認証されるわけで
   はない。その MacBook Pro をまだ認証していないのならば、改めて手動で認
   証しなければならない。(iTunes で、Store > Authorize This Computer を
   選ぶ。)けれども認証回数を既に使い尽くしている場合は(Apple は一人あた
   り認証を五回までに制限している)他のコンピュータの認証を外すか、あるい
   はすべての認証を解除しない限り、このコンピュータであなたの iTunes アカ
   ウントを使うことはできない。(Apple は認証解除を一年に一回のみに制限し
   ている。)他のソフトウェアにも、同じような(あるいはもっと酷い)苦難を
   要求するものがあるかもしれない。

<http://support.apple.com/kb/ht1420>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT1420?viewlocale=ja_JP>
   "iTunes Store:認証と認証解除について"


**心配する必要はない** -- こうやって説明してくるとやたら複雑に聞こえるか
   もしれないが、Mac を複製ディスクからブートするのはたいていの場合単純な
   ことであって問題は起こらないだろう。それでも、万一に備えて、背景で何が
   起こっているかをしっかり把握しておくに超したことはない。特に、その複製
   ディスクをかなり長期間使うことになりその間ファイルを作成したり変更した
   りすることになるのかどうかについて、よく考えて心構えをしておくべきだ。
   それが当てはまらない場合は、単純にそのまま元のディスクに戻しても心配な
   い。けれども、かなり長期間にわたってその複製ディスクを使う場合は、それ
   が終わった後に元のディスクへ逆向きクローンの作業をする必要がある。

   最後にもう一言: 複製は、できるだけ頻繁に更新しておこう。一時間ごとに
   更新するのはやり過ぎだろうけれども、一日に一回か二回というのは悪くない
   考えだと思う。忘れないで頂きたいが、複製を最後に更新してから長い時間が
   経てば経つほど、そこからブートする必要に迫られた際に、欠けたファイルや
   古過ぎるファイルに直面する可能性が高くなり、その復旧のために大変な苦労
   をしなければならなくなるのだから。


   ----
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   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13618>


Google Reader の代替を探る
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     文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13642>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   Google は Google Reader RSS 集約そして同期サービスを 1 July 2013 に終了
   すると言っている。(話を簡単にするために、我々は馴染みの言葉である "RSS"
   を、 RSS と Atom ニュースフィードフォーマット及び配給のニュースフィード
   の全体的なエコシステムの両方を意味するものとして使用する。) Reader は出
   版者に対してのトラフィックを、同社の Google+ サービスよりも多く生成して
   いるという報道があるにも拘わらず、この決定はなされた。Web クライアントが
   無くなると言うことだけでも悪いのに、多くの RSS アプリ開発者は同期処理と
   検索のアップデートのために Google Reader に依存してきたので、多くの独立
   の RSS リーダーの将来は疑わしい。これには、現在 Black Pixel に所有されて
   いる尊敬すべき NetNewsWire for Mac OS X も含まれる。(Google Reader の終
   焉が何を意味するかについて更に考えたければ、Adam Engst の "Google
   Reader 消滅に際しての考察" 14 March 2013 を参照。)

<http://www.buzzfeed.com/jwherrman/google-reader-still-sends-far-more-traffic-than-google>
<http://tidbits.com/article/13636>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1165.html#lnk4>
   "Google Reader 消滅に際しての考察"
<http://netnewswireapp.com/>

   開発者達は、Zite 及び Digg も入るが、Google の発表によって残されたギャッ
   プを埋めようと懸命の努力をしている。RSS 競争は続いており、Google Reader
   が消滅する時までには新しい動きも見えてくるであろう。しかしながら、それで
   は現在の Reader ユーザーの役には立たない。幸いにして、移行の苦しみを和ら
   げてくれる既存の製品も幾つかある。Online Journalism Blog の Paul
   Bradshaw は Google Reader 代替品についてのコメント募集を載せ、そして嬉し
   いことに、その結果をスプレッドシートに纏めてくれたので、どんなものがある
   のか調べたり、競合製品を比較したり出来る様になっている。

<http://blog.zite.com/2013/03/14/google-reader-is-dead-so-we-rebuilt-it-for-you-in-zite-in-six-hours/>
<http://blog.digg.com/post/45355701332/were-building-a-reader>
<http://onlinejournalismblog.com/2013/03/14/alternatives-to-google-reader-which-one-will-you-use-comment-call/>
<https://docs.google.com/spreadsheet/lv?key=0ApTo6f5Yj1iJdFRfWmhUVjV0WkktTjJhUUE4dGR5WUE&toomany=true>


**Google から Takeout を** -- まず最初にやるべきことをやろう。Google
   Reader からあなたの加入契約データをエクスポートする。こうすれば将来どの
   時点でも他の RSS リーダーに切り替えられる柔軟性を持てる。Google はそのデー
   タ移植サイトである Google Takeout 経由での直接的な方法を提供している。そ
   のサイトを訪れ、もし要求されたらログインし、そして Choose Services ボタ
   ンをクリックする。出てくる一連のボタンの中から、Reader をクリック、そし
   て Create Archive をクリックする。ファイルそのものは巨大ではないであろう
   が、Google がそれを生成するのには恐らく多少の時間がかかるであろう。もし
   待ってなんかいられないというのであれば、"Email me when ready" のチェック
   ボックスを選択しそしてその間何か他の事をやることも出来る。

<https://www.google.com/takeout/>
<http://tidbits.com/resources/2013-03/Google_Takeout_building.png>

   Google Reader エクスポートは、ダウンロード出来る Zip ファイルとして纏め
   られる。その中には各種のメタデータをもった幾つかの JSON ファイルがあるが、
   一番重要なのは subscriptions.xml と呼ばれるファイルである。これは OPML
   フォーマットの XML ファイルであり、RSS リーダーに対する標準的なインポー
   トとエクスポートのフォーマットである。このファイルであれば、殆ど如何なる
   RSS クライアントへでもインポート出来、あなたの Google Reader 加入契約を
   復元出来る。

<http://tidbits.com/resources/2013-03/Google_Reader_export.png>

   (もし NetNewsWire を使って Google Reader と同期しているのであれば、あな
   たの加入契約は手元でもエクスポート出来る。同期を完了していることを確認し、
   それから、File > Export Subscriptions を選択、OPML ファイルを作成する。)


**簡単な解をフィードして** -- もしワンクリックの移行を探しているのであれ
   ば、最善の策は Feedly であろう。これは Google Reader クライアントで、色々
   な形態が用意されていて、Web クライアント, Chrome エクステンション,
   Safari エクステンション, Firefox アドオン, iOS アプリ, そして Android ア
   プリが含まれる。Feedly クライアントの一つからあなたの Google Reader アカ
   ウントにログインすると、あなたの加入契約を魅力的な、雑誌スタイルのフォー
   マットで表示してくる。これはタッチスクリーンにはピッタリである。

<http://www.feedly.com/>
<http://tidbits.com/resources/2013-03/Feedly.png>

   Feedly に関して最も説得力ある点は、その見栄えではなく、間もなく提供され
   る Normandy サービスで、これはあなたの機器間であなたの加入契約を同期して
   くれる。Google Reader がその扉を閉じる時、Normandy は舞台裏でそれに取っ
   て代わる。それが継ぎ目のない移行であることを望みたい。他の開発者もまた
   Normandy に対するサポートを組み込める。

<http://blog.feedly.com/2013/03/14/google-reader/>


**Fever っぽい** -- Feedly は素晴らしいが、難点は RSS を読むためにもう一
   つの企業に依存しなければならないことである。もし少々のシステムアドミンな
   ら手におえると言うのであれば、Fever は検討に値する。Fever は自己ホスト型
   のニュースリーダーとフィードアグリゲーターである。値段は $30 で、自前の
   Unix サーバーを用意し Apache, MySQL, そして PHP が走っていなければならな
   い。もし私が何を言っているのか皆目見当もつかない人には、Fever は向いてい
   ない。

<http://www.feedafever.com/>

   Fever と Google Reader は機能的には同等である。Fever の中のニュースはそ
   の Web クライアントを通して読む。Fever と Google Reader の違いは、Fever
   は記事を "温度" によってソートしそして集める。この温度とは、その記事がど
   れだけ多くのリンクとどれだけ多くの議論を生成したかによって計算される点数
   である。

   Fever は、iPhone や iPod touch のための Reeder RSS クライアントのファン
   にとっては興味深い、というのもそれはもう既に Google Reader に加えて
   Fever もサポートしているからである。残念ながら、Mac 及び iPad バージョン
   の Reeder は Fever をサポートしないので、これらのプラットフォーム上では
   Fever の Web アプリに頼らなければならない。しかしながら、Fever は Mac 上
   でのサイト専用のブラウザ Fluid 経由でなら働くので、その Web インターフェー
   スを Mac アプリに変え、そして Dock には未読の項目の数まで表示する。
   iPhone と iPod touch のための他の専用 Fever クライアントが欲しければ、
   Sunstroke がある。

<https://itunes.apple.com/us/app/reeder/id325502379?mt=8>
<http://fluidapp.com/>
<https://goneeast.com/sunstroke/>


**いい Vibe だ** -- Google は、単に Reader を殺すだけではなく、個人化さ
   れた Web ポータルである iGoogle も 1 November 2013 に閉じようとしている。
   幸いにして、両方を置き換えることの出来る昔懐かしいものがある:Netvibes
   である。

<http://support.google.com/websearch/bin/answer.py?hl=en&answer=2664197>
<http://www.netvibes.com/>

   Netvibes は数年前に個人化された Web ポータル、iGoogle の様な、を始めたが、
   それ以降 RSS リーダーとしても進化した。クリック一つでモード間の切り替え
   が出来る。ウィジェットモードでは、個々のフィードフォルダはタブとして現れ、
   そして個々のフィードがそれ自身のウィジェットとなる。このモードは読むため
   には使い辛いので、大抵の人は恐らくリーダーモードの方を好むであろう。この
   モードでは、フィードはより伝統的な形で提供される。

<http://tidbits.com/resources/2013-03/Netvibes_widgets.png>
<http://tidbits.com/resources/2013-03/Netvibes_RSS.png>

   Netvibes の更なるうまみは、あなたのインターフェースに単なる RSS フィード
   以上のものを付け加えたことから来ている。メールのためのウィジェット、
   Google Analytics、天気、等々である。また、まずまずと言えるモバイルサイト
   もある。もっとも何らかの理由からそれを iPhone ホームスクリーンに保存して
   も、結果として現れる Web アプリは iPhone 5 のスクリーンを一杯にはしない。

   残念ながら、Netvibes は年齢を感じさせる。そのデザインは旧式だし、動きも
   遅くそして不格好な感じがする。しかしながら、もし Google Reader と
   iGoogle の両方を失うことで痛みを感じているのであれば、これは当座しのぎと
   しては悪くない。そして Netvibes はあなたのフィードをエクスポートさせてく
   れるので、後になってもっといい所が見つかったら簡単に引っ越しできる。


**RSS: まだ死んではいない!** -- Google は Google Reader の停止に対して、
   ユーザーにも開発者にも十分な対応時間を与えなかった。既に代替策も幾つかあ
   り、そしてこれから登場するものもあるであろうが、開発者がアップデートする
   のを止めたり或いはユーザーが期限までに移行しなかったりした場合、Google
   Reader の同期能力に依存している多くのアプリはこの移行で壊れてしまうであ
   ろう。

   しかし、RSS 信奉者よ、恐れることなかれ。有用なインターネット技術は、絶え
   間なく変化し続ける環境に合わせて常に進化している。電子メールの持続性に勝
   る証拠は無い。メールは多くの職業人に対する通信の基本的形態であり続けてい
   る。メールはオープン標準に基づいており、中央権力もいないし、そして巨大企
   業によって支配されることも有りえない。Google+, Facebook, そして Twitter
   と言ったソーシャルネットワーキングとはそこが違う。Google Reader の死に対
   するオンラインでの怒りが本物だとすると、RSS 経由での Web アップデート配
   給や Atom フィードは、近い将来においても意味のあるものとして生き残るであ
   ろう。

   FUD - 恐怖、不安、そして疑念 - という化け物に苛まれるよりも、RSS の愛好
   者はもしろ喜ぶべきである。Google Reader は、良好な解を無料で提供すること
   で、長年の間、全 RSS 世界を実質的に独占してきた。そしてその来るべき死を
   見越して、数えきれない程の開発者が、単に Google Reader を置き換えるだけ
   でなく更にそれを超越していくものを意図した代替策を作り出そうとしている。


     ----
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Google Reader 消滅に際しての考察
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13636>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   私が特にそれほど RSS リーダーを使ったことがないことは真っ先に認めよう。
   確かに、私の Mac には NetNewsWire があって、20 か 30 ほどの RSS を購読
   しているが、起動するのは年にほんの数回、TidBITS の内輪の RSS フィード
   に何か問題が持ち上がったときくらいだ。私は Google Reader アカウントも
   持っているが、そこにログインするのもやはり年に数回程度だ。私が RSS で
   するほんの少しのことは、Blogtrottr の RSS-to-email サービスを経由して
   すべて電子メールに送っている。(こうして RSS の連続的媒体を電子メール
   の連続的媒体へと翻訳している。インターネットの先駆者 Brad Templeton が
   この問題に見解を述べているのをぜひお読み頂きたい。その中で彼は、連続的
   な媒体、ブラウズされる媒体、抽出される媒体の違いを見事に切り分けて論じ
   ている。)

<http://blogtrottr.com/>
<http://ideas.4brad.com/importance-serial-media-vs-sampled-and-google-reader>

   だから、2013 年 7 月 1 日をもって Google Reader を終わりにするという
   Google の発表も私にはあまり関係がないのだが、数多くの忠実なる Google
   Reader ユーザーたちの悲しき叫び声を見過ごすことは不可能だ。彼らは問い
   かける:「いったいなぜ私たちを見捨てるのか、Google よ? 私たちはこれか
   らどうすればいいというのか?」第二の質問に対するいくつかの実用的な答に
   ついては、記事“Google Reader の代替を探る”(2013 年 3 月 17 日) をご
   覧頂きたい。そして、第一の質問については、Google が公に言明した「年を
   追って使用度が減った」という言葉が唯一の手掛かりだろう。

<http://googleblog.blogspot.com/2013/03/a-second-spring-of-cleaning.html>
<http://tidbits.com/article/13642>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1165.html#lnk3>
   "Google Reader の代替を探る"

   でも、この動きの背後には何があるのだろうか、そして、より一般的にこれは
   何を意味するのだろうか? 一つには、クラウドベースのツールへの依存を避
   けることがますます難しくなりつつあるというのに、インターネット上にある
   あらゆるものはいつ何時予告なく消え去るかわからないという事実がある。ま
   た、ツールとプラットフォームとの間にあるいくつかの興味深い差異をも示唆
   しているし、さらには出版者たち(インターネット上のコンテンツを制作する
   人は皆、つまりはすべての人が、出版者の役割を果たしている)と、Google、
   Facebook、Twitter といったとてつもなくパワフルな配布者との間にますます
   高まる緊張関係をも示している。さらに、Google Reader はインターネット上
   に無尽蔵にある情報の量が私たちに仕掛けてくる静かなる戦いの、また新たな
   犠牲者であるとも言える。


**煙となって消える** -- 諺に言う通り、変化を避けることはできないし、私た
   ちはそれに慣れて行かなければならない。けれども私がここで言いたいのは、
   実際にはそれは本当でないということだ。たいていの大人にとって、毎日はそ
   れほど変化に富んだものでなく、似たようなことが日々繰り返される。人生の
   中で、たいていの人は一人か二人の配偶者しか持たず、一人か二人の子供しか
   持たず、片手の指で数えられるほどの家しか持たず、大して多くない数の職業
   にしか就かない。Tonya と私は 45 歳だが、大人になってからこれまでたった
   5 台の自動車しか持たず、最初の頃の中古車を別にして、初めて新車を買った
   1991 年以後の 22 年間に限ればたった 3 台だ。仕事の性質上私たちはたいて
   いの人より多くの Mac を所有したが、それでも私たちが新しいコンピュータ
   を購入するのは 3 年から 5 年に一度だ。来る日も来る日も、私たちは先週や
   先月とほぼ同じやり方で人生を生き、大まかに言ってしまえば、毎年毎年その
   前の年とほぼ同じことを繰り返している。

   こんな風に話を始めたのは、私たちが(ここでもやはり私は一般的な話をして
   いる)ものごとが同じであることに慣れるものだと言いたいからだ。なぜなら
   ものごとは実際同じであることが多いからで、それは私たちが使うツールにも、
   私たちが慣れ親しんだ仕事のやり方にも当てはまる。昔は、今ほど頻繁に変化
   は起こらなかった。けれども今日の非常に競争の激しい世界においては、巨大
   な会社たちが想像もできないほど高い賭け金のために戦っていて、正気とは思
   えないほどの変化率が競争のために必要となっている。Apple も Google も
   Microsoft も、うんざりした新しいスマートフォン顧客の目にフレッシュで最
   新流行のものに映るべく、それぞれのモバイルオペレーティングシステムのアッ
   プデート版を出し続ける必要があるし、Facebook も Twitter も Google も、
   それぞれのソーシャルネットワーキングエンジンやインターフェイスを改訂し
   続けることで聴衆の心を引き付け続けようとしている。

   けれども何か大きな変化が起これば、その度に多くの人々に心理的圧迫が襲い
   かかる。もちろん、ワクワクするような新機能に喜びを感じて、自分の仕事の
   やり方を調整し続けなければならないのを苦にしない人たちもいるが、定着し
   た習慣と時の試練を経たやり方に依存しなければ生産的になれない人にとって
   は、変化はフラストレーションの元となり、心身を疲れさせ、圧倒され、心底
   恐ろしいものとなる。少なくとも Google は Google Reader のスイッチを切
   る前に数ヵ月の警告期間を提供しているし、Apple は MobileMe から iCloud
   への大規模な以降の前にさらに長い警告期間をユーザーに提供した。でも、例
   えば iTunes 11 では、iTunes 10.7 との間にこれほど見栄えの違いも大きく
   実験的な変更も施されることをあらかじめ知らなかった多くの人たちが散々髪
   を掻きむしり歯を食いしばる羽目になった。iTunes 11 が iTunes 10.7 に出
   来たことの事実上ほとんどすべてを出来たという事実は、彼らにはどうでもよ
   かった。彼らにとって重要なのは、見慣れない世界にいきなり放り込まれて、
   以前と変わらないというその機能に手を届かせるための道筋を一生懸命に探り
   出し、曲がりくねった道の途中に目印となる風景を目に焼き付けなければなら
   ないということだった。(2012 年 11 月 30 日の記事“改装 iTunes 11、
   iCloud ストリーミングと新しい MiniPlayer をもたらす”参照。)

<http://tidbits.com/article/13419>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1152.html#lnk2>
   "改装 iTunes 11、iCloud ストリーミングと新しい MiniPlayer をもたらす"

   問題の核心にあるのは、クラウドを経由した統合だ。Google Reader について
   ユーザーたちが抗議しているのはただ単に別の RSS リーダーへの切り替えを
   余儀なくされる人たちがいるからという理由だけではない。もちろんそういう
   人たちは大勢いるのだが、もっと大きな理由は多くの RSS リーダーが依存す
   る同期サービスを Google Reader が提供していたからなのだ。私たちは、単
   に一つの RSS リーダーを失うだけには止まらない。多くの開発者たちが構成
   要素と考え、その上にそれぞれのエレガントなソフトウェアを構築することが
   できていたものを失うことになる。開発者たちはすべて、お互いの肩の上に乗
   り、互いに支え合って構築するものだが、クラウド統合が盛んになるにつれて、
   それらの肩が不安定なものとなりつつある。iTunes 11 についてもそのことは
   言える。今でも iTunes 10.7 はまだ機能するけれども、iTunes Store との統
   合や、新たな iOS ハードウェアの登場が、いずれ間違いなく 10.7 の終焉の
   鐘を鳴らすだろう。

   ここに喜ばしい解答を私は思い付くことができない。私は Google Reader の
   積極的ユーザーではないけれども、そんな私もさまざまのクラウドサービスに
   大きく依存している。もしもそのうちの一つが消滅すれば、私は途方に暮れる
   だろう。この種のことが起こるのを私は何度も見てきたので、他のいろいろな
   変化、例えば iWeb や iDisk や Google Sync や、あるいは Twitter が開発
   者向け機能を削除したことについても、一部の人たちに見られるほど被害者意
   識を持って受け取ることは(率直に言えば特に年配の人たちにそういう傾向が
   強いようだ)私にはできない。私が提案できるのは、皆さんがご自分の使って
   いるツールやシステムについて思いを巡らし、もしも何かが消滅すればどうな
   るかを考えてみて欲しいということだ。データ喪失について昔から言われてい
   る通り、それは消えるか否かという問題ではなく、いつ消えるかという問題な
   のだから。


**ツールかプラットフォームか** -- Twitter が議論に登場したので、Google
   Reader の閉鎖が提起したもう一つの話題を考えてみよう。それはツール対プ
   ラットフォームの問題だ。Twitter が人気を得たのは、そのオープンな API
   によるところが大きい。オープンな API のお陰で、開発者たちはさまざまの
   種類の Twitter クライアントや、Twitter データに基づくウェブサービスを
   作り出すことができた。けれども Twitter 社は彼らに可能なことの範囲を狭
   めてきている。その理由は主として、Twitter のビジネスモデルが広告の販売
   に依存しているからで、ユーザー体験を Twitter がコントロールできて初め
   て広告の表示が保証されるからだ。本質において、Twitter はツールであるこ
   とを止めてプラットフォームとなった。そしてその過程で、そこに出来た空白
   を埋めるために App.net が出現した。(2012 年 8 月 28 日に記事“新ソー
   シャルネットワーク App.net、チャットと広告の上を目指す”参照。)

<http://tidbits.com/article/13216>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1141.html#lnk4>
   "新ソーシャルネットワーク App.net、チャットと広告の上を目指す"

   Google もまた、長らく数々のツールの提供者であったし、Google Reader は
   その一つであった。特に同期サービスとしてその性格が強かった。Google の
   ツールの多くは、自慢の「20 パーセントプロジェクト」制度から生まれたも
   のだ。エンジニアたちは、勤務時間の 20 パーセントを何でも自分の興味の向
   くままに費やしてよいとされていた。その結果として、数々のツールやサービ
   スが生まれ花開いたのだった。けれども今や、それらの花々はむしろ、Google
   をそのコアビジネスから脇道に逸れさせる雑草のようにも見える。中でも注目
   すべきコアビジネスは、Google が努力の大部分を注いできた Google+ だ。何
   もせず放置すればいずれ Facebook のソーシャルな手法が Google 検索よりも
   魅力的な広告プラットフォームとなるに違いないという意識が、Google+ を牽
   引してきた。けれども Facebook や Twitter と同じく、Google+ もまたプラッ
   トフォームであってツールではない。Google が API を用いて Google+ のい
   くつかの側面をオープンにすることはあるかもしれないが、Google Reader の
   ごとくにユーザーが気付かないままバックグラウンドで使えるようになるとは
   どうしても思えない。

   各社がツールからプラットフォームへ移行するこの傾向は何も驚くには当たら
   ないし、ユーザーにとってもプロバイダにとっても理に適っている。プラット
   フォームは首尾一貫したユーザー体験を提供するので、技術に強くないユーザー
   たちが増えても使いやすく理解しやすいものとなれる。またプラットフォーム
   は大体において自己完結しているので、それを管理する会社がコントロールの
   共有をしたり同じプラットフォーム内部の競争相手を心配したりする必要がな
   い。さらに、プラットフォームはそこを離れるのが難しい。Facebook のルッ
   ク&フィールやコンテンツに既に慣れた人は、Google+ にわざわざ乗り換えよ
   うとは思わないだろう。それはまさに、Apple が iOS に用いている戦略がユー
   ザーたちが Android や Windows Mobile に乗り換えるのを防ぐことを目的に
   しているのと同じだ。(もちろん、Google も Microsoft もこれと同じ姿勢で
   取り組んでいる。)

   けれども、ツールが失われるのは憂慮すべきことだ。それは、家を建てるのに
   もはや大工たちが道具を手にすることがなく、ただ工場生産(プレハブ)の構
   造物をトラックで運び込んでドスンと下ろせば終わりなのが憂慮すべきと同じ
   理由だ。ツールがあるからこそ、創造力に溢れた人たちが他に誰も思い付かな
   かったようなものを築くことができ、金槌と鋸がただ単に家を建てること以外
   にも遥かに多様な目的に使えるのと同じように、デジタルなツールも当初それ
   らが意図されたものを遥かに超えた目的に使えるだろう。私自身は App.net
   を Twitter に似たマイクロブロギングサービスとして使いこなすだけの時間
   の余裕はないが、他の人たちがその上にものを築く基盤構造を提供するサービ
   スとしての App.net の役割を心から応援したいと思う。Google がツールのビ
   ジネスからますます離れつつあるのはとても残念なことだ。それは彼らにとっ
   て理に適ったことかもしれないが、そこに空いた空白を他の会社たちが埋めて
   くれることを願わずにはいられない。


**出版者か配布者か** -- Google は Google+ について、Google Reader の閉鎖
   に関連したことは何も述べていないが、批評家たちの多くは Google Reader
   の時は既に過ぎたと示唆している。なぜなら今や私たちは Twitter、Facebook、
   Google+ を経由してニュースを得ている(まだ抵抗している人たちも、得るべ
   きである)からだと。そして確かに、彼らソーシャルネットワークの達人たち
   は、聞く耳を持つどんな会社に対しても、今すぐ tweet を始めるか Google+
   ページを持つか Facebook で "like" を稼ぐかし始めなければあなたの会社は
   消える運命にある(そう、消える運命にあるのだ!)とまくしたてるだろう。

   けれども、ソーシャルネットワークには一つ問題点がある。いやいやもちろん、
   ソーシャルネットワークには膨大な数の問題点があるが、ここで私がさきほど
   述べたプラットフォームの問題と結び付けて考えたい一つの問題は、私たちは
   皆それぞれに出版者であって、一方ソーシャルメディアのプラットフォームは、
   Google+ も、Facebook も、Twitter も、私たちの配布者となっているという
   点だ。彼らが私たちのコンテンツに依存するのは当然だが、私たちの方はそれ
   より遥かに大きく彼らに依存している。そしてその点こそ、警鐘を鳴らすべき
   ところなのだ。

   もちろん、あなたが昼ご飯に何を食べたか投稿したり、可愛い猫の写真を投稿
   したりしているだけなら、自分のコンテンツに恒久的管理権を持っていないこ
   となどおそらく気にならないだろう。けれども、もしもあなたが会社を代表し
   ていて、その製品について情報を広める必要があるのなら、自分には管理権が
   なくいつ消え去るかもわからないし不当に高い料金をいきなり課し始めるかも
   しれないプラットフォームに全面的に依存するなど真っ平ご免だろう。あなた
   が会社のブログとそれに付随した RSS フィードを出してきたのなら、Google
   Reader 喪失によって読者を失うかもしれないけれども、少なくともあなたは
   まだ自分のコンテンツに完全な管理権を持っているし、読者たちが再びあなた
   を見つけ出すのも簡単だ。(私は昔流のやり方が好きなので、もっと良い方法
   は独自のメーリングリストサーバを持ち電子メール経由で連絡を続けられるよ
   うにすることだと提唱したい。電子メールならば誰もあなたの足をすくうこと
   はできないからだ。)

   もっと悪いことに、ソーシャルネットワークはストリームだ。私が見てきた経
   験からすると、たいていの人たちはノンストップでソーシャルネットワークを
   監視したりしない。とりわけ、近しい友人以外の情報源を多数フォローしてい
   る場合はそうだろう。現状のように膨大な数の投稿が流れていれば、たいてい
   の人はしばらくの間オフラインでいた後もわざわざ時間を遡って情報を確かめ
   るようなことはしない。つまり、あなたがどんなことを投稿しても、それがた
   またま見る人の注目に触れなければ、全く気付かれずに過ぎ去るだけの可能性
   が高い。対照的に RSS リーダーならば、確かにそれと特定して注目すること
   は必要だけれども、個々の見出しをそれが読まれるまで、または既読とマーク
   されるまで、キープし続けてくれる。


**無限との戦い** -- 最後に、そしてこの点についてはまた別の記事でさらに探
   求してみたいと思っているが、インターネットに溢れる無尽蔵の量の情報を相
   手に私たちが苦闘しつつある(そして敗れつつある!)戦いにおいて、Google
   Reader はその犠牲者であるという面が多分にある。

   要点をまとめれば、初めに電子メールがあり、その後間もなく Usenet ニュー
   スが生まれた。インターネットのテクノロジーとして電子メールは止めようの
   ないゴキブリのごときものであるが、Usenet ニュースはあまりにも膨張し過
   ぎたため、その購読を扱うための非常に高度なソフトウェアを生み出した後、
   脚光を浴びる位置をウェブに譲り、自らの巨体の重みにゆっくりと砕け去った。
   ウェブの初期の時代にはウェブサイトの数も少なかったので、自分のホームペー
   ジを作った私たちは皆、お気に入りのサイトのリストを作ったものだ。その後
   ウェブサイトの数があまりにも多くなると、人の手で作られた案内所、例えば
   Yahoo のようなものが登場して、インターネット上のすべてのサイトをカテゴ
   リー分けしてくれた。けれどもやがてそうした案内所は検索エンジンによって
   脇に蹴りだされた。これもまた、サイトの数があまりにも増え、一つのサイト
   の中のコンテンツも多くなったためにカテゴリー分けが不可能になってきたか
   らだった。それから、プロフェッショナルな出版とブログという二つの大きな
   ニュースが到来し、それまでウェブサイトのリストを作っていた人たちは皆、
   ブログを始めるようになった。あまりにもたくさんのブログがあって定期的に
   チェックすることもできないので、毎日何百と届く見出しを監視できるための
   方法として RSS が必要となった。また、Slashdot や Daring Fireball といっ
   た監督者付き集約サイトもさほど遅れをとらずに続いた。なぜなら、RSS リー
   ダーについて行くことさえ大変だという人も多かったからだ。そして Twitter
   と Tumblr と Facebook が興隆するに伴い、短いメッセージや興味深いリンク
   だけを投稿する方がずっと簡単にできるようになって、個人的ブログを運営す
   る努力さえ正当化するのが難しくなるに至った。

   Google Reader も、他の RSS リーダーと同様、インターネット上の情報の量
   を制御し続けるための試みであった。けれども、他のその種の試みと同様に、
   結局それは失敗する運命にあった。インターネット上の情報の量は今や、あら
   ゆる実用的目的において、無限大だ。実際、現状はそれよりもっと悪い。私た
   ちの興味を惹く情報だけでさえ、さらには私たちの興味を惹く情報についての
   一日分のニュースだけでさえ、本質的に無限大となっている。有限の人生を生
   きる私たちにとって、それらすべてを読み尽くすことは不可能だという意味だ。
   (もちろん、興味の対象がそれほど幅広くない人たちがいることは知っている
   が、例えばスポーツチームを一つか二つだけ、あるいは有名人を数名だけフォ
   ローするのでさえ今や不可能に近くなっている。)

   さきほど触れた達人たちは、必要なニュースのすべてを RSS リーダーでなく
   ソーシャルメディアから得ているのだと称している。彼らは基本的に、自分た
   ちの選んだ RSS フィードの量に圧倒され、それよりも Twitter や Facebook
   や Google+ の方が扱いやすいと思うと言っているのだ。そして実際、同じ興
   味を持つ人たちをフォローすれば、価値ある投稿やリンクという見返りが得ら
   れる。けれどもこのやり方にはおそらく予期しなかった問題点がいくつかある。

   そうやってあなたが得ることができるのは、高度に選択された情報だが、それ
   はあなたでなく他の人たちが選択したものだ。それは良いことかもしれないが、
   良くないことかもしれない。また、投稿を見逃す可能性も大きい。一晩オフラ
   インにして眠れば、次の朝にすべてに追い付くのはあまりにも面倒だ。これも
   また、あなたの人生における情報量を削減してくれるので良いことかもしれな
   いし、あなたが非常に重要と思うものを見逃してしまうのならば悪いことかも
   しれない。いずれにしても、良いものはしばらく話題に上り続けるのかもしれ
   ない。ずっと以前から私は、自分が興味あるのはメインストリームのニュース
   だけ、なぜならそういうものは二週間経ってもまだニュースのままでいるから、
   という冗談を言い続けてきた。

   とは言うものの、一人の人をフォローして、また一つの会社をフォローして、
   新しい「友だち」を数人承認し、あるいは誰かを輪の中に加え、といったこと
   を続けていると、やがてきっとソーシャルメディアサービスさえも、同じよう
   に無限大の、魂を砕くパワーに押し潰される運命にあるに違いないと私は思う。
   それは Usenet ニュースグループが、Yahoo のウェブサイト案内所が、そして
   今や Google Reader が、押し潰されたのと同じことだ。いや、既にその日が
   来ている人たちも多いに違いない。

   公平のために言えば、Joe Kissell が記事“壊れているのはメールではなく、
   あなたの方だ”(2013 年 2 月 23 日) で、この問題を正しく認識している。
   電子メールが壊れているのではない。RSS リーダーが壊れているのではない。
   ソーシャルネットワーキングサービスが壊れているのでもない。壊れているの
   は私たちだ。私たちは有限の存在であると同時に、幅広いものごとに興味を持
   つ能力を生まれつき備えている。異なる人々、異なる種族、異なる権力、異性、
   社会的地位、そして _もちろん_ 子猫たちに対する興味を。 無限を相手にし
   たこの戦いにおける私たちの唯一の武器は、セルフコントロール(自制心)だ。
   あまりにも多くのメーリングリストを購読すれば、あまりにも多くのニュース
   グループを読めば、あまりにも多くのブログを RSS 追跡すれば、あまりにも
   多くの人々をソーシャルネットワーキングサービスでフォローすれば、その具
   体的内容がどうであれ、ほしいままに情報を取り入れ過ぎるならば、どんなに
   優れたツールを使っていたとしても、いずれあなたは間違いなく無限によって
   押し潰されてしまうだろう。

<http://tidbits.com/article/13586>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1162.html#lnk3>
   "壊れているのはメールではなく、あなたの方だ"


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13636#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13636>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 3 月 18 日
-----------------------------------------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13644>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**Snow Leopard および Lion 用セキュリティアップデート 2013-001** -- Apple
   が Snow Leopard と Lion 用にセキュリティアップデート 2013-001 をリリー
   スした。それぞれの大猫ごとに二つずつのバージョンがある。Snow Leopard
   用 (316.63 MB) と Snow Leopard Server 用 (391.63 MB)、それから Lion 用
   (31.42 MB) と Lion Server 用 (79.33 MB) だ。今回のアップデートはさまざ
   まの脆弱性を塞いでいる。主なものとしては、Apache の HTTP 認証、Podcast
   プロデューササーバの Ruby on Rails による JSON データ処理、QuickTime
   で MP4 ファイルを開いた際のバッファオーバーフローなどがある。修正点の
   完全なリストは Apple サポートページにあって、今回のセキュリティアップ
   デートと、最近リリースされたばかりの Mountain Lion アップデートに含ま
   れるもの、双方ともについて詳しく述べている。(2013 年 3 月 14 日の記事
   “OS X 10.8.3 Mountain Lion、なかなか直らなかったバグを修正”参照。)
   今回のセキュリティアップデートはまたマルウェア除去ツールも走らせるよう
   になっていて、何かが除去された場合に限りそのことを通知する。Apple が今
   回のアップデートを 10.6 Snow Leopard 用にもリリースしているのは興味深
   い。これまで Apple は、最新の大猫より一つ前のバージョンまでに対しての
   みセキュリティアップデートを継続するのが通例だったからだ。(無料)

<http://support.apple.com/kb/DL1642>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1642?viewlocale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2013-001 (Snow Leopard)"
<http://support.apple.com/kb/DL1644>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1644?viewlocale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2013-001 (Snow Leopard Server)"
<http://support.apple.com/kb/DL1643>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1643?viewlocale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2013-001 (Lion)"
<http://support.apple.com/kb/DL1645>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1645?viewlocale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2013-001 (Lion Server)"
<http://support.apple.com/kb/HT5672>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT5672?viewlocale=ja_JP>
   "OS X Mountain Lion v10.8.3 およびセキュリティアップデート 2013-001 
のセキュリティコンテンツについて"
<http://tidbits.com/article/13637>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1165.html#lnk0>
   "OS X 10.8.3 Mountain Lion、なかなか直らなかったバグを修正"

   Security Update 2013-001 for Snow Leopard and Lion へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13639#comments>


**MacBook Pro Retina SMC Update 1.1** -- Apple が MacBook Pro Retina SMC
   アップデート 1.1 を出した。グラフィックスを多用するゲームを 15 インチ
   MacBook Pro Retina ディスプレイモデルでプレイする際にフレームレートが
   「まれに低下する問題」に対する修正を提供している。また、Power Nap やス
   リープ解除に関するバグ修正、およびファン制御に関する問題の修正も、この
   SMC (System Management Controller) アップデートで施される。後者の問題
   についてリリースノートには詳しく述べられていないが、Apple サポートフォー
   ラムでも詳しく取り上げられ Geek.com の記事にも載った、ファンが過度に活
   動する問題に対処していると思われる。インストール後は、SMC がバージョン
   2.3f35 にアップデートされる。(無料、504 KB)

<http://support.apple.com/kb/DL1559>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1559?viewlocale=ja_JP>
   "MacBook Pro Retina SMC アップデート 1.1"
<https://discussions.apple.com/thread/4735947>
<http://www.geek.com/articles/apple/early-2013-retina-macbook-pro-succumbs-to-fan-speed-issue-2013035/>

   MacBook Pro Retina SMC Update 1.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13638#comments>


**Pear Note 3.1** -- Useful Fruit Software が Pear Note 3.1 をリリースし、
   Mac の Retina ディスプレイにフル対応した。このマルチメディアノート取り
   アプリにはまた、アップデートされたばかりの Pear Note for iOS 2.1 の中
   で(授業の中で写真やスライドを使うようにして!)画像を使う機能への対応
   が追加され、書類の保存フォーマットをアップデートして書類が iOS アプリ
   からも読めるようにした。古い Pear Note 書類で画像を含むものについては、
   いったん開いて保存し直すことを Useful Fruit は勧めている。それをすれば
   iOS アプリでも読めるようになる。今回のリリースではまた、スライドが逆向
   きに動くようになっていた保存のバグ、特殊文字を含んだ書類を共有すると
   Dropbox でホストされた場合に表示が不正になっていた問題、Spotlight 検索
   結果と Quick Look 生成ツールに関係するバグも修正している。さらに、Mac
   App Store 版が今回からサンドボックス化された。(新規購入 $39.99、無料アッ
   プデート、4.6 MB、リリースノート)

<http://www.usefulfruit.com/pearnote/>
<http://itunes.apple.com/us/app/pear-note/id460167120?mt=8>
<http://itunes.apple.com/us/app/pear-note/id411827890?mt=12>
<http://www.usefulfruit.com/pearnote/changelog/>

   Pear Note 3.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13635#comments>


**LaunchBar 5.4.2** -- Objective Development が LaunchBar 5.4.2 をリリー
   スし、このキーボードベースのランチャーにおけるアクション、サービス、ア
   プリケーションの索引付けに改善を施した。LaunchBar の索引付けエンジンに
   全般的なパフォーマンス改善がなされたのに加えて、今回のアップデートでは
   実行可能シェルスクリプトがより信頼性をもって(たとえファイル名拡張子が
   付いていても)認識されるようになり、アプリケーションの索引付けで iOS
   アプリを無視するようになり、1Password 索引付けを(特に複数のバージョン
   の 1Password がインストールされているシステムで)改善している。このリ
   リースではまた、従来使っていた iTunes の汎用カテゴリーアイコン(アルバ
   ム、ジャンル、プレイリスト、その他)を専用のアイコンに替え、Play from
   Album オプションが選択されたトラックからでなくアルバムの冒頭から再生を
   始めていた問題を修正している。最後に、LaunchBar 5.4.2 ではコピー操作の
   際 (Command-C でなく) マウスを使った場合にコピー元の判定にバグがあった
   のを修正するとともに、Instant Send 経由でラベルの付いた電子メールアド
   レスを送信する際の問題と、Instant Send や Clipboard History で二重引用
   符の表示がおかしくなっていた問題も修正した。(新規購入 $35、TidBITS 会
   員には 20 パーセント割引、無料アップデート、2.5 MB、リリースノート)

<http://www.obdev.at/products/launchbar/>
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<http://www.obdev.at/products/launchbar/releasenotes5.html>

   LaunchBar 5.4.2 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13634#comments>


**Microsoft Office 2011 14.3.2 および 2008 12.3.6** -- Microsoft が
   Office 2011 14.3.2 および Office 2008 12.3.6 をリリースした。いずれも
   「ユーザーが特別に細工された電子メールメッセージを開くと情報漏えいが起
   こる」可能性のあったセキュリティ脆弱性に対処するものだ。Microsoft のウェ
   ブサイトにあるセキュリティ情報によれば、これらのアップデートにより、い
   ずれのバージョンの Microsoft Office for Mac も外部ソースからコンテンツ
   をダウンロードする際にはユーザーの承諾を要求するようになる。さらに、
   Office 2011 14.3.2 にはその他の修正もいくつか含まれ、それらは主として
   Outlook に対するものだ。Gmail の IMAP 下書きメッセージで BCC 受信者が
   保存されないバグを解消し、x500 形式で作成された連絡先を宛先にしたメッ
   セージが配信できない問題を修正し、短縮形がスペルミスとして指摘されない
   ようにし、一部の Office 365 ユーザーで Offline Address Book が更新され
   ない問題を修正している。今回のアップデートではまた、Track Changes を使
   用する際やサイズの大きな Word 書類をスクロールする際の安定性を改善する
   とともに、PowerPoint でスライドショーの切り替えの際にアーティファクト
   が表示される問題も修正している。(Office for Mac ウェブサイトから、また
   は Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、113 MB/210 MB)

<http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=36922>
   (日本語)<http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=36922>
   "Download: Microsoft Office for Mac 2011 14.3.2 更新プログラム - 
Microsoft Download Center - Download Details"
<http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=36897>
   (日本語)<http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=36897>
   "Download: Microsoft Office 2008 for Mac 12.3.6 更新プログラム - 
Microsoft Download Center - Download Details"
<http://technet.microsoft.com/en-us/security/bulletin/ms13-026>
   (日本語)<http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/bulletin/ms13-026>
   "マイクロソフト セキュリティ情報 MS13-026 - 重要 : Office Outlook 
for Mac の脆弱性により、情報漏えいが起こる (2813682)"
<http://support.microsoft.com/kb/2817452>
   (日本語)<http://support.microsoft.com/kb/2817452>
   "Microsoft Office for Mac 2011 14.3.2 更新プログラムについて"
<http://www.microsoft.com/mac/downloads?pid=Mactopia_Office2011>
   (日本語)<http://www.microsoft.com/japan/mac/download>
   "Microsoft Office for Mac ダウンロードと更新プログラム | Office For Mac"

   Microsoft Office 2011 14.3.2 および 2008 12.3.6 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13633#comments>


**Default Folder X 4.5.8** -- St. Clair Software が Default Folder X 4.5.8
   をリリースし、最近の二つのメンテナンスリリースで現われた問題点にいくつ
   かさらなる修正を施した。(2013 年 3 月 10 日の記事“Default Folder X
   4.5.7”参照。)Default Folder X は今回から、OS X 10.8 Mountain Lion で
   走る Java アプリケーションの中からもアクセスできるようになった。今回の
   アップデートではまた、Preview、TextEdit、Mail で Default Folder X のメ
   ニューを使った後にファイルダイアログでハングを起こしたバグを修正すると
   ともに、存在しない項目がユーティリティメニューやコンテクストメニューに
   あった場合の問題に対処している。ユーザーインターフェイスに関するその他
   の修正点としては、ユーティリティメニューやコンテクストメニューの Quick
   Look コマンドをローカライズし、Default Folder X のツールバーボタンに
   VoiceOver ラベルを追加している。(新規購入 $34.95、TidBITS 会員には $10
   値引、無料アップデート、11.4 MB、リリースノート)

<http://www.stclairsoft.com/DefaultFolderX/>
<http://tidbits.com/article/13624>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1164.html#lnk5>
   "Default Folder X 4.5.7"
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<http://www.stclairsoft.com/DefaultFolderX/release.html>

   Default Folder X 4.5.8 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13632#comments>


**Dropbox 2.0** -- 機能性の面では画期的なバージョン更新というわけでもな
   いが、Dropbox 2.0 では最近変更されたファイルの一覧を改善するとともに、
   共有フォルダ招待状を承認する新しい方法を導入するなど、メニューバーアイ
   コンから利用できるインターフェイスを大幅に改善している。メニューバー上
   の Dropbox アイコンをクリックするとウィンドウが開き、Dropbox フォルダ
   を開くボタンと Dropbox ウェブサイトを訪れるボタン、および最も最近に変
   更された三つのファイルのリストが表示される。変更されたファイルの一つの
   上にマウスを翳せば Share ボタンが現われる。ただし、この Share ボタンを
   クリックしてもアプリ内共有の機能が呼び出されるわけではない。その代わり
   に、Dropbox サイト上のそのファイルのページがウェブブラウザで開く。その
   ページの上でもう一度 Share ボタンをクリックすれば、ファイルのリンクを
   電子メールで送信したり、Facebook や Twitter で共有したり、あるいはリン
   クをクリップボードにコピーしたりできる。

<https://www.dropbox.com/install>
   (日本語)<https://www.dropbox.com/install>
   "Dropbox - Dropbox をダウンロード"

   デザインし直されたこのウィンドウには、他の Dropbox ユーザーから新たに
   共有されたファイルやフォルダの通知もあって、これは Recently Changed セ
   クションの上の方に表示される。招待状の上にマウスを翳せば共有フォルダに
   参加できるし、その際現われる Accept ボタンをクリックすればそれがあなた
   の Dropbox フォルダに追加される。(Decline をクリックして止めることも
   できる。)けれども、共有ファイルを(ウィンドウの中でクリックして)承認
   しても、やはり Dropbox ウェブサイトを訪れることが必要で、ブラウザから
   直接ファイルをダウンロードするか、またはあなたの Dropbox フォルダに追
   加するかを選ぶことになる。

<http://tidbits.com/resources/2013-03/dropbox-menubartray.png>

   この最新リリースにおけるその他の変更点としては、Mac ラップトップで
   Discrete Graphics に切り替わっていたバグの修正や、ブラジルポルトガル語
   ローカライズ版の追加などがある。Mac OS X 10.6 Snow Leopard またはそれ
   以降で使える。(無料アップデート、26.1 MB、リリースノート)

<https://forums.dropbox.com/topic.php?id=97895>

   Dropbox 2.0 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13629#comments>


ExtraBITS、2012 年 3 月 18 日
-----------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13643>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週ウェブに登場したニュースとしては、Google の Android チームにいた
   Andy Rubin がチームを離れ、Adam Engst が MacVoices で Google Reader の
   消滅とツールがプラットフォームに変わり行く傾向について語り、Microsoft
   が Office for Mac 2011 において厳格かつ不親切なライセンス方式から引き
   返し、Dropbox が Mailbox を買収したことで私たちの頭の中の箱 (brainbox)
   もその意味するところに頭を悩ませる。


**Android の責任者、春の大掃除で掃き出される** -- Google が新たなプロジェ
   クトリリースとして Google Reader を含むいくつかを「春の大掃除」で整理
   すると発表したその同じ日に、Google CEO の Larry Page は Android プロジェ
   クト担当責任者 Andy Rubin が「プロジェクトを引き渡し、Google で新たな
   章を始める時が来たと決断した」と発表した。はたしてこれは偶然の一致だろ
   うか? 後任の Sundar Pichai は従来 Google で Chrome and Apps 担当責任
   者であったが、今後はそれに加えて Android プロジェクトも率いることにな
   る。どんな理由で Rubin から Pichai への交代が起こったのかを知ることは
   不可能だが、Android は基本的に極めて大きな人気を得たにもかかわらず実際
   に Google の収益に寄与するところは大きくなかった(2008 年から 2011 年
   までの合計でたった 5 億 5 千万ドル程度と推定されている)ことがあるのか
   もしれない。Pichai が Android のエコシステムに何をもたらすか、またそれ
   が iOS の世界にどう影響することになるのかは、今はまだ推測するしかない。

<http://googleblog.blogspot.com/2013/03/update-from-ceo.html>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13645#comments>


**Adam Engst、MacVoices で Google Reader のニュースを歌い語る** -- ホス
   トの Chuck Joiner との対談で、Adam Engst は Google Reader が数ヵ月後に
   消滅するというニュースのより微妙な意味について掘り下げる。とりわけ、ツー
   ルがプラットフォームへと変貌しつつあること、変化がユーザーに及ぼす心理
   的効果、すべての変化がユーザーにとって良いわけではないという考えを支え
   る価格モデル、といった話題について Adam は語る。

<http://www.macvoices.com/wordpress/macvoices-1396-adam-engst-on-subscriptions-the-death-of-google-reader-and-how-much-change-is-too-much/>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13641#comments>


**Microsoft、Office のライセンス変更を覆す** -- MacTech によれば、最近
   Microsoft は Office for Mac 2011 の従来のライセンス契約を Office 2013
   for Windows のライセンス契約に沿ったものに変更した。つまり、ソフトウェ
   アを一つのコンピュータから別のコンピュータへ移すことができないようにし
   た。その後 Microsoft はこの Office 2013 使用許諾方針を元に戻して、再び
   ソフトウェアをコンピュータの間で移すことができるようにした。(ただし移
   動は 90 日間に一回までに限られる。)Windows Office 発表の中で Microsoft
   は Mac 版について何も述べていないが、MacTech が調べたところによれば Mac
   版についても使用許諾方針は元に戻っているという。要するに、すべてが期待
   通りの状態に戻ったというわけだが、Microsoft がこのような不親切なライセ
   ンス条項を考慮することさえ酷いことだと思うのに、いわんやそれを実装する
   とは何たることだろうか。

<http://www.mactech.com/2013/03/08/microsoft-changes-licensing-agree-office>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13630#comments>


**Dropbox が Mailbox を買収** -- 会社が会社を買収する際には、額面通りに
   受け取る限りにおいてはそれが将来の大きな方向を示唆するものなのか、具体
   的に優れた人やテクノロジーを手にするためなのか、それとも単に見当違いに
   思い付かれたものに過ぎないのか、どうにも理解できないことがある。iPhone
   アプリ Mailbox を作っている会社を Dropbox が買収するというのも、そのよ
   うな買収に属するのではなかろうか。今のところは、それがどういうことなの
   かはっきりしない。風変わりな iOS 用電子メールクライアントを作ることは、
   どう見ても Dropbox の基本的使命とは懸け離れたものに見えるからだ。今後
   も Mailbox アプリは続くと述べられてはいるが、電子メールアプリ Sparrow
   と同じ運命を辿るかもしれないということは十分に考えられる。Sparrow は今
   も販売されているけれども、2012 年 7 月に開発者たちが Google に加わって
   以来もはや開発されていない。

<http://www.mailboxapp.com/reservations/?p=1#to-grow-even-faster-mailbox-is-joining-dropbox>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13628#comments>


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