TidBITS#1167 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2013年 4月 1日 (月) 21:03:49 PDT


TidBITS#1167/01-Apr-2013
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     英語版: <http://tidbits.com/issue/1167>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1167.html>


   今日の号では、再び Apple 関係のニュースがスポットライトを浴びる。ただ
   し Apple は、いずれの新機能についても同社のスペシャルメディアイベント
   で発表してはいない。どうやらそれは、来たるべき大きなハードウェアリリー
   スを控えて保留となっているようだ。どの変更点が心に響くかはあなたの状況
   に依存する。親たちは、iCloud for Families のいろいろな機能を歓迎するだ
   ろう。これについては Rich Mogull が徹底的に解説する。プロフェッショナ
   ルのユーザーたちには、Joe Kissell が Mac Pro の後継機種のスペックを概
   観し、Matt Neuburg が Snow Leopard に留まっていた人たちも今や Mountain
   Lion を避けたい動機が一つ減ったことを説明する。開発者の人たちに興味あ
   る話としては、Michael Cohen が今年は WWDC の入場券があっという間に売り
   切れる心配をする必要があまりない理由を伝え、Adam Engst が Apple の App
   Store ポリシーにおける三つの歓迎すべき変更の概略を語る。最後に、Apple
   がまたもや Dropbox を買収したがっているという噂が飛び交うとともに、私
   たちが Take Control で進行させつつある最新の実験として "Take Control
   of Crowdsourcing" の試みを発表する。[訳者注: 念のため申し添えますが、
   この号、TidBITS#1167/01-Apr-2013 の _すべての_ 記事は、あくまでもエイ
   プリルフールの日のみ、4 月 1 日一日限りの内容となっておりますので、あ
   しからず!]

記事:
     Apple、競争率の高い WWDC 2013 登録にオークションを計画
     "Take Control of Crowd Sourcing" の執筆にご協力を
     Dropbox が iOS のファイルシステムになるというのは本当か?
     Mac Pro が Mac Prime に進化
     OS X 10.8.3 のチェックボックスで Snow Leopard の書類保存が復活
     App Store 2.0 の新方針が開発者たちの不満に対処
     iCloud for Families が登場


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Apple、競争率の高い WWDC 2013 登録にオークションを計画
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     文: Michael E. Cohen: <mcohen @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13664>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今年は、Worldwide Developers Conference (WWDC) の登録が毎年あっという
   間に売り切れて開発者たちの不満を募らせていた従来の問題に対処するため、
   私たちが聞いたところによれば Apple は WWDC 2013 の登録受付が始まり次第、
   登録スロットの 10 パーセントほど(およそ 500 の登録スロット)を確保す
   ることを計画しているという。Apple の担当者の声明によれば、登録がすべて
   売り切れてから 3 日後に同社は確保しておいた分をオークションにかけると
   のことだ。最も高値を付けた人から順に登録を入手できるという。

<https://developer.apple.com/wwdc/>

   Apple の Developer Relations 担当者 W.T. Fiata は、次のように述べた。
   「これなら両者が共に得をすることになる。たまたま東部のタイムゾーンに住
   む人が優先されるのではなく、この予約分の登録はただ最も強く参加を願う人
   たち、腹の底に最も熱意をかき立てている人たちの手に渡ることになるし、そ
   の一方で Apple はのどから手が出るほど欲しい追加資金を得ることができて
   WWDC をさらに良いものとすることができる。」

   未確認情報だが、このオークションは完全にインターネット上のみで実施され、
   未リリースの iOS アプリ、その名も iBay というものが使われるらしい。た
   だ、Fiata のオフィスに問い合わせてもコメントは得られなかった。インター
   ネットオークションの巨人である eBay は、しかめ面をするかもしれない。明
   らかに Apple は彼らの会社名を真似ているのだから。ただ、商標争いにかけ
   ては Apple にもたっぷり経験がある。iPhone でやってのけたようにまず侵害
   しておいてからあとで和解するのもお手のものだろう。

<http://news.cnet.com/apple,-cisco-settle-iphone-trademark-lawsuit/2100-1041_3-6161233.html>


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   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13664#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13664>


"Take Control of Crowd Sourcing" の執筆にご協力を
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13665>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   お気付きかもしれないが、Take Control で私たちはちょっとした問題を抱え
   ている。その名も、Joe Kissell という。誤解しないで頂きたい。問題といっ
   ても、Joe は人の望み得る限り最良の問題に違いない。編集者の目からも出版
   者の目からも Joe こそが dream writer、素晴らしい書き手だけれども、彼が
   どんなに良い書き手であろうと、彼がどれほどたくさんのことをできようとも、
   それでもやはり彼という人間は一人しかいない。

   そこで、ビジネスの目から見つつ、私たちはライターたちの手があいていない
   場合に備えてもっと新しい執筆者たちを見つけるにはどうすればよいか、考え
   始めた。正直言って、うまく行く時もあれば、そうでない時もあった。その主
   題についてよく知っているので自分は本を書くことができると思っている人た
   ちは多いけれども、最良の意図を持った著者であってもあまりにも多くのもの
   を詰め込み過ぎれば行き詰まって妥当な期間のうちに本を仕上げることができ
   なくなるし、また本を制作するプロジェクトにおいて必要な、緊密な構成を持
   つ長文を書き上げる経験が足りずに行き詰まることもある。

   だから、チームの一員である Glenn Fleishman の勧めに従った私たちは(彼
   は最近この問題にちょっぴり心を奪われているようだ)まるきり新しいことを
   始めようとしている。もう何年も前から私たちの話題に上ってきたけれども、
   まだ実を結ぶには至っていなかったアイデアだ。それは、本のクラウドソーシ
   ング (crowdsourced book)、つまり、一人か二人の人だけが執筆し編集するの
   でなく、多くの寄稿者たちの力を合わせて本を作るのだ。Wikipedia を見れば、
   この種のモデルが実際にうまく行く実証例になっていることが分かるだろう。
   私たちは Wikipedia ほど野心的なことを目指そうというのではないけれども、
   この新しいやり方でまずはテスト用の本を一冊作ってみようと考えた。その名
   も、"Take Control of Crowdsourcing" という。さあどうぞ皆さん、このリン
   クをクリックして頂きたい。でもクリックしたからには、何か書き込む心積も
   りをお願いしたい。

<https://docs.google.com/document/d/11Icg2azvwm9SUi5r7-fZ0Bd9M4Ch24AUXyO32C5paIQ/edit?usp=sharing>

   結局のところ、クラウドソーシングはホットで流行の先端だが、大いに誤解さ
   れている。何ができるのか? 何をすべきなのか? 人々 (crowd) をどうやっ
   て見つけるのか? あなたのためにその仕事をしたいと思う熱意をどうやって
   人々に持ってもらうのか? そのプロジェクトのための資金をどうやって調達
   するか? これらの疑問や、他にもたくさんある疑問こそ、皆さんに、その通
   り、私たちの crowd である皆さんに、"Take Control of Crowdsourcing" の
   中で問いつつ答を探して頂きたいと願っているテーマなのだ。

   私たちは Tom Sawyer を演じているわけではないのでご安心頂きたい。もしも
   このプロジェクトが成功して、最終的に本物の本が出来上がって販売できるよ
   うになれば、その収益をすべて Wikimedia 財団に寄付して Wikipedia やその
   他のクラウドソーシングによるプロジェクトを支えるために使ってもらおうと
   思っている。[訳者注: Tom Sawyer を演じるとは、人を騙すために大袈裟な
   嘘や巧妙な罠を使うという意味です。今週号の中で、このクラウドソーシング
   の記事 _のみ_ が、唯一、嘘が含まれていない記事です。上記のリンクからは
   実際 Google Drive のページが開きます。]

<http://www.wikimedia.org/>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13665#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13665>


Dropbox が iOS のファイルシステムになるというのは本当か?
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13668>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   遡って 2011 年に、Dropbox が Forbes 記事に取り上げられて一躍注目の的と
   なったのだが、その記事の中で Victoria Barret は、Dropbox の作者 Drew
   Houston が Apple から(Steve Jobs 本人から!)の申し出、九桁の金額(つ
   まり一億ドル以上)で Dropbox を買い取りたいという申し出をどうして断わっ
   たのかという話を述べている。その後 Dropbox の幸運は衰えるどころでなく、
   今やこのサービスは一億人以上のユーザーと 40 億ドル以上と見られる評価額
   を誇るに至った。ところが、私たちの聞こえてきた噂によれば、Apple はもう
   一度 Dropbox の買収を模索中で、その目的は iOS に真の分散ファイルシステ
   ムを提供するためだという。

<http://www.forbes.com/sites/victoriabarret/2011/10/18/dropbox-the-inside-story-of-techs-hottest-startup/>

   同社内部の情報源によれば、Apple CEO の Tim Cook は Dropbox の大ファン
   であって、すべての企業文書を彼の Dropbox フォルダに入れるように命じて、
   どこにいてもすぐに自分のデバイスで読めるようにしているという。その上、
   iPad と Mac の間で書類をやり取りしたり、同僚と書類を共有したりするのが
   難しいことに不満を漏らしているとも伝えられる。私たちの情報源の話では、
   Cook はミーティングの席でそのフラストレーションを語り、以前地図の不具
   合の問題について Bloomberg Businessweek のインタビューで公式に述べたと
   同じ「大失敗だった」という言葉を iOS 書類についても口にしたという。

<http://www.businessweek.com/printer/articles/85170-tim-cooks-freshman-year-the-apple-ceo-speaks>

   その始まり以来ずっと、iOS は出来の悪いアプリベースのファイル処理に悩ま
   されてきた。アプリ同士をサンドボックスで分離することで、セキュリティは
   増したけれどもユーザーたちに負担をかける結果となった。アプリとアプリ、
   デバイスとデバイスの間でファイルをコピーするために大変な苦労を強いて、
   重複データのためにそれぞれのデバイスの上で貴重なストレージ容量を浪費し、
   ユーザーたちが互いに協力して仕事をするのをことさら困難にするという具合
   だ。そこで多くの開発者たちは iOS のこうした制約を回避しようとして、自
   らのアプリに Dropbox 対応を組み込み、クラウドのファイル共有サービスに
   保存された書類をアプリが読み書きできるようにする道を選ぶようになった。
   また、Dropbox に対応していれば、書類を共有しているすべての人が、どのプ
   ラットフォーム上のどのアプリケーションを使ってもその書類で作業をするこ
   とができる。Apple のプラットフォームと iCloud 対応のアプリに限定され、
   しかもそのアプリの Mac 版は Mac App Store を通じて配布されたものでなけ
   ればならない、などという制約はない。

   Apple が以前に買収を試みた時点に比べて Dropbox ははるかに人気を増して
   いるけれども、そうした解決法に向けての Apple の側の必要度もまた、当時
   よりずっと大きいものとなった。顧客たちは iOS のファイル処理に対する憤
   懣の声を挙げ、競合各社はそれぞれに Dropbox に似たサービスをひねり出し
   た。とりわけ目立つのが Google Drive と Microsoft の SkyDrive だろう。
   (2012 年 4 月 24 日の記事“Google Drive と SkyDrive、Dropbox に狙いを
   定める”参照。)だから、Dropbox を買収するとすればその価格は相当高いも
   のになるに違いない。Apple は 100 億ドルは出さなければならないだろうと
   予測する人たちもいるくらいだ。けれども私たちの情報源の説明によれば、こ
   の点に Tim Cook が動じることはなく「それくらいの金を Apple が持ってい
   ないわけはないし、金は欲しいものを買うためにあるんじゃないのか?」と述
   べたという。

<http://tidbits.com/article/12954>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1124.html#lnk2>
   "Google Drive と SkyDrive、Dropbox に狙いを定める"

   現時点での懸念材料の一つは、仮に Apple が Dropbox を買収したとしても、
   iCloud の Core Data 同期を巡る開発者たちの拒絶感は解消されないだろうと
   いうことだ。Dropbox のテクノロジーは、依然として完全に書類ベースのもの
   だからだ。Dropbox API を拡張し、データベースレベルの同期ができることを
   目指して Dropbox が開発作業中だというのも考えられないことではないが、
   同社はその点に関して何ら公式声明をしていない。

<http://arstechnica.com/apple/2013/03/frustrated-with-icloud-apples-developer-community-speaks-up-en-masse/>
<http://www.theverge.com/2013/3/26/4148628/why-doesnt-icloud-just-work>

   もしも Tim Cook が Dropbox の重役たちを説得することができて買収に成功
   したとすれば、重要な問題は Apple 以外のプラットフォーム上の Dropbox ユー
   ザーたちに何が起こるかという点だ。Apple が Windows のプログラムに乗り
   気であったことはかつて一度もなく、Apple がわざわざ Android や Windows
   Mobile のクライアントを継続したいと思うとは考えにくい。そういう事態に
   なれば、SugarSync や Dolly Drive といった Dropbox の競合各社にとっては
   願ってもないチャンスとなるだろう。ただ、これら二社とも、独立のアプリと
   API ベースで統合するという面では Dropbox のレベルに達していないのだが。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13668#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13668>


Mac Pro が Mac Prime に進化
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     文: Joe Kissell: <joe @ tidbits.com>, @joekissell
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13667>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   昨年 Tim Cook がほのめかした通り、Apple は長らく待たれていた Mac Pro
   後継機をリリースした。Apple の新しいハイエンドのデスクトップ Mac は、
   単にデザインが劇的に異なるものになったのみならず、新しい名前まで付いた。
   Mac Prime だ。この名前は、すべての Mac Prime 機種に装備されるプロセッ
   サコアの個数が素数 (prime number) であるという、驚くべき事実に由来する。
   通常、プロセッサコアの個数は 2 の倍数だが、Mac Prime で構成できるプロ
   セッサコアは 5 個から 17 個までだ。(最近の Mac Pro 機種はコアの個数が
   4 個、6 個、または 12 個だ。)また、広く噂されてきたように、これは米国
   国内のみで生産される初めての Mac 機種となる。組み立てが行なわれるのは
   オレゴン州 Portland の近くに新しく建設された Apple 工場だ。

<http://appleinsider.com/articles/12/06/12/tim_cook_confirms_updated_mac_pro_coming_in_2013>

   Apple のウェブサイトによれば、Mac Prime のパワーは「フラクタル処理」と
   呼ばれる先進的なテクニックによるものだという。Intel との共同開発で生ま
   れたフラクタル処理により、従来のプロセッサ・アーキテクチャと比べてコア
   あたり毎秒ずっと多数の計算が可能となり、Turbo Boost (アクティブなコア
   の数を減らすことによりクロック速度を増やす) や Hyper-Threading (仮想コ
   アの個数を倍増する) など既存のテクニックを組み込んだものをも大きく凌ぐ
   ことができる。例えば、5 コアの Xeon フラクタルプロセッサは、同じクロッ
   ク速度で走る標準的な 6 コアの Xeon プロセッサよりも実効パフォーマンス
   が高いと言われている。Apple によれば、このテクニックのためにはプロセッ
   サあたりのコアの個数も、そのコンピュータのコアの合計数も、ともに素数で
   ある必要があるとのことだ。

   Mac Prime では、ただプロセッサコアの個数だけが素数 (prime) なのではな
   い。こちらは単にマーケティングの理由に過ぎないのだろうが、Apple はその
   スペックに登場するほとんどすべての数字を素数に選んだ。RAM の搭載量、ポー
   トや拡張スロットの数などだ。さらにはその筐体さえ、側面の個数が素数だ。
   通常の六面体でなく、Mac Prime の筐体は七面体だ。(見た目の効果は微妙だ
   が、背面が僅かに傾けて繋がった二枚の鉛直方向のパネルで出来ている。)

   この筐体についてもう一言。同社お得意のつや消しアルミニウムであることは
   変わっていないが、Apple はリクエストの多かった「ミニタワー」のデザイン
   を心に留めたらしい。少なくとも、妥当な拡張可能性を保てる限りにおいては。
   報道によれば、Mac Prime は従来の Mac Pro に比べて 31 パーセント小型化
   されたという。小さくなったために、2 基の内蔵光学ドライブベイがなくなり
   (ただし外付け USB SuperDrive には対応する)ハードドライブベイと PCI
   Express スロットの数も従来の 4 基からそれぞれ 3 基に減った。Apple のウェ
   ブサイトにある写真を見れば、Mac Pro のモジュール性と内部のコンポーネン
   トにアクセスしやすい点はそのままに保たれていることが分かる。

   Mac Pro ユーザーの中には内蔵拡張オプションが減ったことに腹を立てる人た
   ちもきっといるだろうが、Apple が外部ポートに集中することにより全体的な
   拡張可能性を増したことはほぼ間違いない。Mac Prime には、過去に前例のな
   い 7 基の Thunderbolt ポートが備わる。前面に 3 基、背面に 4 基だ。いず
   れも、外付けストレージ、ディスプレイ、その他の周辺機器を直接にサポート
   できる。(FireWire 800、gigabit Ethernet、eSATA、Fibre Channel、PCIe、
   ExpressCard/34、その他一般的なさまざまのタイプのデバイスに接続するため
   の Thunderbolt アダプタは広く入手可能だ。)加えて、Mac Pro に 5 基あっ
   た USB 2.0 ポートに代えて、Mac Prime は 7 基の USB 3.0 ポートを備える。
   前面に 4 基、背面に 3 基だ。Mac Pro と同様、Mac Prime にもフロントパネ
   ルにヘッドフォンジャック、光学デジタルオーディオ入力および出力ポート、
   ステレオラインレベル入力および出力ジャックが付く。Wi-Fi と Bluetooth
   への対応も、Mac Pro と変わっていないようだ。しかし、Mac Prime には独立
   の FireWire、Ethernet、ビデオポートが付かない。(Thunderbolt がある以
   上、これらはすべて不必要なものと今の Apple は考えているらしい。)

   Mac Prime には標準構成が二種類あるが、いずれもさまざまの工場出荷オプショ
   ンが可能だ。ベースモデルは 4.21 GHz で走る 5 コア Xeon "Westmere" プロ
   セッサが装備されて $2,399 となり、オプションで 4.43 GHz で走る 7 コア
   プロセッサ (追加料金 $500) にアップグレードできる。このシングルプロセッ
   サ構成には標準で 11 GB の RAM が付き、これは 67 GB に拡張可能だ。一方
   ハイエンドモデルの価格は $4,099 で、11 コアのプロセッサとデュアルコア
   のプロセッサ (合計 13 コア) を組み合わせて 2.9 GHz で走る。工場出荷オ
   プションとして 17 コア (11 + 3 + 3) で 3.1 GHz (追加料金 $1,200) また
   は 3.3 GHz (追加料金 $2,400) にアップグレードできる。ハイエンドの Mac
   Prime には標準で 17 GB の RAM が付き、127 GB に拡張可能だ。

   いずれの Mac Prime 機種にも、2 TB、7207-rpm ハードドライブが標準で付く。
   工場出荷オプションとしては(Mac Prime に 3 基内蔵されるドライブベイの
   それぞれに)3 TB、7207-rpm ハードドライブ、2 TB または 3 TB Fusion ド
   ライブ、または 1 TB (1031 GB) SSD から選べる。また、ATI Radeon HD 7963
   グラフィックスカード (HD 7963 カード二つまたは 7993 カード一つにアップ
   グレード可能) を内蔵し、それぞれ最大 3 台のディスプレイを 7681 × 4801
   の最大解像度でサポートする。(これは現在市場にあるどんなものよりも高性
   能で、Apple が 30 インチ Retina ディスプレイか何かを開発しているのでは
   ないかという考えを暗示する。)

   セキュリティ担当編集者の Rich Mogull が、新しい Mac Prime のリリース前
   下見をして、本物のイースターエッグを教えてくれた。テキスト入力可能な
   Cocoa ベースのどんなアプリでも (例えば TextEdit、Pages、その他) その中
   に "Steve Jobs lives!" とタイプすれば、Mac Prime は生前の Jobs が作成
   した特別のビデオを再生する。これは Mac Prime の ROM の中に保存されてい
   るものなので(少なくとも私たちの知る限り)Mac Prime 以外で再生すること
   はできない。

   すべての Mac Prime 構成は、本日 (2013 年 4 月 1 日) 入手可能だ。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13667#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13667>


OS X 10.8.3 のチェックボックスで Snow Leopard の書類保存が復活
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     文: Matt Neuburg: <matt @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13666>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   最近出された OS X 10.8.3 Mountain Lion へのアップデートでは、ほんの数
   個の具体的なバグが修正された(2013 年 3 月 14 日の記事“OS X 10.8.3
   Mountain Lion、なかなか直らなかったバグを修正”参照)以外、いつも通り
   に最小限で不明瞭なリリースノート(「Mac の安定性、互換性、セキュリティ
   を強化する」)しか付かず、Apple の貧弱な付属文書に何かが加えられること
   もなかった。表面上は、大きな変更点は何もなかったかのように見える。だか
   ら、以下に述べる点に私が気付いたのは全くの偶然だった。けれどもこれは私
   に言わせれば極めて大きな変更であり、広範囲にわたって影響を及ぼすものだ。

<http://tidbits.com/article/13637>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1165.html#lnk0>
   "OS X 10.8.3 Mountain Lion、なかなか直らなかったバグを修正"

   私は "Take Control of Using Mountain Lion" の著者なので、Mountain Lion
   のアップデートを済ませた後には必ず、手早くシステム環境設定パネルを次々
   とすべて開いて、説明の文言やオプションの配置にどんな小さな変更があって
   も見落とすまいと見て回ることにしている。今回もたった今それをする機会を
   やっと見つけたところだったが、システム環境設定の General パネルの中に
   新しいチェックボックスが存在しているのに気付いて私は大きな衝撃を受けた。
   "Save documents manually"(書類を手動で保存する)というチェックボック
   スだ。その上、これをチェックしてみると、そのすぐ下の二つのチェックボッ
   クスが両方とも自動的に無効になる(ぼやけて表示される)のを見て私は驚い
   た。この二つのチェックボックスこそ、私が Mountain Lion を使いこなすた
   めに決定的に重要なものであった。実際、記事“現代的 Mountain Lion 書類
   モデルの様式とは”(2012 年 8 月 7 日) で説明した通り、Mountain Lion が
   私にとって使えるものとなったのはこの二つのチェックボックスがあったから
   だ。なぜならこれら二つのチェックボックスは、10.7 Lion で導入されたあの
   煩わしいオートセーブ機能を完全に無効にしてくれる訳ではないものの、少な
   くとも Mountain Lion が 10.6 Snow Leopard やそれ以前と同じ挙動をするか
   のような錯覚を起こさせてくれるものであったからだ。つまり、書類ウィンド
   ウの「閉じる」ボタンに "dirty" 黒点を復活させ、"dirty" な書類を閉じよ
   うとした場合には変更内容を保存するかどうか尋ねるダイアログを出すように
   してくれたからだ。

<http://www.takecontrolbooks.com/mountain-lion-using?pt=TB1167>
<http://tidbits.com/resources/2013-03/saveDocumentsManually.png>
<http://tidbits.com/article/13187>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1138.html#lnk2>
   "現代的 Mountain Lion 書類モデルの様式とは"

   私は、これら二つのチェックボックスの機能を失いたくなかった! だから、
   新しい "Save documents manually" チェックボックスをチェックするとこれ
   ら二つのチェックボックスがなぜ無効になるのか、私は見極めなければならな
   かった。それを調べるために、私は TextEdit を起動した。書類を中心に働く
   Cocoa ベースのアプリケーションの標準挙動をテストするには、いつもこれを
   使っているからだ。私は、我が目を疑った。書類ウィンドウのタイトルバーに、
   あの小さなポップアップメニューはもうない。メニュー項目 File > Duplicate
   (ファイル > 複製) はもはやない。嬉しいことに、そこには File > Save As
   (ファイル > 別名で保存) という項目がしっかりあって、ユーザーがいちいち
   Option キーを押したり、あるいはシステム環境設定の Keyboard パネルでア
   プリケーション・キーボードショートカットにショートカットを追加したりす
   る必要はもうない。File > Rename や File > Move To も、もうない。階層的
   な File > Revert To メニューもなくなり、シンプルな File > Revert (ファ
   イル 復帰) で置き換えられた。実際、TextEdit 書類のタイトルバーもファイ
   ルメニューも、_Snow Leopard におけるものと全く同じに見える_。

<http://tidbits.com/resources/2013-03/TextEditDocument.png>

   さらにいろいろと実験してみて、私の疑念は裏付けられた。TextEdit はただ
   単に Snow Leopard におけるものと同じに _見える_ だけでなく、_挙動も_
   Snow Leopard におけるものと同じだった。まさしく、この 10.8.3 のシステ
   ム環境設定 General パネルに新設されたチェックボックスは、_オートセーブ
   を完全にオフにする_ オプションと同等だった。事実上、Mountain Lion の書
   類保存挙動を Snow Leopard やそれ以前の書類保存挙動に戻すことになる。だ
   からこそ、この新しいチェックボックスをチェックすれば他の二つのチェック
   ボックスが無効になるのだ。それらは、無関係となり不必要になるからだ。

   当初、私はこの変更がどれほど広範囲にわたって影響を及ぼすことかと衝撃を
   受けたけれども、正しい視点から考え直せばそれほど驚くようなものではない。
   結局のところ、オートセーブ自体は影響が広範囲に及びものであって、それが
   あまりにも広範囲なので、丸ごとオフにするオプションがあれば影響が広範囲
   に思えるだけのことだ。でも、これはまさに私が繰り返しリクエストし続けて
   きたオプションなのだから、それが実現した日に、私はなぜ驚かなければなら
   ないのだろう?

   場所によっては、まるで公理であるかのように、Apple が決して道を引き返す
   ことなどないしメジャーなシステムアップデートで設けた変更を元に戻すこと
   などないと言われることもあるが、その公理は誤っている。結局のところ、
   Mountain Lion 自体が既に、ある種 Lion から道を引き返したものであると言
   うこともできる。Lion ではオートセーブが絶対的に強制され、その挙動を変
   更できるオプションは一切与えられていなかった。ユーザーたちは、メニュー
   項目 File > Save As や書類ウィンドウの "dirty" 黒点がなくなったことや、
   File > Save As の欠損を補うために File > Duplicate を使って似た挙動を
   させなければならないことに混乱し、不満を言い立てた。開いている書類に対
   して意図せず変更が保存されてしまうのを防ぐために、あらかじめ計画を立て
   た全く新しいワークフローが必要となったからだ。Snow Leopard のユーザー
   ベースに Lion がなかなか受け入れられなかったのはこのことも理由の一つで
   あった。Mountain Lion では、私が記事“現代的 Mountain Lion 書類モデル
   の様式とは”で説明したように、オートセーブ自体を取り去ることはなかった
   けれども、その表に出ているところの最も馴染めない部分を元に戻すオプショ
   ンを与えるとともに、それ以外にもいくつかの重要な点を撤回した。例えば、
   Lion で酷評された書類の自動ロック挙動(2 週間にわたって編集されなかっ
   た書類は自動的にロックされた)もその一つだ。その後、10.8.2 でさらにも
   う一つ撤回がなされた。私が記事“10.8.2 になり Mountain Lion の保存挙動
   がさらに改善”(2012 年 9 月 20 日) で説明したように、Apple は File >
   Save As の本来の意味を復活させたのだ。Save As コマンドを当初 Mountain
   Lion で復活させた際に、その挙動が本来とは違っていて混乱の元となってい
   たからだ。

<http://tidbits.com/article/13284>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1143.html#lnk4>
   "10.8.2 になり Mountain Lion の保存挙動がさらに改善"

   しかしながら、明白な事実を言えば、多くのユーザーたちは尻込みし続けた。
   完全に Snow Leopard のまま続けるか、または(私のように)必要となればし
   ぶしぶ Mountain Lion を使うけれども本格的に作業をする際にはできる限り
   Snow Leopard に戻して使った。この事実と、Mountain Lion に対してユーザー
   たちから寄せられた声高な不服の声には、Apple も注目せざるを得なかったよ
   うだ。だから、彼らが特に重要と思う Snow Leopard の側面を復活させるオプ
   ションという形で Apple がそういうユーザーたちに受け入れられるアップグ
   レードの道を提供するのも、決して不合理なことではない。

   これは、Apple としては良い決断だ。欠点はあるけれども、Mountain Lion は
   間違いなく OS X の未来だからだ。表面から見えないところに、数多くの貴重
   な技術的改善が含まれている。それだけではない。開発者たちにとって後方互
   換性を確保するのは達成困難なことなので、ますます多くの新しいアプリケー
   ションが Snow Leopard では動作しなくなる。つまり、現在 Snow Leopard を
   使っているユーザーたちも、いずれは前進する道が必要となる。そして、今回
   のたった一つのチェックボックスは、Mountain Lion がより普遍的に受け入れ
   られるのを促進し正当化するものとなるだろう。

   他方では、ツバメが一羽来ただけでは夏にならないと諺にも言うように、たっ
   た一つのチェックボックスが魔法のように Snow Leopard のすべてを復活させ
   ることにはならない。なくなって残念だとユーザーたちが思う点は他にもある。
   例えば、ウィンドウやデスクトップの管理は Snow Leopard の Expose の方が
   Lion や Mountain Lion の Mission Control よりも首尾一貫していたと思う
   人たちのために将来のアップデートで Mission Control が魔法のように元に
   戻るということは考えにくい。また、PowerPC アプリケーションは、ずっと前
   に私が記事“ Lion に備える: お持ちの PowerPC アプリケーションを見つけ
   よう”(2011 年 5 月 6 日) で警告したように、何らかの高度な仮想システム
   配置の下でない限り、Lion や Mountain Lion では決して動作しないだろう。

<http://tidbits.com/article/12156>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1076.html#lnk1>
   "Lion に備える: お持ちの PowerPC アプリケーションを見つけよう"

   でも、Apple が過去の決定を再考するのはこのチェックボックスが唯一の例で
   はない。Dan Moren と Lex Friedman が Macworld 記事で詳しく検討してくれ
   た(お陰で私が同じことをせずに済んだ!)ように、10.8.3 では Contacts
   アプリケーションが本物のアドレス帳のように見え Calendar アプリケーショ
   ンが本物の卓上カレンダーに似て見える異素材模造のウィンドウ表現を取り去
   ることのできるオプションが追加された。Dan と Lex の記事には注目すべき
   詳細情報も載っていて、実は 10.8.3 に複数通りのビルドがあるらしく、本日
   (2013 年 4 月 1 日) 付けの特別の Build 12D79 を入手しない限り、それら
   のオプションは一切現われないのだという。Apple メニューから About This
   Mac (この Mac について) を選び、"Version 10.8.3" と書かれている場所を
   クリックすれば、Apple の有益なイースターエッグの一つが使える。最初のク
   リックでビルド番号が表示され、二度目のクリックであなたの Mac のシリア
   ル番号が表示される。

<http://www.macworld.com/article/2140765/new-options-expunge-contacts-and-calendar-skeuomorphism.html>
<http://tidbits.com/resources/2013-03/OS-X-build-number.png>


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   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13666>


App Store 2.0 の新方針が開発者たちの不満に対処
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13669>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   数週前の OS X 10.8.3 のリリースに伴い、Apple は App Store の方針に重要
   な変更を秘かに施した。アップデートされた付属資料と、iTunes Connect の
   奥深く埋もれた新しいオプションに開発者たちが気付くにつれて、私たちは今、
   その変更のもたらした結果を目にし始めているところだ。開発者たちの不満の
   すべてに対処が施されたわけではないが、今回の変更は Apple のアプリのエ
   コシステムの未来に向けて極めて建設的なものだと言える。


**有料アップグレード** -- 最も注目すべきは、Apple がついに開発者たちの圧
   力に屈して、アップグレードへの課金を許したことだ。iOS App Store の始ま
   りからずっと、そして Mac App Store にも引き継がれたことだが、これまで
   アプリのアップグレードはすべて無料とされていた。Apple はユーザーにとっ
   て良いこととしてこれを大きく宣伝してきたが、一年ほど経過した頃から、こ
   の方針が深く備えている否定的な意味合いが明らかとなってきた。Stairways
   Software の Peter Lewis が指摘したように、問題は Apple が _新規の_ 顧
   客が常に十分存在するのを前提としていることで、その前提の下に開発者たち
   には無料でアップグレードを制作する余力があると見なされていた。彼はこう
   語る:「有料アップグレードができないことで、フィードバックのサイクルと
   顧客との関係性が断たれてしまい、その結果として開発者たちは自分の書いた
   プログラムを現在使用している人々のために働くことができなくなっている。
   開発者たちは、現在そのプログラムを使って _いない_ 人々のためにのみ働い
   ている。それはつまり、既存の顧客のためにプログラムを改良しようという財
   政的誘因が完全に欠落する結果となる。積極的に購入したいと思わないのは既
   存の顧客のみ、というあべこべの状況になっているのだ。」

<http://www.stairways.com/>

   大多数の開発者たちにとって、これは不幸なことだ。高度に特定された働きを
   するアプリならば、愛好家たちの人数も限られていて、いつまでも新規の顧客
   が増え続けたりはしない。アップグレードによる収入がなければ、多くの開発
   者たちは直ちに売れ行きが伸びないアプリを見限ってしまうものだ。なぜなら、
   既存の顧客に無料で提供することを Apple に強制されたアップグレードに、
   開発のための時間を充てられる金銭的余裕はないからだ。一部の開発者たちは
   Apple の制約を回避するためにアップグレードを新規のアプリとしてリリース
   することを試みたが、そのやり方ではたとえマイナーなアップデートであって
   も既存のユーザーとの結び付きを切ってしまうことになるし、アップグレード
   の通知を送ることも、有利なアップグレードの方法を提供することもできず、
   さらにはストアの中で売り上げのランキング、レーティング、レビューを失う
   結果認知度を減らすことになってしまう。Apple の姿勢で最も気に障るのは、
   Apple 自身は本質的にアップグレードによる収益に大きく依存しているという
   事実だ。ユーザーをプラットフォームに囲い込むという Apple の目標は、私
   たちが皆新しい Mac や iOS デバイスを数年に一度購入し続けるようにするた
   めのもの、すなわち古いマシンをアップグレードさせるためのものだからだ。

   でも、不平ばかり言っていても仕方がない。今や、そういう不平はすべて過去
   のものとなった! 報道によれば、非公式に App Store 2.0 と呼ばれている
   iTunes Connect インターフェイスの中で、Apple は開発者たちに個々のアッ
   プデートを無料にするか有料にするかを自由に選ばせるようになって、有料の
   アップデートについては開発者が過去のすべてのバージョンをリストしたポッ
   プアップメニューから選ぶことで過去のどのバージョンからのアップデートが
   有料になるか、どれだけのアップグレード料金にするかを指定できるようにし
   たのだという。つまり、バージョン 2.x やそれ以前から 3.1 にアップデート
   するのは有料で 3.0.x からは無料、という設定も可能ということだ。

   ユーザーの観点からは、私たちが理解したところでは有料アップデートは自動
   的にはダウンロードされず、App Store アプリの Updates スクリーンに値引
   価格の表示を添えて登場するようだ。ユーザーがお金を払うことを選ぶか、あ
   るいは Hide ボタンをクリックするかすれば、初めてそのアプリは Updates
   リストから消える。


**起動数や時間で限定された試用バージョン** -- もう一つ、極めて歓迎すべき
   ユーザーフレンドリーな動きとして、すべての有料アプリが試用バージョンと
   して入手できるようになった。つまり、ユーザーにとっては多くの有料アプリ
   の中からどれが自分の目的に最も適しているかを判断するのがずっと手軽にで
   きるようになった。

   Apple は試用のやり方についてかなり革新的なところを見せた。ほんの数回し
   か使われない iOS アプリが多いという事実を踏まえて、試用バージョンとし
   て使われることを選んだ有料アプリは(ほとんどの有料アプリがそうなると私
   たちは予想している)起動を 7 回して、しかも 7 日間使えば、タイムアウト
   になる。回数で制限するのは、何か特別の目的で一月に一回ずつしか使わない
   ようなアプリの場合に、動くかどうかまだ試していないのにお金を払わなけれ
   ばならない状況になるのを防ぐためだし、7 日間の制限の方は、例えばゲーム
   ならば一週間にわたって毎日何度も使えば十分試せたことになるだろうからだ。

   App Cubby の David Barnard は、この新しい試用バージョン対応に驚喜して
   いる。「Launch Center Pro にとってこれは完璧だ。今まで、多くの潜在的ユー
   ザーが、実際に試してみないとこのアプリが何をするものなのか心に描くこと
   さえできなかったけれど、これで誰でもそうすることができる。」

<http://appcubby.com/launch-center/>

   試用バージョンを追加したことのもう一つの良い効果は、無料の試用バージョ
   ンを提供する目的で同じアプリの複数のバージョンが App Store を人為的に
   埋め尽くしたり、開発者たちが複数のアプリを管理し続けなければならなかっ
   たりという状況がなくなることだ。さらにユーザーの観点からは、私自身、自
   分の必要とするアプリが無料で見つかったように見えて、実は何らかの重大な
   点で機能が制限されていることに気付いて苛々することが多かった。


**アプリをサポートするコミュニティ** -- 最後に、App Store 開店の初日から
   声高に求められてきたもう一つの新機能は、現在の、そして将来の顧客たちと
   直接やり取りできる機会だ。現状では、顧客は誰でも App Store にレビュー
   を書くことができるし、多くの人たちがその機会を利用して問題点に不満を述
   べたり広く怒りを爆発させたりしている。けれども開発者たちにはそれに反応
   する手段が一切与えられておらず、単純に事実を誤認している投稿に対して誤
   解を正したいと思う開発者はフラストレーションを募らせ、連絡さえつけば問
   題点がすぐに解決できるかもしれないというのにユーザーには何の助けも差し
   伸べられないままだ。

   けれども App Store 2.0 で、Apple はすべての製品のレビューをパワフルで
   使いやすい討論フォーラムエンジン(Apple Support Communities フォーラム
   の基盤となっているもの)の中に織り込んで、一人一人の開発者がユーザーた
   ちを援助し、ユーザーたちもお互いに助け合える場を作った。開発者が iTunes
   Connect でアプリの管理に使っている Apple ID でログインすれば、自動的に
   投稿が開発者からのものだとマークされる。

   Rogue Amoeba の Paul Kafasis は、Apple に対してこの機能を求めてロビー
   活動をした人たちの一人だが、こう述べている:「人々は、Mac App Store の
   レビューセクションを技術サポートの窓口として扱っている。けれども私たち
   開発者はその場で反応することができなかったし、その顧客が誰かを知ること
   もできなかったので、私たちには援助ができなかった。今までは。」

<http://rogueamoeba.com/>

   さらに追加のボーナスとして、ウェブの検索エンジンがこの App Support
   Communities にアクセスできるので、特定のアプリについて助けを求めていた
   り適切なフォーラムを探していたりする人たちも、また特定のアプリを探して
   いる人たちも、別の方法を探してウェブを検索するだけで簡単にそこに導かれ
   るようになるかもしれない。つまり、誰にとっても結果は上々となるだろう。


**まだ欠けているもの** -- これらの変更点はとても歓迎すべきものだが、他に
   開発者コミュニティーでずっと以前から要望があったけれどもまだ答が出され
   ていない事柄もまだある。匿名を条件に語ってくれた一人の開発者によれば、
   それらの問題点は引き続き Apple 内部で「活発な議論」の対象になっている
   という。

   その中で優先度の高いものの一つが、開発者が値引を提供するためのクーポン
   のサポートだ。さまざまなクーポンがウェブ上で広範に使われているという事
   実はあるけれども、Apple はその考え方に必ずしも熱狂的なわけではない。そ
   の立脚点は、クーポンというものは本質的に、異なる顧客に異なる価格を設定
   するためのものであるが、Apple としてはすべての人たちが同じに扱われるの
   が望みだからだ。けれどもその議論は、今や Apple が提供するようになった、
   期間限定のセールにおいて完全に崩れ去る。そこでは、間に合ううちにセール
   のことを知った顧客のみに利用が可能となるからだ。その時点で既に、顧客の
   差別化が行なわれている。

   開発者たちの願い事リストに載っている他の機能としては、Mac App Store 以
   外で販売されたアプリによる iCloud のデータと書類の共有 (および iCloud
   の Core Data 同期に対する大幅な改善)、アプリの認可に長い時間がかかるこ
   とやその意思決定プロセスが往々にして気まぐれなものに見えるという懸念、
   それからユーザーによる発見のツールの改善などがあるだろう。さらに、驚く
   ような事態の展開として、三年前に私たちが仮想のページで初めて報告した過
   激なプラン、すなわち App Store のフランチャイズ店を認めてそれぞれの店
   が独自のアプリ受け入れ基準を設けられるようにするアイデア(2010 年 4 月
   1 日の記事“Apple、フランチャイズと Mac アプリケーションで App Store
   大変革を計画”参照)を、Apple が引き続き考慮中であると信じる根拠を私た
   ちは得ている。その三年前の記事の後半部分の内容は実際に将来を予知してい
   たことが証明済みなのだから、その Apple 内部での「活発な議論」がこれら
   の問題点に対する動きに繋がることを私たちは願わずにいられない。

<http://tidbits.com/article/11131>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1021.html#lnk0>
   "Apple、フランチャイズと Mac アプリケーションで App Store 大変革を計画"


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iCloud for Families が登場
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     文: Rich Mogull: <rich @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13670>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   大がかりな発表は今後のハードウェアリリースのために保留にしつつ、Apple
   は今日、iCloud に大幅な拡張を施すことになった。iCloud に新たな機能やア
   プリケーション追加してそれらを既存のサービスと結び付けることにより、家
   族がまとまって、それぞれの Apple デバイスを使って連絡を取り合えるため
   の新たな方法を提供し、Glassboard などのアプリとサービス(2012 年 11 月
   12 日の記事“Glassboard で家族が連絡を取り合う”参照)でできる範囲を超
   えたものを提供しようというのだ。iCloud for Families と名付けられたこの
   サービスは、発足当初から素晴らしいものとなっている。個々の家庭内の必要
   にも応じつつ、世代も居住地も異なる現代の家族同士を結び付けるためにテク
   ノロジーが果たすべき役割をきちんと認識している。当然のことだが、親と子
   供のやり取りにはセキュリティが大きな役割を果たすので、Apple はセキュリ
   ティコンサルタントの私に対して事前にこれを見せてくれた。

<http://tidbits.com/article/13388>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1150.html#lnk5>
   "Glassboard で家族が連絡を取り合う"

   iCloud for Families の核心をなすのは、iCloud ウェブサイトに新設された
   Family セクションと、それと組み合わせて使う(近くリリースされる)同名
   の iOS アプリで、このアプリを使って自分の家族を定義し管理できる。する
   と家族の設定が iCloud 全体にわたって適用され、既存の各種サービスとデバ
   イスを設定することにより、例えば Find My Family、共有カレンダー、家族
   のメーリングリストやインスタントメッセージ、統合フォトストリーム、ペア
   レンタルコントロールなどの機能に対応する。iCloud for Families は、本日
   (2013 年 4 月 1 日) 利用可能で、料金は年額 $29.95 だ。

<https://www.icloud.com/>


**世帯と拡大家族** -- iCloud for Families を購読すれば、あなたがすべき最
   初の手順は自分の家族を「定義」することだ。iCloud for Families は家族の
   メンバーを二つのカテゴリーに分けて認識し、それぞれに対して自動的に適切
   なサービスを設定する。

   あなたの世帯 (Household) には、直接の身近な家族のメンバーが属する。両
   親と子供たち、といった風だが、このサービスは具体的にそのタイプを限定す
   ることはしない。融合した、伝統的でないタイプの家族もあるからだ。世帯の
   個々のメンバーはそれぞれ iCloud アカウントを持っていなければならない。
   世帯に加われば、指定された iCloud アカウントでサインインされたすべての
   Mac や iOS デバイスに対して自動的に Mail、iMessage、FaceTime、Location
   Services、Calendar、Notes、Reminders、Photo Stream が設定される。また、
   iCloud ウェブサイトと iOS アプリの中で My Family ダッシュボードへのア
   クセスもできるようになる。それから、子供たちのデバイスにペアレンタルコ
   ントロールやその他の設定をプッシュするための iOS 構成ファイルを親たち
   が作成することもできる。

   好きな電子メールアドレスをあなたの拡大家族 (Extended Family) に割り当
   てることができ、拡大家族にはより限定された範囲のサービスが有効となる。
   世帯用の機能が日々の家族の活動を狙いとしているのに対して、拡大家族用の
   機能は祖父母たちやいとこたち、親しい友人たち(それと、やはり含めておか
   なければならないあの厄介な親戚たち)との間で最新情報をやり取りすること
   を狙っている。プライバシー機能がきちんと定められているので、Facebook
   に対する威嚇射撃となるかもしれないが、ソーシャルメディアサービスに取っ
   て代わるものとして作られているのでないことは明らかだろう。

   誰かをあなたの拡大家族に追加すれば、四つの機能が設定される。Events (共
   有カレンダー)、Contacts (共有される連絡先情報)、News (電子メールによる
   アップデート)、それに Photo Stream (共有される写真) だ。拡大家族に追加
   された人自身は、追加のソフトウェアをインストールする必要もなく iCloud
   にサインアップする必要もない。ただし、一部の機能は iCloud にログインし
   ていないと働かない。


**既に働いているものを活用する** -- iCloud for Families はまず、共有家族
   カレンダーからスタートする。ここにはグループでのイベントが含まれ、世帯
   の個々のメンバーのデバイスに表示される。個人的なカレンダーを個々のメン
   バーごとに作ることもでき、それは自動的に家族全員に共有される。世帯のメ
   ンバーがそれぞれカレンダーを作ることができるが、親たちは常に子供たちの
   カレンダーにアクセスできる権限を持ち、子供たちが親の個人的カレンダーに
   変更を加えることはできない。また、親たちがプライベートなカレンダーを作
   ることもできて、そのイベントは他の人たちの目から隠され、しかも家族カレ
   ンダーにおいてはそのイベントの時間をブロックするようになっている。

   拡大家族のメンバーは、誕生日や、その他家族の行事を思い出すために、別途
   Family Events カレンダーを購読できる。またもう一つ別のカレンダーを管理
   しなければならないのが嫌なら、Family カレンダーの中のイベントで Share
   with Extended Family チェックボックスをチェックするだけでそのイベント
   が世帯の外でも共有されるようになる。

   次に、iCloud for Families は世帯のメンバー用にグループ電子メールリスト
   をセットアップする。これは普通のメーリングリストと同じように機能し、家
   族のメンバー全員のアドレスブックに自動的に追加される。何とも巧妙なこと
   に、このアドレスは常に family @ icloud.com であって、Apple のサーバがこ
   のアドレスを定義済みの家族のものと認識し、適切に家族のメンバーに配送す
   るとともに、iCloud 生成のメッセージのみに対象を絞ることでなりすましを
   防ぐようになっている。もう、mogullfamily1138 @ icloud.com とかいったアド
   レスをいちいちセットアップする必要などない! 同じアドレスが iMessage
   でも使える。リアルタイムで世帯の全員とコミュニケーションできる、便利な
   手段となる。

   家族のメンバーが送信したり受信したりするすべての電子メールメッセージは、
   グループ宛てのものであろうと個人対個人のものであろうと、あらゆるバージョ
   ンの Mail で "Family" とマークされ、特別のスマートメールボックスで読め
   る。その点は VIP メッセージと同じことだ。また、Do Not Disturb や通知の
   呼び出しの設定を無視するよう設定することもできる。

   拡大家族に最新情報を知らせるために、iCloud は第二の電子メールアドレス、
   news @ icloud.com も使う。このアドレスに宛てられたメッセージは、さきほど
   と同様に世帯の iCloud 電子メールアドレスから送信された場合に限られるが、
   拡大家族のメンバー全員に届く。このように世帯内から拡大家族への一方通行
   とすることで、家族内の摩擦を減らすことができる。親としての決断や政治的
   考えに、親戚たちから公開の論争を仕掛けられたりすることがないからだ。こ
   の機能によって、広く散らばった家族に最新情報を知らせることができ、その
   ために全員が Facebook などを使わなければならないという必要もない。

   Reminders や Notes にも、グループリストが付くとともに、親たちには子供
   たちの情報にアクセスできる権限が与えられる。これで、Susie に毎晩の仕事
   を言い付ける際に、リマインダーが彼女の iPod touch に必ず出る(通知で悩
   ます)ようになる。親が作成したリマインダーを子供がオフにすることはでき
   ないので、あなたの家のティーンエイジャーも知らぬふりができなくなる。受
   取り人が通知をタップしたことを送り主が追跡できて、そのことが金で縁取り
   された高級紙にくっきりと印刷され、Tim Cook の署名まで付けば、いつもの
   「そんな話、ほんとに聞いてないから」という言い訳も通用しなくなるだろう
   にと思う。

   家族に宛てたメモは、ただ単に冷蔵庫に貼り付けるメモの代わりというよりも、
   むしろ情報アーカイブとしての性質を持つ。例えば「今夜は遅いシフトの仕事
   なので夕食は電子レンジで温めて食べて下さい」といったような情報にはテキ
   ストメッセージや電子メールが優れているからだ。

   Contacts は自動的に家族全員の連絡先情報をアップデートし、拡大家族のメ
   ンバーには別途グループが作られる。ますますモバイル化する社会に対応して、
   拡大家族に属する誰かが引っ越して Contacts 内の住所が変われば、その変更
   が自動的に拡大家族に属する全員の Contacts アプリに伝わる。

   私が最も期待している機能の一つは、Family Photo Stream だ。世帯のメンバー
   全員の、個々の Photo Stream(あるいは、すべてを共有したくない人ならば
   その人が選択したアルバム)に含まれる写真が一つにまとめられて、すべての
   デバイスに push される。

   私は、Family Photo Stream がきっと拡大家族向けの機能の中で最も人気ある
   ものになるだろうと思う。イベントと同様、すべての Photo Stream に新たな
   オプションとして Share with Extended Family という設定が付き、それを選
   んでおくだけで、もはやたくさんの電子メールアドレスを覚えている必要もな
   く、iCloud for Families があなたの拡大家族リストに属する全員にその写真
   の通知をしてくれる。例えば、休暇旅行中に新しく "Disneyland" アルバムを
   作り、それを共有するようマークしておけば、自由に使えるお金のすべてをあ
   のネズミに注ぎ込んだ長い一日の終わりに、iPhone で撮っておいた写真をそ
   のアルバムに移すだけで、自動的に家族全員と共有できる。


**ただのコルク版と呼ぶべきではない** -- iCloud for Families を購読すれば、
   その iOS アプリを起動すると My Family ダッシュボードが表示される。ウェ
   ブユーザーも、iCloud.com 上で他の iCloud サービスとともに並ぶアイコン
   から My Family ダッシュボードにアクセスできる。

   嬉しいことに異素材模造のデザインに頼る流行に流されるのを避けて(おそら
   くこれは Jonathan Ive が新たに Apple ソフトウェアを掌握したことの兆候
   ではなかろうか)My Family ダッシュボードはよくある家庭用コルク版のよう
   には見えない。その代わりに、ごくシンプルでフラットなデザインとなってい
   て、Windows 8 を思わせるタイルを使ってあなたの世帯の現在の状況が示され、
   また拡大家族から送られたイベントやニュースもここに示される。

   さまざまのタイルが、今日のイベント、今週のイベント、リマインダー、家族
   からのメッセージのまとめ、家族の現在位置を示す地図、最近のメモ、統合さ
   れた Photo Stream、それに拡大家族のニュースを表示する。タイルをタップ
   すれば詳細情報が表示され、新規のイベント、リマインダー、メッセージ、メ
   モなどをそれぞれのタイルの上で作成できる。


**Find My Family** -- 家族用の位置情報サービスというのは、興味深い難問だ。
   子供たちが小さいうちは、位置情報の把握は安全と心の平安のためのツールと
   なる。子供たちが成長するに従い、位置情報の追跡は食事を届けるためや、子
   供たちが正しい活動、遊びの仲間、イベントに加わっているのを確認するため
   のものになる。子供たちがもう少し大きくなれば、追跡は安全を確保するため
   のものか、食事を楽に届けられるためのものにもなるが、プライバシーの全面
   的な侵害ともなり得る。親として、あと 5 分で迎えに行けると子供に知らせ
   たいと思うこともあるけれども、夜に自分がデート中の場合には近所のホテル
   にいることを子供に知られたくないこともあるだろう。

   Find My Family は興味深い方法でこれらの必要の間のバランスを取る。まず
   第一に、Find My iPhone と同じ常時有効の機能を活用して、アプリを終了し
   ても位置情報追跡が切れないようにする。安全を期すために、あるデバイスで
   Find My Family が有効となっていて、そのデバイスが一定の時間にわたって
   ネットワークに接続できなくなるか、あるいはデバイスが終了してしまえば、
   このサービスが親に警告を送るとともに、知られている最後の所在地を表示す
   る。ティーンたちが Airplane Mode をオンにして追跡を避けようとするのも、
   これで予防できるだろう。

   第二に、親たちが地理的な「垣根」を設定して、子供がその境界に近づいたり、
   その外に出たりすれば警告するようにできる。その動作は、多少の違いはある
   けれども、Find My Friends のジオフェンシング通知機能とよく似た働きをす
   る。親たちは日常的に追跡したい場所のリストを作ることができる。例えば学
   校、友だちの家、商店街、といった場所だ。さらに興味深いのは、子供たちが
   特定のタイプの場所、例えば居酒屋、刺青店、(コロラド州とカリフォルニア
   州では) 医療用マリファナ薬局、といったところに近づけば親たちに通知が行
   くようにすることもできる。ただしこの機能は Maps データベースに依存して
   働くので、ウェブベースのフィルタリングを完全に信頼してはいけないのと同
   様、完全に依存することはできない。

   最後に、第三の点として、親たちが Private Mode を設定して、一時的に自分
   たちの位置を家族の他のメンバーの目から隠しておくことができる。この場合
   は通常の青い点が疑問符に変わり、その横に「場所は明かせません」という表
   示が出る。プライベートでいたい時間間隔は(30 分刻みで)設定可能だ。


**素晴らしいペアレンタルコントロール** -- 子供に iOS デバイスを持たせる
   ことを巡る大きな問題点の一つは、ある程度の監督と制御の力を保ちつつ連絡
   を取り続けていられるかどうかだ。Apple は、独創的なやり方でこの問題を解
   決した。誰かを子供と指定すれば、ペアレンタルコントロールを設定すること
   ができる。それはただ単にサービスに対して適用されるだけでなく、構成ファ
   イルを作成してそれを子供たちの Mac、iPhone、iPad にインストールし、ま
   るであなたが企業の権力者であってコンプライアンス方針を従業員たちに強制
   しているかのようにできるのだ。

   iOS デバイスについては、ペアレンタルコントロールはまず従来 Settings >
   General > Restrictions で設定できた制限の中からどれでもあなたがあらか
   じめ構成に組み込んでおけるようにする。例えば、FaceTime をブロックした
   り、購入を制限したり、iTunes Store でコンテンツの年齢区分範囲を指定し
   たり、といった基本的な設定がここに含まれる。報道によれば、これらの制限
   は iOS 7 にも拡張されることになっていて、iOS 7 では親たちがそのデバイ
   スの使用可能な時間帯と一日の合計使用時間を設定して子供たちがベッドに入
   るべき時間に使ったり長く使い過ぎたりするのを防止でき、さらには特定のア
   プリや特定のタイプのアプリにタイムリミットを設定して子供たちがゲームで
   遊んでばかりいるのを防ぐことができるようになるという。

   iCloud for Families では、こうした制限をさらに拡張して、電話の通話やテ
   キストメッセージ、電子メール、それに FaceTime の使用を、世帯および拡大
   家族のメンバー、さらには信頼できる友人たちや近所の人たちに対して制限で
   きるコントロール機能が付く。それでは制限が強過ぎるという場合には、子供
   が通話やテキストメッセージをできる不適切な友だちの数をブロックするよう
   にもできる。世帯のメンバーの電話番号は自動的に Phone アプリのお気に入
   りに加えられる。もちろん、緊急電話 9-1-1 が決して制限を受けないことも、
   Apple は忘れずに表示している。

   最も興味深い、そして同時に必ずや論争を生む点は、Photo Stream に関する
   ペアレンタルコントロールだ。一つのオプションは「強制的 Photo Stream」
   を作成し、これはそのデバイスで撮影した写真をすべて家族の Photo Stream
   に push する。これならば子供が iPhone のカメラを悪い目的に使わないよう
   にするための面白い方法となるし、万一そんなことが起こった場合にもあなた
   がすぐにそれと知れるようになる。それは極端過ぎるというなら、別の設定と
   して、写真の中に肌色の割合が多過ぎると探知した場合のみ親に警告する(そ
   してその写真を送信する)ようにもできる。勧められない被写体の選択を予防
   する目的と「そんな格好で出歩くんじゃありません!」問題に対処する目的と
   の両方を目指したこの機能は、実際にテストしてみるとあまり当てにならない
   ことが分かった。海水浴場で誤判定してしまったり、特定の民族性にしか対応
   していなかったりしたからだ。

   全体的に見て、iCloud for Families は発足当初から素晴らしいものとなって
   いる。既存の iCloud サービスを活用してそれらを拡張していること、すべて
   の Apple デバイスにわたってペアレンタルコントロールを及ぼしていること、
   世帯と拡大家族の両方に対応していること、などが主たる理由だ。ペアレンタ
   ルコントロールが極端に走り過ぎれば家族内部においても社会全般においても
   論争を生むに違いないが、常に言えることながらそれはテクノロジーに問題が
   あるのではなくて、テクノロジーをどのように使うかという点に問題がある。
   いずれにしても、iOS デバイスと深く統合された点が、家族の生活の中で魅力
   が大きいと言えるだろう。そしてその結果は、ただただより多くの iOS デバ
   イスが売れるようになるということで、その事実以外に Apple にとって重要
   なことなど、他にあるだろうか!

   [訳者注: 念のため申し添えますが、この号、TidBITS#1167/01-Apr-2013 の
   _すべての_ 記事は、あくまでもエイプリルフールのための冗談で、4 月 1 日
   一日限りの内容となっておりますので、あしからず!]


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