TidBITS#1173 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2013年 5月 9日 (木) 19:26:04 PDT


TidBITS#1173/06-May-2013
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     英語版: <http://tidbits.com/issue/1173>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1173.html>


   今週の TidBITS は大きなことが起こっている。Josh Centers が、TidBITS の
   新しい編集主幹としてスタッフに加わってくれたからだ! 一方 iOS で起こっ
   ていることはあまり大きいとは言えず、iPhone 5 のみを対象とした極めて小
   さいアップデートが出た。その他のニュースとしては、MacTips.info ウェブ
   サイトが起業してみたいすべての人のために売りに出され、私たちのサイトの
   コメントシステムにあったバグのために一部のユーザーに身元確認の取り違え
   が起こったかもしれず、私たちのスタッフ円卓会議では Apple が株価を気に
   すべき理由が話題となり、David Rabinowitz が Apple の最近の財務的展開を
   掘り下げる。最後にもう一つ、Joe Kissell がまたもや必読の FlippedBITS
   記事を書いて、その中で Java に関することすべてと、Apple が Java 非推奨
   へと動いている理由とを解説する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、
   Cyberduck 4.3.1、Postbox 3.0.8、Little Snitch 3.1、Transmit 4.3.4、
   SpamSieve 2.9.7、それに GraphicConverter 8.6 だ。

記事:
     Josh Centers が新しい編集主幹に
     iOS 6.1.4、iPhone 5 のスピーカーフォン用オーディオをアップデート
     MacTips.info ウェブサイトが売りに出される
     TidBITS コメントシステムで身元確認の取り違え
     VidBITS: Apple 株価と日々のスコアカード
     Apple の財務判断に分け入る
     FlippedBITS: Java、JavaScript とあなた
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 5 月 6 日
     ExtraBITS、2012 年 5 月 6 日


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Josh Centers が新しい編集主幹に
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13739>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   Josh Centers がフルタイムの TidBITS 編集主幹として TidBITS Publishing
   Inc. に加わることに同意してくれたというニュースを、大きな喜びをもって
   お知らせしたい。既に彼はその仕事を始めている。彼の連絡先は電子メールで
   josh @ tidbits.com あるいは Twitter と App.net では @jcenters だ。

<https://twitter.com/jcenters>
<https://alpha.app.net/jcenters>

   去年、Glenn Fleishman が、iOS 6 における不当なセルラーデータ使用量につ
   いて調査をしていた際に Josh を「発見」した。この問題は今もまだ一部の人
   たちに起こり続けている。(2012 年 9 月 29 日の記事“iOS 6 の不可思議な
   セルラーデータ使用量の背後にあるもの”参照。)Glenn の勧めに従って、私
   たちは何度か Josh に TidBITS 記事の執筆を依頼し、その度に彼はいとも素
   早く、よく練られた正確な内容の記事を書き上げてくれた。彼の熱意と、執筆
   の速さ、細かい点まで目の行き届いているところは強く私たちの印象に残った。
   そこで私は、もっと大きな役割でスタッフとして働いてもらえば彼は貴重な存
   在になるのではないかと考え始めた。そこでいくつかの記事の編集作業を依頼
   してみると、彼はその仕事もしっかりとこなしてくれた。

<http://tidbits.com/article/13304>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1144.html#lnk4>
   "iOS 6 の不可思議なセルラーデータ使用量の背後にあるもの"

   TidBITS 会員からの収入のお陰で、Josh に常勤の職を提供できると私たちは
   考え、私の手に余るようになってきている TidBITS 関係のさまざまの職務を
   手伝ってもらえればと思った。幸いにも、彼はこれまでの会社での仕事に未練
   はなく、Western Kentucky 大学で得たジャーナリズムの学位を生かして毎日
   2 時間の通勤時間を在宅勤務に切り替えられるチャンスに飛び付いてくれた。

<http://tidbits.com/member_benefits.html>

   しばらくの間、Josh は記事の割り当て、執筆、編集、調整の作業で私の手助
   けをすることになるが、私たちの運用のしかたに慣れた後は、TidBITS に新た
   な方向性を提案しそれを実装する役割を始めてもらいたいと思っている。それ
   らはすべて、思慮に富んだ、プロフェッショナルに制作されたコンテンツを注
   意深くまとめ上げて読者の皆さんに提供したいという私たちの目標に向かって
   なされるべきことだ。正直言って、私は長年この仕事を続けてきてだんだん気
   難しい感情が出てくるようになってしまったので、テクノロジーに対して若々
   しい熱情を持ち合わせている人物と一緒に仕事することができるのをとても楽
   しみにしている。

   毎日の仕事の一部を Josh が担当してくれるので、私はもっと記事を書いたり、
   より大局的なプロジェクトに取り組んだりするために時間を割けるようになる
   だろう。これまで細かいことを気に病んだり、毎週の出版スケジュールに間に
   合わせようと焦ったり、読者からのコメントや問い合わせに返事を書いたりし
   つつ脇に追いやりがちだったことにも取り組めるわけだ。すべてが見込み通り
   に進めば、Josh が加わってくれたことで私たち皆がより幸せに、より生産的
   になれるだろう!


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13739#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13739>


iOS 6.1.4、iPhone 5 のスピーカーフォン用オーディオをアップデート
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13737>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   的を絞ったアップデートとはまさにこのことだ! Apple が iOS 6.1.4 をリリー
   スしたが、これは iPhone 5 のみ (GSM および CDMA モデル双方とも) を対象
   としている。Apple のリリースノートの全文を丸写しにすることをお許し願い
   たいが、それはたった五つの単語のみから成る "Updated audio profile for
   speakerphone" (スピーカーフォン用にオーディオプロファイルがアップデート)
   というもので、どの単語一つを抜かしてもニュアンスが正しく伝わらないので
   はないかと思う。いや、これが実際的に何を意味しているのか、私にはさっぱ
   り分からないが、少なくともこのアップデートのサイズはたった 11.5 MB だ。

<http://support.apple.com/kb/DL1652>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1652?viewlocale=ja_JP>
   "iOS 6.1.4 ソフトウェア・アップデート"

   いつもと同じく、アップデートは iPhone 5 の上で Settings > General >
   Software Update による(その方が簡単だ)か、あるいは iTunes を経由して
   もできる。私自身はこのアップデートをインストールして、スピーカーフォン
   がこれまで通り使えることを確認し、他に何も悪影響には気付いていないけれ
   ども、頻繁にスピーカーフォンを使っていてオーディオの音質に満足できてい
   ないという人でない限り、わざわざ今回アップデートすることはお勧めしない。
   今回の新しいプロファイルのどこがどう良くなっているのか私は知らないが、
   明らかに Apple は良くなっていると思っているようで、だからこそこれのみ
   のためにアップデートを出す価値があると思ったのだろう。もしもあなたがこ
   れをインストールして、その結果スピーカーフォンのオーディオが以前と違っ
   て聞こえるようになったならば、どうぞコメントで教えて頂きたい。

<http://tidbits.com/resources/2013-05/iOS-6.1.4.png>


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13737#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13737>


MacTips.info ウェブサイトが売りに出される
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13732>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   インターネットのコンテンツビジネスに参入することは決して手の届かない困
   難な仕事ではないが、それでも品質の高いコンテンツを定期的に生み出し、イ
   ンターネットにおける存在感を築いてそれを維持し、支持してくれる人たちを
   惹き付けるためには、大変な重労働が必要になることもある。加えてそこから
   お金を稼ぎたいと思うならば、さらにマーケティングやビジネス開発にも多く
   の努力を注がなければならないし、必ずや少々の幸運も必要となることだろう。

   もしもあなたがこの分野に手を染めたいと考えているのなら、有利なスタート
   を切れる機会がある。Miraz Jordan が、13 年間続けてきた MacTips.info サ
   イトを、1,000 以上もある記事すべてとともに、オークションにかけているの
   だ。この記事の執筆時点で価格は $3,500 となっているが、これだけの量のコ
   ンテンツがあって毎月平均して 30,000 人の訪問者(2012 年 1 月に訪問者数
   105,000 人を記録した)と 350 人の電子メール購読者、Twitter フォロワー
   600 人、RSS 読者 2,100 人、YouTube チャンネル登録者 400 人と Facebook
   の "like" 500 件を誇るサイトならば、この値段でも安過ぎるように思える。
   この The Flippa オークションは 2013 年 5 月 7 日に終了することになって
   いる。[訳者注: 結局、$4,250 で落札されたようです。]

<http://mactips.info/>
<https://flippa.com/2917676-pr-5-archive-of-1000-tips-for-apple-users-with-30-384-uniques-mo>

   MacTips.info は今ではそれほど膨大な収益をあげてはいないが、これまでに
   Take Control ブックのアフィリエイト販売により $1,000 以上を得て、私た
   ちのアフィリエイト先の中でもトップクラスの一つとなっている。Miraz がこ
   こを売りに出したのはお金の問題も一つの理由ではあるが、彼女は長年にわたっ
   てこのサイトに執筆を続けてきて、これからこのサイトをまた一段高いレベル
   へと持ち上げるだけのエネルギーは持ち合わせず、彼女自身の人生をまた別の
   ことに向けたいと思ったからでもある。それは十分に筋の通った話であると私
   は思うし、このような著者一人のウェブサイトであってもちょっとした小さな
   商店と同じように、オーナーが別の人に替わっても引き続き忠実な顧客たちの
   ために役に立てるというのは素敵なことだと思う。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13732#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13732>


TidBITS コメントシステムで身元確認の取り違え
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13728>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   大変申し訳ないことをしました! 少し前に、私たちは TidBITS Commenting
   System に見栄え上のバグがあったのを見つけてそれを修正したのだが、その
   副作用として、コメントを投稿しようとするとそのコメントに他のユーザーの
   名前が付いて表示されてしまうという現象が少数のユーザーに発生してしまっ
   た。私たちの書いたコードが、ごく稀な状況下において不正なクッキーを設定
   してしまうことにより、その問題を起こしていた。

   何が起こっているのかに気付いてすぐに私たちはこのバグを修正したけれども、
   どれくらいの人数の人たちが影響を受けたのかは分からない。残念ながら、不
   正な身元確認情報は遠い未来の期限満了日付と共にクッキーの中に保存されて
   いるので、問題は今も出現し続ける状態にある。さらに悪いことに、それらの
   不正なクッキーを私たちの側から判別したり修正したりできる良い方法はない。

   解決法は簡単だ。ユーザーの側で、tidbits.com に関する "tbcomm" クッキー
   を削除すればよいだけだ。けれども私たちには誰が影響を受けたかを知る方法
   がなく、そのためどなたにも連絡することができないので、最後の手段として
   こうしてこの記事を書いて、影響を受けてしまったユーザーの皆さんが読んで
   下さることを願っているという次第だ。このバグを起こしてしまったことにつ
   いても、このような形で説明しなければならないことについても、誠に申し訳
   なくお詫び申し上げます。ただ、この記事が少しでも多くの方々に役立つよう
   に願って、クッキーを削除するための具体的な手順を、人気ある三つのウェブ
   ブラウザについて以下に記しておいた。万一何か他の理由でクッキーを削除し
   たいと思われる場合にも以下を役立てて頂ければ嬉しい。[訳者注: 英語版
   の TidBITS ウェブサイトの記事ページに最近コメントを投稿したことがない
   場合は、このバグの影響を受ける可能性はありませんのでご安心下さい。]


**Safari**

1. Safari > Preferences を選んで Safari の環境設定ウィンドウを開く。

2. Privacy ボタンをクリックする。

3. Cookies And Other Website Data の隣の Details ボタンをクリックする。

4. 検索フィールドに tidbits.com とタイプする。

5. そこで表示される tidbits.com の項目を選び、Remove ボタンをクリックす
   る。(Safari では一つのクッキーだけを単独で削除することはできない。)

<http://tidbits.com/resources/2013-04/Safari-cookies.png>

6. Done をクリックして環境設定ウィンドウを閉じる。


**Chrome**

1. Chrome > Preferences を選んで Chrome の Settings ページを開く。

2. 一番下にある Show Advanced Settings をクリックする。

3. Privacy 見出し(上級設定を開けばこれが最初の見出しとなる)の下にある
   Content Settings ボタンをクリックする。

4. Content Settings ダイアログで、Cookies 見出しの下にある All Cookies
   and Site Data ボタンをクリックする。

5. Cookies and Site Data ダイアログで、検索フィールドに tidbits.com と入
   力する。

6. 表示された tidbits.com 項目を選び、私たちが TidBITS Commenting System
   用に使っているクッキーに対応する "tbcomm" ボタンをクリックして、Remove
   ボタンをクリックする。(X ボタンをクリックして tidbits.com に対応する
   すべてのクッキーを削除することもできるし、他の tidbits.com ドメインか
   らのクッキーがある場合はそれらもすべて削除できる。ただしこれをした場合、
   いったんログアウトするとサイトはあなたが記事の要約を隠したいか表示した
   いかの設定を忘れ去ってしまう。)

<http://tidbits.com/resources/2013-04/Chrome-cookies.png>

7. Settings ページを閉じる。


**Firefox**

1. Firefox > Preferences を選んで Firefox の環境設定ウィンドウを開く。

2. Privacy ボタンをクリックする。

3. History 見出しの下の Remove Individual Cookies リンクをクリックする。

4. Cookies ウィンドウで、Search フィールドに tidbits.com とタイプする。

5. 必要ならば下の方へスクロールして、tidbits.com のクッキーを表示させ、
   その中で Cookie Name カラムに "tbcomm" と表示された項目を見つける。そ
   れを選んで、Remove Cookie ボタンをクリックする。

<http://tidbits.com/resources/2013-04/Firefox-cookies.png>

6. Cookies ウィンドウと環境設定ウィンドウを閉じる。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13728#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13728>


VidBITS: Apple 株価と日々のスコアカード
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     文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13738>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   Apple の最近の業績電話会合の後、我々は Apple の経営者達が、その四半期の
   結果について討論するよりも、会社と製品に対する応援に如何に多くの時間を使
   ったかに目を奪われた ("Apple Q2 2013 業績、増収減益となる" 23 April
   2013 参照)。それをきっかけとして、我々の間でも Apple は何故その株価を気
   にすべきなのか、そして Apple が仕えていると思っているのは誰なのかについ
   て内部討論を持った - 顧客、素晴らしい製品とサービスをもって;株主、配当
   と事業を絶え間なく拡大することによって;或いは、投機家、この人達は事業の
   ことなどには何の関心も無く、株価の変動から利益を上げることにしか興味ない。
   勿論、Apple は実際に投機家に関心を持つことなどないが、その様に見えること
   もある。何故ならば、主流メディアは Apple の株価を扱うのが好きで、そして
   Apple はその取り上げ方は前向きなものであることを望んでいるからである。

<http://tidbits.com/article/13712>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1172.html#lnk2>
   "Apple Q2 2013 業績、増収減益となる"

   直近のスタッフ円卓会議で、Tonya Engst と Michael Cohen と私は Apple は何
   故その株価を気にすべきかについて話し合った。その中で幾つかの興味深い見方
   が示された。

<http://www.youtube.com/watch?v=jzIWotUsrpw>

   他の会社と同様、Apple が何故株価を気にすべきなのかの理由の一つは、株式が
   従業員報酬のかなりの部分を占めているからである。その形には、従業員株式購
   入プランとストックオプションの二つがある。我々の円卓会議では、これの中身
   にはあまり立ち至らなかったが、これは興味深いやり方である。その理由は、従
   業員に自社の株式を確保してやることで彼らには会社に対してある程度のオーナー
   意識が生まれ、そこから事業を進めようというやる気も出てくるからである。そ
   れはまた有能な人を惹きつけたり或いは定着させるのにも役立つ。しかし、企業
   はその株価を操作できないので、株式の価値はしばしば事業がどれだけうまくい
   っているのかとは関係のないものとなってしまうことがある - 従業員のインセ
   ンティブとしては利益に基づいたボーナスの方が分かり易いかもしれない。

   これら全てにおけるメディアの役割を考えてみると、ビジネスの世界では株価は
   ある会社の現在の健康状態を表す毎日のスコアカードに一番近いのかもしれない。
   (この流れで言うと、我々は Dow Jones Industrial Average には何故重大な誤
   りがあるかを説明した Planet Money ポッドキャストも紹介した。) Apple の株
   価が上がったか下がったかについて言えるということは、どのスポーツチームが
   勝ったのか負けたのかを報ずることに対する欲求に応えるのと同じ様なものなの
   である。それはまた現在進行中の物語に核となるものを与えるが、問題の多い形
   でもある。何故ならば、株価とはある企業の将来価値に対する市場の見方を現わ
   すものだからである (そしてもっと悪いのは、噂や暗示によって動かされる)。

<http://www.npr.org/blogs/money/2013/03/12/174139347/episode-443-dont-believe-the-hype>

   我々は最後に企業の健康度を判断するスコアカードをもっと正確に展開する方法
   は無いのであろうかを話し合い、一つの考えに到達した。それは Twitter のポ
   ストを分析してそれをクラウドソース (集計) するというものである。これは別
   に新しいアイディアではない - いわゆる "センチメント分析" を行うことで株
   価を予測する手法はある程度の成功を収めており、ヘッジファンドの投資戦略の
   基礎としても使われている。勿論、その理由から、今ではセンチメント分析はア
   ルゴリズム法売買ソフトウェアでは操作可能な入力として使われている。従って、
   株価は今やその企業についてソーシャルメディアで何が言われているかによって
   も影響される。

<http://venturebeat.com/2011/03/17/study-social-media-popularity-can-predict-stock-prices/>
<http://venturebeat.com/2012/05/28/twitter-fueled-hedge-fund-bit-the-dust-but-it-actually-worked/>

   そうではあっても、センチメント分析に基づいた数字が企業に対する現在の見方
   を報じるのに、株価をその数式の中に取り込むことなく、使われる可能性はある
   と私には思える。少し調べてみたら、この種の追跡をやっている会社が幾つか浮
   かび上がってきた。一例は Topsy で、その Pro サービスでは、キーワードに対
   するセンチメント点数を提供しており、それを時間軸でグラフ化することも可能
   である。

<http://analytics.topsy.com/>
<http://tidbits.com/resources/2013-05/Topsy-sentiment-score.png>

   (いつものことだが、このビデオは必ずしも見る必要はない;オーディオだけを
   聞くには、この記事の Web 頁の一番上にある Listen リンクをクリックするか、
   或いは TidBITS ポッドキャストに申し込んで iTunes 或いはあなたの好みのポ
   ッドキャストアプリに自動的にダウンロードすることも出来る。)

<https://itunes.apple.com/podcast/tidbits/id276986548?mt=2>


     ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13738#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/13738>


Apple の財務判断に分け入る
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     文: David Rabinowitz: <davrabinowitz @ gmail.com>, @david_rab
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13744>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   Apple は、現金と短期投資を溜め込んで July 2011 以来ほぼ二倍の $144.7
   billion にしておきながら、いつも倹約的であるという印象を与えて来た。そん
   なことで、昨年 Apple が $10 billion の自社株買戻し計画と四半期毎の配当を
   発表した時は驚かされたものである ("Apple、四半期配当を払い、株式を買い戻
   す" 19 March 2012 参照)。もっと驚かされたのは、同社が買戻し額を $60
   billion に増やし、そして配当も 15% 増額するという最近の発表である。

<http://tidbits.com/article/12875>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1118.html#lnk0>
   "Apple、四半期配当を払い、株式を買い戻す"

   これらの決定は、Apple に前例のない程の額の現金を使わせるという新しい財務
   戦略の始まりを意味する。いや違う。少なくとも厳密にはそうではない。結果的
   には、Apple は今後二年間でこれらの株式を買い戻すのに自分の現金を使うので
   はなく、お金を借りるのだということが分かった。銀行に $145 billion 近い資
   金を持っている会社が何故お金を借りる必要があるのか? そして Apple は何故
   今になって急に現金の蓄えに手を付け始めたのか? 同社の金蔵は実際に満杯だ
   という殆ど知られていない事実はさて置いて、Apple はお金を株主に可能な限り
   安い費用で返したいと思っているように見える。

   もう少し具体的な話をすると ("Apple Q2 2013 業績、増収減益となる" 23
   April 2013 参照)、Apple は 2013 会計年度第二四半期の業績を 2 週間前に発
   表した。同社は Wall Street の予測を僅かに上回ったが、利益はここ 10 年で
   初めて前年同期を下回った。他の鍵となる数字、例えば一株当りの利益そして粗
   利率の様な、も下落し、Apple が出した第三四半期に対する見通しも大方のアナ
   リスト達の予測を下回った。こんな話をすると全部が悪い様に聞こえるかもしれ
   ないが、Apple はそれでも巨額のお金を生み出している - 今年の第二四半期だ
   けで売上げは $43.6 billion そして利益は $9.5 billion であった。心配は
   Apple が成長株から値打ち株へと移行しているのかも知れないことで、その場合
   株主は儲けの殆どを定常的な配当から稼ぎ出す。大儲けの可能性に賭ける代わり
   に、投資家達は Apple を今やより動きの遅い、長期的な投資と見るようになっ
   ているのかもしれない。

<http://tidbits.com/article/13712>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1172.html#lnk2>
   "Apple Q2 2013 業績、増収減益となる"
<http://www.apple.com/pr/library/2013/04/23Apple-Reports-Second-Quarter-Results.html>
   (日本語 
)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2013/04/23Apple-Reports-Second-Quarter-Results.html>
   "Apple (日本) - Apple Press Info - Apple、第2四半期の業績を発表"

   二週間前の業績電話会合で、Tim Cook は Apple は今後手持ち資金を大きくいっ
   て二つのやり方で使い始める積りだと言った。一つは、自社株の買戻しを $10
   billion から $50 billion 増やして $60 billion にする。二つ目は、Apple の
   四半期配当を 15% 増やして一株当たり $3.05 にする。Cook の目標は $100
   billion を投資者に 2016 年迄に返還することである。これは巨大な額に聞こえ
   るかもしれないが、Apple の株価は、$700 を超える最高値から最近の $460 近
   辺にまで下がって、時価総額は $200 billion 以上も消し飛んだ。そして、勿論
   のことだろうが、Apple はこの間も更に多くのお金を稼ぐ積りである。

<http://thenextweb.com/apple/2013/04/23/apple-increases-buyback-to-60-billion-and-quarterly-dividend-to-15/>

   買戻しと配当は Apple にとっては新しい方向である。Apple が最後に配当した
   のは 1995 年であったことを考えると、この動きは昨年までは殆ど考えられない
   ものであった。そして伝説的投資家である Warren Buffett の進言にも拘わらず、
   数年前に Steve Jobs は買戻しに抵抗した。当時の Apple の株価は $200 代で
   あった。

<http://www.cnbc.com/id/46540227>

   この決定で最も興味深いのは、Apple がこれらの試み全てを賄う資金を借りるこ
   とである。同社は銀行におよそ $145 billion 持っている。これはこの大きな数
   字の水面下を見れば納得がいく。Apple の現金のうち約 $100 billion は海外に
   あり、買戻しのためにこれを本国に戻そうとするとかなりの税金が課せられるこ
   ととなる。専門家によると、同社がこのお金を米国に持ち帰るとすると、Apple
   は更に 10% から 30% 余分に税金を払わなければならないであろうという。債券
   格付け会社 Moody's によると、海外の現金を本国送還しないことで、Apple は
   35% の課税を逃れ、それにより $9.2 billion の節約が出来、おまけに社債の利
   息として支払う年 $100 million は税金の控除対象となる。ということで
   Apple は先週銀行以外では最大となる $17 billion の社債を発行した。そして、
   どうも供給は需要を満たすには小さすぎたようである。

<http://www.marketplace.org/topics/business/why-apple-cash-rich-and-debt-free-going-borrow-money>
<http://9to5mac.com/2013/05/03/apples-debt-strategy-saves-9-2b-in-taxes-plus-100m-a-year-in-interest-deductions/>
<http://www.reuters.com/article/2013/04/30/us-apple-debt-idUSBRE93T10B20130430>

   株買戻しのために借金をするというのには二つの明らかな利点がある。最初でそ
   して最も明らかなのは、株買戻しにより同社が支払わなければならない配当金額
   は減る。しかも今や Apple は配当金を増額しているのでその効果はさらに大き
   い。次は、それ程目立たない理由だが、借金に対する利息は課税控除となる。要
   するに、お金を借りることで Apple は、両方の世界で良いとこ取りをする方法
   を見つけたと言える。株買戻しで配当額を減らし、そしてその買戻しの資金を借
   りることで利息分を控除しようと言うのである。思うに、Apple は社債の支払い
   よりも多くの現金を稼げると信じているのであろう。

<http://www.washingtonpost.com/business/economy/what-apples-stock-buyback-shows-about-corporate-tax-games/2013/04/25/bcd6dc9a-adea-11e2-8bf6-e70cb6ae066e_story.html>

   株の買戻しはまた Apple の従業員の助けにもなる。Apple には Employee
   Stock Purchase Plan があり、数か月前までは、高い利益があげられる投資の様
   であった。このプログラムでは、従業員は年に給料の 10% まで (上限は $25,
   000) を使って AAPL の株を 15% 引きで買える。他の利点もあるが、株買戻しは
   お金を投資家に返すのに税効率のいい方法であると考えられている。それが従業
   員であろうと、他の個人であろうと、或いは団体であろうとである、何故ならば
   配当は課税対象だからである。Apple が最初に株買戻しプログラムを発表した時、
   Asymco の創業者である Horace Dediu は計算をしてみて次の結論に到達した、
   "Apple は株を報酬の一部として今後も提供し続け、その割合は賃金に対して
   1:4 となろう"。Employee Stock Purchase Plan とストックオプションの供与は
   従業員に対する大きなインセンティブである。特に Apple の様な会社にとって
   はそうであり、一株当り利益を増やしそして同社の株価は過小評価されていると
   信じていることを強調することで、株の買戻しで株価を上昇させ、そして従業員
   や長期の株主に益することが出来る。

<http://www.wikinvest.com/stock/Apple_(AAPL)/Employee_Stock_Purchase_Plan>
<http://zingfin.quora.com/Why-do-Many-Companies-Buy-Back-Shares>
<http://www.asymco.com/2012/03/20/tim-cooks-latest-promise-to-apples-employees/>

   Apple はこれまで何年もの間、その現金に手を付けないで来たのに、何故今それ
   を変えようとしているのか? Apple は公式には何も説明していないが、幾つも
   の問題からこれら最近の決定がなされたのであろう。同社は、物言う投資家であ
   りヘッジファンドマネジャーである David Einhorn からの訴訟に直面している。
   彼は同社がこれ程の現金を保有し続けていることに不満であった。理屈の上では、
   株の買戻しで、Apple は大株主の気まぐれへの脆弱性を減らすこと出来る。また、
   Apple の株価が上がっている時には投資家達は何も不満はない、何故ならば自分
   の投資に対して大きな見返りを目にしているからである。もし Apple がその株
   価は、もはやあの様な右肩上がりを続けられないことを認識しているなら、いわ
   ゆる値打ち株アプローチに移行することで、紙の上で同社が良く見えるように
   (とりわけ、一株当り利益と株主資本利益率を良くすることで)、そして Wall
   Street もなだめられるかもしれない。

<http://www.thedailybeast.com/articles/2013/02/08/apple-has-137-billion-in-cash-shareholders-aren-t-pleased.html>

   Apple の規模をもってすると、同社は製品工学にだけ焦点を当てることは出来ず、
   周到な金融工学にも携わらなければならない。最近までは、資金管理は大部分舞
   台裏で行われることが出来た (Apple は、本国送還して課税対象となるのを避け、
   注意深く海外での利益はその国に留めて置いたことがそれを証明している)。し
   かし、Apple の成長が実際に鈍りつつあるのであれば、これはどの企業でもいつ
   かはそうなるのを避けられない、この巨大な株買戻しや配当増額の様な公の動き
   は Wall Street を幸せにしておく助けにはなるであろう。世間には、これは技
   術革新も横ばいになる前兆なのではと見る人もいる。この人たちが例に挙げてい
   るのは、Microsoft が経験した同様な動きの後の株価と技術の停滞である。勿論
   ここからが Apple のチャレンジでもある - 期待を受け止め、そしてしっかりし
   た大企業としての堅実な金融行動を維持しながら、製品レベルでは急成長企業の
   様に行動するために。

<http://seekingalpha.com/article/1375571-apple-exits-the-steve-jobs-era-bets-on-engineering-of-the-financial-kind>


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   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/13744#comments>
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FlippedBITS: Java、JavaScript とあなた
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     文: Joe Kissell: <joe @ tidbits.com>, @joekissell
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13730>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   最近、Java に関するセキュリティの懸念とか、Apple から Java 関係のソフ
   トウェアアップデートが出たとか、その他 "Java" という単語を「危険」に結
   び付けて報告するニュースがたくさん聞こえてくる。それと同時に、Java と
   は何か、そこにどんな問題の可能性が潜んでいるのか、Java を取り除けばど
   んな結果が生じるのかといったことについてあまりにも多くの混乱が巷に溢れ
   ているのを私は目にしてきた。それに加えて、Apple から出される Java アッ
   プデートと Oracle から出される Java アップデートの違い、Java Runtime
   とは何か、JavaScript は Java にどう関係しているか (その答を言えば、両
   者は全く関係ない)、といった点についての混乱もあまりにも多い。今回の
   FlippedBITS 記事では、こうした混乱をすべてきちんと明らかにするという、
   無謀な目標に挑戦してみたいと思う。

   まずはすべての発端から話を始めよう。

<http://tidbits.com/resources/2013-05/Java_region_map.png>


**Java、Krakatoa 島の東** -- Java というのは、インドネシアで五番目に大き
   な(そして人口が最も多い)島の名前だ。私は二回ここを訪れたことがある。
   最近に訪れたのは私が 40 歳になった年だった。私の誕生日の夜明けに、妻と
   私はハイキングで活火山 Mt. Bromo に登った。いつか家に来てくれれば、そ
   の時に撮ったスライドをお見せしながら、美味しい... java (コーヒー) をご
   馳走しよう。そう、たまたま Java 島では品質の良いコーヒーがたくさん栽培
   されているので、コーヒーのことを java と呼ぶようになった。(さらに、た
   またま私は一人で世界のコーヒーの 3.5 パーセントを消費しているので、コー
   ヒーを "Joe" と呼ぶ人もいる。)1990 年代の初め頃、Sun Microsystems 社
   のエンジニアたちのチームが新しいプログラミング言語を開発していた時に、
   彼らはその名前をいろいろと検討した挙句、Java という名前に決めた。どう
   やら彼らもコーヒー愛好家だったようだ。

<http://tidbits.com/resources/2013-05/Java_logo.png>

   だから、この記事で扱う Java は、プログラミング言語だ。これがおおむね
   C++ に基づくオブジェクト指向言語だと説明をすることはできるけれど、プロ
   グラマーの方々はとうにそんなことはご存じだし、プログラマーでない方々に
   は興味のないことだろう。そこで、ここでは Java はプログラミング言語とし
   てかなり良いものだということだけ言っておこう。これはパワフルで、人気が
   あり、そしてここが重要な点なのだが、いったん Java アプリケーションがコ
   ンパイルされればそれが多くの異なったプラットフォームの上で走ることがで
   きるようにデザインされている。そう、同じ一つの Java アプリケーションが、
   Mac でも、Windows PC でも、Linux PC でも、あるいはスマートフォンでも、
   何の変更も必要とせず走るのだ。(実際にはこれは少し単純化し過ぎた言い方
   だが、極端に言えばそういうことになる。)

   いったいどうやって Java はそんな曲芸の技をひねり出すことができるのだろ
   うか? Java はいわゆる _仮想マシン_ に依存している。Parallels Desktop
   や VMware Fusion のようなアプリケーションを使って Mac の上で Windows
   や Linux を走らせたことがあれば、既に仮想マシンとは何かを大体はご存じ
   だろう。それはソフトウェアの中に作られた一つの環境で、あたかも物理的な
   コンピュータであるかのように機能する。Windows 仮想マシンを使えば Mac
   上で (または別の Windows の上で) Windows を走らせられるように、Java
   Virtual Machine (JVM) はどんなプラットフォームの上でも Java ソフトウェ
   アが走るようにする。ホストとなる個々のプラットフォームにはそれぞれ異なっ
   た JVM があって、それぞれの物理的ハードウェア上で走るようにデザインさ
   れている。例えば Intel x86 チップには一つの JVM があり、ARM チップには
   別の JVM がある。

   さて、ここでもう少し言っておくべきことがあるので、あと段落二つ分だけ、
   技術的なことになるけれどもどうか我慢して読み進めて頂きたい。

   第一に、JVM が「Java ソフトウェア」をどんなプラットフォームの上でも走
   るようにすると私は言ったが、そこで言うソフトウェアとは、いわゆる Java
   _バイトコード_ というものだ。Java バイトコード自体は Java ではなくて、
   むしろ Java のコードがコンパイラと呼ばれるプログラムを通じて走る際に作
   り出される中間的言語のようなものだ。両者の違いは通常はプログラマーでな
   い人が気にする必要のあるものではないが、ただ問題は、Java とは別のプロ
   グラミング言語がコンパイルされて Java バイトコードとなり、_それも_ ま
   た JVM で走ることがあり得るという点だ。だから、誰かが例えば Python や
   Ruby でプログラムを書き、特別のコンパイラを使ってそれをビルドして、そ
   の結果が JVM から見る限り Java で書かれたプログラムによるものと区別が
   つかない、ということも起こり得る。この記事では、JVM で走るソフトウェア
   すべてを考えているので、それがどの言語で書かれているかは関係ない。

   第二に、通常 JVM だけでは、コンピュータの上で Java バイトコードを走ら
   せるには十分でない。そのプラットフォーム特定のバージョンの Java Class
   Library も必要となる。このライブラリが、そのプラットフォーム上で個々の
   タスクをどうやって実行するかを JVM に指示する。例えば、Java プログラム
   の中にシステムビープ音を鳴らせという命令が含まれていたとしよう。その命
   令の実行は Mac OS X ならばある方法でするし、Windows はまた別の方法です
   る。そこで、JVM がホストプラットフォームに送ろうとしている命令を Java
   Class Library が受け取り、それをホストプラットフォームが期待する形に直
   して手渡すのだ。JVM と Java Class Library はほとんど常に一つのパッケー
   ジとして配布され、そのパッケージは Java Runtime Environment (JRE)、あ
   るいはたいてい縮めて "Java Runtime" と呼ばれる。Java Runtime はサンド
   ボックス化されている。(iOS や Mac App Store アプリと同じだ。)これは
   セキュリティを高めるためのものだが、セキュアなサンドボックスを開発する
   のは極めて困難なことであるので、Java のサンドボックスもあまり良い結果
   を出しているとは言えない。この点についてはあとでまた述べる。

   ここまでをまとめると、どんなデバイスでも、Java Runtime がインストール
   されていれば、Java バイトコードを走らせることができる。その Java バイ
   トコードは、もともと Java で書かれたものかもしれないし、他の言語で書か
   れたものかもしれない。


**むかしむかし、あるプラットフォームで** -- 初期の頃の Mac OS X において
   は、Apple は Java Runtime を(当時のオーナーであった Sun からライセン
   スして)内蔵して含めたばかりでなく、積極的に Java を「第一級市民」とし
   て奨励した。開発者たちは自分のアプリケーションを、もともと NeXTSTEP の
   一部であった Apple 独自のプログラミング言語 Objective-C でも、あるいは
   Java でも、自由に書くことができた。いずれの場合も、ユーザーたちは見栄
   えも使用感も(多かれ少なかれ)ネイティブな、きちんとしたアプリケーショ
   ンを得ることができた。(Java アプリはネイティブな Mac アプリのものと異
   なるインターフェイス要素を使うことが多かったためにしばしば「あまりちゃ
   んとしていない」と批判されたが、それは比較的些細な問題と言える。)結果
   として、たくさんの Mac アプリが Java で書かれ、今でもそういうものはい
   くつかある。

   でも、ここで大切なことがもう一つある。Java は、独立動作の、ダブルクリッ
   クで動くアプリケーションだけのものとは限らない。それ以外に、Java _アプ
   レット_ がウェブページに埋め込まれることもある。コンピュータに Java
   Runtime がインストールされていて、ブラウザに(埋め込まれたアプレットを
   サポートするための)Java プラグインがあり、しかも Java への対応が有効
   となっている場合には、アプレットと呼ばれる高度に複雑なプログラムがウェ
   ブブラウザの内部で走ることができる。Flash や Silverlight などがまだ人
   気を得ていなかった時代に、Java アプレットはウェブページに双方向性を追
   加し複雑なコンピュータ機能を持たせるための一般的な方法であった。

   けれどもその後年月を経て、Java は第一級市民の座を滑り落ちて、疑いの目
   でよそ者扱いをされるようになった。(そしてそれは何も Mac の上に限った
   ことではなかった。)そこには技術的、法律的、さらには政治的な問題も絡み
   合っていて、すべてを話せば長く入り組んだものになってしまうので、ここで
   は最近持ち上がった重要な点のいくつかを紹介するだけに止めたい。

   Java は、開発やコンパイルに使うツールや、ランタイム環境、その他さまざ
   まな部分も含めて、少なくとも 2007 年以降はオープンソースであった。とこ
   ろが、その管理は主として 2010 年に Sun Microsystems を買収した Oracle
   Corporation の手によって行なわれてきた。Oracle の実装した Java だけが
   唯一のものではないけれども、実質的にそれは限りなく「公式」なバージョン
   となっている。長い間、Apple が Mac OS X に内蔵してきたバージョンの JRE
   はいつも Oracle の最新バージョンより数ヵ月も遅れていた。そしてその点こ
   そ、例えばセキュリティの欠陥が発見された場合などには大きな問題となった。
   Oracle がそれを素早く修正したとしても、Apple がそれに追い付くまでの間
   Mac はずっと脆弱なままだったからだ。

   ここで、セキュリティの欠陥について少し話しておこう。Java Runtime の中
   に深刻なセキュリティの問題が多数あるのは残念なことで、四六時中新たな問
   題が出現するのが実情だ。(数字を言えば、2013 年に Apple が出した Java
   アップデートだけでも 56 個の個別の脆弱性に対処が施されている。)私が
   Java Runtime と言ったことに注意して頂きたい。問題は Java プログラミン
   グ言語自体の中にあるのではなくて、Java バイトコードを走らせるために使
   われる環境の中にあるのだ。さらに、真の問題は Java Runtime それ自体にあ
   るのではなくて、むしろそれは、もしもあなたのウェブブラウザに Java プラ
   グインがインストールされ有効になっていて、あなたが悪意ある Java アプレッ
   トを含んだウェブページをたまたま訪れた場合に、それがあらゆる種類の深刻
   なダメージを及ぼすかもしれない、という事実にある。いくつかの欠陥には、
   ウェブブラウザの内部のみに安全に留まっているはずの Java コードが言わば
   サンドボックスの外に飛び出して、あなたのコンピュータ上の別の場所でさま
   ざまな悪さをすることを許すようなものさえ含まれている。厄介な、非常に厄
   介な挙動だ。悪漢たちは、この種のセキュリティホールを見つけ出して攻撃し
   ようと、休みなく働き続けている。

<http://tidbits.com/resources/2013-05/Java_multiple_vulnerabilities.png>

   これらの問題に対処するために Apple は複数の戦術を使ってきたし、ここし
   ばらくの間はユーザーたちに Java を _一切使わない_ ことを勧めようと懸命
   に努めてきている。

   Mac OS X 10.7 Lion 以降、Apple はもはや Java Runtime をオペレーティン
   グシステムの中に含めていないが、あなたが Java アプリを走らせようとすれ
   ば Mac があなたに Java Runtime をダウンロードしてインストールするかど
   うか尋ねてくるようにした。数回クリックするだけで、Java Runtime がイン
   ストールされる。ただし、そうやってあなたが入手するのは最新リリース版で
   はない。Apple は Java 6 の一つのバージョン (つまり build 1.6.x) をあな
   たに渡す。けれども Oracle から出ている最新版は Java 7 (つまり build
   1.7.x) だ。Oracle のバージョンが欲しければ、それをダウンロードしてイン
   ストールすれば Apple のバージョンに代わってそちらが使われる。でも、お
   そらくそうすることは賢明でない。なぜなら、Java 7 には Java 6 よりもさ
   らに _もっと多くの_ セキュリティの問題点があるからだ。現在のところ、
   Apple は同社のバージョンの Java 6 に対して積極的にセキュリティパッチを
   施してアップデートをしており、Oracle も Java 7 に対して同様の修正を加
   えている。それに、以前とは違って、今では Apple も Oracle と同じくらい
   素早くそうしたパッチを用意するようになっている。それに加えて、Apple は
   Safari の中に脆弱性の多い特定のバージョンの Java プラグインを使えない
   ようにする対策も組み込んだ。(一方 iOS では Java は利用できない。理由
   はお分かりだろう。)

<http://www.java.com/en/download/mac_download.jsp>
   (日本語)<http://www.java.com/ja/>
   "java.com: あなたとJava"


**Joe から Java について言いたいこと** -- 一点の曇りもなく明確になるよう
   に、ここでもう一度重要な二点を繰り返しておこう。一つには、Java プログ
   ラミング言語も Java Runtime も、それ自体ではあなたの Mac の害になるこ
   とはない。単に Java Runtime をインストールしているだけでセキュリティの
   リスクが生まれることはない。実際、独立動作の Java アプリケーションを走
   らせることさえ、それがよく知られた入手源から来たものである限り、安全だ。
   あるいは別の言葉で言えば、独立動作の Java アプリを走らせるのは、他のど
   んなアプリを走らせるのとも全く同等に安全だ。(なぜなら、結局のところ、
   どんなアプリも理論的には悪意ある改変を受けることがあり得るからだ。)

   他方、ウェブブラウザの中で Java を有効にしておくことは、現時点では、極
   めて危険だ。ブラウザではオフにしておくことを強くお勧めする。Safari で
   それをするには、Safari > Preferences を選び、Security をクリックし、
   Allow Java (Java を有効にする) のチェックを外す。Chrome でするには、
   chrome://plugins を訪れ、Java の下にある Disable リンクをクリックする。
   Firefox では、Tools > Add-ons を選び、Plugins をクリックし、Java Applet
   Plug-in の横にある Disable ボタンをクリックする。

   あなたが最新版の Safari を使っているなら、個々のウェブサイトごとに選択
   的に Java を有効に _できる_。(Java は有効にしておくが、個々のサイトご
   とにそのサイトが安全だと確信できるもののみで個別に Java の使用を認める
   設定にしておく。詳しくは 2013 年 4 月 26 日の記事“Safari アップデート
   で更なる Java 保護を加える”参照。)けれども最近では正当な方法で Java
   を使っているウェブサイトの数も実際少ないので、普段はブラウザでは Java
   をオフにしておき、絶対に必要だという確信がある場合のみオンに切り替える
   ことをお勧めしたい。

<http://tidbits.com/article/13716>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1172.html#lnk4>
   "Safari アップデートで更なる Java 保護を加える"

   さて、Java Runtime 自体をアンインストールしようかどうしようかと思案中
   の方のために、その点についてきちんと説明しておこう。Lion かそれ以降を
   走らせている場合は、あなたの Mac に Java Runtime が存在しているとすれ
   ば、それはあなたが Java アプリを走らせようとしたことがあるか(その場合、
   今後もそのアプリを走らせたいのなら、あなたは Java Runtime をまだ必要と
   している)それともあなたが Oracle から Java Runtime を自分でダウンロー
   ドしたか(この場合もやはり、あなたはそれを必要だからそうしたのだろう)
   のいずれか _しか_ ない。あなたが CrashPlan を使っているならば(このア
   プリを私は強くお薦めしている)現時点ではあなたはまだ Java を必要として
   いる。(CrashPlan の開発者 Code 42 Software は現在 Java を使わないバー
   ジョンの Mac 用 CrashPlan を開発中で今年中にはリリースされる予定だ。)
   Adobe Creative Suite の一部も、そこには Photoshop も含まれるが、Java
   に依存している。その他にも OpenOffice や、いくつかのゲーム、ほんの少数
   の生産性アプリなどもそうだ。もしもあなたが Java に依存するアプリを必要
   としているならば、あなたは Java Runtime を持っていなければならない。
   _Apple が_ 出したバージョンの Java を使い、ウェブブラウザでは Java を
   すべて _オフにしておく_ ことをお勧めする。

   もしもあなたが Java を必要とせず、それなのに Java がインストールされて
   いるのならば、アンインストールするとよい。Rich Mogull が、Macworld 記
   事 "How to disable Java on your Mac" の中で、状況に応じて Java をアン
   インストールしたり無効に設定したりする方法を解説している。

<http://www.macworld.com/article/2028900/>


**JavaScript** -- Java については、以上の通りだ。けれどもここで、コーヒー
   に関係するもう一つのコンピューティング用語、JavaScript についても触れ
   ておこう。JavaScript は、また別のプログラミング言語の名前だ。こちらは
   もともと Netscape によって開発されたものだ。JavaScript と Java の間に
   は、どちらもずっと古い C 言語からインスピレーションを得て生まれたもの
   だという点以外、似ているところはほとんどない。名前が似ているのは、基本
   的にマーケティングの離れ業によるものに過ぎなかった。JavaScript はもと
   もと LiveScript と呼ばれていたが、どうやら Netscape は当時人気を得てい
   た Java にあやかろうとしたらしく、JavaScript という名前に変えてしまっ
   た。とてもとても残念なことだ。当初から多くの人々が JavaScript は Java
   と何らかの関係があると思い込まされてしまったのだったが、何のことはない、
   全然別の言語だったのだから。

   Java とは違って、JavaScript は仮想マシンに依存したりしない。しかしなが
   ら、これは _インタープリタ言語_ だ。つまり、この言語で独立動作のアプリ
   ケーションを作ることも、アプレットを作ることさえもできない。_インター
   プリタ_ と呼ばれるソフトウェアが、生のプログラミングコードを読み込んで、
   その場でその命令を実行しなければならない。JavaScript はウェブページに
   何らかの機能を追加するために使われることが多いので、事実上あらゆるウェ
   ブブラウザがそれぞれ独自の JavaScript インタープリタを備えている。

   JavaScript は、ウェブページの上で驚くほど多様なことができる。従来 Java
   が使われていたタスクの多くが、JavaScript を使ってできる。JavaScript を
   使った動的なメニューや、その他ナビゲーション関係のコントロールを使って
   いるサイトはたくさんある。フォトギャラリーや、電子メールとカレンダー用
   のウェブアプリ、Google Docs などのワードプロセッサ、その他よくあるさま
   ざまのツールが、JavaScript に大きく依存している。そうしたければ、ブラ
   ウザの中で JavaScript を無効にすることも可能だ。けれどもそんなことはし
   ない方がよい。これはあまりにも便利でいたる所で使われているツールなので、
   これがなくなるとあなたのウェブ体験はとたんに粗末なものに成り下がってし
   まうだろう。まともに使えなくなるサイトも多いかもしれない。(もう一つ付
   け加えると、JavaScript は iOS デバイスの上でさえも使える。)

   だからと言って JavaScript がこれまでセキュリティに関して完璧な実績を残
   したというわけでもない。確かに、ポップアップ広告や、ウィンドウの自動リ
   サイズなど、いろいろ迷惑なことのために JavaScript が使われることもある。
   けれども JavaScript の脅威レベルは、Java の脅威とは比較にもならない。
   JavaScript は、ブラウザの外へ手を届かせることができないからだ。


**最後に一言** -- 私は Java が大好きだ。(あの島も、飲み物も、そしてプロ
   グラミング言語さえも。)けれども私はすべてのブラウザで Java をオフにし
   ているし、私がいつも使っている Java ソフトウェアにいつかネイティブ Mac
   版が出さえすれば、すぐに Java をアンインストールして二度と後ろを振り向
   かないつもりだ。Java の持つ「一度書き上げれば、どこででも走る」という
   アプローチは理論的には素晴らしいが、実際問題としては煩わしさを我慢する
   だけの価値はない。一方 JavaScript に関しては、すべてが良いことずくめだ。
   ただし、私が自分のブラウザを調整してポップアップウィンドウやその他迷惑
   な挙動をブロックしても、文句は言わないで欲しい。

   [Java 島の地図は Burmesedays による。CC-BY-SA-3.0, via Wikimedia Commons.]

<http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>


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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 5 月 6 日
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     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13742>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**Cyberduck 4.3.1** -- ファイル転送アプリは Fetch と Transmit だけではな
   いぞと言わんばかりに、Cyberduck チームがそのオープンソースアプリのバー
   ジョン 4.3 をリリースした。2011 年末ごろ以来の、久しぶりのアップデート
   だ。今回の最大のニュースは Cyberduck が Dropbox、Google Drive、および
   Windows Azure への対応をしなくなったことで、これにより開発者たちが労力
   を Amazon S3 への対応の改善に集中できるようにした。(Cyberduck ブログ
   記事によれば、ユーザーからの要望が多ければ Azure と Google Drive への
   対応は復活させるかもしれないという。)今回の新リリースでは OS X 10.8
   Mountain Lion 用のアップデートが施されて Gatekeeper と通知センターにも
   対応し、また Retina ディスプレイへの対応も追加された。また、今回から
   Cyberduck が Qloudstat とも統合された。これは CloudFront の流通、S3 の
   バケット、および Rackspace CloudFiles のコンテナの監視と分析を提供する
   サービスだ。この 4.3 アップデートが出てから数日後、制限速度の無制限設
   定ができなくなっていた問題を修正した Cyberduck 4.3.1 がリリースされた。
   Cyberduck は無料だが、ドネーションの送金により、あるいは Mac App Store
   経由で $23.99 で購入することにより支援することもできる。(無料、26.1 MB、
   リリースノート)

<http://cyberduck.ch/>
   (日本語)<http://cyberduck.ch/>
   "Cyberduck | FTP、SFTP、WebDAV、Cloud Files、Google Drive、S3用ブラ 
ウザ、MacとWindowsに対応 | Cyberduckについて"
<http://blog.cyberduck.ch/2013/04/05/spring-cleaning/>
<https://qloudstat.com/welcome>
<https://itunes.apple.com/us/app/cyberduck/id409222199?mt=12>
   (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/cyberduck/id409222199?mt=12>
   "Mac App Store - Cyberduck"
<http://cyberduck.ch/changelog/>

   Cyberduck 4.3.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13740#comments>


**Postbox 3.0.8** -- Postbox が、同名の電子メールクライアントのバージョ
   ン 3.0.8 をリリースした。デュアル GPU を備えた MacBook Pro モデル専用
   のグラフィックスプロセッサを統合することにより、電力消費を抑え、結果と
   してバッテリ消費を減らしている。今回のアップデートではまたツールバーに
   Run Filters on Folder ボタンを追加し、通知センターのアラートが直接メッ
   セージにリンクされるようにし、メッセージパネルのフォルダ名の隣にアカウ
   ント名も表示するようにし、iCloud 電子メールアカウント用にアカウント自
   動設定への対応も追加している。さらに、Growl 統合に関する問題点と、索引
   付けの際のクラッシュ、Thunderbird からの読み込みの際のクラッシュも修正
   している。(新規購入 $9.95、無料アップデート、21.5 MB、リリースノート)

<http://www.postbox-inc.com/>
<http://www.postbox-inc.com/releasenotes>

   Postbox 3.0.8 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13741#comments>


**Little Snitch 3.1** -- トラフィック監視ユーティリティ Little Snitch で
   プロファイルを使って接続制限のルールのセットを作ることは従来も可能では
   あったけれども、そのためにはそのプロファイルへ手動で切り替えることを覚
   えていなくてはならなかった。今回リリースされた Little Snitch 3.1 で、
   Objective Development は新たに Automatic Profile Switching 機能を追加
   して、一つのネットワーク(例えばあなたの自宅の Wi-Fi ネットワークや、
   コーヒーショップのホットスポットなど)ごとに特定のプロファイルを割り当
   てることができるようにした。一つのネットワークに初めて接続する際に、ア
   ラートウィンドウが開いてどのプロファイルをそのネットワークに割り当てた
   いかを尋ねてくる。そのネットワークでは何もしないように設定することも、
   またあらかじめデフォルトのプロファイルを設定しておいて未知のネットワー
   クではすべてそれを使うようにすることもできる。アラートウィンドウが開い
   ている間は一切ネットワークトラフィックの通過が許されないので、望ましく
   ない状況下で電子メールやファイル同期アカウントが勝手にデータの送受信を
   してしまうことはない。Little Snitch 3.1 でのその他の変更点としては、
   Restore Factory Defaults 機能の改善、稀にカーネルパニックを起こすこと
   のあったバグの修正、Automatic Profile Switching 機能の追加に対応したヘ
   ルプセクションのアップデート、などがある。(新規購入 $34.95、無料アップ
   デート、13.2 MB、リリースノート)

<http://www.obdev.at/products/littlesnitch/>
<http://blog.obdev.at/?p=44>
<http://www.obdev.at/products/littlesnitch/releasenotes3.html>

   Little Snitch 3.1 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13736#comments>


**Transmit 4.3.4** -- Panic が Transmit 4.3.4 をリリースした。Mac OS X
   10.6 Snow Leopard を走らせている人たちに喜びをもたらすための、小さなメ
   ンテナンスリリースだ。今回のアップデートでは Snow Leopard 上でフォルダ
   を同期しようとする際に Transmit のユーザーインターフェイスが反応しなく
   なるバグが解消された。さらに、このファイル転送プログラムで TLS/SSL を
   経由した FTP に接続しようとする際に一部のサーバで接続に失敗していた問
   題が修正され、転送の最中やお気に入りにサーバのファビコンをダウンロード
   している最中にアプリを最小化しようとすると起こったクラッシュが解消され、
   Transmit Disk の自動アップデートに関する問題が修正された。(新規購入
   $34、無料アップデート、29.4 MB、リリースノート)

<http://panic.com/transmit/>
<http://panic.com/transmit/releasenotes.html>

   Transmit 4.3.4 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13735#comments>


**SpamSieve 2.9.7** -- C-Command Software が SpamSieve 2.9.7 をリリース
   し、このスパムフィルタリングユーティリティの動作の全体的な正確度を向上
   させた。今回のアップデートで、AppleScriptKit へのリンクをしなくなった。
   その結果として GUI スクリプティング機能がいくつか失われたが、SpamSieve
   が起動できなくなることのあったバグが回避された。また、Outlook が特別の
   Junk E-mail フォルダを見失った場合に訓練済みのメッセージの挙動を改善し、
   連絡先の電子メールアドレスを取得しようとする際にエラーが返ってきた場合
   アドレスがロードできなくなる Outlook のバグを修正し、Apple Mail ではア
   クセス権に関する問題を修正するとともにルール同期のバグを回避し、必要な
   フォルダにアクセスするために SpamSieve が正しいアクセス権を持っている
   かどうかのチェックを増やし、Apple Mail と Growl に関するエラー報告を改
   善し、また日本語ローカライズ版を改善している。SpamSieve は今回から Mac
   OS X 10.5 かそれ以降を必要とする。(Mac OS X 10.2 から 10.4 までと互換
   な旧バージョンはサポートページから入手可能だ。)(新規購入 $30、TidBITS
   会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、10.8 MB、リリースノート)

<http://c-command.com/spamsieve/>
<http://c-command.com/spamsieve/support#older-versions>
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<http://c-command.com/forums/showthread.php/3768-SpamSieve-2-9-7>

   SpamSieve 2.9.7 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13734#comments>


**GraphicConverter 8.6** -- Lemkesoft が GraphicConverter 8.6 をリリース
   して、数多くの新機能を追加した。主なものとしては、レイヤーの追加、カー
   ブ付きの明るさ機能、オンライン共有およびバックアップサービス DPHOTO へ
   の対応などがある。その他の追加機能としては、ムービーの表示の際のフィル
   ムストリップオプション、ロスレス・バーチャルの回転・ミラー操作に対する
   ショートカット、RGBA ファイルを TIFF で保存する際にアルファチャンネル
   のプリマルチプライを切り替えるオプション、最後に使ったズームを使用する
   オプションもある。この画像変換・編集ユーティリティにはまた、WPG および
   WPG2 読み込みの改善、ExifTool のアップデート、ブラウザ内での拡張キーボー
   ドによるコントロール、シャープネスレンジの改善など、多数のアップデート
   も施された。今回のアップデートではまた、JPEG 圧縮付き CMYK TIFF ファイ
   ル、32-bit グレイスケール TIFF、および GIF アニメーションの読み込みに
   際して特定の状況化で影響していたバグも修正された。(Lemkesoft ウェブサ
   イトから新規購入 $39.95、Mac App Store から新規購入 $38.99、155 MB、リ
   リースノート)

<http://www.lemkesoft.de/en/products/graphic-converter/>
<https://itunes.apple.com/us/app/graphicconverter/id408364640?mt=12>
   (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/graphicconverter/id408364640?mt=12>
   "Mac App Store - GraphicConverter"
<http://www.lemkesoft.org/files/graphicconverter/notes/1200.html>

   GraphicConverter 8.6 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/13733#comments>


ExtraBITS、2012 年 5 月 6 日
----------------------------
     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/13743>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週は注目したい記念日の記事を二つ紹介しよう。World Wide Web がパブリッ
   クドメインになってから 20 年目の記念日を祝い、SF出版社の Tor が DRM
   フリーの電子ブック出版の一周年に達する。


**World Wide Web はパブリックドメインになって 20 周年** -- 1993 年 4 月
   30 日に、ウェブを作り出す背後にあった団体 CERN が公式に World Wide Web
   プロジェクトのソフトウェア(行モードのクライアント、基本サーバ、および
   共通コードライブラリ)をパブリックドメインに置いた。歴史にそれを記した
   のは Tim Berners-Lee で、Robert Cailliau が大きな助力をした。今回この
   大きな記念日を祝うために CERN が開いたサイトでは、それらの歴史について
   詳しく読めるとともに、世界初のウェブサイトと、当時の法律書類を見ること
   もできる。(Adam です。シアトルの Hypertext '93 カンファレンスで私が
   Cailliau に会った時に、私は自分が昼食を共にしつつ彼のティーンエイジャー
   の娘へのお土産をどこで買うのがいいか助言しているその相手がどんな人物か
   を全然知っていなかった。それと知って、私はとても恥ずかしい思いをした。
   著書 "Internet Starter Kit for Macintosh" の中で、彼の MacWWW ブラウザ
   について、このソフトウェアはごく原始的でとてもバグが多いなどと書いてけ
   なしてばかりだったからだ。それでも彼はとても優しく私に接してくれた。)

<http://info.cern.ch/>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13731#comments>


**Tor が DRM フリーの電子ブック一周年に到達** -- およそ一年前、SF小説
   やファンタジー小説で定評ある出版社の Tor Books が、同社のすべての電子
   ブックからデジタル著作権管理の保護を取り除くと発表した。今回、Tor UK
   の Julie Crisp が、その決断が海賊版電子ブックに関して何を意味したかを
   明かしている。「実際には、DRM フリーになってから一年近く経ちましたが、
   わが社のタイトルで海賊版が特に増えたとは認められません。」(当然ながら、
   私たちから見てもこれは全く驚くに当たらない。私たちも Take Control 電子
   ブックを DRM フリーで十年近く出し続けているが、結果は私たちも全く同じ
   だからだ。)Tor にとって同じくらい心強いのは、同社の DRM フリーのポリ
   シーに対して著者たちから大きな支持が寄せられていることだ。

<http://www.tor.com/blogs/2013/04/tor-books-uk-drm-free-one-year-later>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/13727#comments>

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