TidBITS#1230 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2014年 7月 10日 (木) 21:01:07 PDT


TidBITS#1230/07-Jul-2014
========================
     英語版: <http://tidbits.com/issue/1230>
     日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1230.html>


   Apple が新型 Mac Pro 用のセキュリティロック・アダプタをリリースしたが、
   標準機能であってもおかしくないものに $49 という価格は高過ぎるのではな
   いだろうか? 少なくともこの Mac Pro 用ロックアダプタは Apple 製品用の
   他のあまりにも多くのアクセサリと違って、たぶん二流品ではないだろう。そ
   こで Josh Centers が、他にも値段に見合った価値のある六つのアクセサリを
   紹介する。さて、iPhoto と Aperture が夕陽に向かって去って行くのを見送
   りつつ、Jeff Carlson が写真家たちのために次に来るべきものは何かと思案
   する。PC のライバルたちに比べて、MacBook Air は少々停滞気味に見えるが、
   はたしてこれは今でも競争力のあるマシンだろうか? Julio Ojeda-Zapata が、
   MacBook Air を三つの Windows ラップトップ機と比較して、戦える状態にあ
   るのかを見る。それから Josh が最新の FunBITS 記事で、賞に輝く Blek を
   紹介する。これは書道をモチーフにしたパズルゲームだ。今週注目すべきソフ
   トウェアリリースは、LaunchBar 6.0.2、ScreenFlow 4.5.2、それにセキュリ
   ティアップデート 2014-003 (Mountain Lion および Lion) だ。

記事:
     Apple、Mac Pro セキュリティロックを $49 で提供
     有用な Apple アクセサリー六つ
     Aperture のゴールデンアワー
     MacBook Air を最新の Ultrabook や Surface と比較するとどうか?
     FunBITS: Blek は iPhone と iPad 用の曲線の難問
     TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2014 年 7 月 7 日
     ExtraBITS、2014 年 7 月 7 日


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Apple、Mac Pro セキュリティロックを $49 で提供
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     文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14890>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   新型の 2013 年代 Mac Pro をお買いになった人は、この小さな、それでいて
   高価なデスクトップマシンに、ろくでなしがそれを机の上から持ち去るのを防
   止するための標準セキュリティスロットが付いていない事に気づいて唖然とさ
   れているかもしれない。

   Apple はこれに対する解を示した:$49 のクランプオン Kensington ロックアダ
   プタである。これは殆どのコンピュータセキュリティロックに対応し、更に
   Mac Pro が開かれる事も阻止する。残念ながら、$49 でくるのはブラケットだけ
   で、それに使うロックは付いてこない。後者には更に $5 から $30 を払う必要
   がある。

<http://store.apple.com/us/product/MF858AM/A/mac-pro-security-lock-adapter>
<http://tidbits.com/resources/2014-07/Mac-Pro-Security-Adapter.jpg>

   Mac Pro は最低でも $2,999.00 もするのに、本来なら標準機能であるべきもの
   に対して Apple が更に $49 も課するのは、少々腹立たしい。但し、見方を変え
   れば、この様な高価なハードウェアに多少なりとも防護を加える費用としては
   $49 はそれ程でもないとも言える (Mac Pro を買おうかどうかまだ悩んでいる人
   は、 Julio Ojeda-Zapata の "Mac Pro は一般のユーザーにも合うか?" 21
   April 2014 を参照されたい)。

<http://tidbits.com/article/14687>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1220.html#lnk2>
   "Mac Pro は一般のユーザーにも合うか?"

   Apple が、同様の解を MacBook Air やより最新の MacBook Pro with Retina
   Display にも提供するのを願いたいものである。現行のこれらどちらにもセキュ
   リティスロットは付いていない。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/14890#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/14890>


有用な Apple アクセサリー六つ
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     文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14848>
     訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>

   Apple 製品用として、果てしない程のアクセサリーが存在するが、正直言って、
   殆どのものはがらくたである。皆さんも、幾ばくかの時間でも Apple の世界に
   いた経験があるのであれば、恐らく iPhone ケース、アダプタケーブル、キーボー
   ド、スクリーン保護等々、集めたものは押し入れ一杯にもなっているではなかろ
   うか。

   私もテック著作を生業として一年以上になり、集めたがらくたも人並みからはか
   なり外れた量になってしまっているが、私の毎日の Apple 経験を真に改善して
   くれる六つの小道具があるので、紹介したい。


**Skiva USBLink Duo 2-in-1 Cable** -- Apple のより新しい iPhone, iPod,
   そして iPad に使われている Lightning ポートは良く出来ており、急速充電と
   無方向挿入に対応している。しかし、Apple にまつわる事の常道として、これも
   標準品ではない。他社からの多くの機器は、例えば Amazon の Kindle や
   Android 電話は、そして iPhone 電池パックや iPad キーボードケースですらも、
   micro USB プラグを使って充電する。

   もし家中が基本的に Apple であれば、micro USB ケーブルを常時つないでおく
   必要性はないであろう。この様な状態こそ、独創的な USBLink Duo 2-in-1
   Cable が重宝する場面である。一見したところ、これは通常の 1 メートルの
   Lightning ケーブルの様に見えるが、キャップを外すとその下に micro USB が
   現れる。この USBLink Duo 2-in-1 の小売価格は $15.99 だが、供給は限られて
   いる。

<http://www.skivatech.com/index.php/products/usb-cables/product/62-skiva-apple-certified-2-in-1-lightning-micro-usb-charge-and-sync-cable-3-feet.html>
<http://www.amazon.com/dp/B00HEU1JGI/?tag=tidbitselectro00>
<http://tidbits.com/resources/2014-06/Skiva-USBLink-Duo.jpg>


**MagCozy** -- Apple 独自のケーブルの話でいえば、昔の Apple 電源を最近の
   MacBook に使うための MagSafe から MagSafe 2 への変換器を持っていますか?
   このアダプタは小さくて、すぐに何処に行ったか分からなくなってしまう。そこ
   が MagCozy の出番である。

<http://store.apple.com/us/product/MD504ZM/A/magsafe-to-magsafe-2-converter>
   (日本語 
)<http://store.apple.com/jp/product/MD504ZM/A/magsafe-to-magsafe-2-converter>
   "MagSafe - MagSafe 2コンバータ  - Apple Store (Japan)"
<http://cozy-industries.com/collections/frontpage/products/magcozy-2-pack>

   前述の Skiva ケーブルのデザインと同様、この MagCozy は MagSafe 2 アダプ
   タを手持ちの MagSafe ケーブルに、T 型か、L 型に紐付けする。アダプタの取
   り付け取り外しは何時でも出来るが、手持ちのケーブルから離れる事はない -
   そしてソファーのクッションの間に埋もれてしまうことも防いでくれる。
   MagCozy は 7 色あり (Glow in the Dark もある)、二個組みで $9.99 である。

<http://tidbits.com/resources/2014-06/MagCozy.jpg>


**Lenmar Meridian** -- 何時も使いたいものではないが、iPhone 用の電池ケー
   スは、旅先で、或いは緊急時には欲しいものである。

   私は Macworld/iWorld 2014 に出発する前に、Lenmar Meridian iPhone 5
   Power Case (定価 $89; Amazon では $65) を買った。これは The Wirecutter
   で推奨されていたものである。人気の Mophie Juice Pack Plus のおよそ半値で
   あり、より容量の大きい電池が付いている - こちらが 2,300 mAh であるのに対
   して Juice Pack は 2,100 mAh である。

<http://www.lenmar.com/lenmar-meridian-iphone-5-protective-case-external-battery-white>
<http://www.amazon.com/dp/B0099SG2WE/?tag=tidbitselectro00>
<http://thewirecutter.com/reviews/best-iphone-5-battery-case/>
<http://www.mophie.com/shop/iphone-5/juice-pack-plus-iphone-5>

   私がこれを使わねばならなかったのは何回もないが、Lenmar Meridian は十分に
   役目を果たし、フルに再充電すること無しに 24 時間の電池寿命を与えてくれ、
   それに過度に邪魔くさくもなかった。残念ながら、これは iPhone 5c には使え
   ない。

<http://tidbits.com/resources/2014-06/Lenmar-Meridian.jpg>


**iSlip Lite** -- Cooper Product からの iSlip Lite を私が最初に見た時、
   "一体全体、これは何者なのか?" と自問せざるを得なかった。それは片面にマ
   イクロファイバーが付いたゴムバンドである。いつもは iPad のケースの周りに
   装着しておいて、使う時に取り外してスクリーンをきれいにしようと言うもので
   ある。

<https://www.cooper-product.com/collections/kindle-screen-cleaning-microfiber-cloth>

   私には余り良いやり方には思えず、もっと良い使い方を考え出した。iPad の
   Smart Cover の真ん中辺まで iSlip Lite を移動させ、ゴム面は外側のままで、
   それから Smart Cover を三角形に折るのである。これで三角形の平らな面は清
   掃面になり、Smart Cover 自体が iPad 用の大きな指紋拭きとなる。iSlip
   Lite の値段は $5.99 で、各種の色と柄が用意されている。もし興味があればの
   話だが。

<https://www.cooper-product.com/how-to-clean-the-ipad-and-android-tablet-screen-with-an-slip/apple-cases-and-microfiber-screen-cleaners/ipad-screen-cleaners>
<http://tidbits.com/resources/2014-06/iSlip-Lite.jpg>


**Magnetic Organization System** -- 自分の MacBook を通常机の上に置いて
   使っているならば、私もそうだが、MacBook を取り外すと、ケーブルが机の後ろ
   に落ちてしまうという厄介さを恐らく経験しているであろう。

   Magnetic Organization System (MOS) は、机に吸盤で (或いは、壁になら付属
   の接着剤付き円盤で) 止められる賢い小物である。内部には磁石が付いており、
   これが USB や DisplayPort ケーブルの端を保持し、床に落ちてしまうのを防い
   でいる。Ethernet ケーブルの様な、非磁性のケーブルのためには、MOS には磁
   性体のケーブル結束具が三個付いてきており、これをケーブルに取り付ける事で
   保持できるようになる。

<http://mosorganizer.com/>

   MOS の値段は、プラスチック製が $19.95 で、そしてアルミ製だと $39.95 とな
   る。更に、追加の三個組みのケーブル補足具は $5.00 で別に買える。

<http://sewelldirect.com/MOS-Magnetic-Organization-System-Black.asp>
<http://sewelldirect.com/MOS-Magnetic-Organization-System-Aluminum.asp>
<http://tidbits.com/resources/2014-06/MOS.jpg>


**Nimblstand** -- 机の上で iPad や iPhone の置き場を見つけるのに苦労して
   いませんか? この Nimblstand は革新的な解である。これは Apple Wireless
   Keyboard に取り付けられるプラスチックのスタンドで、iPad を横位置に、或い
   は iPad と iPhone を一緒に縦位置に保持出来るスロットを有している。

<http://www.nimblstand.com/>
<http://tidbits.com/resources/2014-06/Nimblstand.jpg>

   Nimblstand のもう一つの興味ある使い方は、iPad 上に絵を描くための一種の画
   架としてである。Nimblstand をキーボードが背面となる様に位置させれば、
   iPad は絵を描くための理想的な角度に保持される。この使い方用として、
   Nimblstand には、スタイラス用のスロットと、スタイラスを上向きに保持する
   ための穴が設けられている。

   私はこれが好きではあるが、Nimblstand には些細な事ながら二つの文句がある。
   最初は、プラスチックではなくアルミ製であって欲しかった。プラスチックは安
   っぽく感じ、そしてキーボードの美的感覚ともそぐわない。第二に、
   Nimblstand には、より細身になった iPad Air にも使える様に、スロットの内
   側に張るための粘着性の発泡ブロックが二個付いてくる。小さな発泡ブロックを
   スタンドに貼るなんて、その場しのぎの感じがする。

   Nimblstand は単体で $39.99 だが、$56.99 出せば、Wacom Bamboo スタイラス
   をバンドルしたものが買える。

<http://www.nimblstand.com/collections/ordered-3-sku-colllection>

   もし皆さんの中で毎日使うお気に入りの Apple アクセサリーがあるという方は、
   コメント経由で知らせて欲しい!


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/14848#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/14848>


Aperture のゴールデンアワー
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     文: Jeff Carlson: <jeffc @ tidbits.com>, @jeffcarlson
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14889>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   写真の世界では「ゴールデンアワー」(金色の時間帯)とは日没直前・直後の
   ほんのわずかの間、太陽が空低く、銅色を帯びた光がドラマチックに見える時
   間のことだ。一日のうちで写真撮影に最も適した時間の一つだが、素晴らしい
   光はあっという間に闇に飲み込まれてしまう。

   Apple のプロフェッショナル向け写真管理用アプリケーション Aperture は、
   長引くゴールデンアワーを享受してきた。Adobe Photoshop Lightroom ははる
   か昔に市場を独占していたが、Aperture は開発が中途半端なままの状態で放
   り出されていた。つまり、使う人にとってはちゃんと動作した(ただし私の経
   験ではもたもたした状態で)けれども、意味あるアップデートを受けたことが
   なかった。そして今や、その光は消えようとしている。Apple が先週、同社が
   間もなく Aperture の開発を中止すると発表したからだ。

<http://www.apple.com/aperture/>
   (日本語)<http://www.apple.com/jp/aperture/>
   "Apple - Aperture - プロのパフォーマンスを、iPhotoのシンプルさで。"
<http://www.adobe.com/products/photoshop-lightroom.html>
   (日本語)<http://www.adobe.com/jp/products/photoshop-lightroom.html>
   "写真編集アプリ | Adobe Photoshop Lightroom 5無償体験版ダウンロード"

   Aperture の代わりとなる(そして iPhoto の代わりともなる)のが、これか
   ら登場予定の OS X 用 Photos アプリケーションだ。Apple は、この 6 月の
   Worldwide Developer Conference (WWDC) でその短い実演をして見せた。この
   Photos は、iOS にある Photos アプリのアップデート版に倣ったものとして
   作られる。

<http://www.apple.com/ios/ios8/photos/>
   (日本語)<http://www.apple.com/jp/ios/ios8/photos/>
   "Apple - iOS 8 - 写真"

   もしもあなたが Lightroom への移行をふと頭に浮かべたことがあるのなら、
   今こそそれを真剣に考慮し始めるべき時だ。けれども、今すぐ急いで何かする
   必要はない。Apple は Aperture を OS X Yosemite に対応するようにアップ
   デートする予定で、それはつまり Aperture は少なくともあともう一年間は使
   えるということだからだ。

   Apple では往々にして言えることだが、Aperture についても、そこから離脱
   することに関する情報はほとんど出されていない。同社は数人のプロの写真家
   たちや報道機関などに連絡を取り、次のような短い声明によってニュースを広
   めさせようとした。(私は The Loop で初めてこれを読んだ。)

<http://www.loopinsight.com/2014/06/27/apple-stops-development-of-aperture/>

   「新しい Photos アプリと iCloud Photo Library が導入されることにより、
   写真はすべて iCloud の中に安全に保存できどこからでもアクセスできるよう
   になるので、Aperture において新たな開発を続ける必要がなくなった。来年
   OS X 用の Photos が出荷されれば、ユーザーは既存の Aperture ライブラリ
   を OS X 用 Photos へ移行できるようになる。」

   Aperture は現在のところ既存の iCloud Photo Stream 機能に対応しているが、
   これは備え付けの固定機能なので私が想像するところたいていの写真家たちは、
   プロであろうとアマチュアであろうと、無視するか大して使わないかのどちら
   かだろう。一方 WWDC で発表された iCloud Photo Library は、すべての写真
   を Apple のサーバに保存し、 iOS と OS X 上の Photos アプリからアクセス
   できるようにする。(2014 年 6 月 2 日の記事“Apple、WWDC にて iOS 8 と
   OS X Yosemite をお披露目”参照。)

<http://tidbits.com/article/14804>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1225.html#lnk5>
   "Apple、WWDC にて iOS 8 と OS X Yosemite をお披露目"

   そしてそここそが、私たちが現在、消え行く光の中で雑草の間を歩き回ってい
   るところだ。Apple でよく見られるのは、次世代の解決法を見据える際、少な
   くとも外面的には現在を見据えたりしないという姿勢だ。けれども写真だけは
   特殊なケースとなる。


**写真データの問題** -- 私たちは、写真を単に他のデータと同じようなものと
   考えるのが好きだ。写真はそれぞれ個別のファイルであって、いくつかのプロ
   グラムが読み取れるフォーマットで保存され、一つまたはそれ以上のハードディ
   スクに置かれている。見方によれば、写真も Microsoft Word ファイルも大し
   て変わらない。Finder の中で写真や書類を選択してスペースバーを押せば、
   大きなサイズの Quick Look プレビューが見られる。けれども写真は、他のも
   のと違う二つの特徴を持っている。

   第一に、写真は多数の他の情報、すなわちメタデータを含んでいて、基本的な
   画像キャプチャデータ以外のさまざまの様相をこれが記述する。Aperture な
   どのアプリケーションは、キーワードや位置情報など、画像ファイルには書き
   込まれていないかもしれない情報も追跡する。(あらゆる写真の中で最も多く
   使われている JPEG ファイルはそれらのデータもファイル自体の中に保存する
   が、写真を raw フォーマットでキャプチャしそれをフィルムのネガのように
   扱うやり方を選んだプログラマーたちも多い。そのような場合、メタデータは
   写真アプリケーションによって別途追跡されたり、あるいは元の画像に付随す
   る「サイドカー」ファイルの中に存在したりする。)

   Aperture (と iPhoto) は、画像を編集するためのツールも多数提供する。写
   真家たちは撮影した元の写真を恒久的に変更してしまうことを望まないので、
   このアプリケーションは写真に施された変更も追跡し、レタッチされていない
   状態のものにいつでも復帰できるようにしている。

   このことが、写真の持つ第二の特徴に結び付く。私たちは通常、個別の画像に
   でなく多数の画像の集まりを相手にやり取りするものだ。カメラから、あるい
   は iPhone から、一度に数十枚、さらには数百枚の画像を読み込み、それらを
   全体として検討することにより最終的に一枚の写真に対する作業へと落ち着く。

   そこで、新しい Photos アプリケーションについても、Apple はただ単にアプ
   リケーションを更新するだけでなく、_すべての人の画像ライブラリも_ 更新
   しようとしている。このソフトウェアがリリースされる際、おそらくあなたは
   新たに空っぽの Photos ライブラリから始めるのではないだろう。あなたがこ
   れまでに撮影し、iPhoto、Aperture、またはその他のソフトウェアの中に保存
   しておいた写真もすべて(あるいはほとんど)新しいソフトウェアに持ち込も
   うとするだろう。

   このような状況を、Apple が最近に書き直した他のアプリケーションにおける
   状況と比較してみよう。

   Keynote が書き直されバージョン 6.0 としてリリースされた際、Keynote '09
   に存在した機能の一部はサポートされなかった。もちろんそれは苛立たしいこ
   とではあったが、たいていの場合人々は古いプレゼンテーションを開く必要な
   どない。普通の人たちは、最新バージョンを使って新しいプレゼンテーション
   を構築するか、あるいは古いファイルを一つ二つ変換し、制約は何とか回避す
   ることでやって行けるだろう。どこかで線を引いて、それより古いファイルの
   大多数にはアクセスする必要がないということもよくある。

   Apple には、このやり方で古いソフトウェアをすっぱりと切り捨てて新しいも
   のに道を開いてきた悪評高い歴史がある。例えば iMovie は、iMovie '08 に
   おいて新しいアプローチを取り入れたが、それまでのバージョンにあった機能
   に追い付くまでに二度のバージョン改訂を要した。また、Final Cut Pro ユー
   ザーの多くは、Final Cut Pro X の導入から三年経った今でもまだ古い編集シ
   ステムにしがみついている。つまり、切り替えを賢く果たした人たちは、古い
   バージョンを使ってそれまでのプロジェクトを完成させ、Final Cut Pro X は
   新規のプロジェクトのためのみに使っている。

   しかしながら、写真においては古い写真を単純に無視して新しい写真のみで前
   に進む訳にはいかない。もちろん、すべてをきっぱりと切り落として古いライ
   ブラリにアクセスできなくなっても構わないと言い切れるのならば話は別だが。
   普通は、写真ライブラリを持っている理由の一つはそこに手を伸ばせば古い画
   像が見つけられるからだ。こうして、Aperture ほどに成熟したアプリケーショ
   ンであって、ユーザーたちがおそらく何千何万という写真を管理しているよう
   なものを捨て去るのは、非常に複雑なこととなる。

   (私の本 "Take Control of Your Digital Photos" では写真の管理について
   詳しく解説している。Lightroom を主に扱っているが、Aperture や iPhoto
   での作業に関する情報も含めてある。)

<http://www.takecontrolbooks.com/digital-photos>

   そうそう、危うく忘れるところだったが、第三の特徴にも触れておこう。写真
   は、極めて個人的に作成されたもので、私たちの心の奥深くにある思い出を表
   現している。だから、アプリケーションからアプリケーションへ、またバージョ
   ンからバージョンへの変換の際に写真が失われてしまったり、必要以上に複製
   されたりすれば、人々は _もの凄く_ 感情的になるものだ。(皆さん、バック
   アップ、バックアップですよ!)


**Photos アプリに期待されるもの** -- 幸いにも、Apple はそうしたことをす
   べて承知している。もう一度 Apple の声明に目をやると、「ユーザーは既存
   の Aperture ライブラリを OS X 用 Photos へ移行できるようになる」と書か
   れている。

   Aperture と iPhoto は同一のデータベースフォーマットを使っているので、
   現在は iPhoto ライブラリを Aperture で開いてもその逆をしても、メタデー
   タやいろいろな修正が失われることはない。iPhoto は、自らが理解できない
   ものはすべて無視する。二年前に起こったこの互換ライブラリへの転換は、明
   らかに OS X 用 Photos への移行の前触れであったのだろう。

   では、機能の面で Photos はどんなものを提供するのだろうか? 満たされる
   必要のあるものとして、期待される点がたくさん直ちに頭に浮かぶ:

* iPhoto と Aperture のライブラリを _シームレスに_ 開くことができなけれ
   ばならない。おそらく Apple は同一のライブラリフォーマットを継承し、そ
   こから新たなものを築き上げるのだろう。重要なのは、移行の手順がどれほど
   煩わしいものかだ。

* iPhoto や Aperture を使って入力したメタデータはすべて保持される必要が
   ある。iPhoto については大したことではないが、プロフェッショナルたちは
   Aperture の中で写真にタグ付けできる数多くの方法(キーワード、レーティ
   ング、カラーラベル、フラグなど)を利用している。

* Aperture ユーザーたちが利用している上級機能の少なくとも一部は必要だ。
   例えば、読み込みの段階であらかじめ指定されたメタデータのプリセットを適
   用する機能などは必須だろう。

* 堅牢な raw 画像フォーマットへの対応が必要となる。Aperture と Lightroom
   が当初写真家たちにアピールしたのは、内蔵の修正ツールが raw 画像に直接
   働くからだった。高度な修正は、JPEG 画像に施すには限界がある。カメラの
   メーカー各社はそれぞれのカメラに独自仕様の raw フォーマットを使ってい
   るので、市場に登場したばかりの最新機種のカメラから取り込んだファイルを
   アプリケーションが処理できるためには、アプリケーションのアップデートが
   必要となる。この点、従来 Lightroom の方が抜きん出ていた。それは、Apple
   がアプリケーションレベルでなくシステムレベルで raw サポートのアップデー
   トをしているからで、ここ二年ほどの間にアップデートの頻度は多少良くなっ
   ているものの、まだ Lightroom には及ばない。もっと重要なのは、Aperture
   が現在使っているものと同一の細かな raw 微調整機能を Photos が組み込む
   必要があるということだ。

* _編集の施された_ 写真をクリーンに処理できる必要がある。可能ならばすべ
   ての修正履歴を保持して欲しいが、もっとありそうなのは、編集をすべて破棄
   して元の状態に復帰できる機能だ。私たちが見たくないのは、写真の編集の各
   段階ごとに複製が作られ、要りもしない複製が何百も溜まってしまう事態だ。

   たぶん、Apple が Aperture と iPhoto を無視して深いアプリケーションを築
   くことだけにすべての時間を費やしているのでもない限り、OS X 用 Photos
   はこうした分野のいくつかにちゃんと入り込むことになるだろう。(もちろん
   私が誤ったとなれば喜んで受け入れるが。)けれども、これまで Apple がア
   プリケーションを設計し直して(包括的な機能性でなく)核心的な機能性のみ
   を付けてリリースしてきた実績を考えれば、私も楽観的にはなれない。旧バー
   ジョンにあった機能も、新しいバージョンの中で当初のバグに対処が施され数
   回のリリースを経た後でなければ登場しないということもあり得る。

   iPhoto ユーザーにとっては、何も懸念すべきことはない。けれども Aperture
   ユーザーたちは、何か別のものに移行してから、Apple が将来彼らを呼び戻し
   たい気になるのかどうか見守ることになるかもしれない。


**写真アシスタント** -- でも考えてみれば、ひょっとすると Apple は Photos
   をこれまでと違った、モジュラーな方向に持って行こうとしているのかもしれ
   ない。Ars Technica の記事によれば、Apple はサードパーティの拡張を許す
   ようになるという。おそらくそれは iOS 8 に登場予定の機能に似たものにな
   るのではあるまいか。Photos が提供するものより高度な白黒への変換機能が
   欲しければ、Nik コレクションの Silver Efex Pro モジュールをロードすれ
   ばよい、といった具合だろうか。

<http://arstechnica.com/apple/2014/06/apple-to-cease-development-support-of-pro-photo-app-aperture/>
<https://www.google.com/nikcollection/products/silver-efex-pro/>

   あるいは(ここは完全なる私の臆測になるが)Apple が raw 画像の処理から
   手を引いて、顧客たちが Adobe Camera Raw を使って画像を処理できるように
   することで Adobe に仕事を引き受けてもらうようになることも考えられる。
   そういうやり方は写真に関するユーザーの体験をすべて自社の傘の下に置きた
   いという Apple の気質には反するけれども、ひょっとするとその代わりに核
   心的な機能性のみに焦点を合わせることで満足できるというのかもしれない。

<https://www.adobe.com/support/downloads/product.jsp?product=106&platform=Macintosh>


**朝の光が** -- 日没時だけでなく、日の出の光を活用したい写真家は、早起き
   をする。時として、眺めの良い場所を目指してまだ暗いうちに車を運転したり
   野山を歩いたりしている間、日の出の光と空の様子がはたしてドラマチックな
   ものになるのか、それとも雲に邪魔されて台無しになるのか、予想がつかない
   こともある。そういう時、写真家はとにかくカメラをセットアップし、朝の空
   気を胸一杯に吸い込み、最善の結果を期待する。そう、OS X 用 Photos は、
   Apple にとっても写真家たちにとっても、新しい一日となりそうだ。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/14889#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/14889>


MacBook Air を最新の Ultrabook や Surface と比較するとどうか?
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     文: Julio Ojeda-Zapata: <julio @ ojezap.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14888>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   Apple の古参のノートブック機 MacBook Air に対して今年の 4 月に行なわれ
   たアップグレードは、ハッと息を飲むようなものとはとうてい言えなかった。
   プロセッサのパワーがほんの少々向上し、価格がほんの少し下がったけれども、
   それ以外の点ではそれ以前のマシンとほとんど同一のものだった。

<http://www.apple.com/pr/library/2014/04/29Apple-Updates-MacBook-Air.html>
   (日本語 
)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2014/04/29Apple-Updates-MacBook-Air.html>
   "Apple (日本) - Apple Press Info - Apple、MacBook Airをアップデート"
<http://tidbits.com/resources/2014-07/MacBook-Air.png>

   もっと劇的な改善、例えば Retina ディスプレイの追加とか、新しいフォーム
   ファクター(昔を思わせる 12 インチも噂されていた)とかを望んでいた人た
   ちは、落胆した。もはや更新を終えたので、当分の間 MacBook Air のさらな
   るアップデートは望み薄だ。

   他方、Windows の世界はモバイルコンピュータの大きな変化を迎えつつある。
   そこで、新しいハードウェアのみを理由に Windows に乗り換えたいとは思わ
   ない(し皆さんにもお勧めはしない)私たちも、やはりフェンスの向こう側で
   何が起こっているかについてはいつも目を配っていたいものだと思う。

   現在、Microsoft は第三世代の、根本からデザイン改訂された Surface PC で
   ある Surface Pro 3 を提供中で、これを MacBook Air の直接の競合相手と位
   置付けている。ただしそこにはタブレットの機能もあるので、iPad シリーズ
   とも争う位置にいることになる。

<http://www.microsoft.com/surface/en-us/products/surface-pro-3>
   (日本語)<http://www.microsoft.com/surface/ja-jp/products/surface-pro-3>
   "Surface Pro 3 - ノート PC の代わりになるタブレット。"
<http://tidbits.com/resources/2014-07/Surface-Pro-3.jpg>

   数年前には MacBook Air と競合すると思われていた軽量ラップトップ機の
   Ultrabook も、ますます良くなりつつある。機種によっては、Apple ファンで
   さえ立ち止まって手に取らざるを得ないほどの魅力を備えている。

   だから、Mac ユーザーとしては、Windows の世界ではこれほど速い進化が進ん
   でいるというのに、どうして Apple のこの超軽量ラップトップ機はこのとこ
   ろハードウェアの最前線で足止めを食らっているのだろうかと思ってしまう。
   はたして MacBook Air は、今でも勝者の立場にいるのか、少なくともしっか
   りした競争力を備えているのか? それとも、今ではもはや... ひょっとして
   ほんのちょっぴり恥ずかしい思いをすべき時期に来ているのだろうか?

   最近の私は多種多様なラップトップ機を借り受けていろいろと調べて回ったり
   しながら、その疑問をずっと思い巡らせていた。私が試したマシンは、11.6
   インチモデルと 13.3 インチモデルの MacBook Air と、Surface Pro 3、それ
   から Acer の Aspire S7 や Lenovo の ThinkPad X1 Carbon Touch といった
   人気の Windows ノートブック機だ。いずれも、それぞれ独自の意味で素晴ら
   しいマシンだ。

<http://us.acer.com/ac/en/US/content/series/aspires7>
   (日本語)<http://www.acer.co.jp/ac/ja/JP/content/series/aspires7>
   "Acer | Aspire S7"
<http://shop.lenovo.com/us/en/laptops/thinkpad/x-series/x1-carbon/?sb=:00000025:000038B7:>
<http://tidbits.com/resources/2014-07/Acer-Aspire-S7-Lenovo-ThinkPad-X1-Carbon-Touch.png>

   Mac と PC の比較というのは、ことわざに言う Apple と orange の比較と同
   じく、とても難しい。なぜなら、片方にある機能に直接相当するものが、もう
   片方には全くないことがよくあるからだ。また、小さく首尾一貫した形にまと
   まった Mac のエコシステムに比べて、Windows ノートブックの世界は広大で、
   あまりにも多様なものたちから成っている。

   PC メーカー各社は、忠実な Apple ファンたちに対して Mac の側にはあまり
   見当たらない付属機能をいろいろと見せびらかしながら彼らの気を引こうとし
   ている。とりわけ Microsoft は、Mac をこの Redmond の巨人のリテール店へ
   下取りに出した人たちに気前良くいろいろのオマケを差し出すことで Apple
   からの転向者を取り込もうと躍起になっている。古く飽き飽きしたものはそろ
   そろ捨てて、新しく活気あるものに乗り換えませんか、と Microsoft は言う。

   長年の Mac ユーザーならばそう言われてもただ笑うだけかもしれないが、少
   なくとも MacBook Air には少々問題があるのではなかろうか? そこでこの記
   事では、最も重要ないくつかの機能分野について考えつつ、Apple のこの製品
   シリーズが競合相手と比較してどういう位置にあるのかを見てみよう。


**Retina ディスプレイ** -- おそらく MacBook Air シリーズに対する最も大き
   な不満は、Retina ディスプレイがないという非常に目立つ欠落だろう。どの
   MacBook Pro ノートブックにも、また iMac を除いたすべてのスクリーン内蔵
   Apple デバイスにも、今は Retina ディスプレイが搭載されているというのに。
   これは大きな問題だ。そうでしょう?

   ここで、私がこの数週間 Windows ベースのモバイルハードウェアをいろいろ
   とテストしながらびっくりしたことを報告しておこう。私が借りた PC のディ
   スプレイは、どれも素晴らしい。私が試したモデルはすべて 2,160 × 1,440
   ピクセルの解像度を持ち、物理的なディスプレイのサイズは Surface Pro 3
   の 12 インチから Aspire S7 の 13.3 インチ、ThinkPad X1 Carbon Touch の
   14 インチまでさまざまだった。これらのディスプレイの持つ 3,110,400 とい
   う総ピクセル数は Apple の定義による "Retina" の範疇(MacBook Pro ノー
   トブックはそれよりもっと高いピクセル密度を提供する)には含まれないが、
   それでもかなり良いものではある。

   数字に興味ある人たちのために付け加えると、13.3 インチ MacBook Air が持
   つのは 1,440 × 900 ピクセル (総ピクセル数 1,296,000) で、11.6 インチ
   モデルは 1,366 × 768 ピクセル (総ピクセル数 1,049,088) だ。これらは
   Windows Ultrabook の持つ総ピクセル数のおよそ 40 パーセントで、あまり聞
   こえは良くない感じだ。状況によっては、そのようなスペックでは深刻な問題
   が起こることもある。例えば、私が Apple のもはや先が長くない Aperture
   アプリ(2014 年 6 月 27 日の記事“iPhoto と Aperture にサヨナラを”参
   照)を使ってズームインされたデジタル写真に微細な変更を施していた際には、
   ピクセル密度が低いことが痛いほど気になった。

<http://tidbits.com/article/14875>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1229.html#lnk8>
   "iPhoto と Aperture にサヨナラを"

   けれどもそのような特殊な状況は、私にとっても、大多数の平均的ユーザーた
   ちにとっても、どちらかと言えば稀にしか起こらない。一方プロの写真家たち
   はプロ用のハードウェア、つまり MacBook Pro を購入するだろう。それなら
   ば 13 インチモデルで解像度 2,560 × 1,600 (総ピクセル数 4,096,000)、ま
   たは 15 インチモデルで解像度 2,880 × 1,800 (総ピクセル数 5,184,000)
   となる。普通の Apple ユーザーはそれほどピクセル数を気にするような人た
   ちではなく、MacBook Air で比較的ピクセルが粗くても大した問題にはならな
   い。私自身、普通はそんなことを気にしない。

   だから私の結論はこうだ。私が Windows マシンを横に置いて、MacBook Air
   に戻り、15 分間ほど自分自身を再調整する時間をおけば、私は幸せなユーザー
   に戻れる。確かに、Retina 搭載の MacBook Air がついに登場したとなれば私
   としても大歓迎だけれども、ディスプレイの品質のみを理由に MacBook Air
   を購入しないよう人に勧める気にはならない。

   ちなみに、MacBook Air がいずれ Retina 搭載となるのか否かというのは議論
   の的となるべき問題だろう。これはプロ向けの機能であって主流向けの性格の
   強い Air モデルには当分組み込まれないだろうと考える人たちもいる。それ
   に、バッテリの負荷が大き過ぎるのだとすれば依然として実現困難なものなの
   かもしれない。


**ラップトップとしての使い勝手** -- ラップトップ機という名前にはちゃんと
   した理由がある。状況によりラップ(ひざ)の上に乗せて使えるようにデザイ
   ンされたマシンなのだ。最近私は St. Paul の市議会を取材する機会があった。
   (そう、テクノロジーの側面から意味があったからだ。)そこで私は自然な動
   作として、鞄から MacBook Air を取り出し、リッドを開き、教会の会衆席の
   ような座席の上でコンピュータを私のラップ(ひざ)の上に乗せて、タイプし
   始めた。

   それは、改善を求めて叫び出したい状況でもなければ、中断を余儀なくされる
   ようなことでもない。でも、Microsoft に向けてそれを言うことはできない。
   鳴り物入りで宣伝されている Microsoft の Surface PC では、"lapability"
   (これは Microsoft の用語であって私が作った言葉ではない) に対する違った
   アプローチが用いられている。それは、Microsoft の主張によれば、とてつも
   なく素晴らしいものだ。

   Surface PC の背面にはカチッと開くスタンドが付いていて、カバーとしても
   機能する薄いキーボードが必要に応じて前面に磁石で取り付けられる。この
   Surface PC をラップ(ひざ)の上に乗せて使うということは、スタンドを開
   いた状態で PC がラップ(ひざ)の上にバランス良く乗るように工夫し、さら
   にそこにカバー式のキーボードを取り付ければやっとフルの _ひざ_ ワークス
   テーションになる。

   それはちょっと具合が悪いと聞こえただろうか? まさにその通り。たいてい
   のカバー式キーボードは曲がりやすい傾向にある(補助的 Surface バッテリ
   を組み込んだ分厚いものは例外だが)ので、タイプするのにしっかりした手応
   えのある台にはならない。その上、ラップトップ機の底面を水平にしっかりと
   ラップ(ひざ)の上に置くのとは違って、スタンドを開いた Surface をバラ
   ンス良く乗せるというのはどうにもうまく安定しない。

   Microsoft はこうした問題をすべて承知しているが、最新のモデル、つまり
   Surface Pro 3 ではこの問題が解消済みだと主張する。このモデルの背面のス
   タンドは以前のモデルに比べてはるかに調節可能度が大きく、フルに摩擦によ
   るデザインにしたことによって最大 150 度までの好きな角度でコンピュータ
   を傾けることができる。カバー式キーボードも以前よりずっと固く本体に取り
   付けられるので安定性が増した。それに、新しいトラックパッドは以前のもの
   に比べて 68 パーセント大きくなり、摩擦も 78 パーセント減った。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Surface-Pro-3-lap-stand.jpg>

   Microsoft は新しいビデオまで出している。(ご推察の通り) "Surface Pro -
   Lapability" というタイトルだ。

<https://www.youtube.com/watch?v=QVIg9xqmiSw>

   これで "lapability" の問題はすべて解消されたのだろうか? まあ、良くなっ
   たことは確かだが、もう何の問題もないと言い切る気にはなれない。私はショー
   トパンツをはいているときに Surface Pro 3 を使うのは嫌だ。金属製のスタ
   ンドの薄い縁が、まるでナイフのように私の裸の脚に食い込むからだ。その上、
   キーボードが曲がってしまう問題も依然として残っている。トラックパッドも
   Air のものに比べればまだ小さく、Air のものほどエレガントで使いやすくは
   ない。その差は大きい。

   なので、この分野では私は Air を選びたい。ただし、この分野では Acer や
   Lenovo のマシンも Microsoft のハイブリッド機に勝っている。時には、伝統
   的なものを打ち負かすのが不可能なこともあるのだ。


**スタイル** -- Apple 評論家の中には、MacBook Air の工業デザインが少々時
   代遅れだと言う人たちもいる。そういう意見を言うのはご自由だが、私はそん
   な人たちはどうかしていると思う。

   競合する Windows ノートブック機には、確かに素敵なものが多い。白っぽい
   Aspire S7 の外観はアルミニウムと Gorilla Glass 2 が新鮮な感じに組み合
   わされて素晴らしい見栄えだが、ちょっと汚れが付きやすい。X1 Carbon Touch
   は古典的な Lenovo の黒くてソフトな触感の外面で、ウェッジ形で角が丸いと
   ころが MacBook Air と似ていて、平らな板の感じの Aspire S7 とは違う。

   Microsoft は Surface Pro 3 で独自のスタイルを主張する。従来のモデルよ
   り薄く軽くなり、メーカーの主張によれば現存する Intel Core クラスのモバ
   イルコンピュータの中で最も薄い。明るいグレイの金属は威厳を持ちつつも控
   え目な印象を与え、手に持った感触が素晴らしい。(ただしベッドの中で片手
   で持って読書をするには大き過ぎるが。)

   それはとても良いことだが、Apple の古典的なつや消しアルミニウムに比べて
   優れているか、より現代的かと問われれば、そう言い切ることもできない。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/MacBook-Air-open.jpg>

   ここでもまた、Apple はいったん新たな製品のお披露目ともなれば退場しつつ
   ある製品が古びて見えるように独自のやり方を発揮するだろうと思われるので、
   そうなればきっと私は自分の発言を取り下げることになるに違いない。


**タッチ機能** -- MacBook Air を使いながら、厄介な習慣が私に取り付いた。
   無意識に私は、手を伸ばしてスクリーンをタップしたりスワイプしたりしてし
   まうのだ。その理由の一つは、ラップトップ機のレビュー記事を書く者として、
   私がタッチディスプレイ搭載の Windows ノートブック機をいろいろテストし
   ているからだ。けれども、Apple 製品しか使わない人たちの間にもこの現象は
   見られる。なぜなら、iPad や iPhone ではタッチを使った意思疎通をしてい
   るので、ついその習慣が Mac ラップトップ機を使っている際にも出てしまい、
   たいていは滑稽な結果に終わるからだ。

   そこで次のような疑問が生まれる。MacBook Air ラップトップ機は(ひいては
   MacBook Pro モデルは)タッチスクリーンを搭載していないことで、Windows
   機に後れを取っていると言えるのだろうか? そろそろ Apple もタッチ機能を
   追加すべき潮時なのか?

   正直言って、私は Windows ラップトップ機のタッチ機能が大好きだ。その大
   きな理由は、依然として支配的なコンピュータオペレーティングシステムの現
   行バージョン、Windows 8.1 だ。これはその種の意思疎通手段を大いに念頭に
   置いてデザインされている。この Windows OS の一部分となっているのが、大
   きくて鮮やかな色のタイルだ。これらのタイルはさまざまの理由でタッチして
   使うために作られている。例えばフルスクリーンアプリを起動させることがで
   き、そのフルスクリーンアプリもまた、タッチ中心のインターフェイスを持つ。
   この意味で、タッチフレンドリーなハードウェアとソフトウェアは手に手を取っ
   て働く。(記事“Microsoft Surface: 二つのコンピュータの物語”参照。)

<http://tidbits.com/article/14580>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1214.html#lnk3>
   "Microsoft Surface: 二つのコンピュータの物語"

   Acer と Lenovo のラップトップ機は、180 度折り返して仕事机の上に平らに
   置き、スクリーン共有をしたり、タッチを共有したりして使うことができる。
   これは MacBook Air には真似のできない技だ。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Laptops-folded-back.png>

   Surface Pro 3 には巧妙なスタイラスペンが付いていて、一押しするだけで
   Microsoft の OneNote アプリが起動される便利なボタンもあり、このスタイ
   ラスペンを使って精密なスケッチや製図その他の作業ができる。Mac ユーザー
   たちには、外付けのグラフィックスタブレット(あるいは iPad に別途スタイ
   ラスペンを付けたもの)を使わなければできない芸当だ。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Surface-stylus.jpg>

   Mac OS X は、Apple のタッチ中心の iOS を色濃く反映したその最新バージョ
   ンにおいてさえ、全く違った代物だ。指先にフレンドリーなものではなくて、
   トラックパッドやマウスを使って操作するように作られている。これは決して
   欠陥ではない。これは、1980 年代以来ずっと Apple でうまく働いてきたやり
   方であり、近年になってトラックパッドのお陰でより洗練されたものだ。モバ
   イルコンピューティングの業界にはトラックパッドに相当するものがない。

   実際のところ、私が Windows ラップトップ機でタッチスクリーンを使うのは、
   そのやり方が大好きだからではなくて、そこにあるパッとしないトラックパッ
   ドが使いにくいからであることが多い。Aspire S7 や ThinkPad X1 Carbon
   Touch に搭載されたトラックパッドは素敵だが、Apple の素晴らしいものには
   及ばない。それに、Apple ユーザーとしての私は、MacBook Air のスクリーン
   がタッチで動かすように作られていないことで困ったことなどまずない。別に
   不可欠の要素でもないのだから、なければないで私は構わない。


**スペック** -- Windows ベースの Air のライバルたちすべてを盛り込んだス
   ペックの完璧な比較など、この市場がどれほど大きく多種多様になったかを考
   えればとうてい無理だと分かる。MacBook Air より優れたラップトップ機種も
   あれば、劣った機種もある。より安価な機種もある。ずっと高価な機種もある。
   Ultrabook が高度に設定可能であるという事実も、多くの場合にその比較をど
   うしようもないほど複雑なものにしている。

   そこで、いくらか緩い話に切り替えて、ここでは比較の対象を私自身が現在持っ
   ている Windows PC のみに限ることにしたい。これらは、Windows の世界にお
   ける Apple ノートブック機の代替機として最もよく知られ最も評価の高いも
   のばかりなのだから。これは対象を狭めた、けれどもその中では公正な、比較
   と言えるだろう。

   スペックの数字をたくさん並べたてて皆さんの目をクラクラさせるのは本意で
   はないので、詳細は Surface Pro 3 と、Aspire S7 と、X1 Carbon シリーズ
   と、MacBook Air、それぞれのスペックのページを参照して頂きたい。

<http://www.microsoft.com/surface/en-us/products/surface-pro-3>
   (日本語)<http://www.microsoft.com/surface/ja-jp/products/surface-pro-3>
   "Surface Pro 3 - ノート PC の代わりになるタブレット。"
<http://us.acer.com/ac/en/US/content/model-datasheet/NX.M3EAA.017>
<http://shop.lenovo.com/us/en/laptops/thinkpad/x-series/x1-carbon/>
<https://www.apple.com/macbook-air/specs.html>
   (日本語)<https://www.apple.com/jp/macbook-air/specs.html>
   "Apple - MacBook Air - 技術仕様"

   ライバルのコンピュータたちを公平に比較するために、「$999 前後の予算で
   どれだけのものが手に入るか?」という質問を基準としてみた。まずは入門レ
   ベルの 13.3 インチの Air がその価格で手に入ることを確かめた上で、他の
   ものたちと比較した。

   上に挙げたそれぞれのスペックページを目が疲れるまで見つめたあげく、私は
   いくつかのことに気付いた:

1. ストレージ (128 ギガバイト SSD)、メモリ (4 ギガバイト)、プロセッサ
   (Intel Core i5、ただしクロック速度はいろいろ)、グラフィックス (いずれ
   もほぼ同等の Intel の統合型 HD グラフィックカードを使っている) などの
   主要なカテゴリーについては、どのコンピュータもほぼ同等であった。

2. 13.3 インチスクリーンが最適の選択肢のようだ。X1 Carbon は 14 インチで
   少し大きく、Surface Pro 3 は 12 インチで少し窮屈な感じがする。

3. Air に Retina がないことは、思ったほど大きな問題ではない。予算の範囲
   に収めるためには Acer も Lenovo も解像度を抑えたモデル (1,920 × 1,080
   ピクセルと 1,600 × 900 ピクセル) にせざるを得ないからだ。

4. タッチ機能についても、少なくとも Lenovo については同じことが言える。
   低予算に合わせたモデルにはタッチ機能がなく、それでも $1,186.55 とまだ
   予算を超えている。他方、Aspire S7 は $899 のモデルが十分予算の範囲内に
   収まる上に、タッチ機能も付いている。($999 のモデルも選べる。)

5. Surface Pro 3 で価格とスペックをライバルと同等にしようと思えばカバー
   式キーボードが付かなくなってしまう。(付ければ $130 余分にかかる。)そ
   の点は我慢してコンピュータに取り付けることのできない USB か Bluetooth
   のキーボードを使うか、あるいはカバー式キーボードを付ける代わりにスペッ
   クを落として Intel Core i3 プロセッサと 64 ギガバイト SSD しか持たない
   Surface モデルにするかしかない。(しかもその構成は 8 月にならないと出
   荷されない。)

6. 驚いたことに MacBook Air が最も重くて 2.96 ポンドあるが、差はそれほど
   大きくない。X1 Carbon と Aspire A7 はどちらも 2.8 ポンドをほんの少し超
   える程度だ。Surface Pro 3 は 1.76 ポンドだが、これはフルの Intel Core
   コンピュータとしては驚くべき数字だ。

   これらすべてを考え合わせれば、MacBook Air は、少々重いとか、ディスプレ
   イの解像度が低いとか、タッチ機能がないなどの欠点はあるとしても、明らか
   にライバルたちと比べて十分競争力があると分かる。私にとっては、それらの
   欠点のいずれも決定的な因子になるとは思えない。


**ソフトウェア** -- この記事は主としてハードウェアに関する話だけれども、
   ソフトウェアの視点を完全に無視するのもやはり不可能だ。そしてこの分野で
   の Mac は素晴らしい。Windows を買う人たちは、新しい Mac を買ったオーナー
   には Apple の素敵な iWork アプリに加えて iMovie、iPhoto、GarageBand、
   その他が一体となって、買ったその日から素晴らしいパワーを与えてくれる、
   そのようなものに見合うだけの一連のソフトウェアを備えたラップトップ機を
   見つけるのには苦労するだろう。(iPhoto がもうじきこの世界から消え去る
   という話はお聞き及びかもしれないが、Apple はちゃんとそれに代わるものを
   用意している。2014 年 6 月 2 日の記事“Apple、WWDC にて iOS 8 と OS X
   Yosemite をお披露目”参照。)

<http://tidbits.com/article/14804>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1225.html#lnk5>
   "Apple、WWDC にて iOS 8 と OS X Yosemite をお披露目"

   その話をもう一歩進めよう。私がいつもテストしている Windows PC に絶えず
   付きまとう不満は、私が普段 Mac で使っているいくつかのプログラムに相当
   するアプリがこのプラットフォームには存在していないことだ。例えば、パワ
   フルなポッドキャストクライアントの Instacast for Mac、人気のブックマー
   キングサービスにアクセスするために使う Mac ネイティブかつ機能豊富なア
   プリ Pocket for Mac、Gmail や Google Calendar にアクセスするために使う
   ネイティブアプリとウェブアプリのハイブリッド Mailplane、最近改訂された
   ばかりの RSS リーダー Reeder、その他いろいろだ。

   確かに、これらの重要な Mac 用アプリには Windows 上でそれに近いものもい
   くつかある。でも、私はそれらはとうてい比較にもならないと思う。もちろん、
   場合によっては私に同意して下さらない方もおられるだろうし、この種のこと
   はある意味主観的なことだと分かっている。けれども基本的に私の論拠は妥当
   なものだと思う。Mac ユーザーたちは、凄いソフトウェアを持っている。これ
   も、私が今でも Mac の非常に忠実なユーザーである理由の一つだ。PC を使っ
   ている間、私は自分がソフトウェアに恵まれていない気がする。


**結論** -- こうしていろいろと分析してきて、その結論が明らかと思っておら
   れない方のためにはっきり言葉にしておくと、結論: MacBook Air のユーザー
   たちは、恥ずかしい思いをすることなど何もない。

   Air の代替機となれるものの中で私が一番気に入っているのは Surface Pro 3
   だ。その主たる理由は、持ち運びやすいこと、高解像度のディスプレイ、それ
   とキーボードを取り外して純粋なタブレット機としても使えることだ。また、
   角度を自由に調節できるキックスタンドもなかなか良い。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Surface-kickstand-angles.jpg>

   でも、もしも Surface Pro 3 と MacBook Air のうちどちらか一つを選べと言
   われれば、私は迷わず後者を選ぶ。そこに何の疑問もない。

   Mac ユーザーの中には Retina ディスプレイになるまで我慢しようと考える人
   もいるだろう。でも、緊急にアップグレードしたいという人ならば、自信を持っ
   て Air を買えばよい。PC にタッチスクリーン機能があればそれはそれで意味
   あることだけれども、Mac にはその機能がないのだから、そんなことは気にし
   なければよいだけだ。Air は、とても格好良くて、とても魅力たっぷりで、と
   ても lappable だ。(うむ、こんな単語は今後二度と使わないと誓う!)そし
   てスペックについて言えば、ほぼ同等の価格帯にある一流の Windows ラップ
   トップ機のどれと比べても、完璧ではないにせよ、十分肩を並べられるレベル
   にある。

   だから、Apple ファンの皆さん、堂々と出て行って、誇りを持って買い物しよ
   うではないか。


   ----
   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/14888#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/14888>


FunBITS: Blek は iPhone と iPad 用の曲線の難問
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     文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14894>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   ここアメリカ合衆国では独立記念日が過ぎたばかりだが、少なくとも私の住ま
   いの近所では、一ヵ月間にもわたって毎晩のように花火大会が続いている。で
   も私のように、静かにゆったりと、リラックスできる素敵な時間を過ごしたい
   と思う人もいるだろう。そういう向きには、Apple Design Award を受賞した
   Blek はいかがだろうか。開発者 Denis Mikan による、書道をモチーフにした
   ゲームだ。Blek は $2.99、App Store から入手できる。(28 MB)

<http://blekgame.com>
<https://itunes.apple.com/app/blek/id742625884?mt=8&ign-mpt=uo%3D4>
   (日本語 
)<https://itunes.apple.com/jp/app/blek/id742625884?mt=8&ign-mpt=uo%3D4>
   "iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 Blek"

   書道をモチーフにしたゲームって何だ? それはつまり、色の付いた風船を、
   線を描くことによって破裂させるのだ。何だかつまらないものに聞こえるかも
   しれないが、Blek が素晴らしいのは、あなたが線を描いた後も、まるでイン
   クの蛇のように、その線が進み続けるところだ。真っ直ぐな線を描けば、その
   まま真っ直ぐ突き進んで行く。弧を描けば、その弧を描いて進んで行き、スク
   リーンの下の端に消える。でも、弧を描いてから最後に反対向きに撥ね上げる
   ようにすれば、曲線はまるで波の形のように、上がったり下がったりしながら
   スクリーンを横切って進む。どんな仕組みになっているかの感覚を掴むには、
   公式の予告ビデオをご覧頂きたい。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Blek-curve.png>
<http://www.youtube.com/watch?v=GatTHt8SUiA>

   その仕組みをきちんと見つけ出すことは、黒い点が出現してからは不可欠とな
   る。なぜなら、これらの黒い点はまるでブラックホールのように、あなたの線
   を吸い込み消し去ってしまうからだ。だから、ここでの要点は、黒い点を避け
   つつ色付きの点に当たるように、線を描くことだ。どのレベルも試行錯誤の繰
   り返しでフラストレーションが溜まるかもしれないが、幸いなことに、一つの
   やり方がうまく行かなければ、ただ単にもう一度初めから別のやり方を試して
   みればよいだけだ。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Blek-black-dots.png>

   このゲームのもう一つの要点は、あなたの線がスクリーンの左右の端では跳ね
   返るけれども上下の端では吸い込まれて消えることだ。多くのレベルで、この
   ことが重要な鍵となる。うまい角度に線を描いて、動いて行くその線がブラッ
   クホールを避け、色付きの点に当たり、それからサイド側で跳ね返ってまた別
   の色付きの点に当たるが、その間決して上下の縁を横切らないようにする、と
   いう具合だ。このゲームで成功するには綿密な思考が必要となる。

<http://tidbits.com/resources/2014-07/Blek-stacked-dots.png>

   Blek はただそれだけのゲームだ。とてもシンプルで、禅を思わせる体験がで
   きる。けれども 60 以上のレベルがあるので、結構長い間をかけて難問に取り
   組める。The New Yorker は Blek を 2013 年の最もエレガントな iPhone 用
   ゲームのリストに含めているし、Kotaku の Mike Fahey は Blek を「私がこ
   の一年間にプレイした中で最も輝かしいゲーム」と呼んでいる。Blek は、モ
   バイルゲーミングの真髄を最も純粋な形で引き出すものとなっていて、タッチ
   ベースのゲームとして従来型のゲームコンソールでプレイするには単純過ぎる
   種類のものだが、それにもかかわらずとても充実した体験をさせてくれる。

<http://www.newyorker.com/online/blogs/culture/2013/12/the-year-in-elegant-iphone-games.html>
<http://kotaku.com/the-most-brilliant-ipad-game-ive-played-all-year-1484414921>


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   コメントリンク: <http://tidbits.com/e/14894#comments>
   Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/14894>


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2014 年 7 月 7 日
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     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14898>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

**LaunchBar 6.0.2** -- Objective Development が LaunchBar 6.0.2 をほんの
   僅かの新機能、改善、修正を加えてリリースした。このキーボードベースのラ
   ンチャー兼ショートカットユーティリティには、来たるべき OS X Yosemite
   における Safari の履歴索引付けへの対応が追加され、Option-Escape を使っ
   てサブ検索を項目リストを閉じることなく終了させられるようになり、文字列
   変換アクションに Encode to Base64 と Decode as Base64 が追加された。ま
   た、著述家 Eric Meyer の娘 Rebecca Meyer を追悼して Enter Color アクショ
   ンに彼女の大好きだった紫色 rebeccapurple を使えるようにした。このアッ
   プデートから Enter/Edit Text の中で大文字と小文字の混じった変換をさら
   に各種提案するようになり、大文字・小文字の変換のタイトルを改善し、自動
   的に ~/Downloads フォルダを Date Added 順に並べ替えるようにし、デフォ
   ルトの Desktop 索引付けルールが勝手にサブフォルダを索引付けしないよう
   にし、アルバムの Random Order 再生の問題点を修正した。(新規購入 $29、
   TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、10 MB、リリース
   ノート、10.9+)

<http://www.obdev.at/products/launchbar/>
<http://meyerweb.com/eric/thoughts/2014/06/19/rebeccapurple/>
<http://www.ericmeyeroncss.com/>
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<http://www.obdev.at/products/launchbar/releasenotes.html>

   LaunchBar 6.0.2 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/14896#comments>


**ScreenFlow 4.5.2** -- Telestream が ScreenFlow 4.5.2 をリリースした。
   前回のメンテナンスリリース(“ScreenFlow 4.5.1”(2014 年 5 月 28 日)
   参照)で導入されてしまった、書き出しファイル名のデフォルトが書類の名前
   にマッチしなくなっていたバグを修正している。このスクリーンショット録画
   アプリは大きなズーム倍率の書類を開く際に起こったハングを修正し、タイム
   ラインがズームアップされ数多くのオーディオ波形付きクリップを含む書類を
   開く際のパフォーマンスを改善し、オーディオ波形付きクリップの速度を変更
   することに関係したメモリリークを修正している。新機能の詳細な一覧は
   Telestream のサポートページにある PDF のリリースノートで読める。ただし
   この記事の執筆時点で Mac App Store 版の ScreenFlow はまだバージョン 4.5
   のままだ。(Telestream ウェブサイトから新規購入 $99、Mac App Store から
   新規購入 $99.99、39.1 MB、10.7+)

<http://www.telestream.net/screenflow/overview.htm>
<http://tidbits.com/article/14795>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1225.html#lnk7>
   "ScreenFlow 4.5.1"
<http://www.telestream.net/telestream-support/screen-flow/help.htm>
<https://itunes.apple.com/us/app/screenflow-4/id573279886?mt=12>

   ScreenFlow 4.5.2 へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/14893#comments>


**セキュリティアップデート 2014-003 (Mountain Lion、Lion)** -- Apple が
   セキュリティアップデート 2014-003 を 10.8 Mountain Lion、10.7 Lion、お
   よび 10.7 Lion Server 用にリリースして、最近リリースされた OS X 10.9.4
   Mavericks (2014 年 6 月 30 日の記事“OS X 10.9.4 で Wi-Fi、スリープか
   らの目覚めを修正”参照) において施されたものと同じセキュリティ修正の多
   くをこれらのオペレーティングシステムにも施した。三つのリリースのいずれ
   も、認証信任規約に対するアップデートのほか、悪意を持って作られた ZIP
   ファイルでの脆弱性、cURL が NTLM 接続を再利用する問題、Dock がアプリケー
   ションからのメッセージを処理する際の問題などを修正している。Mountain
   Lion 用のセキュリティアップデートではグラフィックドライバに関するカー
   ネルメモリに関係した脆弱性と、OpenCL API コールの処理における検証の問
   題点、および IOAcceleratorFamily におけるアレイの索引付けにパッチを当
   てている。(パッチされた脆弱性のリストもある。)(すべてのアップデート
   が無料、10.8 Mountain Lion 用 139.3 MB、10.7 Lion 用 134 MB、10.7 Lion
   Server 用 184.3 MB)

<http://tidbits.com/article/14881>
   (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1229.html#lnk0>
   "OS X 10.9.4 で Wi-Fi、スリープからの目覚めを修正"
<http://support.apple.com/kb/HT6296>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/HT6296?viewlocale=ja_JP>
<http://support.apple.com/kb/DL1753>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1753?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2014-003 (Mountain Lion)"
<http://support.apple.com/kb/DL1751>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1751?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2014-003 (Lion)"
<http://support.apple.com/kb/DL1752>
   (日本語)<http://support.apple.com/kb/DL1752?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP>
   "セキュリティアップデート 2014-003 (Lion Server)"

   Security Update 2014-003 (Mountain Lion、Lion) へのコメントリンク:
<http://tidbits.com/article/14891#comments>


   ExtraBITS、2014 年 7 月 7 日
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     文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
     原文記事: <http://tidbits.com/e/14897>
     訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>

   今週の ExtraBITS では、Apple が CarPlay を拡張し、Back to School 宣伝
   販売を復活させ、AppleCare+ の購入期間を 60 日間に拡大した。iOS 8 にお
   ける 1Password がどうなるかについても垣間見る。


**1Password は iOS 8 で素晴らしくなるかもしれない** -- フランスのウェブ
   サイト iGen.fr に Anthony Nelzin が二つの短いビデオを投稿して、iOS 8
   ではパスワード管理ユーティリティ 1Password に何ができるようになるかを
   示した。一つ目のビデオは Extensions のお陰で 1Password を使って Safari
   でウェブサイトにログインできる様子と、Touch ID を使ってパスワードヴォー
   ルトのロックを外すところを実演する。二つ目のビデオは Touch ID を使って
   アプリのロックを外す様子に焦点を当てる。もちろん、これらの機能はまだテ
   スト中であり、1Password が公式の iOS 8 用アップデートをリリースした際
   にはこのビデオに示されたものとは違っているかもしれない。

<http://www.igen.fr/ios/2014/06/extensions-et-touch-id-sur-ios-8-1password-montre-lexemple-86583>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/14887#comments>


**さらに九社の自動車ブランドが CarPlay に契約** -- Apple が新たに九社の
   自動車ブランドとの間で同社の自動車内統合システム CarPlay の契約を結ん
   だ。Abarth、Alfa Romeo、Audi、Chrysler、Dodge、Fiat、Jeep、Mazda、Ram
   の九社だ。これで Apple は全部で 29 社の CarPlay パートナーを持ったこと
   になるが、今年のうちに CarPlay 互換な自動車を発売するのはそのうち 4 社
   に過ぎない。

<http://thenextweb.com/apple/2014/07/01/apple-adds-9-auto-makers-including-audi-chrysler-dodge-carplay-program/>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/14886#comments>


**Apple、Back to School 宣伝販売を復活** -- またことしもその季節がやって
   来た。あなたが大学生であるか、この秋に入学することが決まったか、大学生
   の子供を持つ親であるか、または学校で働いているなら、Mac を購入した際に
   は $100 分、iPad または iPhone を購入した際には $50 分の Apple Store
   ギフトカードが貰える。資格のある購入者は Apple の教育関係者用割引を受
   けることもでき、それを今回の宣伝販売と組み合わせることもできる。

<http://store.apple.com/us/browse/campaigns/back_to_school>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/14885#comments>


**AppleCare+ 購入期間を 60 日間に拡大** -- Apple は日本以外のすべての地
   域において、iPhone と iPad の AppleCare+ 保証拡大プログラムの購入期間
   を 30 日間から 60 日間に拡大している。Apple はまた、iPhone と iPad の
   安価な方の AppleCare プランを打ち切った。(Mac を購入する人は心配無用、
   Mac の AppleCare プランは変わっていない。)保証拡大の価格は二年間保証
   で $99、通常通りの保証期間拡大に加えて、事故による破損を料金 $79 で最
   大 2 回までカバーする。デバイスの購入と同時に AppleCare+ を注文しなかっ
   た場合は、Apple Genius のカウンターを訪れて直接サービスを購入しなけれ
   ばならないことに注意しよう。

<http://9to5mac.com/2014/07/01/iphoneiipad-applecare-purchase-window-extended-to-60-days-as-standard-plan-discontinued/>

   コメントリンク: <http://tidbits.com/article/14884#comments>


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