TidBITS#1347 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2016年 11月 25日 (金) 21:47:49 EST


TidBITS#1347/21-Nov-2016
========================
  英語版: <http://tidbits.com/issue/1347>
  日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1347.html>


  ここ米国では Thanksgiving (感謝祭) の週となるので、2016 年 11 月 28 日
  の TidBITS 電子メール号を休刊、次号は 2016 年 12 月 5 日の発行として、
  TidBITS スタッフ一同も今週は準備を整え祝日を祝うようにさせて頂きたい。
  Apple は、$299 のブックを発売した。いやいやこれは MacBook ではなくて、
  Apple の過去 20 年のデザインを記録した写真集だ。同社はまた、iPhone 修
  理プログラムを二つ開始した。一つは iPhone 6 Plus の「タッチ病」に対処
  するもの、もう一つは突然システム終了する iPhone 6s を修理するものだ。
  さて、多くの Mac ユーザーたちは Mac の将来について明るい感触を持てない
  でいるが、Adam Engst が二つの記事でその問題に取り組む。一つは Apple が 
  Mac を過小評価するに至った理由を説明し、もう一つは MacBook 製品シリー
  ズがどんな顔触れであるべきかを描き出す。最後に Michael Cohen が、新型 
  MacBook Pro の Touch Bar について考察しつつ、それが長年コンピュータの
  インターフェイスにあった制約に対処するものとなれるかもしれないと語る。
  今週注目すべきソフトウェアリリースは Alfred 3.2、Microsoft Office 2016 
  15.28 と Office 2011 14.7、Hazel 4.0.8、Slack for Mac 2.3.2、Postbox 
  5.0.7、ChronoSync 4.7.1、1Password 6.5.1、それに Pixelmator 3.6 だ。

記事:
    2016 年 11 月 28 日は TidBITS 休刊
    Apple、新刊 Apple ブックを発表
    Apple、iPhone 6 Plus Multi-Touch 修理プログラムを開始
    Apple、突然システム終了する iPhone 6s の修理プログラムを発表
    Apple が Mac を過小評価していることの理解
    Apple の MacBook ラインナップはどうあるべきか
    タッチスクリーン、Touch Bar、そして一点集中について
    TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2016 年 11 月 21 日


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2016 年 11 月 28 日は TidBITS 休刊
----------------------------------
    文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
    原文記事: <http://tidbits.com/e/16901>
    訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  今週の木曜日 (2016 年 11 月 24 日) は米国では Thanksgiving (感謝祭) の
  祝日なので、2016 年 11 月 28 日には TidBITS の電子メール号を休刊にして、
  私たちスタッフや寄稿編集者の面々も家族や友人とともに食卓を囲んで一週間
  を過ごしたいと思う。私たちの多くは今年も、スタッフの一員 Joe Kissell 
  の書いた "Take Control of Thanksgiving Dinner" から印刷した便利なワー
  クシートを参考にしつつ感謝祭のディナーの準備をしていることだろう。何を
  用意すべきかを Joe ほどうまく、分かりやすくレイアウトしてまとめられる
  人は他にいない。皆さんもどうぞ彼の本をご一読あれ。
  
<http://www.takecontrolbooks.com/thanksgiving?pt=TB1299>
  
  来週の TidBITS 電子メール号は休刊にさせて頂くが、その間も TidBITS ウェ
  ブサイトへの出版はいつも通り続ける。私たちのサイトを時々チェックするか、
  RSS フィードを購読するか (TidBITS 会員になればフルテキストのフィードを
  受けられることをお忘れなく!)、Twitter や Facebook でフォローするかし
  て、私たちの最新の記事を読めるようにして頂ければと思う。次回の電子メー
  ル号は 2016 年 12 月 5 日の発行となる。
  
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  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/16901#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/16901>
  
  
Apple、新刊 Apple ブックを発表
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    文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
    原文記事: <http://tidbits.com/e/16920>
    訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  新型 MacBook Pro シリーズに対する不満の声に応えようとしたのだろうか、
  Apple は新製品を発表した。この製品は、無制限のバッテリ寿命と、他のどん
  な Apple 製品に比べても高解像度のディスプレイ、それに銀色仕上げを誇る。
  さらに素晴らしいのは価格で、小型版がたった $199、大型版ならば $299 だ。
  残念ながら備えている機能はたった一つしかない。つまりこれは、現在および
  過去の Apple 製品を集めて紹介するだけのためにある。
  
<https://www.apple.com/pr/library/2016/11/15-Designed-by-Apple-in-California-Chronicles-20-Years-of-Apple-Design.html>
  (日本語)<http://www.apple.com/jp/pr/library/2016/11/15-Designed-by-Apple-in-California-Chronicles-20-Years-of-Apple-Design.html>
  "Apple (日本) - Apple Press Info - Apple Designの20年を振り返る “Designed by Apple in California”"
  
  その通り、"Designed by Apple in California" は、実際のブック(書籍)で
  あって、iMac から Apple Pencil に至るまで、20 年間にわたる Apple のデ
  ザインの成果を Apple 製品の 450 枚の写真で網羅したものだ。また、Apple 
  のデザインチームが使用してきた材料や技術についても記録している。目から
  涙が出るような価格を正当化しようと、Apple は亜麻糸で製本されたハードカ
  バーのこの本が「特別な製造工程で作られた、金箔つや消し銀縁を施して専用
  染色された紙に、8 色分解と低ゴーストインキを使って印刷されています」と
  述べている。
  
<http://www.apple.com/shop/product/MLXF2LL/A/designed-by-apple-in-california-102-x-128-inches>
  (日本語)<http://www.apple.com/jp/shop/product/MLXF2J/A/designed-by-apple-in-california-26-x-324cm>
  "Designed by Apple in Californiaを購入 - Apple(日本)"
<http://www.apple.com/designed-by-apple/>
  (日本語)<http://www.apple.com/jp/designed-by-apple/>
  "Designed by Apple in California - Apple(日本)"
  
  将来の製品リリースに対応してこの本を最新の内容に改訂する予定があるか否
  かについて発表は何もなかった。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/16920#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/16920>
  
  
Apple、iPhone 6 Plus Multi-Touch 修理プログラムを開始
-----------------------------------------------------
    文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
    原文記事: <http://tidbits.com/e/16909>
    訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  ユーザーコミュニティーからの多くの狼狽の声を受けて、Apple はようやく、
  いわゆる「タッチ病」を患った iPhone 6 Plus に対する修理プログラムを開
  始した。症状としては、画面の一部がチカチカ明滅したり、マルチタッチが正
  しくない挙動をしたりするというものだ。他の iPhone モデルはこのプログラ
  ムの対象となっていないが、iPhone 6 Plus 以外でこの問題が起こったという
  話を私たちは聞いたことがない。
  
<http://www.apple.com/support/iphone6plus-multitouch/>
  (日本語)<http://www.apple.com/jp/support/iphone6plus-multitouch/>
  "iPhone 6 Plus Multi-Touch 修理プログラム - Apple サポート"
<http://tidbits.com/resources/2016-11/Touch-Disease-reapir-program.png>
  
  Apple によれば問題は「表面の硬い所に iPhone を何度も落とした後、さらに
  何らかの衝撃や圧力が加わったとき」に関係があるとのことで、これはちょっ
  と被害者を非難する言い方に聞こえる。Adam Engst の父親の iPhone 6 Plus 
  も最近タッチ病になったけれども、巻き付け式のケースできちんと保護され、
  ずっとていねいに扱われていたという。
  
  もしもあなたの iPhone 6 Plus で画面の一部がチカチカ明滅したり、マルチ
  タッチが正しくない挙動をしたりしていて、かつそれ以外の機能が正常に動作
  しており、しかもスクリーンにヒビが入ったり割れたりしていない場合には、
  Apple が $149 (日本では 14,800 円) の料金で修理する。Apple Authorized 
  Service Provider またはお近くの Apple Store の Genius Bar で修理の予約
  をすることができるし、Apple Technical Support に問い合わせて修理を依頼
  することもできる。いつも通り、修理に出す前に必ず iTunes または iCloud 
  にその iPhone のバックアップを作っておこう。
  
<https://getsupport.apple.com>
  
  既に Apple または Apple Authorized Service Provider にて有償で修理を済
  ませた人には、Apple から連絡が届いて、修理に支払った額と今回のサービス
  料金 $149 との差額が返金されるはずだが、Apple から連絡がない場合には、
  あるいは他の場所で有償の修理をした場合には、Apple に連絡するとよい。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/16909#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/16909>
  
  
Apple、突然システム終了する iPhone 6s の修理プログラムを発表
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    文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
    原文記事: <http://tidbits.com/e/16919>
    訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  Apple が iPhone 6s の修理プログラムを発表した。突然システム終了してし
  まう問題に対処するためだ。内容は、バッテリーを交換する修理だ。
  
<https://www.apple.com/support/iphone6s-unexpectedshutdown/>
  (日本語)<https://www.apple.com/jp/support/iphone6s-unexpectedshutdown/>
  
  Apple によれば、対象となる iPhone 6s は非常に数が限られていて、2015 年
  の 9 月か 10 月に製造されたもののうち特定のシリアル番号を持つものだと
  いう。残念ながら、過去の類似の修理プログラムとは異なり、自分のデバイス
  のシリアル番号がそれに合致するか否かをチェックできるオンラインツールを
  今回 Apple は提供していない。Apple サポートに連絡する以外に、あなたの 
  iPhone 6s が該当するか否かを知る方法はない。
  
<http://tidbits.com/resources/2016-11/iPhone-6s-shutdown-repair-program.png>
  
  もしもあなたの iPhone 6s が予期せぬシステム終了をしているならば、Apple 
  Authorized Service Provider またはお近くの Apple Store の Genius Bar 
  で修理の予約をすることができるし、Apple Technical Support に問い合わせ
  て修理を依頼することもできる。いつも通り、修理に出す前に必ず iTunes ま
  たは iCloud にその iPhone のバックアップを作っておこう。
  
<https://getsupport.apple.com/>
  
  該当する iPhone 6s で既に有償でバッテリーを交換済みの人に対して返金が
  されるかどうかについて、Apple は何も発表していない。おそらく、対象とな
  る人の数が非常に少ないからなのだろう。とは言っても、もしもあなたがこの
  問題を解決する目的で iPhone 6s のバッテリーを交換したのならば、とりあ
  えず Apple に連絡して、返金があるかどうか問い合わせてみるとよい。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/16919#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/16919>
  
  
Apple が Mac を過小評価していることの理解
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  文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
  原文記事: <http://tidbits.com/e/16914>
  訳: 清水 史彦 <qff01604 @ nifty.com>
  
  このところ、Apple の心が Mac を前進させることにはないかのように、
  あなたがずっと感じているとしたら、あなたは一人ではない。新しい
  MacBook Pro のモデルには、批判が広がっているし、デスクトップの Mac
  の将来に対して、Apple は、何のロードマップも示していない。そして、
  つい最近、Apple は、Automation Technologies の Product Manager の
  ポジションを廃止した。おそらく、不要だと思ったのだろう。最高クラス
  のクリエーターらは、Apple が彼らのニーズに注目しないことで、失望して
  いる。また、先週の MacTech Conference において、多くのコンサルタント
  やサポート担当者の間で、ムードは暗かった。
  
<https://macosxautomation.com/about.html>
  
  では、Apple が Mac を、特にプロ向けの市場でますます軽視しているのを、
  どのように説明することができるだろうか? 原因は、明らかに iOS プラット
  フォーム、そして、特に iPhone だ。だが、この問題が _なぜ_ 起きている
  のか、その理由は、Apple の構造上の事実ともっと関係がある。つまり、
  もし、Mac が、その発展のために必要な注目を集めるつもりなら、Apple は
  変わらなければならないということだ。
  
  良くも悪くも、Steve Jobs は、Apple の DNA に焦点を焼き付けた。Jobs
  が 1996 年に Apple に戻った時、彼は、会社全体を Mac に集中させた。
  Newton のようなプロジェクトを大幅に削減し、Mac クローンのライセンス・
  プログラムを中止した。周知の通り、彼は、Mac の製品ラインナップを、
  たった 4 種の主要モデルに限定した。すなわち、コンシューマー向けに
  iBook と iMac、そして、プロ向けに PowerBook と Power Mac である。
  この製品マトリクスはシンプルで、クリーンで、分かりやすく、そして、
  Apple があの時代を生き延びることができたおそらく唯一の理由であった。
  一つのプラットフォームに集中することが不可欠だったのだ。
  
  ここに、問題がある。つまり、Apple は、今や 11 万 5,000 人の人々を雇用
  し、世界でもっとも価値のある会社であるという事実にも関らず、Apple は、
  今なお、単一のプラットフォームの会社であるかのように考えているという
  ことだ。今や、Apple にとっては、iOS が全てであり、Apple が行っている
  ことは全て、iPhone や iPad をもっとたくさん売るという一つの目標を
  果たすために策定されている。確かに、Apple Watch や Apple TV は別だと
  思われるかもしれないが、そうではない。Apple Watch は、iPhone をより
  魅力あるものとするための iPhone のアクセサリーであり、Apple TV の
  アプリは、一般に iOS という相棒を持っている。ふん! watchOS や tvOS
  は、どちらも基本的には、iOS のカスタム・バージョンなのだ。Apple の
  オンライン・サービスは、iCloud から App Store や iTunes Store に
  いたるまで、すべて共有されたエコシステムをサポートしている。そして、
  このことによって、ユーザーをプラットフォームに囲い込むことを促して
  いるのだ。
  
  Mac は、この新しい世界の秩序にどのように適合するだろうか? Mac は、
  iCloud や iTunes Store とうまくやれるし、追加された機能のために、
  ますます iCloud を相手に選ぶようになっている。スマートフォンや
  タブレットに対して、シームレスに会話をするコンピュータを持った方が
  ずっと楽だという理由で、Mac は、ユーザーが iPhone や iPad を買い
  続けるようにつなぎとめる鎖の、もう一つのリンクとなっている。また、
  Mac は、開発プラットフォームとして、そして (macOS Server を通じ
  て)、iOS やアプリのアップデートのための組織全体のキャッシング・
  サーバとして、iOS にとっても引き続き必須である。
  
  だが、それだけだ。もし、あなたが建物を設計するために、Mac 上の
  AutoCAD を頼りにしている建築家であるなら、あるいは、Adobe Premiere
  や After Effects に日々を費やすビデオ編集者であるなら、Photoshop
  や Lightroom で作業をする写真家であるなら、あなたの主要な関心は、
  iOS の付属物としてではなく、 _Mac として_ 、Mac を使うと何ができる
  かということにあるはずだ。あなたは、iPhone や iPad の大ファンかも
  しれないが、Mac は、あなたが生活の糧を得られるようにしてくれるもの
  なのだ。
  
  iOS 以前は、Apple の目標とプロの Mac ユーザーのニーズは、もっと合致
  していた。Apple は、Windows を走らせている PC からは得ることができない
  機能と効率をユーザーに与える Mac (そして、Mac のオペレーティング・
  システムのバージョン) を作りたいと思っていた。そうした目標は、Apple
  が開発者と有している関係にも伝わった。なぜなら、異なる職業を持つ人
  たちにとって、Mac を魅力あるものにするアプリを持つソフトウェア会社
  をサポートすることに、Apple は積極的な関心を持っていたからだ。
  
  今では、Apple の最も重要な仕事は、iPhone をもっとたくさん売ること
  なので、iOS の開発者が、Xcode や macOS Server のキャッシング・サーバ
  を効率的に走らせる必要があるといったことを超えて、Mac を改良すること
  に、Apple は、インセンティブをほとんど持っていない。確かに、Mac 事業
  は、2016 年で、売上 228 億ドルの価値があり、これは、はした金とは到底
  言えないが、iOS と、関連するサービスによって産み出された売上 1,928 億
  ドルとは比べ物にならない。
  
  過去 5, 6 年の Mac オペレーティング・システムの目立った変化を見ると、
  その多くは、Mac 体験を、もっと iPhone や iPad 体験のようにすることに
  関するものだ。Siri、Picture in Picture、Split View、そして、Launchpad
  について考えてみてほしい。それから、Photos、Contacts、Calendar、
  そして、Mail がある。それらはみな、プラットフォームが違っても、
  ほとんど同じだ。Pages のような iWork アプリ、Keynote、そして、Numbers
  でさえ、Mac のより良いアプリになるためではなく、それらの iOS 向け
  アプリのように動作するため、そして、それらの iOS 向けアプリと協調して
  動作するために変化してきた。ほぼ間違いないことだが、Handoff の肝心
  な点は、ユーザーが Mac から離れられるように作業を iPhone に引き渡す
  こと、あるいは、キーボードや大きな画面を利用するため、iPhone から
  Mac に何か転送することによって、Mac をさらに iOS のためのアクセサリー
  にすることだ。
  
  加えて、Apple は、以前は Mac 体験の全体にわたって重要だと考えていた
  Mac のアクセサリーを廃止し始めている。27 インチの Thunderbolt Display
  は、今年初めに終了した。("Apple、Thunderbolt Display を製造中止にする
  も後継機は見えず" 2016 年 6 月 27 日参照) そして、噂が正しければ、
  Apple は、AirPort 事業部を解散した。
  
<http://tidbits.com/article/16586>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1326.html#lnk1>
  "Apple、Thunderbolt Display を製造中止にするも後継機は見えず"
<https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-11-21/apple-said-to-abandon-development-of-wireless-routers-ivs0ssec>
  
  私のことを誤解しないでいただきたい。Apple の iOS への集中は、想像
  できないくらいの金額を産み出し、会社を「批評家に称賛されている」と
  いうカテゴリーから、「主流における大ヒット」へと押し上げ、常識を超えた
  成功を遂げている。私は、そうした成功や、Apple がそこに至るのに用いた
  手法を批判しているのではない。
  
  だが、汎用で、ユーザーにフォーカスしたコンピュータとしての Mac の将来
  に対して、Apple の成功が何を意味するのか、私は悩んでいる。Smart
  Keyboard や Apple Pencil と共に、iPad Pro が比較的成功したことは、
  生産性向上の市場に向かって iOS を後押ししたいと Apple が考えている
  ことを示唆している。アプリの開発ですら、この方向に動いている。
  (プログラミング学習用の Swift Playgrounds アプリは、iPad 上にしか
  存在しない。("iPad の上で、Swift を使って遊ぶ" 2016 年 6 月 13 日
  参照) Mac にとって、不吉な前兆が現れているようだ。) 私は、Apple が
  Mac を近いうちに全滅させるとは思えないが、穏やかな無視は、プロ向け
  市場で同じ効果を持つだろう。というのは、開発者は、Windows に対して
  もっと注力することに、重きを置くからだ。そして、このことによって、
  回り回って Mac の売り上げが落ち、Apple は、Mac に対する興味を
  いっそう失うことになる。
  
<http://tidbits.com/article/16570>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1324.html#lnk5>
  "iPad の上で、Swift を使って遊ぶ"
  
  Steve Jobs は言った。「もし、自社製品の売り上げを自分で食わなければ、
  他の誰かがそうするだろう。」これは、iPod を iPhone で全滅させた時には
  適切だったが、iPad が Mac に取って代わることができると考えるのは誤りだ
  と私は信じる。iPod (これは、iPhone の機能の一部であった) とは異なり、
  Mac ではできるが、iOS デバイスでは難しいか、あるいは、まったくできない
  ことがたくさんある。あなたがやりたいことが何であれ、そのために iOS
  アプリがあるという誤った印象の下に Apple はあるように思われる。
  
  こんな風に未来が展開すべきではない。実のところ、Apple は、これまでに、
  一つの製品に集中することから抜け出す能力を示したことがある。それが、
  iPod が生まれた所以であるし、iPod が無かったなら、Apple が iPad や
  iPhone を思い付いたかどうかは明らかでない。集中することは良いことだ
  が、それは行き過ぎとなる可能性がある。そして、これが、ただいま Apple
  で起きていることだと私は主張したい。
  
  代わりに、Apple は、File Maker Inc. をモデルにすることができると思わ
  れる。FileMaker は、Claris の灰の中から現れたのだが、この会社は、
  Apple が 100% 所有している子会社だ。だが、データベース開発市場の
  ニーズは、Apple の他の市場のニーズとは、かなり異なっているため、
  FileMaker に、他のアプリよりももっと自律性を与えることが、おそらく
  理にかなっていたのだ。たとえ、FileMaker の独立性が歴史的にたまたま
  起きたことだとしても、重要な点は変わらずに残っている。つまり、Apple
  は、Mac 事業部を iOS という護送車に縛り付けておくのではなく、むしろ、
  Mac 事業部に頭脳を与えることができるということだ。(なぜ FileMaker
  が、Final Cut Pro や Logic Pro とは異なる道を歩むことになったのか、
  私にはわからない。Apple は、この二つは、社内に保有し続けている。)
  
  大企業の多くは、おおむね独立して動く事業部や子会社を所有している。
  そして、Mac が 単に iOS をサポートしようとするのではなく、Mac
  ユーザーのニーズに集中できるよう、十分遠くに Mac をスピン・アウト
  することが、Apple にできない本質的な理由は何もないと思う。これは、
  Mac のハードウェアと macOS の両者にあてはまるであろう。そして、そう、
  Apple の名高い統合が、このプロセスの妨げにならないことを確実にする
  ため、これにはかなりの調整が必要となるだろう。
  
  それは困難なことであるかもしれないが、Mac チームに独自の目標を追求
  させることによって、結果として、Mac は、創造性に富むプロが選ぶ
  コンピュータに、議論の余地なく、再びなる可能性がある。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/16914#comments>
  Tweet リンク: <http://tidbits.com/t/16914>
  
  
Apple の MacBook ラインナップはどうあるべきか
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  文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
  原文記事: <http://tidbits.com/e/16915>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>
  
  新しい MacBook Pro モデルについての苦情は山ほどあるが、主なものとしては 
  16 GB RAM の上限、キーボード、Thunderbolt 3 ポートに対して色々なアダプ
  タが必要なこと、そして, MagSafe 充電コネクタが無くなったことが挙げられ
  る。(多くの人が Touch Bar についても懸念を持っているが、多くは仮説に基
  づいてのものである;開発者達がこれに対するサポートを加え、そしてユーザ
  ーがそれが自分にどの様に役立ってくれるか見るまでは判断出来ない。) 何故 
  Apple がこれらの設計上の変更をしたのかについては、それなりの説明がある
  が、詰まるところ全ては、大きさ、重量、そして電池寿命に対する最適化にた
  どり着く。
  
  16 GB を超えるとなると、消費電力が大きいチップセットが必要になり、電池
  寿命を大幅に減らしてしまうか、或いはより大型の重たい電池を必要とするか
  の話になる。キーボードは作りなりの感じがする - これを嫌う人もいる - 
  MacBook Pro をより薄くするためにキーボードの垂直方向の厚さを減らしてい
  る。そして Thunderbolt 3 の技術仕様は素晴らしいし、Apple にとって魅力
  的なのは薄い USB-C ポートを使えることで、これにより占有面積を減らせる - 
  恐らく、外面上も内部でも - 色々な種類のポートを寄せ集めることに比べれ
  ば効果は大きい。
  
  先週の MacTech Conference での閉会講演で、独特の Andy Ihnatko は核心を
  ついて、名前は MacBook, MacBook Air, そして MacBook Pro と色々あるが、
  現実には全ては MacBook Air の概念の派生に過ぎないと指摘した。その概念
  とは、薄く、軽く、そして提供している性能や接続性の割には高価であるとい
  うものである。それはそれでも理解出来るが、誰もが最小で、最軽量の Mac 
  ラップトップを欲しがるわけではない。価格が最重要の人もいるであろうし、
  性能が全てだという人もいる。
  
  Mac ラップトップのもっと納得性のあるラインナップとは次の様なものではな
  かろうか:
  
* __MacBook:__ 正統派の MacBook とは、頑丈で安価であるべきで、性能と接
  続性は二流でも良い。白と黒のプラスチック製の MacBook を覚えていません
  か? MacBook の名前に相応しいマシンとはこれらの設計目標を取り込んだも
  ので、高校生に最適であるべきである。大きさと重量はある程度大事だが、価
  格が牽引役であるべきで、理想を言えば $500 ぐらいから始まるもので、13-
  inch の非 Retina モデルは、4 GB の RAM と 128 GB のフラッシュストレー
  ジがあれば十分である。それに USB-A ポートを二つ、MagSafe 充電器、そして 
  Mini DisplayPort ジャックを付けて欲しい - USB-C や Thunderbolt を付け
  てコストを上げる必要はない。一度でいいから Apple が価格で革新を起こす
  のを見てみたい。
  
* __MacBook Air:__ 理想の MacBook Air とは、今日の 12-inch MacBook の
  様なもので、1つの USB-C ポートの代わりに2つの Thunderbolt 3 ポートを
  持ったものであろう。理由は... 言うまでもないであろう。このマシンでは、
  大きさと重量は一番大事で、性能は圧倒的である必要はなく、上記の MacBook 
  と同等かそれ以上であれば十分であろう。価格は多少上がっても良く、16 GB の 
  RAM と、そしてもっと大容量の SSD のオプションは提供されるべきである。
  この様な MacBook Air の目標となる市場は、しょっちゅう旅はするが、メー
  ル、Web、そして Microsoft Office があれが大体間に合うと言う多忙なビジ
  ネスマンであろう。価格は $1200 からと言うのが妥当であろう。
  
* __MacBook Pro:__ パワーユーザー向けには Apple は上記の MacBook Pro 
  を、性能と接続性で最適化すべきで、大きさと重量そして電池寿命に関する心
  配はその次で良い。これの 13-inch モデルは、上記の MacBook Air の最上級
  バージョンの性能仕様に近いもので、かつより多くのポートを提供する工業デ
  ザインであるべきである:MagSafe, Thunderbolt 3, Thunderbolt 2 ポート, 
  USB-A, HDMI, Ethernet, そして SD カードスロットである。価格は $1500 ぐ
  らいから始まり、CPU とストレージの追加に応じて上がっていけば良い。究極
  のパワーが欲しい人向けには、15-inch モデルで、通常のラップトップチップ
  セットが扱える以上の RAM 容量をサポートし、沢山の build-to-order オプ
  ションを提供するものが適当であろう。値段は $1800 辺りから始まり、天文
  学的にまでなっても良いのかもしれない。この様な仕様だと、電池寿命は短く
  なり、重量も増えるかもしれないが、モバイルプロフェッショナルが単一マシ
  ンに依存することを可能にするであろう。
  
  問題の核心は Mac ユーザーがどの様に自分のマシンを選ぶのかを Apple がも
  はや理解していないように見受けられることである。現時点では、どの Mac 
  ラップトップを買うべきかを判断するのは殆ど不可能である。何故ならば、価
  格、大きさ、そして性能という三つの差別化要因は、全てのモデルが MacBook 
  Air の価格と性能を犠牲にしても大きさに焦点を当てるという概念に嵌まって
  いるようで、事実上意味をなさなくなっているからである。
  
  加えて Andy Ihnatko が更に指摘しているように、Apple はエンジニアリング
  会社であることを忘れて、デザインと製造の会社になってしまった。驚きには
  値しないであろうが、デザインと製造が何よりも大事となる唯一の Mac は正
  規の MacBook Air で、魔法の様に小さくそして軽い必要があり、価格と性能
  は犠牲にすることを厭わない。
  
  エンジニアリング会社の主たる使命は、ユーザーの問題を解決する製品を提供
  することである。大事なことは、ユーザーが目標を達成するのに使う時間と努
  力の浪費を最小限にする手助けをすることである。かつては、これが Apple 
  を表すぴったりの言葉であった。
  
  今日では、Apple は多くの Mac ユーザーの願望を無視し、そして、単純に先
  端製造技術における同社の優位性故に可能だという豪華な物体を作ることに焦
  点を当てている。それは iPhone や iPad には向いているかもしれないが、誰が 
  iMac の薄さを気にするであろうか? 見るのは前面であって、側面ではない! 
  勿論、Mac が一枚のアルミの板から削り出され、角は面取りされていることで
  文句を言う積りはないが、そのデザイン故に我々がもっと生産的になることは
  ない。(Apple が何故こんなことをやっているのかについての更なる話につい
  ては "Apple が Mac を過小評価していることの理解" 21 November 2016 
  を参照されたい。)
  
<http://tidbits.com/article/16914>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1347.html#lnk4>
  "Apple が Mac を過小評価していることの理解"
  
  Mac に関していえば、形は機能に従うべきで、我々に居心地悪い妥協を強いる
  べきではない。
  
  
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  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/16915#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/16915>
  
  
タッチスクリーン、Touch Bar、そして一点集中について
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    文: Michael E. Cohen: <mcohen @ tidbits.com>, @lymond
    原文記事: <http://tidbits.com/e/16905>
    訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  まずは Mr. Peabody の WABAC Machine に乗って 1984 年に旅して戻り、初代
  の Macintosh を眺めてみよう。[訳者注: WABAC Machine はウェイバック・
  マシンと読み、1960 年代の漫画シリーズ The Rocky and Bullwinkle Show の
  中で、天才犬 Mr. Peabody が男の子の助手 Sherman を連れてタイムマシンで
  ずっと昔 (way back) に戻り歴史上の有名な出来事にちょっかいを出すお話に
  登場します。]初期のコンシューマ向けコンピュータの市場において、初代の 
  Macintosh が持ち込んだ巨大な変革は、テキストだけで満たされたスクリーン
  をカーソルキーでナビゲートするという従来のやり方を、グラフィカルなディ
  スプレイをポインティング・デバイスでナビゲートするやり方へと移行させる
  ものであった。その当時、多くの人たちはマウスなんて子供だましの仕掛けに
  過ぎないと思っていた。
  
<https://en.wikipedia.org/wiki/WABAC_machine>
<http://fortune.com/2009/01/12/jan-1984-how-critics-reviewed-the-mac/>
  
  実際、それはとてつもなく大きな変革であった。カーソルキーと、ポインティ
  ング・デバイスとは、インターフェイスのパラダイム(枠組み)として極端に
  違ったものだ。しかしながら両者とも、スクリーン上にあるものとあなたとの
  やり取りをたった一ヵ所の接点に限定するところは共通している。テキストに
  よるインターフェイスの場合にはテキストカーソル、グラフィカルなインター
  フェイスの場合にはマウスポインタだ。スクリーン上にどのような種類のデー
  タがあろうとも、それとのやり取りができるのはたった一ヵ所においてのみだ。
  
  たった一つの接点しかないという事実は、それがマウスによるものであろうと、
  キーボードによるものであろうと、大きな難点を持つ。移動時間だ。ひとまと
  まりのテキストの末尾にカーソルがある時、一番上の行に見つけたタイプミス
  を直そうと思えば上矢印キーをずっと押し続けなければならない。あるいは、
  スクリーンの中央にお絵描きをしていて、メニューを引き出そうと思えばマウ
  スをスクリーン上端のメニューバーのところまで動かしてからそこでメニュー
  を出さなければならない。そのために必要な移動時間が、あなたを現在の作業
  から引き離し、ひょっとすると創造への勢いを削ぐことになるかもしれない。
  使い勝手の悲劇とまでは言えないが、難点であるには違いない。
  
  この移動時間の問題を軽減するために、エンジニアたちはいろいろな回避策を
  開発してきた。Page Up キーと Page Down キー、テキストを横切って移動す
  るためのキー組み合わせ、メニューコマンドのためのキーボードショートカッ
  ト、それから、ファンクションキー付きのキーボードを使ってそれらのファン
  クションキーをプログラムし、それぞれにさまざまなアクションや複数のキー
  ストロークを割り当てるやり方も、すべてそのために生まれたものだ。いわゆ
  る「パワーユーザー」たちは (Adam、君のことだよ!) これらの回避策をあっ
  という間に身に付け、今日でもキーボードショートカットは広く使われている。
  
  もちろん、そのようなショートカットにもそれ独自の難点がある。どのファン
  クションキーなりキー組み合わせなりが何をするかを、ユーザーが覚えていな
  ければならないからだ。たとえそれが何らかの意味で標準となっていても(例
  えば Mac のメニューコマンドの Cut、Copy、Paste に Command-X、Command-C、
  Command-V が常に割り当てられていても)それでもユーザーは、キーボードコ
  マンドを覚えなければならない。本来的に直感的なものではないからだ。
  
  一つだけ、二ヵ所が同時に焦点となる状況が Mac 上に昔から存在してきた。
  テキスト編集だ。(それと、その類推として、例えばオーディオやビデオの編
  集において直線状の列ないしタイムラインの上に示されたコンテンツを編集す
  るような状況でもそうだ。)例えば、まずテキストを選択してから、マウスポ
  インタをカラー設定パレットへ動かして選択域のカラーを変更し、それからマ
  ウスの下でカラーパレットにフォーカスが残ったままの状態で、キーボードを
  使ってテキストカーソルを動かし、別の範囲のテキストを選択して、それから
  あとはただクリックするだけでその新しい選択域のカラーを変更する、という
  ことができる。
  
  それでもなお、移動時間による摩擦と、それに関係するその他のリスク、例え
  ばアクションを実行しようとしてマウスポインタを動かした際に一時的にコン
  テンツの中の場所指定を見失ってしまう危険などが、依然として Mac 体験の
  中心部分に居座り続ける。
  
  ここで少しだけ話が逸れるが、マルチタッチ、つまり Apple が iOS に導入し
  た、マウスを使わないグラフィカルインターフェイスについてはどう考えれば
  よいのだろうか? マルチタッチは、移動時間による摩擦を減らすことができ、
  スクリーン上に複数個の焦点を提供することも可能だが、だからと言って万能
  の解決策にはならない。例えば、指先というものはコンテンツの中で位置を見
  失う危険をなくすことができない。あなたが透明な指先を持っていれば話は別
  だが、指先で何かを指し示す行為自体が、あなたが指し示そうとするものを隠
  してしまう。また、ファンクションキーやショートカットキーを覚える必要か
  ら来る記憶の負担もなくならない。マルチタッチのインターフェイスでは、シ
  ングルタップとダブルタップの違い、二本指のタップが何をするか、どのアプ
  リの中のどのオブジェクトが 3D Touch に反応するか等々、ユーザーが覚えて
  いなければならないことがたくさんある。
  
  さて、Touch Bar はどうだろうか? Touch Bar も、伝統的な Mac 体験に居座
  る移動時間やコンテンツ喪失の難点を完全に解決できる訳ではない。けれども、
  従来からあった回避策が導入してしまった問題点のいくつかには確かに対処で
  きる。例えばファンクションキーを考えてみよう。Touch Bar の動的な、コン
  テクスト対応の表示は、そこに現われるコントロールのそれぞれが分かりやす
  いラベルで表示されさえすれば、それに伴う記憶の負担を減らせる。
  
  さらに重要なこととして、Touch Bar は基本的に、コンテンツを操作する際に
  二つ目の焦点を提供できる。Touch Bar は、ただ単にコンテクスト対応のファ
  ンクションキー風ボタンを提供するだけでなくて、スライダー等の動的なコン
  トロールも提供できるからだ。つまり、まるでピアニストやギタリストのよう
  に両手を使って Mac を操作できるようになる。プロフェッショナルのビデオ
  エディター Thomas Grove Harper が、その体験をこう形容している:
  
    私にとって最初の素晴らしい発見は、スライダーの持つ潜在力であった。
    その漸進的で、正確で、高速な入力が私を魅了した。長年にわたって、私
    はグラフィカルなユーザーインターフェイスの中で、たった一つのマウス
    入力だけを使ってきた。時を経て、私たちは新たなボタンを増やし、スク
    ロールホイールを使い、トラックパッドでジェスチャーも使うようになっ
    た。けれども Touch Bar はそれらをもう一歩進めて、複数の入力が同時
    にできるようにし、しかもトラックパッドとうまく結び付く。Touch Bar 
    を使う場面が多くなればなるほど、私はある種のキーボードショートカッ
    トを使わなくなってきている。[中略]Touch Bar ならばちゃんと働き、
    その方が速く、その方がもっと生産的だからだ。
  
<http://www.huffingtonpost.co.uk/thomas-grove-carter/one-professionals-look-at_b_12894856.html>
  
  これらの褒め言葉にもかかわらず、賛否いずれの立場にせよ、何らかの結論に
  到達するにはまだあまりにも時期尚早だ。開発者たちはまだそれぞれのアプリ
  をどのように順応させれば Touch Bar を活用できるのかを少しずつ模索中の
  段階にあり、彼らがこの新しいパラダイム(枠組み)を有効に使いこなすあら
  ゆる方法を見つけ出すにはまだまだ時間がかかる。
  
<https://9to5mac.com/2016/11/14/the-best-apps-for-macbook-pro-touch-bar-touch-id/>
  
  その潜在力についても使い勝手についても、今日の Touch Bar は 128K Mac 
  の時点におけるマウスのインターフェイスとほぼ同等の段階にある。加えて 
  Apple は、MacBook Pro を購入した人にしか Touch Bar を提供していない。
  だから、現時点での Touch Bar を「革新的」と呼ぶのは行き過ぎだ。それが
  革新的となる見込みが生まれるには、Apple がそれを Mac 体験の標準部品と
  する必要がある。デスクトップ Mac も含めての話だ。それが実現するまでは、
  いつまでも子供だましの仕掛けの域を出ないだろう。128K Mac のマウスの方
  は、見事にその域を脱することができたのだが。
  
  
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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2016 年 11 月 21 日
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    文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
    原文記事: <http://tidbits.com/e/16921>
    訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
**Alfred 3.2** -- Running with Crayons が Alfred 3.2 をリリースして、ワー
  クフローの構築を改善し、Script Filter を拡張し、1Password との統合を組
  み込んだ。今回から、空白の場所へ接続ポイントをドラッグして新規のワーク
  フローオブジェクトを作成できるようになった。スクリプトが編集を出力でき
  るようになり、設定した時間が経てば Alfred がスクリプトを再び走らせるよ
  う設定できるようになった。1Password 6.5 との互換性が追加されたお陰で、
  Alfred は今回から複数のヴォールトからの結果を表示でき、デフォルトのウェ
  ブブラウザの中で直接ログインを開けるようになった。このキーボード駆動の
  ランチャーはまた、Copy To / Move To ファイルアクションで空フォルダの外
  へナビゲートする際の問題点を修正し、映画やテレビ番組を mini-player で
  無視する iTunes オプションを更新し、Alfred のコアを能率化してパフォー
  マンスを改善している。(無料、Powerpack は 17 ポンド、2.7 MB、リリース
  ノート、10.9+)
  
<http://www.alfredapp.com/>
<http://www.alfredapp.com/powerpack/>
<http://www.alfredapp.com/changelog>
  
  Alfred 3.2 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16918#comments>
  
  
**Microsoft Office 2016 15.28 と Office 2011 14.7** -- Microsoft が、
  Office 2016 アプリケーションスイートのバージョン 15.28 を出していくつ
  かの修正や拡張を加えた。中でも、アクセシビリティの機能やエラー報告に全
  般的な改善がなされている。Word は、Excel スプレッドシートが埋め込まれ
  た書類が保存できなかった問題を修正し、またチェコ語、ハンガリー語、韓国
  語、ノルウェー語、ポーランド語、ロシア語、トルコ語の文法にも対応した。
  PowerPoint は、PowerPoint 2016 for Windows の Zoom コマンドを使って作
  られたインタラクティブ要約や自動ナビゲーションリンクを表示できるように
  した。Microsoft AutoUpdate はバージョン 3.8.1 となり、いくつかのクラッ
  シュを解消した。
  
<https://products.office.com/en-us/mac/microsoft-office-for-mac>
  (日本語)<https://products.office.com/ja-jp/mac/microsoft-office-for-mac>
  "Office 365 ユーザー待望の Office 2016 for Mac をご紹介"
  
  セキュリティの面では、Office 2016 も、Microsoft がバージョン 14.7 にアッ
  プデートした Office 2011 も、リモートでコードが実行される可能性のあっ
  たいくつかのメモリ破壊の脆弱性を解消している。(一回限りの購入ならば 
  $149.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、
  10.10+)
  
<https://technet.microsoft.com/library/security/MS16-133>
  (日本語)<https://technet.microsoft.com/library/security/MS16-133>
  "マイクロソフト セキュリティ情報 MS16-133 - 重要"
<https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=54263>
  (日本語)<https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=54263>
  "Download Microsoft Office for Mac 2011 14.7.0 更新プログラム from Official Microsoft Download Center"
<https://support.office.com/en-us/article/Release-notes-for-Office-2016-for-Mac-ed2da564-6d53-4542-9954-7e3209681a41>
  
  Microsoft Office 2016 15.28 と Office 2011 14.7 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16917#comments>
  
  
**Hazel 4.0.8** -- 2016 年 10 月末に Noodlesoft は Hazel 4.0.7 をリリー
  スして、macOS 10.12 Sierra でヘルプが表示されなかったバグを回避すると
  ともに、Sierra でセキュアな削除が設定されているとファイルがゴミ箱から
  削除できなかったバグも修正した。このファイルクリーンアップユーティリティ
  はまた、ドライブ間で同期する際に一時フォルダが残ってしまわないようにし、
  Upload アクションを設定したり使用したりする際のクラッシュを修正した。
  
<http://www.noodlesoft.com/hazel.php>
  
  そして先週 Noodlesoft は Hazel をバージョン 4.0.8 にアップデートして、
  ある種のドライブがイジェクトできなくなったバグを修正し、またサーバ設定
  を修正して Upload アクションが常に表示されるようにした。(新規購入 $32、
  5 名のファミリーパックは $49、無料アップデート、7.8 MB、リリースノート、
  10.10+)
  
<http://www.noodlesoft.com/release_notes.php>
  
  Hazel 4.0.8 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16916#comments>
  
  
**Slack for Mac 2.3.2** -- Slack が Mac 用デスクトップクライアントのバー
  ジョン 2.3.2 をリリースして、アイドルのタイミング問題の結果としてあな
  たがアクティブでもなく通話可能でもないように見えてしまったり、モバイル
  通知が数多く出過ぎたりしていたのを修正した。このグループメッセージング
  システムおよび生産性ツールは、入力して文字組みをする言語(韓国語など)
  をタイプしてから入力メソッドエディタに切り替えた際に文字が抜けることの
  あったバグを修正している。今回のアップデートではまた、スペルチェックで
  短縮語が(本当にスペルミスでない限り)エラーを呼び出さないようにしてい
  る。(Slack からも Mac App Store からも無料、64.2 MB, 10.9+)
  
<https://slack.com/>
<https://slack.com/downloads>
<https://itunes.apple.com/us/app/slack/id803453959?mt=12>
  
  Slack for Mac 2.3.2 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16913#comments>
  
  
**Postbox 5.0.7** -- Postbox が社名と同名の電子メールクライアントのバー
  ジョン 5.0.6 をリリースして、HTML メッセージを顔文字対応とするとともに、
  画像エフェクトとしてスケール、フロート、マージン、フレーム、および 
  (greyscale, retro, sepia, vintage など) 各種効果を追加した。今回のアッ
  プデートではまた、Attachment パネルのアイコンのサイズが正しくなかった
  問題を修正し、ライセンスがリセットされてしまうバグを解消している。また、
  無料の macOS Sharing アドオンを通じて macOS の共有シートにも対応した。
  そのリリース後間もなく、Postbox はバージョン 5.0.7 にアップデートされ
  て、Enigmail 暗号化アドオンに関する問題点に対処した。Postbox の価格は 
  (バージョン 4.0 の $15 から) $40 に値上げされたが、期間限定でまだバー
  ジョン 5 が $32 のセール中だ。(新規購入 $40、アップグレード価格各種あ
  り、30.2 MB、リリースノート、10.10+)
  
<http://www.postbox-inc.com/>
<https://www.postbox-inc.com/add-ons>
<https://www.enigmail.net/>
<https://www.postbox-inc.com/product/releasenotes>
  
  Postbox 5.0.7 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16912#comments>
  
  
**ChronoSync 4.7.1** -- Econ Technologies が ChronoSync 4.7.1 をリリース
  して、Google Cloud や Amazon S3 のクラウド同期での同期速度を最大 20 パー
  セント高速化した。この同期およびバックアップ用アプリはまた、DMG ボリュー
  ムの位置追跡を改良してディスクイメージのより良いマウント・アンマウント
  処理を実現し、Container Document を開いた後でいつでもクラッシュを起こ
  す可能性のあったバグを修正し、バンド幅制限の計算を調整して Connection 
  Profiles で設定された望ましい制限値により正確にマッチするようにしてい
  る。(無料アップデート。ChronoSync は新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 
  20 パーセント割引、42.6 MB、リリースノート、10.8+)
  
<http://www.econtechnologies.com/pages/cs/chrono_overview.html>
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<https://www.econtechnologies.com/chronosync/notes.html>
  
  ChronoSync 4.7.1 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16911#comments>
  
  
**1Password 6.5.1** -- AgileBits が 1Password 6.5.1 をリリースして、新型 
  MacBook Pro を狙った新機能を二つ追加した。(2016 年 10 月 27 日の記事
  “新 MacBook Pro、状況に応じて変わる Touch Bar を搭載”参照。)具体的
  には、統合 Touch ID センサーを使って指紋でこのパスワード管理ユーティリ
  ティのロックを外す機能への対応と、Touch Bar による拡張されたコントロー
  ルだ。今回のアップデートではまた、Alfred や LaunchBar などのアプリを通
  じてヴォールトの中を検索できるように統合を改良し、異なる 1Password.com 
  アカウントへも 1Password Document をコピーできる機能を追加し、クレジッ
  トカードの期限満了日の入力を改善し、アプリ内部から 1Password アカウン
  ト購読の管理ができるようにし、1Password mini のメニュー横幅を長いブラ
  ウザ拡張名に合わせて自動的にリサイズするようにし、また多数のクラッシュ
  を修正している。(AgileBits からも Mac App Store からも新規購入 $64.99、
  TidBITS 会員が AgileBits から購入すれば 25 パーセント割引、無料アップ
  デート、44.3 MB、リリースノート、10.10+)
  
<https://agilebits.com/onepassword/mac>
<http://tidbits.com/article/16869>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1344.html#lnk3>
  "新 MacBook Pro、状況に応じて変わる Touch Bar を搭載"
<https://itunes.apple.com/us/app/1password-password-manager/id443987910?mt=12>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/1password-password-manager/id443987910?mt=12>
  "1Password を Mac App Store で"
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<https://app-updates.agilebits.com/product_history/OPM4>
  
  1Password 6.5.1 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16910#comments>
  
  
**Pixelmator 3.6** -- The Pixelmator Team が Pixelmator 3.6 (別名 
  Cordillera) をリリースして、macOS 10.12 Sierra フル対応とするとともに、
  新型ラップトップ MacBook Pro のコンテクスト対応 Touch Bar にも対応する
  ようにした。(2016 年 10 月 27 日の記事“新 MacBook Pro、状況に応じて
  変わる Touch Bar を搭載”参照。)新型 MacBook Pro を持っていれば、ツー
  ルの変更を Touch Bar を使って素早くでき、現在選択されているツールでの
  オプションを一覧したり、またどのツールが表示されるかをカスタマイズした
  りもできる。(Pixelmator で実際に Touch Bar を使っているところを示した 
  Vimeo ビデオがある。)
  
<http://www.pixelmator.com/>
<http://tidbits.com/article/16869>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1344.html#lnk3>
  "新 MacBook Pro、状況に応じて変わる Touch Bar を搭載"
<https://vimeo.com/189942738/e9246f8388>
  
  今回のアップデートではまた、タブを使ってウィンドウの管理ができるように
  なり、クリック一つで選択を改善できる Smart Refine 機能を追加し、Deep 
  Images 対応(これにより 16-bit 画像がワイドカラーディスプレイで鮮やか
  さを増す)を追加し、Repair ツールがより高速で正確に動作するようにし、
  Quick Selection ツールにライブのプレビューを追加し、2013 年と 2014 年
  の一部の Mac でサイズの大きな画像を編集していると画像が消えてしまった
  問題を修正している。(Mac App Store から新規購入 $29.99、無料アップデー
  ト、57.6 MB、リリースノート、10.9.5+)
  
<https://itunes.apple.com/us/app/pixelmator/id924695435?mt=8>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/pixelmator/id924695435?mt=8>
  "Pixelmatorを App Store で"
<http://www.pixelmator.com/mac/updates/>
  
  Pixelmator 3.6 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/16906#comments>
  
  
$$


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