TidBITS#1366 日本語版

TidBITS Japanese hosoka @ ca2.so-net.ne.jp
2017年 4月 29日 (土) 00:46:10 EDT


TidBITS#1366/24-Apr-2017
========================
   英語版: <http://tidbits.com/issue/1366>
   日本語版: <http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1366.html>
  
  
  2013 年に Apple は iLife と iWork のスイートを Mac や iOS デバイスを新
  規に購入した人には無料で付けたが、同社は今回、これらのアプリを誰でも無
  料で入手できるようにした。それ以外のタイムリーなニュースとしては、移動
  開催の MacTech Pro イベントの日時と場所が発表され、Apple がいくつかの
  大胆な目標を掲げて第 10 回の Environmental Responsibility 年次報告書を
  リリースした。古き昔に目をやれば、Internet Archive の新しい Mac エミュ
  レータで記憶の細道を辿ることができる。何十ものクラシックな Mac アプリ
  をウェブブラウザの中で実際に走らせることができるのだ。さて現在に戻り、
  Geoff Duncan が寄稿記事で、米国の国境を越えてデジタル機器を持ち込む際
  にプライバシーを守る方法の選択肢をいくつか検討する。それから、電子メー
  ルに添付された winmail.dat を Mac ユーザーが扱う際に役に立つ Creative 
  in Austria の製品 Letter Opener for macOS Mail が 30 パーセント割引に
  なる。今週注目すべきソフトウェアリリースは EagleFiler 1.7.6、Parallels 
  Desktop 12.2.0、それに Lightroom CC 2015.10 と Lightroom 6.10 だ。

記事:
   iLife と iWork アプリ、誰にでも無料に
   DealBITS 値引き: Letter Opener for macOS Mail が 30% 安くなる
   MacTech Pro 2017 日程と開催場所
   Internet Archive、実働のクラシック Mac アプリをホスト
   Apple、10th Annual Environmental Responsibility Report を公表
   米国国境を越えて、デバイスとデータを持ち込むこと
   TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2017 年 4 月 24 日
   ExtraBITS、2017 年 4 月 24 日


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iLife と iWork アプリ、誰にでも無料に
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  文: Josh Centers: <josh @ tidbits.com>, @jcenters
  原文記事: <http://tidbits.com/e/17183>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>
  
  大昔、Apple は自社のソフトウェア全てに対して課金していた、とりわけ iLife 
  や iWork の様な生産性アプリに対しては。しかしながら 2013 年になって、
  Apple はこれらのアプリを新しい Mac や iOS 機器購入者に対しては無料とした 
  ("無料の新 iLife、iWork アプリはデバイスとプラットフォームを横断" 22 
  October 2013 参照)。
  
<http://tidbits.com/article/14217>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1197.html#lnk8>
  "無料の新 iLife、iWork アプリはデバイスとプラットフォームを横断"
  
  ところが、一切の鳴り物も発表も無しで、Apple は現行の iLife 及び iWork 
  アプリを全てのユーザーに対して完全に無料とした。具体的に言うと、この変
  更が適用されるのは以下のアプリである:
  
* GarageBand: macOS 用 (10.10 Yosemite が必要) そして iOS 用 (iOS 10.2 
  が必要)
  
<https://itunes.apple.com/us/app/garageband/id682658836?mt=12>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/garageband/id682658836?mt=12>
  "GarageBand を Mac App Store で"
<https://itunes.apple.com/us/app/garageband/id408709785?mt=8>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/garageband/id408709785?mt=8>
  "GarageBandを App Store で"
  
* iMovie:macOS 用 (10.11.2 El Capitan が必要) そして iOS 用 (iOS 9.3 
  が必要)
  
<https://itunes.apple.com/us/app/imovie/id408981434?mt=12>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/imovie/id408981434?mt=12>
  "iMovie を Mac App Store で"
<https://itunes.apple.com/us/app/imovie/id377298193?mt=8>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/imovie/id377298193?mt=8>
  "iMovieを App Store で"
  
* Keynote:macOS 用 (10.12 Sierra が必要) そして iOS 用 (iOS 10 が必要)
  
<https://itunes.apple.com/us/app/keynote/id409183694?mt=12>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/keynote/id409183694?mt=12>
  "Keynote を Mac App Store で"
<https://itunes.apple.com/us/app/keynote/id361285480?mt=8>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/keynote/id361285480?mt=8>
  "Keynoteを App Store で"
  
* Numbers:macOS 用 (10.12 Sierra が必要) そして iOS 用 (iOS 10 が必要)
  
<https://itunes.apple.com/us/app/numbers/id409203825?mt=12>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/numbers/id409203825?mt=12>
  "Numbers を Mac App Store で"
<https://itunes.apple.com/us/app/numbers/id361304891?mt=8>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/numbers/id361304891?mt=8>
  "Numbersを App Store で"
  
* Pages:macOS 用 (10.12 Sierra が必要) そして iOS 用 (iOS 10 が必要)
  
<https://itunes.apple.com/us/app/pages/id409201541?mt=12>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/pages/id409201541?mt=12>
  "Pages を Mac App Store で"
<https://itunes.apple.com/us/app/pages/id361309726?mt=8>
  (日本語)<https://itunes.apple.com/jp/app/pages/id361309726?mt=8>
  "Pagesを App Store で"
  
  これは、2013 年以降に対象となる Apple 機器は購入していないが、必要とな
  るバージョンのオペレーティングシステムは走らせていて、iLife や iWork 
  アプリのコピーは欲しいと言う人には良い知らせではある。そして Apple に
  とっては価格の説明がし易くなる。
  
  では、何故 Apple は始めからこれらのアプリを全員に無料にしなかったので
  あろうか? その答えは Apple の経理部門の奥深くにありそうに思える。2013 
  年当時、Apple は iLife, iWork, そして OS X 10.9 Mavericks を新しく売ら
  れる全ての Mac 及び iOS 機器にバンドルし無料とした。こうすることで同社
  は販売受領額の一部を計上するのを遅らせることが可能となった。その理由は、
  製品 (Mac 或いは iOS 機器) はソフトウェアのアップデートが完了しないと 
  "納品完了" ではなかったからである - これは "サブスクリプション会計" と
  呼ばれる方式である。Q4 2013 会計四半期で、Apple は $900 million の売上
  計上を遅らせたのだが、要は、それだけの額をこの四半期報告から隠したので
  ある ("Apple Q4 2013 業績、再度減益となる" 28 October 2013 参照)。
  
<http://tidbits.com/article/14246>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1198.html#lnk2>
  "Apple Q4 2013 業績、再度減益となる"
  
  Apple は何故今となってこれらのアプリを誰にでも無料にしているのかの答え
  はこの辺にあるのかもしれない。AppleInsider の Daniel Eran Dilger によ
  ると、この繰延売上げは Apple の業績報告売上げに iOS では 2 年間に、そ
  して Mac では 4 年間に渡って戻されていると言う。この繰延べが始まったと
  思われる頃からそろそろ 4 年になるので、Apple も業績報告から繰延して来
  た売上げをようやく全部きれいに出来たことを意味しているのではないかと思
  われる。
  
<http://appleinsider.com/articles/13/10/28/free-ios-mac-apps-to-hide-nearly-1-billion-of-apples-new-cash>
  
  結論的には、この変更の意味するところは余りない。 iLife と iWork が無料
  になることからくる効果 - 例えば、競合するアプリに対して、Apple の売り
  上げに対して、そして、Apple ハードウェアの知覚価値に対して - はもう既
  に現実のものとなっている。iLife や iWork アプリを欲する人の多くは、既
  にコピーを購入済みか、或は October 2013 以降に新しいハードウェアを購入
  済みであろう。我々が思うに、より昔の Mac や iOS 機器の所有者への販売は、
  Apple にとってはこれらアプリに課金する面倒に値しない所まで落ち込んでい
  るのではなかろうか。
  
  
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  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/17183#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/17183>
  
  
DealBITS 値引き: Letter Opener for macOS Mail が 30% 安くなる
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   文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
   原文記事: <http://tidbits.com/e/17166>
   訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  最新の DealBITS 抽選で当選し、Creative in Austria の winmail.dat デコー
  ド用ユーティリティ Letter Opener for macOS Mail を受け取ったのは、
  edminot.com の Edward Minot、csuohio.edu の Joyce Mastboom、webdeck.com 
  の Michael Riccio、gmail.com の Zachary Braff、gmail.com の Tonya Dale 
  の 5 名だ。おめでとう!
  
<http://tidbits.com/article/17165>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1364.html#lnk0>
  "DealBITS 抽選: Letter Opener for macOS Mail が当たる"
<https://www.creativeinaustria.com/letter-opener-for-macos-mail?utm_campaign=dealbits&utm_medium=referral&utm_source=tidbits>
  
  自動的に winmail.dat ファイルをデコードするツールが欲しいのに当選しな
  かった皆さんのために、Creative in Austria は 2017 年 4 月 30 日までの
  期間中に限り、Letter Opener for macOS Mail を 30 パーセント割引、つま
  り定価の $39.99 を $27.99 に値下げして提供している。TidBITS 読者限定の
  この割引を受けるには、注文の際にクーポンコード TIDBITS を使えばよい。
  
  今回の DealBITS 抽選に応募して下さった 196 名の皆さんに感謝したい。ま
  た今後の DealBITS 抽選もお楽しみに!
  
  
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  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/17166#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/17166>
  
  
  
MacTech Pro 2017 日程と開催場所
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   文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
   原文記事: <http://tidbits.com/e/17190>
   訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  私たちの TidBITS Content Network が Apple コンサルタントや再販業者の人
  たちに受け入れられ始めるにつれて、私はますます Apple メインの IT プロ
  フェッショナルに向けられたさまざまの素晴らしい情報源に気付くようになっ
  てきた。MacTech の地域イベントシリーズは MacTech Pro と呼ばれ、今年は
  全国各地で九つのイベントが計画され、現時点で七つの都市がまだ残っている。
  
<https://tcn.tidbits.com/apple-pros/>
<http://pro.mactech.com/>
  
  講演者は都市によって異なるが、これらの MacTech Pro イベントはすべて同
  じ基盤の上で企画され、以下のようなセッションがある:
  
* ストレージ戦略の作成:クラウド、ローカル、ネットワークのソリューショ
  ンを統合し、アクセス、アーカイブ、バックアップを念頭に
  
* 配置手法: ファイル、構成、ディレクトリサービス
  
* Python スクリプティング: 単独で、また他の子たちと仲良く
  
* グループ討論: 限られた時間、限られたリソース、最適化の成功事例
  
* Internet of Things (IoT) とホームオートメーション
  
* セキュリティ: ハッカーが手を伸ばせば届く果実になってはならない
  
* macOS トラブルシューティング: Console こそ頼りになる友
  
* 知っているべきツール
  
<http://pro.mactech.com/topics/>
  
  2017 年内で未開催の MacTech Pro イベントの予定は次の通りだ: (3 月の 
  Seattle イベントと 4 月の Boston イベントは終了している。)
  
* May 3、ジョージア州 Atlanta - セッション司会: Bob Garst
* May 24、Washington, DC - セッション司会: Will O'Neal
* June 28、コロラド州 Denver - セッション司会: Weldon Dodd
* July 26、ニューヨーク州 New York - セッション司会: Christopher Holmes
* August 9、フロリダ州 Orlando - セッション司会: Tim Hassett
* August 30、イリノイ州 Chicago - セッション司会: Ben Greiner
* September 27、カリフォルニア州 San Francisco - セッション司会: 未定
  
<http://pro.mactech.com/dates-and-locations/>
  
  個々の MacTech Pro イベントの料金は通常 $499 だが、TidBITS 読者はたっ
  たの $299 で登録でき、MacTech Magazine の無料購読も付く。教育関係およ
  び非営利団体関係の値引料金は $199 だ。いずれの料金も昼食付きだ。
  
<http://pro.mactech.com/go/TidBITS>
<http://pro.mactech.com/edu/>
  
  MacTech Conference のアドオンと同様、Watchman Monitoring Proactive 
  Support Professional Certification に興味ある人のために言い添えれば、
  この資格取得コースはそれぞれの MacTech Pro イベントの前夜に開催され、
  追加料金 $249 がかかる。
  
<http://pro.mactech.com/more/wm-psp/>
  
  私自身の予定はまだ決めていないが、少なくとも 2017 年 7 月 26 日のニュー
  ヨーク市イベントには出席して、参加者との情報交換をしたいと思っている。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/17190#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/17190>
  
  
Internet Archive、実働のクラシック Mac アプリをホスト
-----------------------------------------------------
   文: Adam C. Engst: <ace @ tidbits.com>, @adamengst
   原文記事: <http://tidbits.com/e/17185>
   訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  かの素晴らしき Internet Archive が、その Software Library に何十ものク
  ラシックな(そう、真の意味でクラシックだ!)1984 年から 1989 年頃まで
  の Mac 用アプリ、ゲーム、オペレーティングシステムを追加したと発表した。
  この、懐かしさを呼び起こすちょっとした魔法が実現できたのは、Hampa Hug 
  による PCE/macplus Macintosh エミュレータのあるバージョンを JavaScript 
  に移植することでウェブブラウザの中で走らせられるようにしたお陰だ。その
  通り、これらはすべてフルに機能するアプリであって、Safari、Chrome、また
  は Firefox の中で動作する。(RetroWeb Vintage Computer Museum へ行けば
  もっと多くの古い Mac ソフトウェアに PCE/macplus を通じてアクセスできる。
  ここの管理者たちは Internet Archive がエミュレーションシステムを構築す
  るのを手伝った。)
  
<http://blog.archive.org/2017/04/16/early-macintosh-emulation-comes-to-the-archive/>
<http://www.hampa.ch/pce/pce-macplus.html>
<http://retroweb.maclab.org/?emulator=pce-macplus>
  
  PCE/macplus は、Macintosh 128K から Macintosh Classic までをエミュレー
  トできるので、つまりこれはすべて 9 インチの白黒画面で走らせるソフトウェ
  アの話だ。Internet Archive の Mac Software Library には System 6.0.8 
  の System Startup ディスクと System Additions ディスクを誇示するパッケー
  ジもあるし、もっと興味深いのは System 7.0.1 にさまざまのアプリ、BBEdit、
  HyperCard、Microsoft Word、Microsoft Excel、その他を入れたものだ。思い
  出して頂きたいが、フォルダを開いたりアプリを起動したりするには素早くダ
  ブルクリックする必要があり、メニューから項目を選択するにはメニュータイ
  トルをクリックしてからそのままマウスボタンを押し続ける必要がある。
  
<https://archive.org/details/softwarelibrary_mac>
<https://archive.org/details/mac_MacOS_6.0.8>
<https://archive.org/details/mac_MacOS_7.0.1_compilation>
<http://tidbits.com/resources/2017-04/Mac-emulator-System7.png>
  
  ここにある古いアプリをいじってみるだけでも楽しいが、本当に愉快になれる
  のは 1980 年代のゲーム、例えば Dark Castle、Airborne、Wizardry といっ
  たものが揃っていて遊べることだ。それに私の大のお気に入り、Lode Runner 
  もある。ぜひ試してみよう!
  
<https://archive.org/details/mac_DarkCastle_1_2>
<https://archive.org/details/mac_Airborne>
<https://archive.org/details/mac_WizardryI.img>
<https://archive.org/details/mac_Lode_Runner>
<http://tidbits.com/resources/2017-04/Mac-emulator-Lode-Runner.png>
  
  その昔のことを覚えている人にとっては、懐かしさだけでもここを訪れる十分
  な理由になる。けれども、将来のデジタル保存に向けてこの種のプロジェクト
  が何を期待させてくれるかを考えるともっと興味深い。昔のハードウェアを走
  らせ続けるのはますます困難になりつつあるし、メディアの安定性が落ちるこ
  とでソフトウェアやデータへの長期的アクセスにはどんなにひいき目に見ても
  疑問の余地があると言わざるを得ない。
  
  もしも現代のマシンの膨大なコンピューティングパワーが古いハードウェアの
  完全なエミュレーションを可能にし、フロッピーディスクがまだ読み取り可能
  なうちにファイルをクラウドへ移すことができたならば、ひょっとすると今ま
  で言われてきたほどには古いデータがビットの腐食へと朽ち果て失われること
  もそれほど多くないのかもしれない。長年保存されてきたフロッピーディスク
  からデータやアプリをロードすることを巡るビジネスモデルを構築できる余地
  は大してないけれども、それでもそういうことが今でも可能であることを実証
  してくれた Internet Archive や RetroWeb Vintage Computer Museum のよう
  なグループに敬意を表したい。また、古いアプリやデータで遊ぶことに興味あ
  る人は、Macintosh Garden へ行けば自分でエミュレータをセットアップする
  方法の説明が読める。
  
<http://macintoshgarden.org/>
  
  さてと、そろそろ私は失礼させてもらって、Lode Runner の次のレベルに挑戦
  してみたい。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/17185#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/17185>
  
  
Apple、10th Annual Environmental Responsibility Report を公表
-------------------------------------------------------------
  文: Michael E. Cohen: <mcohen @ tidbits.com>, @lymond
  原文記事: <http://tidbits.com/e/17189>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka @ kif.biglobe.ne.jp>
  
  10 年以上前 Apple は、"全ての該当する環境、健康そして安全の要件を満た
  すか或いは超える" のみならず、"法や規制が適切な管理体系を提供していな
  い所では... 人類の健康と環境を守る標準を... 採用する" と言う一連の環境、
  健康、そして安全方針を確立した。所で、これらの言葉は今週出された Apple 
  の 2017 Environmental Responsibility Report の Appendix D で見られる。
  この 56 ページの PDF 報告は Apple 製品の一つのようである:清潔感のある、
  簡素な書類で、白地を多く残し、美しい写真と、そして使われているデータも
  とてもわずかとは言えない量がある。Apple 製品と違うのは、今年の報告では
  最近 Apple が何を成し遂げたかを明らかにしている一方で、Apple が将来ど
  こに行こうとしているのかを専門家が敢えて推測する必要がないことであろう。
  
<https://images.apple.com/environment/pdf/Apple_Environmental_Responsibility_Report_2017.pdf>
  
  その理由は Apple がその目標を具体的に説明するのに、この報告の冒頭で自
  らの環境に対する意図を Apple の Lisa Jackson, Vice President of 
  Environment, Policy and Social Initiatives の "大胆な質問" という形を
  使っているからである:
  
* "グローバルなビジネスに必要な電力を、太陽、風、水でまかなうことはで
  きますか?"
  
* "Apple のサプライチェーン全体を、100% 再生可能エネルギーに移行させる
  ことはできますか?"
  
* "私たちはいつか、天然資源の採掘を完全にやめることができますか?"
  
* "Apple 製品のパッケージに、再生紙と責任ある方法で調達した紙だけを 100%
  使うことはできますか?"
  
* "世界最高の素材をさらに良くすることはできますか?"
  
<https://www.apple.com/environment/>
  (日本語)<https://www.apple.com/jp/environment/>
  "環境 - Apple(日本)"
  
  勿論、この様な進捗状況報告では、当たり障りのない質問を掲げたいと思うの
  はどの会社でも同じであろうが、Apple は少なくともこれらに対して、もしこ
  の報告の Appendix C にある3つの第三者による監査報告を信用するならば、
  正直に答えている。 
  
  グローバルなビジネスに必要な電力を太陽、風、水力でまかなうことに関して、
  Apple は世界中にある自社施設で使っている電力の 96% が再生可能な資源か
  ら来ており、そしてその二酸化炭素排出量は 2016 会計年度には 29.5 百万ト
  ンであり、前年度の 38.4 百万トンから減少したと報告している。更に、同社
  は米国内でそのデータセンターで消費する電力の 100% がもう既に再生可能資
  源から来ていると言っている。
  
  サプライチェーンが完全に再生可能資源に移行することに関して、Apple は 
  Apple が主導するエネルギー監査とトレーニングとで、"サプライヤーが達成
  した効率改善は 150,000 トンを超える二酸化炭素相当の排出を抑えた" と報
  告している。同社はこれまでに "485 メガワットの風力及び太陽光プロジェク
  トを中国の6つの県に設置済み" で、中国だけでも 2020 年までに 2 ギガワ
  ットのクリーン電力を、そして世界中では 4 ギガワットのクリーン電力を供
  給することを計画している。(これらの数字が何を意味するかを知るためには、
  これらの数値を EPA の Greenhouse Gas Equivalencies Calculator に入れて
  みるよい。)
  
<https://www.epa.gov/energy/greenhouse-gas-equivalencies-calculator>
  
  では、天然資源の採掘についてはどうであろうか? Apple はこの分野ではま
  だうまく行っていないが、リサイクル可能な材料、アルミとか錫の様な、の使
  用は増やしていると報じている (iPhone 6 の主ロジックボード上の半田の 100% 
  がリサイクルされた錫から来ている)。Apple の解体技術の研究開発プロジェ
  クトである Liam からの成果は、自社製品からのリサイクル可能な材料の歩留
  まりを増加させることに貢献している。
  
<https://www.apple.com/environment/pdf/Liam_white_paper_Sept2016.pdf>
  
  パッケージ材料に関して、Apple は 2016 会計年度に "131,000 トンの紙を使
  ったが、その内 62% はリサイクルされたもので、38% は責任ある方法で管理
  された資源からのバージンペーパであり、我々の持続可能な紙仕様を満足しな
  いバージンペーパーは 1% に満たない" と報じている。Apple はまた、
  Conservation Fund や World Wildlife Fund の様な団体との協業も加速して
  おり、同社が入手する紙を調達する持続可能な森林の面積も増やしている。
  
  最後に、Apple は自社製品に含まれる有害物質の量を減らすために環境試験に
  積極的に投資して来た。Apple の Cupertino Environmental Testing Lab は、
  プラズママスク分光法、イオン、液体、そしてガスクロマトグラフィ等々の装
  置や技法を使って有害物質を同定しており、2006 年の設立以来 20 倍の大き
  さになった。同社は Apple Watch ケースからのニッケル溶出の量を測れるよ
  うに人口の汗まで作成しているが、これはニッケルにアレルギーのある顧客へ
  の影響を最小限にしようとするものである  (Apple は何故独自の人口汗を作
  るのかを説明するビデオまで作成している)。Apple が自社製品から廃絶した
  他の有害物質には、ベリリューム、水銀、PVC とフタル酸エステル、砒素、そ
  して鉛が含まれる。
  
<http://www.youtube.com/watch?v=8bLjD5ycBR0>
  
  誤解しないで欲しいのだが、この報告は Apple の取り組みを可能な限り都合
  よく見せようと意図されている。加えて、Apple の規模で事業展開するメーカ
  ーならば誰でも環境劣化の原因となるのは避けられない。いずれにしろ、国家
  や世界の指導者達が地球環境問題を軽視し始めている様に見える時代に、Apple 
  の規模と影響力を持つ企業が環境保護を基本の - そして潤沢な資金を投じた - 
  企業理念とするのを見るのはとても勇気付けられる。
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/17189#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/17189>
  
  
米国国境を越えて、デバイスとデータを持ち込むこと
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  文: Geoff Duncan: <geoff @ tidbits.com>
  原文記事: <http://tidbits.com/e/17173>
  訳: 清水 史彦 <qff01604 @ nifty.com>
  訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  多くの旅行者が、国境を越える際に、文書を提示したり、質問に答えたり
  する経験をしてきている。だが、最近は、私たちの多くがスマートホン、
  タブレット、そしてコンピュータを持ち運んでいて、そうした機器には、
  私たちの日常生活における途方もない量のものが含まれていたり、あるいは、
  それらにアクセス可能であったりする。
  
  確かに、昨日の昼食のスナップショットや、先週のスポーツのスコアのよう
  に、データの中には無害なものもある。だが、データによっては、極めて
  慎重に取り扱うべきものもあるだろう。そうしたデータには、銀行取引や
  金融関係の情報、医療に関する履歴、友人や知り合いに関する書類、個人的
  な会話、そして、私たちがどこにいたかといった記録さえも含まれる。
  
  国境や入国管理の問題 (壁や移民拒否、そしてテロの脅威について考えて
  みてほしい) に関わる緊張が高まるにつれて、そして、私たちが自分の
  デバイスにますます依存するようになるにつれ、デジタル・デバイスの中味
  を検査するという要求は、米国国境において、そして、世界中の他の国境を
  通過する際に、ますます普通のこととなりつつある。
  
  もし、国境係官が、あなたにデバイスのロック解除を要求したら、あなたは
  どうするであろうか? あるいはまた、もし、彼らが、あなたのソーシャル・
  メディア、メール、あるいは、銀行取引サービスへのパスワードを要求
  したら?
  
  もし、こうした問いに対して、一瞬たりとも逡巡するようであれば、あなた
  が実際にアメリカ国境に到着する _前に_ 米国への入国は、一考するのが最も
  良い。
  
  
**入国係官は何ができるのか?** -- ある種の世論とは異なり、米国への入国
  に際しては、アメリカ合衆国憲法が実際に適用され、したがって、米国市民
  は、表現および結社の自由、いわれのない捜査や差し押さえを受けないこと、
  そして、強制的な自己負罪から免れていること、といった権利を有している。
  
  だが、米国の国境係官は、また、米国の警察官よりも広範な権力を有して
  いる。これには、車両、手荷物、そして、その他所持品を、令状なしで捜査
  可能であることも含まれる。言い換えれば、アメリカ合衆国においては、
  警察官はあなたを連行できないし、それから、相当な理由、ならびに、判事
  によって承認された令状なしに、あなたの車を捜査したり解体したりすること
  はできない。だが、国境係官はそうしたことが _可能_ であるし、いかなる
  令状も必要としない。
  
  米国国境係官は、こうした拡張された権力を有している。なぜなら、国境の
  秩序の保持に政府が関心を持つことは、個人のプライバシーよりもずっと
  重要であるということを司法が支持しているからだ。法律用語では、こうした
  拡張された捜査は、「日常的」と見なされている。そして、危険人物の入国を
  妨げ、また、入国者が正式に認可され、適切な入国書類を保持していることが
  確実であるようにするために、国境係官が、通商ならびに輸入に関する法律を
  強制することが可能となるように意図されている。
  
  そうしたことは、全くのところ、電話、タブレット、ラップトップ、カメラ、
  ないし、その他の任意のデジタル機器を問わず、あなたが持ち運びしている
  デバイスの物理的な側面について検査を行うための、国境係官の権限の範囲内
  である。この権限には、機器のケースや、それが動作するかどうかを単に検査
  するだけでなく、バッテリー、メモリ、ストレージ、そして、その他のパーツ
  を取り外すことも含まれている。
  
  さらに、Customs and Border Protection (CBP, 訳者注: 税関国境警備局) の
  指令により、国境係官には、デバイス上に「現れる」任意の情報を調べる権限
  が与えられている。これは、あなたのデジタル・カメラで写真をめくって
  調べたり、(もし、デバイスがロック解除されていたら) あなたの電話や、
  その中のアプリをスワイプしたり、あなたのコンピュータの中を覗き回ること
  が可能であることを意味する。
  
<https://www.dhs.gov/xlibrary/assets/cbp_directive_3340-049.pdf>
  
  多くの旅行者にとっては、こうしたことは全く問題ではない。例えば、仮に
  国境係官が、私のひどい写真 (ほら、ピンぼけの親指だ!) や、私の iPhone
  上で、ブロックされている電話番号の膨大なリストをめくって調べたいと
  思ったところで、私は特に気にしない。私は、多くの人がデバイスに依存
  しているのとは全く異なり、しかも、ソーシャル・メディアは全く使って
  いない。
  
  だが、私のコンピュータには、私の顧客の所有物である、暗号化された秘密
  のデータが、しばしば入っている。もし、国境係官がそれを調べたいとなった
  ら、私には、それを拒否する法的義務があると思われる。多くの人たち、
  特に、医者、弁護士、そして、ジャーナリストのような人たちは、国境係官
  が、患者の記録、手紙のやり取り、写真、財務情報、その他諸々をめくって
  調べたとしたら、非常に不愉快であろう。
  
  
**電源を切る、拒否する、あるいは、見て見ぬふりをする?** -- なので、
  もし、あなたが、米国国境係官に、あなたのデバイスを調べてほしくない
  のであれば、解決策は簡単だと思われるかもしれない。すなわち、デバイス
  をロックする、あるいは、電源を切ることだ! そうすることで、国境係官は、
  検査中に、いかなる情報とも「出会う」ことはない。そうですよね?
  
  確かにそうだ。だが、ここで、国境係官が、あなたに、デバイスを
  アクティベートする、または、ロック解除する、あるいは、そうするために、
  コードやパスワードを提供するよう求めてきたと想像していただきたい。これ
  は驚くほどありふれたことなのだ。もしかしたら、係官は、あなたが、公的に
  どんな存在なのかというだけではなく、ソーシャル・メディアでどんな存在
  なのかについて、_全て_ 調べることができるように、Facebook や Twitter
  のパスワードを要求するかもしれない。また、彼らは、WhatsApp, iCloud,
  Dropbox、または、銀行のパスワードを要求するかもしれない。そして、
  これらは、要求ではなく、_命令_ かもしれない。
  
  そこで、物事は、ややこしいことになる。
  
* もし、あなたが _同意_ すれば、国境係官は、あなたの情報を精査して、
  コピーすることができる。
  
* もし、あなたが _拒否_ すれば、国境係官は、あなたのデバイスを押収し、
  あなたを拘束することさえできる。CBP は、米国市民の米国への入国を拒否
  することはできないが、入国を、容易く、迅速に、あるいは、気持ちよく行う
  必要はない。CBP は、外国国籍を持つ人や、合法的な永住者の両者に対して、
  入国を拒否することが _可能_ だ。こうしたこと全てが、要求に従うように
  仕向ける圧力となる。
  
* もし、あなたが国境係官に、例えば、「あー、パスワードを忘れてしまい
  ました! これは私の携帯ではないので!」のように、_嘘_ をついたら、最長
  5 年の実刑判決を伴う犯罪を犯したことになる。
  
<https://www.law.cornell.edu/uscode/text/18/1001>
  
  
**要求、命令、そして、同意** -- あなたは、パスワードの開示やデバイス
  のロック解除を拒否することができる。国境係官は、「OK」と言って、次の
  検査の方に行ってしまうかもしれない。あるいは、係官は、デバイスを
  ロック解除する方が得策だということをおそらく示唆しながら、しつこく
  要求するかもしれない。もし、あなたがデバイスをロック解除したら、その
  行為は、デバイスが検査されることに対する法的な合意を形成することに
  なるかもしれない。同意があれば、国境係官は、個人や、その資産に関する
  ほとんど全ての側面を調べることが可能だ。
  
  もし、あなたが要求を拒否したら、国境係官は、命令へとエスカレート
  させることができる。係官は、時に、要求と命令の区別に対して曖昧なこと
  がある。なぜならば、暗に同意を得ることで、係官は、より有利な法的な
  足がかりを得ることができるからだ。もし疑念があれば、尋ねることだ。
  
  あなたは、パスワードを開示したり、デバイスをロック解除したり、あるい
  は、アクティベートしたりせよとの命令を拒否することが _可能_ だ。
  だが、国境係官は、あなたのデバイスを押収することができる。あなたは、
  携帯電話、コンピュータ、そして、それらに入っている情報なしで、
  どのくらいの期間、やって行けるだろうか? あなたには、それらを別な
  ものに置き換える金銭的な余裕があるだろうか? また、係官は、あなたに
  対する関与をエスカレートさせて、さらに別の当局者を含めたり、あるい
  は、あなたを拘束したりすることさえできる。
  
  国境係官がいったんデバイスを手にしたら、彼らは、解釈や、科学的解析
  のために、その内容をコピーし、データを他の係官もしくは第三者と共有する
  ことができる。デバイスがロック解除されていない場合には、たとえデータが
  暗号化されていたとしても、彼らは、とにかくデータをコピーして、保存
  しようと試みるかもしれない。最終的に、政府がパスワードを入手 (あるい
  は、データを保護するソフトウェアに、抜け穴や不備を、所有/発見/購入)
  すれば、いずれにせよ、彼らは、データ解読が可能となるかもしれない。
  ロック解除されたデバイス上の、暗号化されたいかなるデータについても
  同じことが言える。
  
  政府は、データやデバイスを、どのくらいの期間、保持できるだろうか? 一般
  的には、CBP は、5 日以内に、データのコピーを破棄し、押収したデバイスを
  返却するものと思われている。だが、データとデバイスの両者の保持は、
  ほとんど無限に延長可能だ。TECS (かつては、Treasury Enforcement
  Communications System として知られていた) と呼ばれるシステムに入力
  された旅行者と検査に関わる追加データは、75 年もの間、保持される可能性
  がある。これには、開示を受けた係官に対して明らかにされたパスワードや、
  他の認証情報が含まれているかもしれない。
  
<https://www.federalregister.gov/documents/2008/12/19/E8-29807/privacy-act-of-1974-us-customs-and-border-protection-011-tecs-system-of-records-notice>
<https://www.theatlantic.com/technology/archive/2017/02/border-agents-personal-information/517962/>
  
  
**あなたのデータをどうやって守るか** -- どのような理由であれ、米国の国境
  係官に自分のデジタル生活のすべてを開示する立場に追い込まれるのは嫌だと
  思うのならば、あらかじめ計画を立てておく必要がある。既に国境で列に並ん
  でいる時に突然自分のデータを守りたいと決めても、それはもはや手遅れだ。
  
  第一に、自分のリスクを査定しよう。もしもデバイスが国境係官に押収された
  りその中の情報にアクセスされたり(コピーされたり共有されたりする恐れも
  ある)したならばどのような問題が起こり得るのかのリストを作るのも良いだ
  ろう。例えば iPhone を使って搭乗券や、ホテルやレンタカーの予約を管理し
  ているなら、あるいは旅行中に Apple Pay を使うつもりなら、iPhone を押収
  されてしまえば旅行を続けられるか否かの深刻な問題が起こるかもしれない。
  
  もっと悪いことに、患者の病歴記録を持って旅行中の医師や、秘密文書を持っ
  て旅行する弁護士や、機密情報を携えたジャーナリストなどにとって、データ
  に政府が目を通すことで極めて大きな職業的および倫理的問題が発生するかも
  しれない。
  
  正直言って、大多数の人々にとって、リスク分析はそのあたりが限度だろう。
  自分のスマートフォンやデバイス、そしてソーシャルメディアに非常に大きく
  依存している人たちでさえ、何か機密を要することをするなど滅多にないだろ
  う。もちろん、友人たちや親戚たちに書いたテキストメッセージを国境係官に
  読まれるのを好む人はいないだろうが、係官に自撮り写真をペラペラめくって
  見られたり祖父母のためにサプライズパーティーの準備をするグループチャッ
  トを読まれたりしても深刻なプライバシーの悲惨事とまでは言えないだろう。
  
  しかしながら、もしもあなたが非常に大きなリスクがあると感じた場合には、
  例えばあなたが注目を浴びる訴訟の当事者だったり、離婚を計画中だったり、
  極秘情報を扱う仕事をしていたり、デバイス上に合法的だが論争の的となって
  いるデータを入れていたり、あるいは現在の政治情勢の中で自分の立場に正真
  正銘の懸念を持っていたりするなら、あなたのデータを保護するために何らか
  の措置を講じておくのが良い。いくつかの例を挙げよう:
  
* 持って行くデバイスの数をできるだけ少なくする。(可能ならば何も持って
  行かない。)持っていないもののロックを外せと言われることはあり得ない
  からだ。私の同僚の一人は頻繁に日本と米国を行き来しているが、その際に
  一切デバイスを持たないようにしている。また別の同僚は、スウェーデンと
  米国を行き来する際には旅行専用の電話機を使っている。
  
* デバイス暗号化を用いる。iOS デバイスはもう何年も前からほとんどのデー
  タについてオン・デバイスの暗号化をデフォルトで有効にしている。Mac 上
  では FileVault でディスク丸ごとの暗号化をする。これは 2011 年以来ずっ
  とある機能だ。(使い方のヒントは "Take Control of FileVault" 参照。)
  
<http://tid.bl.it/tco-filevault-tidbits>
  
  そうしておいて、デバイスの電源を _切る_ のだ。暗号化されたデバイスを
  完全にシステム終了しておけば、単にスリープしただけや、ロックしただけ
  のデバイスよりも大幅に脆弱度が減る。これこそ、大多数の旅行者にとって
  データを守るためのおそらく最も強力な(しかも最も容易な)方法だろう。
  ただし、強力なパスワードとパスコードを使っていることが条件だ。(詳し
  くは "Take Control of Your Passwords, Second Edition" 参照。)決して
  指紋読み取りなどの生体認証を使ったセキュリティに頼ってはならない。
  
<http://tid.bl.it/tco-passwords-tidbits>
  
* データの一部をクラウドに移しておく。多くの場合、データをデバイス上に
  保存したままで持ち運ぶ必要はない。どこかのクラウドサービスに、例えば 
  iCloud、Dropbox、その他にアップロードするだけで済むことだ。それから、
  デバイス上のデータを削除しておき、目的地に到着してからクラウドのプロ
  バイダで同期し直せばよい。その段階でいくらか時間がかかる(ローミング
  料金も高くつくかもしれない)が、データを物理的に抱えたままで国境を越
  える必要がなくなる。
  
  このやり方には主として二つの問題があり得る。一つは、デバイス上でデー
  タを削除しても科学分析によって回復されることが多いという事実だ。何か
  をデバイスから削除したからといって、熟練者の手でそれが復活しないとい
  うことはない。もう一つは、国境係官が単純にあなたのクラウドアカウント
  のパスワードを要求すれば何の防御にもならないことだ。(忘れないで頂き
  たいが、国境係官に嘘をつくのは犯罪だ。)
  
* あなたのパスワードを知らないでおく。これはたぶん最も細心の注意を払う
  必要のある、しかも最も多くの準備を要するやり方だ。けれども私が一緒に
  仕事をしたことのある弁護士の一人は長年にわたってこの方法を使っている。
  最近、機密情報を携えて旅行しなければならなかった際に、彼は非常に長く
  て到底覚えられない強力なパスワードを使ってそれを暗号化し、それからそ
  のパスワードを暗号化ノートの中に入れて彼自身の弁護士に送っておいた。
  その結果として、たとえ彼がその暗号化されたデータのロックを外すように
  言われても、彼は 100 パーセント正直にそのパスワードを持っていないと
  答えることができる。その上、たとえその係官がパスワードを明かすために
  そのノートを取り寄せろと要求したとしても、弁護士・依頼者間の秘匿特権
  による保護の方が優先されるはずだ。
  
  デバイス、電子メール、ソーシャルメディアアカウント、銀行取引情報、そ
  の他のロックを外すためのパスワードについてこれと同様のやり方を使うこ
  とも可能だろう。けれどもそのためには多大な努力が要るし、信用ある第三
  者がほとんどすべての場合に必要となるだろう。(それに、その第三者がも
  しも何か誤りをすれば、あなたは二度とそのアカウントにアクセスできなく
  なるかもしれない。)その上、旅行者が自分のアカウントやデバイスのパス
  ワードを知らないと言い立てれば、国境係官はそれを極めて疑わしい態度だ
  と受け取るかもしれず、結果として一段と詳しい取り調べを受けたり、さら
  には拘束されたりする可能性も増すことになる。
  
  
**もしもあなたのデバイスや情報が取り上げられたら...** -- もしも国境係官
  があなたのデバイスを押収したら、丁寧な言葉で資産預かり証を要求しよう。
  もしも国境係官に不当な扱いを受けたと感じたり、あるいはあなたの権利が侵
  害されていると感じたりしたなら、丁寧な言葉でその係官の名前とバッジ番号、
  それにあなたが対面した係官たちの所属部署を尋ねよう。決して粗野な、攻撃
  的な、あるいはけんか腰の態度を見せてはならない。そのような態度があなた
  の有利になることは決してないからだ。また、国境係官の動きを身体的に妨害
  してはならない。そんなことをすれば、彼らは腕力で応じて来るだろう。
  
  
**もっとよく知りたい場合は** -- この記事は、個人的データを携えてアメリカ
  合衆国の国境を越える際に起こり得るいくつかの問題について概観したのみに
  過ぎない。それに私は弁護士ではないので、この記事を法律的助言と受け取ら
  ないで頂きたい!
  
  幸いにも、これらの話題には本物の弁護士たちによって書かれたもっと詳細な
  ガイド本がある。この話題に特に関心がある方に、次の二冊をお薦めしたい:
  
* The American Civil Liberties Union (米国自由人権協会) が、国境でのデ
  バイスやデータの検査を巡る問題点を詳細に述べたものを出版している。ま
  た、国境を越える際の問題点のさまざまの面について情報を提供している。
  
<https://www.aclu.org/blog/free-future/can-border-agents-search-your-electronic-devices-its-complicated>
<https://www.aclu.org/know-your-rights/what-do-when-encountering-law-enforcement-airports-and-other-ports-entry-us>
  
* The Electronic Frontier Foundation (電子フロンティア財団) が最近、
  Digital Privacy at the U.S. Border というガイドブックを出版した。こ
  れはウェブ上でも読めるし、印刷可能な PDF としても入手できる。
  
<https://www.eff.org/wp/digital-privacy-us-border-2017>
  
  加えて、米国の国境において国境係官がデバイスの上で何を検査できて何を検
  査できないかに関する法律的問題は今もまだ明確に規定されていない。裁判所
  で審理中の事例もあるし、デジタル機器を検査するにはあらかじめ令状が必要
  となると定める法案はまだ連邦議会への提出に向けて準備中の段階だ。
  
<https://www.wyden.senate.gov/download/?id=9CDE0A37-24DD-4D05-B199-C7E160CAA088>
  
  状況は複雑で、時とともにますます複雑の度を増しつつある。けれどもあなた
  が国境を越える際にご自分のデータのプライバシーに少しでも懸念を持ってい
  るのならば、パスポートや身分証明書を呈示する前にしっかりと準備を整えて
  おくべきだ。
  
  このようなデバイス検査は、旅行に対するあなたの姿勢に変化をもたらすだろ
  うか? 私たちは現在、非公式の Twitter アンケートで皆さんの意見を集めて
  いる。アンケートは 2017 年 4 月 25 日まで続けるが、現在のところ圧倒的
  大多数の回答が、イエス、以前とは違った行動を取ることになるという声だ。
  
<https://twitter.com/TidBITS/status/854736282249035776>
  
  
  ----
  コメントリンク: <http://tidbits.com/e/17173#comments>
  Twitter リンク: <http://tidbits.com/t/17173>
  
  
TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2017 年 4 月 24 日
-----------------------------------------------------------
   文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
   原文記事: <http://tidbits.com/e/17193>
   訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
**EagleFiler 1.7.6** -- C-Command Software が EagleFiler 1.7.6 をリリー
  スして、カスタム URL スキーム x-eaglefiler を使った新しい検索オプショ
  ンへの対応を追加した。これで Alfred、LaunchBar、その他 URL スキームに
  対応するアプリケーションから EagleFiler 検索を開始することができるし、
  ランチャーアプリが現在の EagleFiler ライブラリを検索するように設定する
  ことも、また特定のライブラリを開いて検索するショートカットを作ることも
  できるようになった。この書類整理およびアーカイブ作成用アプリは今回から、
  記録リストの中やテキスト・電子メール記録の中で検索でマッチした部分をハ
  イライト表示する際に Match Partial Words 設定に従うようになり、File > 
  Open を使った際にライブラリを既存のライブラリウィンドウの後ろ側に開い
  てしまった macOS 10.12 Sierra のバグを回避し、OmniOutliner 5 (2017 年 
  4 月 7 日の記事“OmniOutliner Essentials および Pro 5.0.1”参照) の圧
  縮フラットファイルをテキストファイルとして読み込んでしまっていた問題を
  解消している。(C-Command Software からも Mac App Store からも新規購入 
  $40、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、18.0 MB、リ
  リースノート、10.6.8+)
  
<http://c-command.com/eaglefiler/>
<http://tidbits.com/article/17162>
  (日本語)<http://jp.tidbits.com/TidBITS-jp-1364.html#lnk6>
  "OmniOutliner Essentials および Pro 5.0.1"
<http://tidbits.com/member_benefits.html>
<https://itunes.apple.com/us/app/eaglefiler/id414232012?mt=12>
<https://c-command.com/blog/2017/04/18/eaglefiler-1-7-6/>
  
  EagleFiler 1.7.6 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/17188#comments>
  
  
**Parallels Desktop 12.2.0** -- Parallels が Parallels Desktop のバージョ
  ン 12.2.0 (build 41591) をリリースして、全体的な安定性とパフォーマンス
  の問題に対処するとともに、いくつかのバグも修正した。この仮想化ソフトウェ
  アは Boot Camp 仮想マシンアプリケーションが Dock に現われなかった問題
  を修正し、Mac から Windows 10 Creators Update へファイルをドラッグ&ド
  ロップできなかったバグを修正し、ウェブページが Mac 上でなく Windows 10 
  Creators Update の中に開いてしまった問題を解消し、Boot Camp 仮想マシン
  の構成を変更する度に Parallels Tools が再インストールされたバグを修正
  している。(Standard Edition の新規購入 $79.99、Pro/Business Edition は
  年額 $99.99 の購読、無料アップデート、256 MB、リリースノート、10.10.5+)
  
<http://www.parallels.com/products/desktop/>
  (日本語)<http://www.parallels.com/jp/products/desktop>
  "Mac 上で Windows の起動 | Parallels Desktop 12 for Mac"
<https://blogs.windows.com/windowsexperience/2017/04/11/whats-new-in-the-windows-10-creators-update/>
<http://kb.parallels.com/en/123948>
  
  Parallels Desktop 12.2.0 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/17187#comments>
  
  
**Lightroom CC 2015.10 と Lightroom 6.10** -- Adobe が、独立動作の 
  Lightroom 6.10 と Lightroom CC 2015.10 (Adobe の Creative Cloud の一部
  として入手可能) をリリースして、バグ修正を施し、さらなるカメラやレンズ
  への対応を追加した。これら二つのプロフェッショナル向け写真カタログ・編
  集アプリケーションは、Auto Import メニュー項目での問題点を解消し、プリ
  セットが Color Presets の下にリストされる機能を復活させ、Tone Curve に
  関係したバグ(Wacom スタイラスを使っている際の不正確な動きなど)を修正
  している。今回のアップデートではまた、Canon EOS M6、Canon EOS Digital 
  Rebel T7i、Canon EOS 77D、Pentax KP 各カメラ、さらに 20 以上のレンズに
  対するサポートも追加した。(月額 $9.99 の購読、または $149 の独立動作ア
  プリ、無料アップデート、リリースノート、Lightroom CC 2015.10 は 10.8+、
  独立動作の Lightroom 6.10 は 10.9+)
  
<http://www.adobe.com/products/photoshop-lightroom.html>
<https://blogs.adobe.com/lightroomjournal/2017/04/lightroom-cc-2015-10-now-available.html>
  
  Lightroom CC 2015.10 と Lightroom 6.10 へのコメントリンク: 
<http://tidbits.com/article/17186#comments>
  
  
ExtraBITS、2017 年 4 月 24 日
-----------------------------
   文: TidBITS Staff: <editors @ tidbits.com>
   原文記事: <http://tidbits.com/e/17192>
   訳: Mark Nagata <nagata @ kurims.kyoto-u.ac.jp>
  
  今週の ExtraBITS では、iCloud ストレージや Apple Music 購読が廃止となっ
  たと書かれた電子メールメッセージが誤って送られてしまった問題を Apple 
  が謝罪し、Apple CEO の Tim Cook が自動車共有会社 Uber を iPhone ユーザー
  たちにスパイ行為を働いたとして非難した。
  
  
**Apple、異様な "Discontinued" 電子メールメッセージの存在を認める** -- 
  iCloud ストレージまたは Apple Music のいずれかを購読している人は、奇妙
  なメッセージが Apple から届いて購読が先週廃止となったと言ってきたのに
  気付いたかもしれない。当時、これはサーバの不具合のために誤って送信され
  てしまったものではないかという臆測が流れたが、どうやらその予想が正しかっ
  たようだ。数日後に、Apple は影響を受けたユーザーたちに謝罪し、あのメッ
  セージが誤って送られてものであることを認めるとともに、iCloud ストレー
  ジや Apple Music の購読に何の変更もないことを確認した。間違いは起こり
  得る。大切なのは、Apple がきちんと責任を取ったことだ。
  
<https://9to5mac.com/2017/04/22/apple-icloud-errors-resolved-apology/>
  
  コメントリンク: <http://tidbits.com/article/17184#comments>
  
  
**Tim Cook、iPhone ユーザーをスパイしたとして Uber を叱る** -- 自動車共
  有会社 Uber の 2017 年はここまで苦難続きだった。たちの悪いビジネス慣行
  が次々と明るみに出たからだ。けれども New York Times に載った Mike Isaac 
  の報告は、多くの Apple ユーザーの堪忍袋の緒を切るものとなるかもしれな
  い。Uber が人気の高い同社のアプリを利用して秘かに iPhone を識別し追跡
  していたことが明らかになったのだ。たとえそのアプリが削除され、iPhone 
  が消去された後でも追跡は続く。その上 Uber は Apple 本社近辺のジオフェ
  ンス内部でそのコードが誰にも見えないように隠すということまでしていた。
  2015 年初頭、Apple CEO の Tim Cook は Uber CEO の Travis Kalanick を自
  分の部屋に呼び出し、これを止めるように命じた。Uber はそうしたが、Uber 
  の創設者であり CEO でもある Travis Kalanick の経歴を紹介したこの長々し
  い記事を読めば、その後も他のさまざまの不正行為があったことが分かる。
  
<https://www.nytimes.com/2017/04/23/technology/travis-kalanick-pushes-uber-and-himself-to-the-precipice.html>
  
  コメントリンク: <http://tidbits.com/article/17191#comments>
  
  
$$




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